1/20(土) 12時 宝生能楽堂
能 弓八幡 田崎甫 金井賢郎 則久英志 御厨誠吾 野口琢弘 上杉啓太
笛 藤田貴寛 小鼓 鳥山直也 大鼓 原岡一之 太鼓 桜井均
狂言 蝸牛 山伏 野村万之丞 主 野村万蔵 太郎冠者 河野佑紀
能 源氏供養 小倉伸二郎 梅村昌功 舘田善博 吉田祐一
笛 寺井義明 小鼓 田邊恭資 大鼓 柿原弘和
能 是界 金森良充 今井基 野口能弘 野口琢弘 御厨誠吾 能村晶人
笛 栗林祐輔 小鼓 飯冨孔明 大鼓 柿原孝則 太鼓 澤田晃良
ようやくお正月を迎えられたような気持ち(遅い)。
五雲会は今年より従来の能四番狂言二番から能三番狂言一番に変更。
別会の会数、月並能の能の番数と減ってきた。
宝生会は大ベテランがいなくなったが若手の数はそう減っていないと思う。
親(身内)も能楽師で社中会や個人の会でおシテが出来る人はともかく、そうでない若手にも演能の機会が等しく回れば良いけれど。
見終わって、国立能楽堂の養成出身の方が多く出演なさっていたなぁ、と。
現役養成生の上杉くん(狂言方、和泉流。昨年『アド街っく天国!』千駄ヶ谷編に人間国宝・野村萬師と共に出演)、ワキ方の梅村さん、則久さん、御厨さん。
囃子方は桜井さん、鳥山さん、栗林さん、田邉さん。
もう養成出身の方がいないと能の公演が立ち行かないレベル。
皆さん凄いよね。大人になってからこの道に進んで今や一翼を担ってるわけで。
『弓八幡』『源氏供養』と遠いとまでは言わないけど、能楽全体としてはあまり頻繁には出ない曲かと思うけど、五雲会では定期的に出る曲。
『源氏供養』、記憶違いでなければ数年前にお兄さんの健太郎さんで観ている。(違うかも)
『弓八幡』上杉くんの居語り、初めて聞いたけどとても落ち着いていて言葉の一つ一つが明瞭で立派でした。
きなりの地に深緑で細かい若松模様の長裃が見たことある装束なのにとても若々しく見えた。
『蝸牛』、万之丞さんと河野さんによる
「雨も風も吹かぬにでざかま打ち割ろう♪」「でんでーんむっしむしー♪」のケンケンが大変軽快。
あのケンケンの軽やかさは若さのなせるワザ。でもここで出るはずの浮きに浮いた感じがもうひとつだったのかちょっと笑い少なめ。
河野さんの肩衣が灰色地に黒で芋版のような十二支の模様で一月らしい。
能のおシテは昭和49年生まれの伸二郎さんが年長で、次が金森良充さん、一番若いのが昭和最後の生まれの田崎さん。
年令=実力とは一概に言い切れないけれど、ほかの流儀に比べたら宝生流は若手が突出しにくいようには思う。
田崎さんは『清経』のツレなど良かったので期待していた。前シテの尉も若いのにしっくりきていたし謡もしっかりしてた。全然悪くなかったけど、後シテは神様なんだからスッと動くときには自分の体だけじゃなく周りに風が起きるような雰囲気が欲しいし、動いて止まるときには地にめり込むような重量感も欲しい。そこが全体的にサラッとして見えた。
(田崎さんのシテ、最初に見たのはお社中会での『熊坂』だったかも?)
