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韓国歴代大統領のうち就任後最も早い韓米首脳会談でもある。7月2日午後帰国する。

2017-06-30 | 文在寅大統領情報
文大統領、長津湖戦闘碑に献花…3泊5日間の「同盟外交」の第一歩

登録 : 2017.06.29 04:23 修正 : 2017.06.29 07:25


初日の日程など、各地に“血盟イベント” 
米海兵隊数千人が犠牲になった長津湖の戦い 
中国共産軍南下防ぎ「興南撤収」に貢献 
文大統領「両親もそのおかげで避難」 
明日米副大統領と朝鮮戦争記念碑を訪問 
 
ホワイトハウスの晩餐会と首脳会談 
トランプ政権初の外国首脳夫妻との晩餐 
韓米首脳、単独・拡大会談で 
北朝鮮核問題の解決策などに注目

               

文在寅大統領夫婦と歓送客らが今月28日午後、城南ソウル空港で、韓米首脳会談のため米国へ飛び立つ専用機に向かって歩いている= 城南/キム・ギョンホ選任記者//ハンギョレ新聞社
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が28日、就任後初めて韓米首脳会談のため、米国に向けて出発した。文大統領の3泊5日の歴訪日程のいたるところに韓米の血盟関係を強調する“イベント”が配置されている。今月30日(以下現地時間)、米ワシントンDCで開かれる韓米首脳会談は、文大統領の就任から51日後に行われるもので、歴代大統領のうち最も早い首脳会談でもある。朝鮮半島の緊張緩和に向けては、まず韓米両国の信頼と同盟が不可欠だという認識によるものだ。

 文大統領が28日、米ワシントンに到着した直後に長津湖(チャンジンホ)戦闘記念碑を訪れるのは、“血盟イベント”の核心だ。長津湖の戦いは1950年11月末、米海兵隊1師団約1万5千人が北朝鮮の戦略的要衝地だった江界(カンゲ)を占領しようとして、咸鏡南道長津郡の湖の近くに隠れていた中国共産軍に包囲され、全滅する危機を迎えた戦闘だ。米海兵隊約4500人が犠牲になったほどの熾烈な戦いで、中国共産軍の南下を遅らせ、9万人以上の避難民が興南(フンナム)の埠頭を通じて撤収することに決定的な貢献を果たしたと評価される。文大統領の親は「興南撤収」で南下した避難民だ。文大統領は23日「国軍および国連軍参戦有功者慰労宴」で長津湖の戦いと興南撤収作戦に言及し、「そのおかげに避難してきた避難民の息子が大韓民国の大統領になった」と明らかにした。訪米初日に、長津湖戦闘記念碑献花を決めたのは韓米同盟の堅固さを強調すると同時に、自分と米国の“つながり”を強調して友好的な雰囲気を作るための戦略とみられる。

 30日午前、マイク・ペンス副大統領と朝鮮戦争記念碑を訪れて献花し、参戦勇士の代表らに会うことも“血盟イベント”の一環だ。チョン・ウィヨン国家安保室長は「ペンス副大統領の父親は朝鮮戦争参戦勇士だ。ペンス副大統領が参戦碑への献花を強く希望した」と明らかにした。このような文大統領の報勲関連日程は、米国政府の一部で提起された文大統領の安保観に対する懸念を払拭する意志を表すと同時に、同日午後に予定されたトランプ大統領との首脳会談を狙った側面もある。文大統領は30日午後、トランプ大統領と単独および拡大首脳会談を相次いで開き、両国間の懸案を点検する。特に、両国の最大の関心事である北朝鮮核問題と関連した解決策が導き出されるかが注目される。文大統領は19日、米国のワシントンポスト紙とのインタビューで、「北朝鮮核問題のために制裁と圧迫というメニューに対話というメニューを加えなければならないと思う。トランプ大統領と虚心坦懐な議論をしてみたい」と述べた。しかし、米国が「先非核化、後対話」の基調を維持しており、両国が意見の隔たりを縮められるかは不透明だ。敏感な懸案のTHAAD(高高度防衛ミサイル)や戦時作戦統制権の移管などは今回の首脳会談の議題ではないと大統領府は線を引いているが、会談の過程で突発的に提起される可能性もある。

