★桃源深更深★~paradise into deep~

路は桃源に入りて深くして更に深し♪

顔見世興行を観劇し倒す☆その参

2018-02-01 04:39:07 | お芝居
本日も本日とて顔見世観劇メモ。
夜の部行ってみよー。昼の部はこちら→☆☆☆

演目はこんな感じでした☆↓




『京の年中行事 當る戌歳 吉例顔見世興行』
2018/12/5・9・14・18@ロームシアター京都メインホール


★良弁杉由来 ~二月堂~

ご兄弟の出演なし。

小さい頃ワシに攫われた子供が偉いお坊さんになり、何十年と自分を探し歩いてきた母と再会するというなかなかスペクタクルな感動物語。
ちなみに良弁さんは実在した方ですが、このお話自体はフィクションみたいです。
リアル親子@藤十郎さん&鴈治郎さんで演じられていて、しみじみとした情感のあるお芝居。なんですけど。
お話の運びがかなり地味でですね。。。ちょっとその。。。眠かったです。。。
きっと良弁さんって方がそこそこ知名度ある時代に生きてた人は楽しめたんでしょうね~。
たとえ作り話やとしても、「なるほど彼ならそういうこともありそうだ☆」みたいなね~。
現代でも、高僧マニアの方とかなら、あるいは…( ̄∀ ̄*)
やたらリアルで立派な二月堂の舞台セットと、お坊さんがずらりと並ぶ絵面はなかなか壮観でした☆


★俄獅子

ご兄弟の出演なし。

芸者さん三人&鳶頭二人がただただ楽しく踊ったり派手に立ち廻ったりする、華やかな演目。
時蔵さん演じる芸者さんが粋で綺麗でカッコ良かった~♪
鳶頭な橋之助くん、表情や所作にどことなく勘九郎さんみがあってこれまたカッチョ良かった~♪
これ、どっちかというと芸者さんのが主役なんかな??演出的にそういう印象を受けたんやけど。
演じる役者さんの格?立場?によって、変わるのかな。


★人情噺文七元結 口上付♪

七之助くん=文七

タイトル通り、笑いあり涙ありの人情話。
七くん、誠実で勤勉ながらもちょっと頼りなくそそっかしい、優しげ(しかも無駄に美人…)な手代文七を演じてらして良かったです☆
これまでこういう芝居っ気のある=表現の自由度が高い立役されてるの生で観たことなかったので、そういう意味でもかなり新鮮。
七くんのエモーショナルなお芝居好きなので、これからもこんな立役でちょいちょい観たいなぁ。…難しいやろけど。

芝翫さんの長兵衛、ぶきっちょな優しさが光ってて良かった♪
芝翫さんは、こういうカラッとして人は良いけどちょいダメおやじ系、意外と似合うよねぇ。
壱太郎くんのお久坊の手、ちゃんと赤切れてた☆(;o;)
山田洋次監督の演出やとシネかぶのパンフに書いてあった気がするけど、デフォになったんやろか?

芝居の終盤には鳶頭のニザさんが登場して、大団円となったところでおもむろに「皆さんにご挨拶☆」と口上が(^ー^* )
扇雀さんのユーモア溢れるあったかい口上で、毎度笑いと拍手が起こってました♪

つかこの演目、ののてぃ今までシネマ歌舞伎版@勘三郎さん主演しか観たことなかったんですけど。
あれ、かなり山田洋次監督の演出が色濃く出たものやったんですねぇ!
笑えるとこ泣けるとこ、今回観たのに比べるとだいぶ盛ってあったんやなぁと( ̄∀ ̄*)
まぁ寅さん大好きののてぃとしては、とても馴染みのあるノリで大いに楽しませて頂いたんですけど♪


★大江山酒呑童子

勘九郎さん=酒呑童子 七之助くん=源頼光

これです。これのために夜の部4回も通うはめになりました。
いやぁもうとりあえずね・・・
勘九郎さんの舞踊がね・・・

ほんっまにすばらしかったのす・・・!!・:*:・(*´▽`*)・:*:・

可愛げと凄みをくるくると自在に繰り出しながら端正かつアクロバティックに舞う勘九郎丈に、ただただ魅せられました。。。
酒呑童子、まず出てきた瞬間「あ、こいつあかんやつや」って本能が警告する系の不気味なかわゆさ。
一見きゅるるんとイタイケな少年みを湛えながら、その実ヤバイ子オーラがハンパない。なんなら後の鬼神姿より恐い。
とにかく表情が細やかでね~☆花道でうっとり月を見上げる表情には、観てるこちらにも月が見えるようやったし。
ヨリミツ達がお酒持ってきたよ☆って話すの聞いてるうちにだんだんと目が弧を描いて口角が上がってくのには、あんな細かく表情筋て動かせるもんなんやなと感心しきり。
中でもいざ注がれたお酒に喰らいつく際の表情が凄かった…!心底嬉しそうにニンマリと笑みを浮かべたお歯黒顔がもうほとんどホラー!。゚(゚ノД`lll゚)゚
会場全体がひぃ…!ってなったように感じたのは、決して気のせいではないはず。いやぁあれはヤバイ。。。近寄ったらあかん。。。

あ、そうそう。
このシーンの舞台写真を買ったんやけど、勘九郎さんお歯黒してなくて。5日(とそれ以降)はしてたから、最初の何日かはしてはらへんかったんやろな多分。
あと、七くん頼光と花道でキマるとこのお写真ではお兄ちゃん、素手を赤く塗ってはるんやけど、5日に観た時は赤い手袋してはったのな。
拵えプランって公演中に試行錯誤して色々変えていかはるんやなぁと思った次第。

