超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

そんな未来はウソである 3巻/桜場コハル

2013-08-06 20:59:18 | 漫画(新作)
















約2年ぶりの新刊!














素直にラブコメッちゃってるなあ、っていうのが全体的な印象ですね
「今日の5の2」も「みなみけ」もそういう要素はあるけど基本日常ものな訳で
ここまで恋愛成就主体のコハル作品も珍しいな、と
多分この感想は2巻の時も抱いたと思うんだけど新刊は2年ぶり、その間にみなみけは結構出てるから
改めてガッツリ読んでみるとかなり新鮮で面白いなあ・・・というのが素直な感想。
男1人に女4人という構成はともすればハーレムになりがちですけど
これはあくまで高山くんとミツキしか進展はさせない構成になってるので純朴って印象も抱けます
そんな二人が織り成す良い感じの恋愛模様・・・って言ってもミツキは無自覚ですけど(笑
今回も今回でしっかりと楽しませて頂く事が出来ました。面白かった。

なんでしょうね、「今日の5の2」や「みなみけ」に比べても随分少年誌にキャッチーな場面が増えたような
まずアカネとのラッキースケベのシーンはコハル漫画的にはかなり新鮮で
間接的なラッキースケベはあれど、
あそこまで分かりやすいラッキースケベは中々なかったような気がします
それも設定上理屈の通ったラッキースケべになってるので(!)都合の良い感じもしませんし
結構少年向けに元々のコハル作品らしさを少し変えてアプローチしている感覚がありますね
パンツを忘れていった話なんかまず「みなみけ」ではやらないだろうし・・・
元々のコハル作品らしい淡々としてる良さと読み易さとセンスに加えて
もう少し入り口の広い少年心をくすぐるシチュを増やして良い具合にミックスさせてる印象なんですね
だから私もう10年以上もこの方の漫画読んでるんですけど、不思議といつもと同じ感覚でもなくて
しっかりと読めばちゃんとコハル作品的な新境地も垣間見れる
勿論作者のファンでなくとも
少年誌的なキャッチーなシーンが多いので独特の雰囲気を受け入れられれば普通に面白いと思われます
あくまで個人的な印象ですけどいよいよコハル的少年漫画を展開出来ている感触があったりして
その意味でも長年の読者的には嬉しい3巻目だったなあ、と
洗練された絵柄も上々
キャラの可愛さ的にも抜群の出来栄えになっていて熱中して読む事が出来ました
日常漫画に恋愛要素を上手い具合に被せる事が出来てる質の良いブレンド作品になってるので
日常漫画にそこまで興味のない方も楽しめる作風になってると思う。
まあ、個人的にはこの作者独特の台詞回しの時点で一線を画してるとは思ってるんですが。
今回もまた小気味良い台詞回しの連発だったのもまた読み心地的にグッドでした。


「みなみけ」では基本的に大人サイドのキャラ、特に親キャラに関してはゼロなんですけど
この漫画では高山くんの父親が出ています
この父親が非常に面白くて、
息子の恋愛事情をいちいち探ったり余計な気を回したり
親キャラとしての良さが最大限に発揮されているキャラクターになっていて
この辺もまたある種の新境地、いや、漫画的には新境地でもなんでもないんですが(笑
でもコハル作品的にはめっちゃ新鮮で面白かったです
女性の親で恋愛事情に首を突っ込むというのは多々あるんですけど
男親でいちいち気を回してくるっていうのは中々観ないのでそれもあって面白かった
メイン三人だけではなくそういった脇キャラもちょいちょい楽しさに貢献してくれてるので
その意味でも安定して楽しめる順当な内容になってると思う
今回出てきたアカネの昔の友人は本当にワープ使いだったりするんでしょうか
そうだったらまたシチュエーションに幅が出そうで楽しみですけどね。
取り合えずミツキとのちょいラブシチュは次巻でも続くので徐々に進展って方向性に間違いはない
なんだかんだいいつつ気持ち仲良くなっていく二人の様子にニマニマ出来た上に
アカネとのラブコメ的シチュも不自然にならない形で導入、と
読んでいて中々気分の良い巻になっていました
ミツキもただ言う事を聞くだけの人形でなく結構自発的な一面も見せるのがいじらしくていいですね
それがメリハリにも繋がったりと良い具合にキャラが動けてたのもまたプラスでした。
ただ、江口さんはともかくマドカちゃんの活躍は少なめかな。
まあ、それによって一途さは際立っているので、結果的には大丈夫か。

一番好きなお話はやはり忘れ物の話ですかね
まずパンツの忘れ物って時点で中々にマニアックで想像を掻き立てられました
父親の申告のタイミングも面白かったし、ミツキの反応もまた女の子らしくて可愛かった
各々のキャラの反応も「らしい」ものでしたし何気に上手さが光る回でした
こういう良い意味で俗的なお話を描いてくれたのは嬉しかったですね
しかも下品にもなってないのが尚良いです。
それとカレーが結果的にシチューになるお話も高山くんとミツキの雰囲気が良くてほっこり出来ました
その後もラーメンを二人で食べにいったり親密度は一歩一歩確実に増していってます

その一方でアカネが自業自得(?)でラッキースケベに見舞われる話もやっぱりお気に入り
ミツキは未然に防ごうと考えてたのにアカネの能力によって惨事になるって流れは
この漫画の特性を活かしてて非常によろしかったです
アカネもお泊り会のあと途中で家に帰って起きた時にセクシーショットを披露してたり
キャラに色気があるのがやっぱりいいですね ミツキの妄想男性ものシャツ姿も良い具合だったり
そういった少しドキッとするシーンをちょくちょく入れてくれる事で刺激になるのがいいです
恋愛対象としてはあくまで1人ですけど可愛さは均等に楽しむ事が出来る
そのバランスもまた絶妙に感じる事が出来ました。

関係ないけど、高山くんの男友達の内の一人はちょっと女の子に見えますね。また出番も希望。














という訳で約2年ぶりの新刊、ラブコメ的シチュの表現が絵的にも台詞的にも多くて満足でした。
ある意味桜場コハルの別の顔が垣間見れる内容でもあるのでみなみけ読者の方も、是非。
それと表紙のミツキは素晴らしく可愛いですね。




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