中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

十と四の発音の違い

2016年07月01日 | 大理古城

中国語の発音では、十は「shi」と発音され、四は「si」と発音されます。この「shi」等の発音は、巻舌音、そり舌音等と呼ばれますが、一般的に雲南省には、このそり舌音の発音が無いと云われています。その為に、十と四が同じに様に聞こえます。

今日、偶々農貿市場と呼ばれる市場で、買い物をしていたら、客 「え 四十元」 物売り 「違う、違う 十元、十元」 客 「ああ 驚いた」と云う様な内容のやり取りしているのが聞こえて来ました。この様な事が起きるのは、大理州等には「shi」「si」の区別が無い事から起きる現象です。

実を云えば、大理では、私も何度かこの様な事を経験しています。特に、農貿市場で物を商う人は殆んどが地元の人がなので、時々この様な事が起きます。買い物をして、大体十元位と思ったのが、「四十数元」と云われ驚いたものですが、聞き返すと「十数元」と云う聞こえます。中には、こう云う事を度々経験するのか、大理には、「shi」と「s」iの区別が無いからと自分で云う人も居ます。 

ここ数年は、大理も他所から移住して来た人が急激に増えたので、地元の人とよそ者との間でこの様なやり取りが増えている様です。

私は、1989年9月から雲南省昆明市にある雲南民族学院に語学留学していたのですが、その時、「現代漢語」と云う授業を聴講していた事があります。その授業の中で、その授業を担当していた先生が、「十は、(si)では無い、(shi)だ」と説明して、一人一人に発音させていたのを思い出します。その当時は雲南民族学院の学生の大部分は雲南省内からの学生だったので、「si」「shi」と区別が出来ない学生も多かったのです。

80年代は、大学は無論、高校や中学でも方言で授業をする先生もまだまだ多かったのです。1988年河南省鄭州で語学留学している時にも鄭州大学で聴講しようとしたのですが、多くの先生が河南弁で講義をするので、全く聴き取れず断念した事があります。

昆明市内の某幼稚園で先生が方言で授業をしていたのですが、一言も聞き取れず、びっくりした事もありますが、九〇年代に入り、先生も標準語で授業をする事が義務付けられ、その様な事は、原則として無くなりました。 しかし、貴州省の奥地の小学校に行くと、未だに一部の学校には、民办老師と云う先生が勤務していて、その人は方言で授業をしているような事も見掛けます。

また、昆明市では、一公斤(一キロ)が使われますが、ここ大理等では市斤(一斤=500g)と云う中国独自の単位が使われていますので、偶に昆明市に行き買い物をすると失敗する事もあります。当然、昆明市では店頭では、一キロ単位の値段表示してあります。昆明では、果物を、一斤(500g)買う積りが、倍の一キロも買った事もあります。

 

 



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