閑話休題。
あと表情で印象的やったのは、頼光達に酒の肴にひとさし舞っちゃいなよYou☆っておだてられて舞うところ。
踊ってる最中、手に持った扇をすぅっと顔の前で滑らせた瞬間、お顔が少年から凄みのある鬼に変わるの、あれもうたまらなんだです!!(*´-`)

当然ながら、舞踊も素晴らしかった~♪♪
座って上半身だけで踊るシーンでは、動きが制限されるからこそ体幹の確かさが伝わってきたし。
もちろん、立って踊っても素晴らしい☆
もうねぇ、動きのイチイチがキマるんですよねぇ。酔いどれぶりさえキマる。
音に乗って躍りのスピードがグンと上がるとこなんて、もうキメキメでサブイボもんやったし!
迸る躍動感に、会場全体のボルテージも上がってくのが分かって気持ちが良かったー♪
あんな風に踊りでお客さんの心を鷲掴めるの、凄いなぁほんま☆
そうそうローム、舞台袖に5メートルほどの短い仮花道が設置されてたんですけど。
花道近くのお席に座ってると、所作台踏み鳴らした時の振動が物凄く伝わってくるんですね。
お兄ちゃんが花道でそりゃもう高く飛び上がった時とかビリビリ来て、超テンション上がりました☆
ただ9日に観た時に、所作台の真ん中あたりがなんかすごい滑りやすくなってるのが見てとれて。
最初に童子姿でツツツっと走り出てヒタと止まるはずがちょっとスライディング気味に停止して、え?ってなって。
舞のクライマックス、大ジャンプして着地する際には明らか右足が滑って若干姿勢崩して、すぐ建て直して最後まで踊りきらはったけど、ほんっまにヒヤヒヤしました。。。
あれでまたどっか傷めはったんちゃうかと心配やったんですが、後日観に行った限りではガンガン踊りまくってはったので一安心。
ただその日以降、花道での大ジャンプでは板を鳴らさないよう着地してはったんやけど。。。あくまで用心のためやったと思いたい。。。
千穐楽には喉もだいぶヤラレてはったけど、最後まで素晴らしい鬼神ぶりで、お兄ちゃん鬼に一年の邪気をすっかり払って貰えた気がしますた☆

七くん頼光、貴公子然とした、憎たらしいほどのべっぴん王子☆
つーか実際けっこう憎たらしいというか酷い子。
なんぼ相手が鬼やからって、騙して毒酒呑ませた上に5人がかりで斬りかかるって!ねぇ!(。・`ω・´。)←ついお兄ちゃん鬼に肩入れ
でもなぁ。。。美人は正義やねんなぁ。。。(諦め早い)
舞に立ち回りもあって、ほぼ出ずっぱりな感じなので、七くん贔屓には結構オイシイ役ドコロやったんちゃうかなぁ☆
そうそう、何気に座り姿が美しくツボでした♪♪

とそんな頼光役も含め、今回七くんはどういうさじ加減でそうなったものやら、役ドコロがAll立役ということで。
カレシ若い頃はチョクチョク立役もこなされてたようですけど(ご本人も立役志望やったとか)、近頃はめっきり女方に心血を注いでおられるので、
今回のような配役はほんまに稀。(といいつつ、今年はコクーンにて立役DE主演!務めちゃいますけど…もしやそれに向けてのリハビリ配役やったんでせうか…?)
正直、世間一般的にはやっぱり七之助くんの女方観たいって方多いやろし、昼夜通して1度もそれが観られないというのは流石にどうやったんやろなぁ。。。
と思わないでもなかったのですが。
まぁ役者として色んな引き出しを確保しておくというのは、ご本人にとっても観客にとってもええことやと思うしね~。
個人的には、たまにはこんなイレギュラーなキャスティングがあっても楽しいかなと☆

なにはともあれ、お兄ちゃんと七くんの立ち回りなんて兄弟贔屓的にも今後どれだけ観る機会があるか分からんし、貴重なもん観られて良かったなぁ♪
花道でお二人が(両立役で!)キマるとこ、まぁ素敵やったぁ☆・:*:・(*´艸`*)・:*:・
このシーンの舞台写真、今回一番のお気に入りです☆

そんなこんなの襲名のお祝いムード漂う、楽しい顔見世でございました☆
ご兄弟、日頃はやっぱり歌舞伎座など首都圏でのご出演が多いので、観られたとしてもせいぜい2日ほどで、毎度帰京の際は後ろ髪引かれる思いをするのですが、
今回はめいいっぱい通うことができて大満足でした☆
…と言いたいところですが、出来れば全通したかった!!+。(゚うω´。)o_+゚
もしくはもうちょい長いことやってくれたらなー。18日間は短いべ?
ほんに、人の欲とは果てしないものです。。。

余談。
初日、会場に向かって歩いていたら、前方に止まったタクシーから子供二人と女性二人が降車。
遠かったのでお顔は見えなかったものの、お子ちゃまの一人が着ていたお洋服@品の良い短パン姿に何やら見覚えが。
女性のお一人はお着物。あれ、もしや。。。
と思ったら、やっぱり勘太郎くん・長三郎くんご兄弟☆
お着物の女性は好江夫人でした。(もう一人の普段着の女性はスタッフさんやったのかな…?)
二人があっちへチョコチョコこっちへチョコチョコしながら会場入りされるのを後ろから微笑ましく眺めつつ、続いて入りました♪
ちなみになんで勘太郎くんのお洋服に見覚えあったかというと。
その同じカッコで七五三参りする勘太郎くんのお写真を、ちょっと前にどこぞで見かけたばっかやったのな…☆


本日の1枚:多分素手やと思うのよ。ちなみに別のシーンのお写真は撮った日が違うのか、手袋でした。

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