離婚調停等では、お互いに債権債務がないことを確認する清算条項というものを調停調書に入れます。これを入れることで、財産分与等の請求をお互いすることができなくなります。
しかし、一般的な清算条項があっても年金分割は妨げられないと理解されています。年金分割は当事者間の問題ではない等様々な説明が可能です。
そこで年金分割をしないことを定めたいのであれば、年金分割をしないことを明記する必要があります。
例えば、静岡家裁浜松支部平成20年6月16日審判は、離婚協議書に、「共済年金は、全額Bが受け取るものとする。年金分割制度によるAの取り分は、これを全部放棄する」という記載がなされているケースについて、年金分割を認めませんでした。よって、原則として、年金分割をしないことを明記した合意があれば、年金分割をしないことができると思われます。
ただし、同審判も清算条項が公序良俗に反しないことをそれが有効であることの条件としています。ですから、例えば、一方が多額の共有財産を保持し多額の年金を受領することが想定されているのに、財産もなく年金を受け取ることも想定されない他方が年金分割すら受け取れないという内容の条項であれば効力に疑問があります。
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