徒然BOON

徒然なるままに気になることを綴ります

風光る 第213話

2016-03-13 19:04:09 | 「風」のひとり言

開戦翌日、徳川方敗走の一報が大坂城にも届いた。

『何故だ・・・? 有り得ぬ!』と、瞠目する慶喜公。

更に、譜代大名の彦根藩井伊家が薩摩方に寝返った、との報告にざわつく、会津藩主、

桑名藩主と旧幕府重役たち。

『世も末とはこういう事だな――』、と顎に手を当て妙に冷静に耽る慶喜公だが、すぐさま

『和平の道を斯くも蹂躙するというなら、こちらも総力で応じるまで』と、援兵を送るよう指示。

 

井戸端で洗濯をしていた主人公も、南部医師から伏見奉行所炎上の報せを聞き、

『あの連中(新選組)がやっと立てた戦場の火事ぐらいで大人しく死ぬわけ有りません。

ですよね 南部先生!?』と、詳細不明な情報に多少うろたえるが、療養中の二人に余計な

労を掛けぬ為、この事(情報)は伏せられる事に。

 

昨日の“幽体離脱!?”以降、こんこんと眠り続けている沖田組長。

   しかし、ずっと右側を向いた状態で寝続けるのも疲れそう。

主人公が部屋に戻ると、沖田組長のおでこに当てている熱さましの手拭いを冷やしてやろうと

思うが逆に起こしてしまうのではないかと、心配し手を出しかねていた局長が。

『――大丈夫 よく眠られています』と、声を掛け、沖田組長を挟んで反対側に座り、

沖田組長の顔を眺めながら、『やはり局長のお傍にいる所為でしょうか 咳き込んで

眠れぬ夜も多々あったのに・・・ 奇跡の様です 』と、話す主人公の言葉に少し顔を曇らせ、

『―――もしや このまま・・・ 』と、思わず一抹の不安を口に出してしまった局長。

そんな局長をキッとにらみ、

『いえ! このまま目覚めないなんて事は絶対にありません』と強く否定し、なんなら2~3発殴って

今すぐ起こしましょうか?と手を出しかねない主人公に局長もたじたじ。

『沖田先生は今闘っているんだと思います 隊の皆と同じように 己の病という敵を相手に』と、

希望も込めた想いに、『・・・うむ 君の言うとおりだ 勝負となれば総司が簡単に負けるはずない 

なにしろこいつはめっぽう強いんだ!』と賛同してくれた局長に笑顔でうなずく主人公。

   負けるはずない

   先生も 幕軍も

   新選組の同志たちも

   きっと無事に戻ると信じよう

 

で、場面は前日夕方の戦場へタイムワープ。

   は~、巧い具合に戦場に場面転換しますなあ~。 個人的には戦場の場面だけを描いて

   緊迫感臨場感満載でもいいと思うが、毎号必ず主人公がいる大坂の様子も描き、なおかつ、

   戦に関連するように(唐突の場面転換にならぬように)描かれていて、お見事。

   幽体離脱!?、主人公の独白・・・ 次号はどのように合戦と大坂の場面をつなぐのか。

 

隊から居なくなていた泰助と銀之助を探すために、戦火の伏見市中を索していた井上組長。

見つかり『無事でよかった』と安堵したものの、泰助らの身勝手な行動に『馬鹿者っ!!』と、

泰助の頬を張り倒した源さん。

『足手まといになるなと言ったはずだ! お前達如きの為に副長まで引き返してくださったんだぞ』

と、怒り心頭の井上組長に、『俺も殴ってください』と土下座して詫びる銀之助。『いい度胸だ』と

手を上げようとした源さん背後から、『殴らんでいい』と、制したのは土方副長。

『田村銀之助!! 以後、お前たちがどんな失策を犯しても井上泰助を殴る お前一人の失敗でも

同様だ 肝に銘じておけ!』と、one for all all for one  的な罰則を言い渡す副長に、不服

そうな銀之助の言葉を遮って、『泰助を助けたければ命懸けで働け! 戦場をなめんじゃねぇ』

と一喝。 

 