囃子に凄い勢いと強さがあって、聴いていてワクワクしたけど、その音の力を生かしきれたとは言えないかな。もう少しメリハリが強いと良かった。
袷狩衣の袖は重いと思うけど、ぶん回すように袖を巻くと神様でも武将でも無く普通の人に見えてしまう。
『是界』後シテも袷狩衣(地模様が『弓八幡』後シテと同じような立涌…)の良充さんはもっと腕を振らずに巻いてた。
『是界』の金森良充さん、たぶん、おシテ拝見するの初めて。
それなりに宝生流のお舞台は拝見している筈なのに機会がなく。
しっかりした内容でした。
『車僧』の車は暗い色のボウジだった気がしたけど『是界』はまるで『熊野』のような朱のボウジの車なのね。
野口能弘さんの御坊様が沙門姿に威厳があって素敵でした。
今回の五雲会は、足拍子ひとつとってもキャリアの差がハッキリ出たなと感じた会でした。
『源氏供養』の舞の中の足拍子、静かでいて深かった。ずーん、。
伸二郎さんは面の掛け方が顔にピッタリ。苦しくないのだろうか。
なんでこの曲、アイが出ないのか。
シテ中入するのに。
ワキを先頭にワキの左右にワキツレが控え三角形になって祈る。
ほかの曲でも見たことあるけど何だったかな。
大小の音が割りに強めで、辛うじて寝落ちせずに済む。
美しくて静かな曲なので意識を保つの難しい。
夢うつつな中で気付くと美しい長絹姿の人が舞っていて、それはそれで本当に夢のようで綺麗でした。
伸二郎さんは地謡にいらっしゃるときなど今どき珍しい二枚目なのだけど、女性を演じるときの声の美しさとか、なんともいえない儚さとか、どこから?と不思議に思う。
とは言っても今回はお三方ともその役者が透けて見えて。
田邉さんの掛け声は源次郎師に似てるなー全部じゃないけどホーー、というのが似てる。
この日の小鼓は皆さん骨太。
桜井さんの太鼓もキレッキレでワクワクしたけど、澤田さんの太鼓は特に掛け声が良かった。
若い人が真っ直ぐ頑張ってる姿は能に限らず見ていて清々しい。

ここのところ、月並より五雲会の方が人が入ってる印象だったが、今回は見所の脇正面、が寂しい。
中正面もいつももう少し埋まってた気がする。
そんな入り具合なのに、やたらとお喋りする人がいてウンザリ。
あれだけ喋り続ける人たちにはいい加減、係の人が注意してくれないだろうか。
席が近ければ直接言うけど離れてると無理なので。
ここはあなたの茶の間じゃないのよ!と言いたかった。
あなた方の半分以下の年令の若者が頑張ってるんだから。
能 弓八幡 田崎甫 金井賢郎 則久英志 御厨誠吾 野口琢弘 上杉啓太
笛 藤田貴寛 小鼓 鳥山直也 大鼓 原岡一之 太鼓 桜井均
狂言 蝸牛 山伏 野村万之丞 主 野村万蔵 太郎冠者 河野佑紀
能 源氏供養 小倉伸二郎 梅村昌功 舘田善博 吉田祐一
笛 寺井義明 小鼓 田邊恭資 大鼓 柿原弘和
能 是界 金森良充 今井基 野口能弘 野口琢弘 御厨誠吾 能村晶人
笛 栗林祐輔 小鼓 飯冨孔明 大鼓 柿原孝則 太鼓 澤田晃良
ようやくお正月を迎えられたような気持ち(遅い)。
五雲会は今年より従来の能四番狂言二番から能三番狂言一番に変更。
別会の会数、月並能の能の番数と減ってきた。
宝生会は大ベテランがいなくなったが若手の数はそう減っていないと思う。
親(身内)も能楽師で社中会や個人の会でおシテが出来る人はともかく、そうでない若手にも演能の機会が等しく回れば良いけれど。
見終わって、国立能楽堂の養成出身の方が多く出演なさっていたなぁ、と。
現役養成生の上杉くん(狂言方、和泉流。昨年『アド街っく天国!』千駄ヶ谷編に人間国宝・野村萬師と共に出演)、ワキ方の梅村さん、則久さん、御厨さん。
囃子方は桜井さん、鳥山さん、栗林さん、田邉さん。
もう養成出身の方がいないと能の公演が立ち行かないレベル。
皆さん凄いよね。大人になってからこの道に進んで今や一翼を担ってるわけで。
『弓八幡』『源氏供養』と遠いとまでは言わないけど、能楽全体としてはあまり頻繁には出ない曲かと思うけど、五雲会では定期的に出る曲。
