帯ちゃんシリーズ、第三弾!
今回は、帯ちゃんことさっちゃん自身が想い出語りをしています。
父の決意、そして、引っ越し・・・とうとうさっちゃんの近くへ・・・
引き続き、『 さっちゃんと父 』、どうか宜しく、お見知り置き下さい。。。
≪其の24≫ 父の引っ越し
「もう、山に上るのん、しんどなってきたわ。わしも年やなあ。」
そりゃそうでしょ。70歳も過ぎていたら
とても自転車で8駅もある処へは行けんでしょ!
行きはよいよい、帰りは怖い・・なのによう~やるわ!
「そうか。とうとう、その気になったん?ほんで、一緒に住むか?」
たぶんいやや、いうやろな~~
「いらんわ。一人が気楽でいいわ!」
やっぱりなあ~!だと思ったよ!
「そう!ほんならそうしぃー!引越しの準備、しなあかんな。
私のもん、ほるもんほらんとなあ・・・。」
いざとなったら少し寂しいなあ・・・
子供が幼稚園のころ、自転車か徒歩で通っていた仕事も引退となり、
父がとうとう家を捨てる決心をした。もう充分、この家を懐かしんだ。
これからは、孫の顔を毎日でも見ていたい。最後の飼い犬も死んで
しまったし・・・、この家に思い残すことがなくなった。
ということで、とうとう、父は引っ越しの決意をした。
そして、私は最後の写真を撮った。幼い頃、父と初めて共作した野球バット
を持った男の子と女の子の絵、これは最後の日まで飾ってくれていた。
本類はかなりあったが全部持っていくわけにはいかず、近所の施設へ
寄付をした。漫画は全巻揃っていたものばかりだったので、喜ばれた。
「カムイ伝・外伝、55巻」「ワイルド7、48巻」「巨人の星18巻」など、
他にも数々あれど、ほとんど少年ものばかりだった。
当時の私の考え方が知られそうな気がするが・・・。
唯一、少女漫画の「ベルサイユのばら」のみ今でも本棚に残っている。
懐かしいものばかり出てきてなかなか片付けが捗らなかった。
父は、私のマンションから5分とかからぬ所へ来て結構、楽しそうだった。
毎日のように真ん前にある公園へと、散歩がてら幼稚園前のゆうちゃん
と一緒に遊んでくれた。一度、ゆうちゃんが顔を血だらけにして帰って
きたときは、流石の私も気が動転して
「うわ~~!どうしょうどうしょう!!」
と咄嗟に慌ててみたこともあるが、このときは石のオブジェの手前
でけつまづいてこけたらしく、目の上に切り傷ができたようだった。
そして、一度、こういう凄い姿を見れば、結構次からの対応ができる
自分に驚いたものである。母は強し!!実感である!!
今はもう実家は影も形もない。
その後はどうなっているのか・・・
最近行っていないからわからないが、
妙に行ってみたい気に駆られる。
町の人たちは皆、元気なのだろうか。
唯一、幼馴染の毎年の年賀状だけが昔を繋いでいる。
>とうとう、父は引っ越しの決意・・・・
決意・・・ん~n 何処か寂しいですネ
ジ~ンときます、燃焼しきったと言う感じですね。
ですが、娘の近くに行くということで、
張り切ってたかもしれません。
やはり、生まれ育った所は、故郷です。
是非跡地だけでも、見て見たいものですネ
>唯一、幼馴染の毎年の年賀状だけが昔を繋いでいる。
これは、意味深い年賀状ですネ
なかなか、真似の出来ないことです。
そうですね。実際は寂しかったと思います。
娘というより孫の顔を見れると張り切っていたのでしょうね。
毎日来てくれましたから。
お陰で、私は楽ちんでしたけどね。
故郷の段々畑に今は家が建っています。
しかし実家の付近まではたぶん無理だと思います。
近いうちに1度行く予定です。
年賀状の主の所です。楽しみです。