おかもろぐ(再)

趣味のブログ

【ゲームクエスト】東京バス案内 今日から君も運転手

2010-09-30 22:46:35 | ゲームクエスト
東京バス案内 今日から君も運転手(プレイステーション2)

2005年12月21日掲載

----------------------------------------------------------------

 「東京バス案内」ではお台場、新宿、青梅の3コースで運転できると知って購入しました。私は二十歳まで、この新宿コースの近所に住んでいました。ゲーム中のコースでは、町並みが結構リアルに再現されています。自分の生活圏だった街をバスで走るのは感慨深いものだろうとお思いになるでしょう。・・・ところが! 本作の購入理由は他にあったのです。それは、行きつけの本屋に、母校の小学校に、友人の住んでいるマンションに、高速で飛ばす都バスを激突させるというアナーキーなプレイが目的なのでした! 炎上したりはせず、ただ弾かれてゲームオーバーになるだけですが・・・。

 まともなプレイもせずに、二つの意味で危険な遊び方をしばらく続けていました。ただ、激突ポイントまでにゲームオーバーになっては意味が無いので、そこまでは細心の注意を払って運転することにしていました。

      ◇      ◇      ◇

 ・・・・・・なぜこんなに楽しいのでしょうか!! 激突の方じゃなくて、安全運転が、です! 派手なアクションもスピード感も無く、「交通ルール」、「運転マナー」、「運行ダイヤ」のように守るべきものが一杯です。退屈で窮屈なゲームになってもおかしくないのに、この楽しさは何なんでしょう!

 テレビゲームの根幹を、「あるルールのもとで、映像などから状況を把握し、適切な操作をする」としてみれば、本作は非常にゲームとして分かりやすい構図をしていると考えられます。ルールとは交通ルールそのものです。交通状況は映像の他にクラクションなどの音でも分かりますし、バスの状態はコントローラの振動からも伝わります。適切な操作とは、安全で滑らかな運転のことです。ルール違反や危険な運転は減点され、持ち点がゼロになるとゲームオーバー、というのがゲーム的な点でしょう。このようにゲームとしての体裁が成立した上で、プレイヤーの行動の選択肢が多いほど懐の深いゲームと言えそうです。

 守るべきルールがたくさんあるように思われますが、実際はかなり自由度が高い運転が出来ます。バス優先の車線が混んでいれば隣を走れば良いのです。制限速度は時速5kmまでならオーバーしても減点されませんし、そもそも巡航速度はゆっくりでも十分間に合います。少々の減点はすぐ回復しますし、減速が間に合わずに信号無視の判定をくらっても、持ち点さえあれば一回くらいはセーフです。

 だからといって、スイスイ走れるドライブゲームとはやはり違います。バスならではの巨体のため、内輪差が大きかったり加速・減速に一呼吸かかったりするので、独特の難しさがあります。アナウンス忘れやウインカーミスも多いことでしょう。コースも意外と長いため、緊張が途切れて連続ミスということもあります。だからこそ初めて終点にたどり着いた時には、深い感動が得られるのです。

 そしてこの感動には、様々なものが含まれています。ゴールインの達成感、バスが安全に走っているという当たり前の現実、高度な技術を身につけたプロフェッショナルの存在感、そしてプロフェッショナルに迫る運転をしてみせた自分の可能性、です。

 私が思うにプロフェッショナルとは、社会に奉仕する人、ではありません。自分の技術と経験を駆使して客の要望に応え、そのことに誇りを持つ人のことです。自分が納得できる仕事を完成させるのがプロフェッショナルです。そういったプロ意識を強く刻み込んでくれたのがこのゲームでした。何かのプロとして自分の道を追求していけば、それが結果的に社会へとつながって、自分の存在意義を見いだすことが出来るのではないかと思いました。だから、社会に対して不安や不満がある人がこのゲームをプレーすれば、きっと大きな自信と社会への理解が得られるでしょう!

 アナーキープレイの私が言うのですから間違いありません!!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