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バルトーク、ルトスワフスキ:管弦楽のための協奏曲

2013-01-14 21:20:31 | CD


ベーラ・バルトーク:
・管弦楽のための協奏曲 Sz 116

ヴィトルト・ルトスワフスキ:
・管弦楽のための協奏曲

指揮:アンドリュー・デイヴィス
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

FINLANDIA: 0630-14909-2



 管弦楽のための協奏曲(通称「オケコン」)と言えば多くの人はバルトークの作品を思い浮かべるかもしれませんが、私がCDを持っているだけでも他にルトスワフスキ、バツェヴィチ、セッションズなどの作曲家がオケコンを作っています。このディスクは、私がどうしてもルトスワフスキのオケコンを聴きたくて探していた時に、ひょっとしたらバルトークのオケコンとカップリングしているのがあるかも知れないと考えて見つけたものでした。

 バルトークのオケコンについては別のディスクで触れるつもりですが、ちょっとだけ述べておきますと、もともと陰険なバルトークの音楽を一見して聴きやすくしたかのように思わせて実は聴衆すら鼻で笑っているようなヒネクレ音楽です。このディスクでは変に熱狂せずに冷静に演奏しているため、ヒネクレ感が掴みやすいかと思われます。

 一方のルトスワフスキは現代ポーランド作曲家の中で最も有名な一人で、オケコンはバルトークの作品に影響を受けて作られたものでしょう。この作品はルトスワフスキの出世作となりました。全3楽章ですが、第2および3楽章をそれぞれ二つに分けることができ、全5楽章のバルトークのオケコンを思わせる構成になっています。

 ルトスワフスキの作品はいずれも緊張感がみなぎっており、全体的にバルトークを思わせるような雰囲気があります。その上で、いくらか聴きやすい曲想も持ちながらも生煮え感のあるフレーズを次々にかぶせてくるといった食えなさ加減は独自のものでしょう。このオケコンでは協奏曲にふさわしく比較的軽めの音楽ながら、のどにつっかえるような印象があります。もちろん管弦楽のための協奏曲ですから各楽器の見せ場があって演奏効果は高いでしょう。下手なオケでは難しいでしょうけれど。

 取っ付きやすさ、名人芸、作曲家のスタンス等を兼ね備えたオケコンというくくりの総本山はバルトークの作品なのは間違いありませんが、色々なオケコンを聴き比べて行くのも面白いものです。



 動画はルトスワフスキのオケコン第3楽章後半の曲のクライマックス部分。2分18秒や6分00秒あたりの曲想とオーケストレーションがいかにもルトスワフスキっぽくて好きです。巨神兵が歩いて来るような第1楽章、精妙なスケルツォと軍隊の式典のような展開の対比が面白い第2楽章もいいですよ。


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