『源氏供養』、記憶違いでなければ数年前にお兄さんの健太郎さんで観ている。(違うかも)
『弓八幡』上杉くんの居語り、初めて聞いたけどとても落ち着いていて言葉の一つ一つが明瞭で立派でした。
きなりの地に深緑で細かい若松模様の長裃が見たことある装束なのにとても若々しく見えた。
『蝸牛』、万之丞さんと河野さんによる
「雨も風も吹かぬにでざかま打ち割ろう♪」「でんでーんむっしむしー♪」のケンケンが大変軽快。
あのケンケンの軽やかさは若さのなせるワザ。でもここで出るはずの浮きに浮いた感じがもうひとつだったのかちょっと笑い少なめ。
河野さんの肩衣が灰色地に黒で芋版のような十二支の模様で一月らしい。
能のおシテは昭和49年生まれの伸二郎さんが年長で、次が金森良充さん、一番若いのが昭和最後の生まれの田崎さん。
年令=実力とは一概に言い切れないけれど、ほかの流儀に比べたら宝生流は若手が突出しにくいようには思う。
田崎さんは『清経』のツレなど良かったので期待していた。前シテの尉も若いのにしっくりきていたし謡もしっかりしてた。全然悪くなかったけど、後シテは神様なんだからスッと動くときには自分の体だけじゃなく周りに風が起きるような雰囲気が欲しいし、動いて止まるときには地にめり込むような重量感も欲しい。そこが全体的にサラッとして見えた。
(田崎さんのシテ、最初に見たのはお社中会での『熊坂』だったかも?)
囃子に凄い勢いと強さがあって、聴いていてワクワクしたけど、その音の力を生かしきれたとは言えないかな。もう少しメリハリが強いと良かった。
袷狩衣の袖は重いと思うけど、ぶん回すように袖を巻くと神様でも武将でも無く普通の人に見えてしまう。
『是界』後シテも袷狩衣(地模様が『弓八幡』後シテと同じような立涌…)の良充さんはもっと腕を振らずに巻いてた。
『是界』の金森良充さん、たぶん、おシテ拝見するの初めて。
それなりに宝生流のお舞台は拝見している筈なのに機会がなく。
しっかりした内容でした。
『車僧』の車は暗い色のボウジだった気がしたけど『是界』はまるで『熊野』のような朱のボウジの車なのね。
野口能弘さんの御坊様が沙門姿に威厳があって素敵でした。
今回の五雲会は、足拍子ひとつとってもキャリアの差がハッキリ出たなと感じた会でした。
『源氏供養』の舞の中の足拍子、静かでいて深かった。ずーん、。
伸二郎さんは面の掛け方が顔にピッタリ。苦しくないのだろうか。
なんでこの曲、アイが出ないのか。
シテ中入するのに。
ワキを先頭にワキの左右にワキツレが控え三角形になって祈る。
ほかの曲でも見たことあるけど何だったかな。
大小の音が割りに強めで、辛うじて寝落ちせずに済む。
美しくて静かな曲なので意識を保つの難しい。
夢うつつな中で気付くと美しい長絹姿の人が舞っていて、それはそれで本当に夢のようで綺麗でした。
伸二郎さんは地謡にいらっしゃるときなど今どき珍しい二枚目なのだけど、女性を演じるときの声の美しさとか、なんともいえない儚さとか、どこから?と不思議に思う。
とは言っても今回はお三方ともその役者が透けて見えて。
田邉さんの掛け声は源次郎師に似てるなー全部じゃないけどホーー、というのが似てる。
この日の小鼓は皆さん骨太。
桜井さんの太鼓もキレッキレでワクワクしたけど、澤田さんの太鼓は特に掛け声が良かった。
若い人が真っ直ぐ頑張ってる姿は能に限らず見ていて清々しい。

ここのところ、月並より五雲会の方が人が入ってる印象だったが、今回は見所の脇正面、が寂しい。
中正面もいつももう少し埋まってた気がする。
そんな入り具合なのに、やたらとお喋りする人がいてウンザリ。
あれだけ喋り続ける人たちにはいい加減、係の人が注意してくれないだろうか。
席が近ければ直接言うけど離れてると無理なので。
ここはあなたの茶の間じゃないのよ!と言いたかった。
あなた方の半分以下の年令の若者が頑張ってるんだから。