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ナムコレクション - エースコンバット2

2013-05-31 22:54:30 | ゲーム
 「ナムコレクション」はナムコ50周年記念ということで、プレステで発売された以下の5タイトルをまとめてプレステ2用ソフトに収録したものです。いずれも各ジャンルの名作と言われるものでしょう。

 ・リッジレーサー
 ・鉄拳
 ・エースコンバット2
 ・風のクロノア
 ・ミスタードリラー

 プレステ2内部のプレステチップは使用しておらず、エミュレーションによる動作だと思われます。どのタイトルもおおよそ良い移植度のようですが、部分的に差し替えや改良があるようです。私は「ミスタードリラー」が一番の目当てで買ったのですが、今回紹介する「エースコンバット2」もそこそこ期待していたのでした。

 エースコンバットシリーズは以前に「エースコンバット・ゼロ」をプレイし、結構やり込んでいました。ただし「ゼロ」とは言っても発売されたのは「5」の後ですから、今さら「2」までさかのぼってもプレイに耐えうるクオリティかというのは心配ではありました。

 というわけで、私の心配を理解していただくために、当時さんざんプレイした「ゼロ」のオープニングムービーから観てみましょう。



 なんせ私にとってのエースコンバット体験はこのノリと盛り上がりだったものですから。一方「2」のオープニングは…。



 思った通りシンプルで淡々としていて、のどかささえ感じますね。ただもちろんムービーを比較しても意味はありません。結論から言うと、さすがにグラフィック的には一時代前のものですが、プレイの操作感覚や敵機にミサイルがヒットした時の手応えなどは「ゼロ」と同様のものでした(ナムコレクション版として調整されたのかもしれませんが)。

 ステージ数は「ゼロ」より多く、21あります。ただし途中で分岐があるため、のべ30ステージあります。全ステージを出現させるには通しプレイが4回必要ですが、データセーブをうまく使えばかなり省略できるでしょう。ステージの仕掛けとしては、「ゼロ」にあったような超兵器や超展開はなく、比較的現実味のあるステージ構成になっています(もちろん通常の戦闘機がミサイルを何十発も搭載しているなんてところからして現実的ではないんですけど)。似たようなステージも幾つもあって、そのあたりの反省点がその後のシリーズに活かされたのでしょう。

 全体の流れとしては大きなターニングポイントがあるでもなく、戦況に沿って与えられたミッションを黙々とこなしていく事になります。このあたり「ゼロ」で見られるような「私がやらねばならん!」的な使命感は希薄ですが、このドライさこそプロフェッショナルの現場だと考えれば、この雰囲気も決して悪くはありません。

 敵のエース機が少なかったり、クリア後にはタイムアタックモードくらいしかやり込み要素がなかったりではありますが、これくらいのボリュームでも満足です。とりあえずノーマルとハードで通しプレイをして全ステージ出現させ、全機体を購入して使用し、最高の階級「Commander in Chief」を獲得し、全勲章を取得し、タイムアタックで全難易度で全ステージクリアしたのでクリア認定です。タイムアタックの記録更新はまた引っ張り出してきた時に狙っていきましょう。

 さてこうなるとシリーズを一通りプレイしたくなってきます。実は以前にビックカメラのポイント消費のために「5」を購入して積んでいまして、そちらをまずプレイしようか、それとも「1」「3」「04」と進めるか(なんで「4」だけ「04」表記なんだ?)。こんなことばかりしているから、いつまでたっても我が家のゲーム機はプレステ2から進めないでいるのです。

日野日出志「恐怖列車」

2013-05-12 22:16:29 | 日野日出志


 ひばりヒットコミックスの本巻には「恐怖列車」「狂人時代」「地獄小僧(の後半)」が収録されています。表題作「恐怖列車」は作者の代表作ではないような気がしますし、あまりいい評判も聞いたことがありません。長編でも短編でもない中途半端な長さで、展開も荒唐無稽、列車はそれほど話に関係ない、というB級っぷりが目立ちます。けれども、むしろ、日曜の昼下がりにテレビ東京が放送している映画のような「B級ホラー」っぷりを忠実に再現しているのかもしれません。

