そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない





ジブリで「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」を監督した宮崎駿の秘蔵っ子、米林宏昌監督の作品。
ジブリを離れ(制作部門が解体されたので)、スタジオポノックという新体制での最初の作品。
ちゃんと映画館で観てきましたよ。
その感想。

ひとことで言えば、つまらない。
宿命的に、つまらない。
いかにもジブリ作品のようなタッチだし、ジブリの過去作のさまざまなエッセンスを満載でお送りしているのだが(黒猫を乗せてヒロインがほうきで空を飛ぶのだから・苦笑)、宮崎駿の監督作とは「なにか」が「決定的に」違う。
もうその「なにか」はあまりにも「決定的」過ぎて、映画が始まって10分ぐらいでもう「ああ、こりゃダメだ」と匂い始め、30分も経つ頃には「観なきゃ良かった」になるほどだ。
宮崎駿と米林宏昌の間にあるその「なにか」「決定的な」差が、宿命的にこの作品をつまらなく感じさせるし、実際のところ、恐ろしくつまらない。
ジブリで米林監督が手がけた「借りぐらしのアリエッティ」も「思い出のマーニー」ももちろん宮崎駿や高畑勲のジブリ作品に比べると圧倒的につまらなかったんだけど、ここまでひどくはなかった。
おそらく宮崎駿や鈴木敏夫が米林監督にさまざまなダメ出しをしたからこそ、「アリエッティ」や「マーニー」はあのぐらいの惨事で済んだのだろう。
そのアドバイスなき今作は、それこそもう、ひどい有様になっている。
ギャグがことごとくスベっているし、キャラクターの動きひとつひとつ、セリフひとつひとつが、恐ろしくぎこちなく、まるで生命感がないのだ。
説明セリフだらけ、物語もご都合主義すぎるし、いちばん悪いのは脚本かも知れない。

結局、才能なのだな。
宮崎駿の圧倒的な才能を感じたいなら、あえてこの映画を見に行くのもいいかも知れない。
反証的すぎるかも知れないが。
劇場を埋めつくしていた観客の子供たちが、上映中、誰1人ひとことも発しなかったよ。
笑い声1つ、悲鳴1つ上がらないの。
そんなアニメ映画初めてだ。
笑笑
もう笑うしかない駄作。

星1つ。★

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