 一方、文大統領は29日夕方、トランプ大統領夫妻の招待で夫人のキム・ジョンスク氏と共にホワイトハウスを訪問し、初顔合わせを兼ねた歓迎晩餐会を開く。トランプ政府発足以来、外国首脳夫妻を招待してホワイトハウスで公式歓迎晩餐会を開くのは、文大統領夫妻が初めてだと大統領府は説明した。文大統領は首脳会談翌日の7月1日、ワシントン特派員懇談会と同胞懇談会などに出席した後、2日午後帰国する。

チェ・ヘジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ドキュメンタリー映画『盧武鉉です』:人間盧武鉉”について思い直すようになった。

2017-06-29 | 韓国:ハンギョレ新聞
再び巻き起こる「盧武鉉ブーム」、その理由とは?

登録 : 2017.06.05 04:09 修正 : 2017.06.07 16:27


『盧武鉉です』ドキュメンタリー最短期で100万突破 
「大義」守りながら苦難-克服-勝利、英雄叙事と類似 
支持者「涙を流し、追悼して負債意識振り払い」 
歴代1位『あなた…』480万人の記録越えるかに注目集まる 
「英雄叙事の第2幕が必要…冷徹な分析・反省盛むべき」

                   

『盧武鉉です』のポスター//ハンギョレ新聞社
 「“政治家盧武鉉(ノ・ムヒョン)”は支持しないが、“人間盧武鉉”に感動した」

 「若い保守」を自称する観客ホ・ギウクさん(42)の感想だ。彼は2002年はもちろん、2007年、2012年の大統領選挙でも保守候補に投票した。しかし、妻の手に引かれて『盧武鉉です』を見てから、“人間盧武鉉”について思い直すようになったと話した。両親と共にもう一度映画を見る計画だ。

 ドキュメンタリー『盧武鉉です』が封切りから10日目の3日、100万観客を突破した。ドキュメンタリー映画史上、最短期間で100万の記録だ。どうして観客たちは今“人間盧武鉉”を取り上げた映画にこんなに熱狂するのだろうか。

■非支持者まで虜にした「盧武鉉コンテンツの力」

 専門家らはまず、盧武鉉コンテンツの持つ力をその理由として挙げている。盧元大統領の挑戦と挫折、克服と成功の一代記が“英雄叙事”と類似しており、「原初的なカタルシス」を感じさせるということだ。

 映画は、盧元大統領が2002年、新千年民主党の大統領候補党内選挙に挑戦し、「盧武鉉を愛する人々の会」(ノサモ)の献身的な活動に支えられ、大逆転を繰り返しながら、国民予備選挙で勝利する過程を主に取り上げている。大衆文化評論家のファン・ジンミ氏は「2%台の支持率が物語るように、自らが選んだ苦難の道(3度の落選と釜山市長挑戦の失敗)を歩みながらも、『東西和合』『地域主義打破』という大義名分を捨てずに、これに感化された支持勢力に支えられて勝利をおさめるプロット自体が、一種の英雄叙事」だとし、「時期尚早な死にもかかわらず、“盧武鉉精神”だけは再び生きて“復活”するという点までも(英雄叙事と)相通じるものがある」と分析した。ファン氏は「劇映画『弁護人』(約1137万人)とドキュメンタリー『武鉉、二都物語』(約19万3千人)の興行もこの敍事の力を示している」と付け加えた。

 映画の中の人間臭い面貌がホさんのように彼を支持しなかった人の心まで掴んだためという分析もある。映画には文在寅(ムン・ジェイン)大統領、安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事など、盧元大統領の側近だけでなく、運転手、請願警察、彼を担当した元国家情報院職員ら39人のインタビューが党内選挙の過程と交差編集されている。彼らはいずれも盧元大統領の“人間臭い姿”を証言している。

