ホルモン屋徒然草~珍しホルブロだ

新米ホルモン屋の親爺の日々。ホルモンのこと、店の出来事、周辺の自然や話題。

煮込む、煮込めば、煮込み

2007-03-28 01:12:35 | ホルモン・肉
今、部屋に着く。
最終のご予約のお客様が帰られてから2時間。
飲んでいたわけでは無い(いや最後の30分は飲んでいた)。煮込み3種を仕込んでいたからである。
なにせ、明日は「いわちくさん」ご一行がいらっしゃる。私の緊張感はぎりぎり張りつめている(ちょっと日本語、おかしい)。なにせ、「いわちくさん」がいなければこの店は成り立たないわけであるから。上客である。失する訳にはいかない。
肉や内蔵だけでは満足させる事はできないだろう。一ひねり必要なわけである。
ならば、煮込みだ。
「お~い、T嬢(当店の従業員)。明日、煮込みだせよ~。」
「なにいっているの、オーナー。煮込みも牛スジもないよ~。売り切れ。牛スジ無いって言ったのに、昨日、オーナーは牛スジぷるぷるカレー作ったでしょう」
確かに、カレーを作っておかわりしたのは私です。
という事で、牛スジ煮込み、モツ煮込みの定番と、ラフティー風角煮をつくるはめに。
牛スジはこの間から白味噌風味。モツ煮込みはをかしら屋らしく辛味噌仕立て。モツは最近は「ガツ」が多い。今回はイルカのハツも入っている。ラフティーは甘味を数種、新婚旅行の味である。箸で切れる、のがうたい文句。

さてさて、牛スジといい、ガツといい、固いものほど煮込むと柔らかくなる(ただし、ナンコツ類はのぞく)。牛スジは1時間50分、ガツは1時間ほどで柔らかくなる。火は弱め。厚めの大振りの鍋から、ふつふつと5筋くらい泡がでるくらいの温度、約85℃から93℃以内で煮込む。これ以上では柔らかくならないし、これ以下では味が出ない(というより低い温度を保つのは難しい)。
煮込んで、ある一瞬、固い筋が柔らかくなる。「ずっと固くしていたけど、もう我慢できないから、柔らかくなってあげる。ね、食べて。」と、すり寄ってくる時間と環境があるわけである。コホン。
もちろん、アクとりやその後の洗い、調味料の入れるタイミングなどある訳であるが、不思議なのは柔らかくなる一瞬である。
これ以上いじめてはいけないし、ここまで待たないといけない。
そして、一晩、あるいは何回か、温めては冷ましながら、煮汁がしみ込むのを待つ事も必要である。当店のスープも同様である。
温度や塩濃度、当然のように物性により味のはいりは違うわけである。

さてさて、このようにしておいしい煮込みができる。
とりあえず一晩寝かして、味の調整は明日。楽しみだな。

次回は、ギアラの煮込みに挑戦したいと思う。
さて、24時をまわり、今日、いわちくさん(アネックスカワトク店ご一行様)がいらっしゃる。久しぶりに「ガラポン」でもやるか。当店の従業員はもう察して、フルーツを買い込む算段をしている。
「ガラポン」って」な~に。
それは、そのうち教えます。

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1 コメント

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煮込み食べてぇ~ (苔爺)
2007-03-28 06:32:49
マスターの煮込みは絶品なんだよね、記事読んでるだけで食べたくなってくる。売り切れにならないうち行きたいけど・・・・エ~ンエ~ン。。あ~あの味噌味と柔らかいモツのコラオレーション、ギャー助けて!!

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