さいとうゆたか法律事務所 離婚ブログ

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財産分与の対象とされなかった不動産の持ち分

2013-05-15 17:06:52 | 離婚とお金

 東京地裁平成24年12月27日判決は、離婚訴訟で財産分与対象とされなかった不動産の処理について判断を示しているのでご紹介します。

婚姻期間中に入手した不動産については、実質的共有財産として財産分与の対象となりえます。

しかし、住宅ローンの額が不動産の価格を上回るような場合(オーバーローン)、財産分与を決める手続の中ではその不動産については棚上げされることがあります。そのような場合、その不動産が誰の者なのか確定されないまま終わることになります。

XY間の離婚訴訟において結婚生活中にX名義で取得した不動産について財産分与の対象外とされたというケースについて、離婚訴訟終了後に提訴された訴訟に対する上記判決は、Yが不動産取得に貢献しているとして不動産の3分の1の持分を有するとしました。

この問題は前例もなく、今後の参考になる裁判例かと思います。この判決を前提とすると、離婚訴訟や調停ではオーバーローンであったために財産分与の対象外とした不動産について、ローンが終わったころに名義人である当事者に対し他方当事者が持分を主張し、金銭解決をすることが許される余地も出てくることになります。

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弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

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子どもの引き渡しのための直接強制が原則自宅だけで行われることに

2013-05-12 14:09:43 | 離婚と子ども

 読売新聞の報道によると、子どもの引き渡しのための直接強制が原則自宅だけで行われることになりそうだということです。

例えば、夫婦が別居し、離婚する前の段階において、子どもと別居している方の親が、子どもと同居している方の親に対し、子どもの引き渡しを求める裁判を求める場合があります。そして、子どもの引き渡しを命ずる裁判が出された場合でも、引き渡しを命じられた方の親が任意の引き渡しに応じないこともあります。そのようなとき、引き渡しを求める方の親は執行という手続により引き渡しを求めることになります。

執行には直接強制、間接強制の2つがあります。直接強制は、執行官という人が直接子どもがいるところに出向いて、子どもをそのまま連れてくる手続きです。直截ではありますが、引き渡しを命じられた方の親との紛争が生ずることもあり得、慎重にすべき手続きと言えます。間接強制は、引き渡しをしない親に対し、引き渡しをしない期間に応じてお金の納付を命ずる手続きです。

子どものいる前で執行官と親との間で紛争が起こることは極力避けるべきであり、そうであればそもそも直接強制はよほど切迫性がない限りは、間接強制でも引き渡しが実現できないケースにおいてのみ認められるべきだと考えます。

そうはいっても現実には、直接強制が幅広く認められており、トラブルが続出している状況です。報道では、トラブルを避けるため、裁判所において学校や通学路での直接強制を原則として止める方向性を示す予定だとしているのです。このこと自体は望ましいことですが、さらに直接強制が認められる場合を限定していく必要性があると思います。

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