 主人公の秀一は、ユキちゃんとブーちゃんとともに田舎に遊びに行った帰りに電車に乗っていますが、その電車がトンネルの中で突然停電し、大きな音と振動に襲われます。すぐに停電は回復するのですが、秀一の向かいに座っていた黒いコートの男がカラスの羽根を一枚残したままいなくなってしまいます。そして周囲の乗客の様子を見ると…。



 なぜか全員正気を失っているようなのです。コマをまたいだ「ゴーーーーッ」という描き文字も不気味です。

 そして列車は東京に着き、3人はそれぞれ家に帰るのですが、秀一の家から黒いコートの男が出てくるのが見え、玄関先にはカラスの羽根が落ちています。この瞬間、列車での恐怖が秀一の頭の中を走り抜けるのです。家に飛び込んだ秀一は家族の普段の様子を見てほっとするのですが、よく見ると両親の首に見たことの無いホクロや傷があり、態度も急に変わったりしてどうもおかしな感じです。そして深夜、秀一が物音に気付いて見に行ってみると、両親が誰かの死体を庭に埋めているのでした。



 両親に見つかった秀一はなんとか見逃してもらうのでした。このあたりのページから人物の顔の絵柄が凄まじいものになっていきまして、まるで楳図かずお作品なみの描き込みです。

 次の日、ユキちゃんとブーちゃんも同じ体験をしていると聞き、担任の先生に相談するのですが、そのことを秀一の両親に知られてしまってブーちゃんは殺されてしまいます。秀一はユキちゃんと逃げるのですが…。



 ユキちゃんもビルの屋上から落とされて死んでしまうのです。ユキちゃんの死体の描写が明確でないのが余計に恐怖を感じさせます。この左下のコマの絵の構図はコミックス表紙にも使われていますね。

 この後は夜の遊園地のお化け屋敷、ジェットコースター、動物園の大蛇の檻と「なんでわざわざそんなところに行くんだ!」と突っ込みたくなるような不条理ながらもスピーディーな展開。けれども結局は両親に捕まってしまい、縛られて線路の上に置かれてしまうのです。



 電車に轢かれそうになった瞬間、秀一は病院のベッドの上で目を覚まします。どうやら田舎から帰る列車がトンネル内で事故を起こして以来、秀一は意識不明だったらしいのです。そして怪我も治って退院する秀一が両親の首に見たものは………。

 後半の荒唐無稽な展開も「実は悪夢でした」という理由で説明はつくのですが、悪夢と現実の境界がわからない、あと何回悪夢から覚めなければならないかわからないという恐怖が後を引きます。こういった悪夢・幻覚と現実の多重映しは日野日出志作品の特徴ではありますが、本作では主人公(または作者)の情念のようなものは希薄で、いわば「恐怖のための恐怖」を描いているという日野日出志作品としては比較的珍しいポジションではないでしょうか。というわけで、全体の構成や深いテーマといったものはあまり気にせず、瞬間瞬間の不条理な恐怖と誇張された絵柄に注目するとなかなか楽しめる作品です。

 蛇足ですが、上の画像の左端コマ外には「●ひばり書房の本に君の名前がのっていたら、その本の題名を葉書でしらせてよ。次回のゲームデンタクが当る抽選に優先参加できちゃうんだよ~ん。(コマーシャル)」と書いてあります。ひばりヒットコミックスには大抵掲載されている一文で、あまりに場違いな文体なので腰砕けになってしまいます。「君の名前がのっていたら」どころか住所まで載っていたりするのですが、おおらかな時代でした。

 ゲーム電卓といえばこちらもどうぞ。


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