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ショスタコーヴィチ:交響曲第14番「死者の歌」

2010-10-01 21:02:47 | CD


ドミートリィ・ショスタコーヴィチ:
・交響曲第14番 ト短調 作品135「死者の歌」

指揮:ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
ソプラノ:マクワラ・カスラシュビリ
バス:アナトリー・サフューリン
ソビエト国立文化省交響楽団

ビクター音楽産業: VDC-1093



 弦楽器、打楽器と声楽による11楽章構成の歌曲集のような交響曲。ショスタコの交響曲は死臭漂うものばかりですが、その中でも特定の事件や時代に関わらず、最も普遍的な「死」そのものを表した一曲。個人的にはトラウマ級のインパクト。

 十二音列やトーン・クラスターなどの技法が使われていることでも知られています。スターリン時代のソビエトは新しい音楽技法は当局からの批判の対象になっていました。ですが、私が思うに、ショスタコは新しい音楽技法が使いたかったのではないでしょうか。そこで、不安定な音響効果を持つ技法を正当化するために、普遍的かつ極限的なテーマに用いたのではないか、という気がします。

 ニタニタと気味の悪い笑い顔をしたような第2楽章。続けて演奏される第3楽章は、ソプラノ&弦がバス&シロフォンとの対話の果てに身を投げるという救いの無い展開。第4楽章とともに鐘の音があからさまに死を表現します。十二音列で始まる第5楽章はガイコツが嘲笑しながら踊っているよう、トーン・クラスターで終わる第8楽章は死が人生を蹂躙しているようです。

 その昔、家でラジオを聞いていたらこの交響曲第14番の第3楽章が流れました。そしてあまりの衝撃にすぐにこのCDを買いに行ったのです。ショスタコの交響曲の中で私が一番好きなのが、この第14番です。



 変な動画がありました。BGMとして流れる「死者の歌」はこのCDからの録音と思われます。いくつかの楽章を編集しています。


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