 キム・オンヒさん(41)は「自ら運転して運転手を新婚旅行地に連れていったエピソードや、立派な人柄で国情院の職員まで感服させた逸話などに感動した」とし、「見ている間ずっと泣いていた」と話した。映画を作ったイ・チャンジェ監督は「政治家盧武鉉は排除し、人間盧武鉉の姿を撮るのに集中した」とし、「盧武鉉という人をめぐる良い空気が支持如何にかかわらず、大きく心に響いたからではないかと思う」と自評した。

■支持者にとっては哀悼と追悼の機会

 上映館ではどこでもすすり泣く声でいっぱいだった。盧元大統領支持者にとってこの作品を見ることは、飲み込んできた涙を流し、心に積もっていた「心理的負債感」とその後保守政権で感じてきたもどかしさを振り払う、追悼の儀式として共有される側面もある。

 イ・ソルヒョンさん(48)は「盧元大統領を空しく(あの世に)送ってしまったことについて、悲痛さと申し訳ない思いでいっぱいだったが、映画をみて思いっきり涙を流して追悼することができた」とし、「彼の遺志を次の世代にも伝えなければならないという義務感から、16歳の息子と14歳の娘と共に観覧した」と語った。

 朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾と繰り上げられた大統領選挙、文在寅政権の誕生なども、興行を後押しした。映画評論家のチョン・ジウク氏は「弾劾を経て、真のリーダーシップに対する渇望が多くなり、それが盧武鉉というコンテンツに対する訴求力を作り出した」と解釈した。チョン評論家は「CGVアートハウスが配給に参加し、700個以上のスクリーンを確保したのも無視できない影響を与えた」と付け加えた。ドキュメンタリー映画の最大興行作『あなた、その川を渡らないで』もCGVアートハウスが配給を担当したが、『あなた…』が約180のスクリーンから始まり、最大800カ所まで増えたことに比べて、『盧武鉉です』は、当初から580を超えるスクリーンで上映を開始した。政権交代で政治・社会的雰囲気が急変した点も興行成績に影響を及ぼしたものと見られる。

■興行好調どこまで?…そして残った課題

 『盧武鉉です』は公開初日から歴代ドキュメンタリー映画の記録を塗り替えた。7万8千人というオープニングスコアは過去の最高興行作である『あなた…』(8907人)の8倍に上る。記録は継続して更新されるものとみられる。初頭から地道に平日5万~7万人、週末には15万~20万人以上が見ているからだ。歴代ドキュメンタリー興行2位の『カウベル』(293万人)はもちろん、『あなた…』の480万人を超えられるかに注目が集まっている。

 一方では「盧武鉉コンテンツ」の補完すべき課題を提言する声もあがってる。評論家のファン・ジンミ氏は「英雄叙事構造からすると、『盧武鉉です』は第1幕に当たる。第2幕も必ず必要だ」とし、「大統領になった後、支持者たちとどのような緊張と拮抗の関係に陥るようになったのか、その理由は何かを取り挙げるコンテンツが出てこそ、盧武鉉政権から何を継承し、何を反省すべきなのかに対する冷徹な分析が可能になるだろう」と指摘した。

 イ・チャンジェ監督は「陣営論理を離れ、盧武鉉という人について心を開くきっかけを作るために企画された映画」だとし、「映画をみて他の解釈が必要だと思う多くの製作者・監督が出てきて、彼を取り上げる様々な映画が作られることを期待する」と明らかにした。

ユ・ソンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

文在寅大統領が来月7~8日にドイツのハンブルクで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席すると発表

2017-06-28 | 文在寅大統領情報
文大統領が来月のG20首脳会議に出席 安倍首相らとの会談も推進

2017/06/27 17:01


【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)の朴洙賢(パク・スヒョン)報道官は27日の記者会見で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が来月7~8日にドイツのハンブルクで開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席すると発表した。同5日に出発し、10日に帰国する予定だ。

              
文在寅大統領=(聯合ニュース)

