超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE NOVEMBERS「paraphilia」全曲レビューその5「para」

2013-01-17 19:33:47 | THE NOVEMBERS 全曲レビュー












久々ですが。











5.para










【あたりまえだけど】


個人的な感覚として、正論だけを受け入れて生きてきたという感覚は全くなくて
むしろ全てが「正しい」だったり「整理された」「統合された」と感じると正直息苦しい
これはあくまで私個人的な感覚には過ぎないのですが
きっと全部が全部正しく回っていく事は無理に等しい、
必ず未整理の部分があったり
未完成のエリアが存在するのがこの世の常であって
でも、だからこそ「正しい」に入る事が出来ない人達が生きていけるのだと思います

ただ、そうはいってもいつもいつでも自由気ままに、思い通りに生きていく事は不可能に近くて
結果的に泣き寝入りや去勢を甘んじて受け入れなければいけない時も出てくる
というかある意味日常茶飯事だとは思うんですけど
でもそこで「これが人生だよね」って
そういう大人しい達観が出来ない時、狂気に巻き込まれて成す術もなく、弱者に当て嵌められて悔しい気分になり
感情の置き場所に困ってしまってどうしようもなくなった時に響く曲・・・というイメージですね
自分の中では。

あくまで「自分の中で」当たり前でないものを受け入れなければいけない
それを経て前に進む事を余儀なくされる時というのは理屈では納得出来ず心が軋むものです
そういう気分の時に小林祐介が放つ逆ギレのような原始的なボーカルは
有無を言わさず心にグッと迫ってくるし、
燻った感情を溶かしてくれます
勿論そんな意図はないんでしょうけど、私的にはこの曲を聴くとそういう風に作用してくれます
別にアンチ精神云々ではなく、単に精神的な軋轢から生み出される唸り声のような、だからこそ切実な一曲。
悲しみを背負ったり我慢をするのが美徳だし、所謂「当たり前」ではあるのですが
そういう理屈では納得し切れない感情も幾つかあるとは思う
精神が歪んでしまう事だって
別に指標でも、意思でもなくそんな感情で満ちている時の処方箋のような一曲
治まるか治まらないかは別として、確実に響いてくれる楽曲だと思ってます。



また、この曲は在り方自体も非常にオルタナティブな一曲に仕上がっていて
Aメロの歌詞をそのまんまそっくりサビにも引用し、なおかつ違和感や手抜き感がないという
物凄く不思議で、かつ面白い楽曲としても鳴ってますね
その構造の独特さには機会と興味があれば是非
流麗に鳴り響いたと思ったら荒々しい歪も同時に表現するダイナミックなギターサウンドにも注目
テーマ性もサウンドも真っ当にユニークで確かな意図を感じるタフな一曲かと
延々と繰り返し聴いても飽きない、
そんな創意工夫の楽曲構成に驚きと感心を貰える楽曲です。
割と激しい一面もあるのでガツガツ鳴らすタイプのナンバーが好きでも大きく気に入れる曲なんじゃないかと。
個人的にもかなりお気に入りの一曲です。








【うまく目を開けることが出来ない 耳をすませられない】

ここまでリアルで素直な心境を吐き出せるミュージシャンも珍しいなと
要するに取捨選択に長けてない、雑音を気にしない事が出来ないという事だと感じたんですけど
それも含めて非常に人間らしい楽曲だと個人的には思っています。
だから感情移入出来る。





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