晴れた空を車窓から眺めた。
久しぶりに戻る場所。
いつも思う、この空のように晴れた気持ちで戻りたいと。
ルーツとはなんだろうか?
そしてまたこの申し訳ない感覚は…。
そんな気持ちを知ってか?知らずか、
日本一のその山が右手を通過する。いつも通りに。
霊峰富士。悠然と佇むその姿は、僕に問う。
掴んだか?やり遂げたか?そして誇りはあるかと。
あなたと話ができるよう、対等になれるよう、目指したものは、
まだずっと先にあるようだ。
猶予はあるか?
戻る資格はあるか?
問い掛けながら高速に移動する列車。
時間、場所、そしてルーツ。
僕が来た場所、あなたが現れた場所へ帰ろう。
出現の起源を探ろう。
そこからまた始めるために。
あなたでいるために。