超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。 5巻/松沢まり

2013-06-08 04:39:04 | 漫画(新作)

















松沢まり「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」5巻読了。















4巻がめちゃめちゃ個人的なツボにハマった今作なんですが
5巻は4巻とはまた違った味わいで面白かったです
美月と日和の奇妙な友情だったり、
ユキ姉の掘り下げだったり
夕哉の心境の微妙な変化だったり割と外堀を埋めつつある感じの内容でした
というか今までは基本的に美月ちゃんの心情の変遷を主な読みどころとして描いてきただけに
こういうサブキャラの心情を中心に描く巻というのはある意味新鮮で面白かったです
いよいよ事態も進展の一途を辿りそうで次巻以降も至極楽しみですね。

夕哉兄ちゃんに関してなんですが、確かに恋愛的な意味合いでは意識はしてないですよね
あくまで家族愛としての意識しか今まではやってきてはいない
だからこそ恋人みたいな立ち振る舞いをされると
途端に不機嫌になってしまう
これは思った以上にハードル高いぞ・・・と思いつつ
夕哉兄ちゃんがちょっと怒り気味に美月(日和)を振り切ったシーンはドラマチックで良かったですね
ドラマチックというか、ちょっと少女漫画みたいというか。さり気に不機嫌にはなりつつ
でもそうやって女性として意識をした時点で脈はある、って事で
それもまた段階を踏んでいる描写な気がして
そういう丁寧さはやっぱり好きだなあ、と思いました
普通だったら不機嫌にならずに結構高潮しつつもドキドキ、ってパターンが多いのに対し
あからさまに不機嫌になって跳ね除けるというのは結構リアルだと思うんですよ
そのじっくりと描ける力量に感心しつつ、
あくまでこれは第一段階
これから徐々に徐々に夕哉兄ちゃんの意識が変化していく過程を考えるとワクワクして来ますね
夕哉に関しては達観してるようで意外と悩ましい一面もあったりするので
そんな彼の心情描写にも期待しつつ・・・
この後の展開も楽しませてもらおうと思う。次巻は更にニヤニヤ出来そうで今から楽しみですね(笑)。


ただ、個人的にはユキ姉もまた応援したいんですよね
ユキ姉はこれまで要所要所で本性を出しつつも基本おっとり系のお姉さんとして描かれて来ました
だけど5巻では彼女の本性の部分がクローズアップされてそのギャップが堪らなかったです
ギャップというか、繊細で確かな乙女心というか・・・
本当は気付いて欲しいけれど
自分からは言えない
それはあのお爺さんも同様で
あのお話のラストは美月の自嘲表現含めてかなり奥深い話だったように思う
最後のモノローグは素直になれない人々の事を揶揄してると同時に
そのいじらしさは肯定してくれている気がして、
こういうお話も書けるのがこの作品の強みの一つだよな~と思いました
お色気路線は一応まだ残ってるけど、それ以上にストレートで、水面下の情感もあったりして
そのミックス具合に触れるのが個人的には楽しいですし読んでて気持ちが良いですね
タイトルから割と敬遠される可能性もありますが
実際のところは
しんしん降る雪のように登場人物の想いをじわじわ積もらせていく丁寧な作品と言うのが本質かなと
展開も急いでないですし、今じゃ日和の存在も美月にとってはプラスに働いてるのがまたイイなと思う
美月ちゃんの可愛さも巻を追う毎に増してるのでその意味でもラブコメ好きなら触れて欲しい作品
実妹じゃないのでそこまで重くはないですし
サッと読めてスッと入り込んでくれる様な作品だと思う
ユキ姉の本心や水面下の複雑な想い、そして更にいじらしくなった可愛さに
夕哉の微妙に変化しつつある意識等はっきりとした進展もあったのが秀逸だった5巻目
その間にほっこりする名前の呼び方のエピソードを挟むなど
ハートフル要素にも長けていた新刊でした。
順当に面白くなっていますね。










それにしても女流作家の描くラブコメは色々と丁寧でやっぱり好くのを止められませんな
なんか読んでると男性作家とは違う繊細さを感じるんですよね・・・
ちょっとでもガサツな部分を見せたくない気持ちだとか
例えライバル同士でもそこまでギスギスしないお互いに複雑な心境を抱えてる描写とかは
女流作家ならではの表現だと思えてやっぱり読んでて楽しいです
むやみやたらにヒロインを増やさない塩梅もまた
らしくて良いんじゃないかと
今回もしっかりと楽しむ事が出来ました。やっぱり大好きだなあ、この世界観。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