子どもたちが描く「平和、友好」/
近隣4ヶ国児童絵画交換展、神奈川で
近隣4ヶ国児童絵画交換展、神奈川で
南北朝鮮、日本、中国の子どもたちが様々なテーマで描いた絵を展示する「第4回近隣4ヶ国児童絵画交換展in三浦半島」が9月28日から10月1日にかけて神奈川県の横須賀市文化会館で行われ、4日間で約350人が来場した。
各国の子どもたちの365作品が並んだ。
2014年に第1回が行われ、今回で4回目となる同交換展には、各国の子どもたちが「平和友好」「将来の夢」「ともだち」「近くの豊かな自然」などをテーマに描いた作品が展示された。今年は北南朝鮮からそれぞれ30作品、日本から133作品、中国から100作品、横浜初級から72作品が送られ、計365作品が集まった。
「東アジアの緊張に振り回されることなく」
実行委の原田章弘代表(71)は元教員。当時交流のため生徒らと中国に行き来していた。しかし、費用の問題で「お金をかけずに何ができるか」考えた結果、絵画の交換展に辿りついた。「せっかくやるんだったら朝鮮半島も含めよう」と、11年頃から知り合いなどを頼りに、各国の児童たちによる絵画交換展の準備を始めた。
資金集めなどに苦労しながらも、14年に第1回を迎えた。
過去の交換展に足を運んだ人の中には「朝鮮の子の絵が、テレビなんかで見る軍隊の絵じゃなくて驚いた」と話していた人もいたという。
今回の交換展にも、公園で遊ぶ姿やクラブ活動、それぞれの国の人たちが手を繋ぐ絵、将来の夢や動物たちについて描いたものなど、東アジアを取り巻く緊張を感じさせない、穏やかで温かい日常を描いた作品が並んだ。
原田さんは「くわを持って歩いていたり、木陰で休んでいたり、どこの国にも日常がある。絵には子どもたちが見たその国の日常が出てくる。絵を見たら『この国にはあの子がいる。だから戦争しちゃいけない』そう思ってもらえるんじゃないかと思う。為政者にはぜひ見てもらいたい」と交換会の意義を語り、また、今後も「東アジアの緊張に振り回されることなく続けていきたい」と話した。
会場に訪れた横須賀市在住の60代日本人女性は「各国の絵にそれぞれ特徴があって面白かったし、テレビでは見ることができない、朝鮮の子どもたちの普段の生活を描いたものを見ることができて良かった」と話し、他の来場者たちも「どの国の子も平和を望んでいると感じた」「色づかいが国によって違いおもしろかった」などと感想を口にしていた。
実行委の梅田悦子さん(73)は東アジアの緊張が高まっている時代だからこそ、交換展に価値があると話す。「今、国同士仲が悪いが、お互い隣国だから仲良くしなくてはいけない。そのためにまずは絵を通じてお互いを知るのは良いこと。もっと多くの人に見てほしい」。
一部の絵は交換展の後、横須賀市の市民活動サポートセンター(11月11日から23日)、中国遼寧省本渓市で展示される予定。
(金孝俊)