ここで、一旦、これまでの合戦の状況が、土方や別ルートから合流した会津兵ら互いの状況

報告によって、読者にも解るように整理される。 うん、親切

なんでも別ルートをとった会津隊の一部が進んだ先にも土佐藩の兵が道をふさいでいたが、

藩主の命令により戦闘を回避したく、わき道を行くよう勧められ、おかげで伏見の薩摩藩邸を

襲撃できた、らしい。 隊士らが薩長方にも道理がわかる藩があるんだな、と談笑していると

『とはいえ、徳川に味方する訳でもないのだ 油断すれば裏をかかれる故 心せねばな』と

自分の深爪を見ながら、さりげなく忠告する斉藤・・・じゃなかった山口組長。

   なに、急に描かれる斉藤・・・じゃなかった山口組長の深爪って? 

   深爪の男性はの性格は “場の雰囲気を読み、用心深い”だそうな。 ←ネット情報

と、ここで副長から、『明日は必ず今日以上の激戦になる 全員死ぬ覚悟を決めておけ 

敢えて言っておく 敵を討ち取っても首は捨ておけ』との、激及び指令が。

   あわわわ、ここで首級を取る古来からの合戦のならいを持ち出すとは・・・ 

   ってことは、例のあれ を描くのか??  少女マンガだぞ(一応) 大丈夫なのか??

   ばっちり描くのか  直接的な描写は避けるのか・・・

 

開戦二日目。 淀城下に待機していた援兵と合流し、徳川方がかろうじて攻勢に転じたが、

見渡しの良い橋の上に、錦の御旗が翻っているのが目に入った。

ざわざわと、徳川方の兵の間に動揺が広がる中、『けっ あんな物 大方、薩摩が作らせた

偽物だろう』と、土方副長が薩摩の策にハマらぬ様に喚起し、また会津藩の隊長も

『わが殿は 先帝孝明天皇より誰よりも厚い御信頼をいただいていた その会津に朝敵の

汚名を着せいようとはなんたる卑劣』と檄を飛ばすが、一部の兵士は錦旗に攻撃はできぬ、と

隊を脱する者が・・・

錦の御旗の出現を期に、これまで参戦しなかった土佐藩等も薩摩方に加わったことにより、

猛攻撃が始まり、徳川方は更なる後退を余儀なくされた。

 

   いつの間にやら、暴走馬で退却した風の滝川元奉行も合流しちょる。

江戸城の留守を任されている稲葉老中の城・淀城の大門前までやって来た徳川方。

開門を乞うも、淀の城代は城主不在を理由にこれを拒否。 主の許可なしに、錦旗に

背く訳にはいかないと。

あんな偽物の旗の1本や2本で正義を見失うとは、と怒りをあらわにする原田組長の横で

冷静に違った見方(淀藩の真意)に思い至った副長。

それは――

 

 

 

土方の意見(淀藩の入城拒否の真意)を聞いた会津藩隊長が頭を垂れ、うっすら涙を浮かべ、

震えながら、『情けない! 長らく徳川の恩顧を受けながら・・・  この国の武士道は死に

絶えたのか!?』と、嘆くと、『御冗談でしょう 林隊長』と、にやりと口角をあげた土方副長。

また会津が! 桑名が! 俺たち(新選組)が生きています!

裏切った者達に正義の在り処を知らしめるためにも この戦

勝ってやろうじゃないですか!!

 

この言葉で士気を高めた徳川方だが、翌、三日目の闘いは更に激しさをます。

 

次号へ

   

 

は~、いろいろ辛い場面が多いね。 唯一の慰めは 扉絵に描かれた沖田先生が笑顔って

事かな。

井上源さんと泰助少年・・・  頬をはたかれても、何度も井上組長とよべと注意されても、

日野へ帰れと言われても、叔父と甥の縁を切るそと言われても、“叔父上”と呼びかけ

慕う泰助少年。 いつか “井上組長”と、呼ぶ時が来たとしたら、それは少年がひとつ

成長した日といえるのだろうか・・・

毎号楽しみなのだが、辛い場画はもう見たくないような・・・ 複雑。

ここまで思わせぶりに描いておいて、華麗にスルーされたらどうしよう。

ま、それはそれで