「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(2007/米)」を観た。
先日まで地元の映画館でやってたんだけど、長すぎてどうかなーって思っているうちに
また体調を崩し(なんてこった今年の8月)、自宅でDVD観賞。
でも割引やら何やらで200円で借りてきた。
レンタル業界もきっと厳しいのだねぇ。映画館はもっとだろう。
朝の9時から、一応掃除機なんか握って斜め観(なんて言葉あるのか?)だったので
みんなのシネマレビューには書かない。
ネタバレあると思います。
主人公ダニエルの石油=金への凄まじい執着心で終始するドラマ。
あれだけ金金金…と徹底している中、死んだ掘削仲間の息子を可愛がっているのが不思議だった。
人間大嫌いと弟に話していたけれど、やはり寂しいのか。
大人になって商売敵となり去ってゆく息子に
「おまえは拾った赤ん坊だ!血のつながりなど無い!」と罵声を浴びせていた。
自分が大嫌いなんだろうな。だから人間は全て嫌い。
自分の持たない血の繋がりに「隣の芝生」のような憧れを持っている、
猜疑心の塊のような憐れな石油王。
インチキ神父イーライは、全く高度の違うところを飛ぶ飛行機みたいで
その内面に自分に似ているものをしっかりと見つけたんだろう。
憐れで滑稽な彼を始末せずにはいられない。自分の分身だから。
主人公役ダニエル・デイ=ルイスは、彼自身人間嫌いじゃないかと勝手に思っているので、
これは当たり役だったと思う。
寡黙にコツコツやる役はいくらも観たけど、
暖かい包むようなものを感じたこと無いんだよな、この人。
イーライ役ポール・ダノは、頑張ってたけど、もうちょっと年齢も経験もある人の方が良かったかな。
まあドンと力強い負の話だった。
息子の結婚式のシーン数秒のみがホッと息をつける、体力の要る映画。
油井から石油が噴き出したり、火柱が上がったり
海岸での偽弟との画なんかもとても迫力があったので、映画館の画面で観たかった。
何より映画館は集中できるしね。結局掃除なんか進みゃしなかった。