バレエ&音楽日記

舞台は一期一会。素敵な舞台にまた出会えますように…。

新国バレエ: ロミオとジュリエット, Jun.26,2011

2011-07-01 23:57:21 | 国内バレエ
観て参りました。
リャーンはやっぱり凄かった。背中で語ってました。
あと、日本人キャストでは輪島ティボルトが頭一つ以上、抜け出てました。

詳細は後ほど・・・気になったところだけ、とりあえず。


さて、公演から一週間近くが経過してしまいました。相変わらず
平日は本業で目一杯なため、なかなかブログの更新までは手が回らず・・・

マクミラン版の「ロミジュリ」といえば、昨年のロイヤル・バレエの
感動が記憶に新しいところ。
東京では吉田都さんの退団公演の演目でもあり、兵庫でも
ロベルタ・マルケスとスティーブン・マックレーの舞台が記憶に新しいところ。

さらに、その前の同じくロイヤル来日公演では大阪でガラ公演が行われましたが、
その中で吉田都さんとエドワード・ワトソンがバルコニーのシーンを
踊り、その感動は今でも深く記憶に刻まれています。

さて、新国立劇場といえば、私にとっては「オペラを観るところ」。
「愛の妙薬」「鹿鳴館」「アラベッラ」「椿姫」と、数はさほど
多くはないものの、大阪から足を運んできました。
ですが、バレエといえば・・・4年前にKバレエの「ドン・キ」を観たっきり。
つまり、劇場専属のバレエ団を私は観たことがなかったのです!

というわけで、この「ロミジュリ」が、私にとっての新国バレエ
初鑑賞となりました。

主役にはロイヤル・バレエからリャーン・ベンジャミンと
BRBからセザール・モラレスがゲスト出演。ベンジャミンを観るのは
実は初めてですが、確か映像では観たことがあったはず(コッペリア?)
モラレスは、つい先日のBRB来日公演でのオベロン役が記憶に新しいところ。
そして期待にたがわず、主役ペアは素晴らしいパフォーマンスを
見せてくれました。

今までに観てきたマクミラン版のジュリエットといえば都さん(バルコニーのみ)と
マルケス。都さんはどちらかというと抑えた演技で、やはり
日本人女性としての資質が浮き彫りになっていたと思います。
マルケスは本当に可愛らしく、ともすれば演技もオーバー気味に
写ることも。リャーンのジュリエットは、そのどちらとも違ったというか。
西洋人らしいというか、解放感のあるノリではあるのですが
決してオーバーにはならない。ほんの少し顔を動かして見せるだけで
ジュリエットの心中が伝わってくるかのよう。
腕のライン、そして何より背中が雄弁に語っていた。

一方のロミオ役はモラレス。彼のオベロンは素晴らしかったので
期待していたダンサーの一人。リャーンはどちらかと少し
大人のジュリエットだったのに対して、お兄さんというより対等な
イメージか?冒頭、悪ガキ三人組がユニゾンで踊る時の
技術の確かさが目を惹いた。

その他、ソリストクラスで目を惹いたのはなんといっても
ティボルトの輪島さん。彼はKにいた、まだ若い頃から大好きな
ダンサー。「二羽の鳩」で都さんのパートナーを務め、
「海賊」ではランケデムが素晴らしかった。その彼が新国に移籍して
しまって残念に思っていたけれど、やはり技術の確かさや演技力、どれを
とっても他のダンサーから頭一つ以上抜きんでていたと思う。

と、ここまでは素晴らしかったのだけれど、他のソリストは・・・
アンサンブルの面でも、演技力の面でも、ちょっと残念な感じ。
ロイヤルの映像を繰り返し観ているせいでそれがデフォルトになっている
ということもあるかもしれないけれど、マクミランを踊りこんでいる
ダンサーと、そうでない人とでは作品そのものの完成度も
違ってきてしまうのだなぁと思わされた。

悪ガキ三人組。モラレスは素晴らしかったが、ベンヴォーリオの菅野さんが
かろうじて及第点。マキューシオは福田さんだったけど、
一人だけ音の取り方がずれてしまっていたりいろいろ残念。
マキューシオの死にっぷりといえば哲也の当たり役だったし、
Kでは橋本さんが鮮烈な印象を残している。それと比べるとやはり
物足りないと言わざるを得ないかな、と。

そしてパリス。厚地さんはBRBから移籍してきたダンサーだけれども、
サポートが致命的。ずっと新国にいるダンサーとは違って
マクミランにも多少は馴染んでいるはずだろうに・・・
ほとんどサポートだけの役といえるだけに、残念、の印象しかない。
ジュリエットはオフバランスなわけだから、サポートが
しっかりしていないと怪我につながってしまうのだから・・・。

あと、マンドリンのソリストらしいのだけれど・・・なぜか、
「ムック」が登場して思わず目が点になってしまったのを
やっぱり書かずにはいられない、よね?


セルゲイ・プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」

振付 ケネス・マクミラン
舞台美術・衣装 ポール・アンドリュース
照明 沢田祐二

ジュリエット リャーン・ベンジャミン
ロミオ セザール・モラレス

マキューシオ 福田圭吾
ティボルト 輪島拓也
ベンヴォーリオ 菅野英男
パリス 厚地康雄

キャピュレット卿 森田健太郎
キャピュレット夫人 湯川麻美子
乳母 遠藤睦子
ロザライン 川村真樹
大公 内藤博
ロレンス神父 石井四郎

大井剛史指揮 東京フィルハーモニー管弦楽団


2011年6月26日(日)14:00開演
新国立劇場バレエ団
「ロミオとジュリエット」
オペラパレス

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れんコン (kanako)
2011-06-26 21:23:58
わじーが出てきた瞬間、どこのバレエ団だったかわからなくなったのは、私だけではないはずwww
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kanako嬢 (Odette)
2011-07-02 00:00:39
輪島氏、Kにいるべきだったよ彼は・・・。

まぁ、日本人で惹かれたのは彼一人だったから、彼がいてくれてよかったという
べきなのだろうが。
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ムック (kanako)
2011-07-15 02:05:21
やはりムックはあれは衝撃的だった。なぜあんな衣装にしてしまったのか?中世にあんなファンキーな服装はないはずであるのだが。最近、スタダンのシンデレラといい、メイン以外で驚かされることが多い気がする。
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kanako嬢 (odette)
2011-07-17 18:13:20
ムック、あれのインパクト強すぎて、他のことを観るのを忘れてしまうくらいだった
気がする。衣装デザイナーの意図を知りたいところ。
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