帯ちゃんシリーズ、第三弾!
今回は、帯ちゃんことさっちゃん自身が想い出語りをしています。
さっちゃんは彼との結婚を考え始めます。
するとやはり・・・、気になることが脳裏をかすめるのでした。
引き続き、『 さっちゃんと父 』、どうか宜しく、お見知り置き下さい。。。
≪其の19≫ 突然の告白
「ふーん、これお母さんの写真?」
ちょっとぉ今、目をそらせたやろ~、
どこ見てたの~や~ね。うまくごまかしちゃって・・・・・
「うん!そう!・・・・・・・ねえ、私に似てると思う?」
「え・・・と、どうかなあ?・・・」
そうやんね~!急に言われたら考えるやんね~。
「あんまり、似てないやろ!」
「え、そうかなあ・・・?」
なにゆうねんこのこは???なんて思ってるだろうな~
「・・・本当の親と違うねん。両方とも血が繋がってないねん。」
「えっ!!・・・」
とうとう言っちゃったぁぁあああ~~~
このあとどうすりゃいいのさこのわたし~~~
12月の父の手術から後、彼からは毎日のように電話があった。
今は携帯なんて自分の部屋でもできる電話があって、思いっきり
おしゃべりしてても文句も言われずにすむが、私たちのころは、
家族の前で彼女にTELはあたりまえの光景だった。
家族のほうがそばを離れてくれたりしていたものだった。
彼が私の処への電話中に、毎回のように
「一回遊びにおいで~!」というお母さんの声がしていた。
一度、受話器を奪い取って
「母で~~す。1回、顔見せに来てね!待ってるワン!」
と言ったこともある楽しそうなお母さんだった。
その翌年のお正月15日、成人式の日、私は彼の迎えを待って、大阪の
住吉大社へお参りをしてから、彼のお宅訪問となったのである。
付き合いだして7か月が過ぎたころ、彼の家が以外と大きかったことが
気になっていた。当時ゴルフショップの名残りの入口や金物屋から
電気関連を加えていったような家電製品製造事務所玄関、工場
出入口が横並びにあり、奥行きも結構あろうかと思われた。
私は、ホントのこというと今時古いと言われるかもしれないが、あの
楽しかったお正月のパーティー以来、身分違いを感じていたのである。
だから、初めて会った時のインスピレーション(=私はこの人と結婚
するかも知れない)が、もしかしたら錯覚かもしれないと思い始めていた。
・・・・・もしも別れがあるなら・・・・・
私が彼に秘密を打ち明けたときか、彼が両親に打ち明けた時、
そう思っていた。前者はあり得ない、その自身があった。
気になるのは後者。両親・親戚全てから、もしかして猛反対を
受けるかもしれない。その時彼はどうするだろうか。
「駆け落ち」そんな言葉も頭をよぎった。しかし、これは絶対に
避けなければならない。なにより、父を置いてゆけない。
それに私の血が許さなかった。私は・・・
私から始まるルーツを、血の繋がりを、
幸せな家庭を・・・・・創りたかったのである。