 文大統領はG20首脳会議に先立ち5~6日に同国の首都ベルリンを公式訪問し、メルケル首相、シュタインマイヤー大統領とそれぞれ会談する。両国友好関係の発展策や北朝鮮核問題の解決策、自由貿易体制の支持、気候変動への対応などを巡り、幅広く意見を交わすという。

 また、G20首脳会議に合わせ、日本や中国、ロシアなどの首脳との個別会談の実施を調整している。

tnak51@yna.co.kr

両国首脳は会談で北朝鮮核問題や韓米自由貿易協定(FTA)をめぐる再交渉の可否、経済協力の拡大などの協議。

2017-06-27 | 文在寅大統領情報
文大統領、
北朝鮮核問題の2段階解決策めぐりトランプとの接点見出せるか

登録 : 2017.06.27 03:20 修正 : 2017.06.27 07:09


-韓米首脳会談の日程と議題- 
ペンス副大統領と韓国戦争記念碑を訪問 
会談後、記者団と質疑応答なしに発表だけ  
「北朝鮮核問題の2段階解決策めぐる協議」が最大の関心事 
大統領府、THAAD関連「議題ではない」と強調

                 

文在寅大統領が今月26日、大統領府本館で開かれた「元駐米大使との招請懇談会」で冒頭発言をしている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 30日(現地時間)、米ワシントンDCで就任後初の韓米首脳会談に臨む文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、前日に続き26日にも、別途の外部日程をこなすことなく、訪米準備に力を入れた。両国首脳は会談で北朝鮮核問題や韓米自由貿易協定(FTA)をめぐる再交渉の可否、経済協力の拡大などの懸案を全般的に協議する予定だ。

 さらに高度化している北朝鮮の核・ミサイル問題は、両首脳の最大の関心事になる見込みだ。特に、文大統領が最近米国CBSとのインタビューで提示した「北朝鮮の核凍結→非核化」という「北朝鮮の核問題に対する2段階解決策」について、両首脳が接点を見出せるかが注目される。文大統領とドナルド・トランプ米大統領は、いずれも北朝鮮に消極的圧迫を加えながら北朝鮮の変化を待つ「戦略的忍耐」政策が効果的でなかったという点には同意しているが、文大統領は“対話”に、米国行政部は“非核化”に重きを置いている。

 韓米自由貿易協定を再協議するかどうかも主な関心事として浮上している。トランプ大統領は大統領選候補時代から同協定について「米国の雇用を殺す協定」だとして、露骨に批判してきた。

 大統領府は最大懸案であるTHAAD(高高度防衛ミサイル)の朝鮮半島配備は、会談の主な議題ではないと線を引いている。文大統領は同日、元駐米大使たちとの懇談会で、「今回の首脳会談では具体的事案に対する成果にこだわらず、トランプ大統領との友誼と信頼を築き、これをベースに韓米同盟強化の基盤を固め、北朝鮮核問題の解決に向けた共同案を議論する予定」だと明らかにした。THAADの迅速な配備を希望する米国の要求に直ちに応えられないだけに、THAAD問題を初の首脳会談で主要に議論するのは望ましくないという韓国政府の意思を示したものと見られる。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は「今後5年間、首脳間の随時の電話会談や相互訪問、多国間会議などを通じて、緊密な協議体制が築かれることを期待している」と明らかにした。しかし、会談過程でトランプ大統領が突発的にTHAAD問題を提起する可能性も排除できない。

 文大統領は28日(現地時間)午後、ワシントンDCに到着し、長津湖(チャンジンホ)戦闘記念碑への訪問を皮切りに公式訪米日程に乗り出す。米軍は1950年11~12月、咸鏡南道長津湖戦闘で中国共産軍の南下を遅らせたことで、9万人以上の避難民が興南(フンナム)埠頭を通じて撤収するのに寄与しており、文大統領の親も「興南撤収」避難民の一員だったと、大統領府は説明した。チョン・ウィヨン室長は「長津湖戦闘記念碑に献花することは、韓米同盟の特別さを強調すると共に、文大統領の家族史にも繋がる重要な象徴性がある」と述べた。文大統領は続いて韓米両国の商工会議所が主管する「ビジネス・ラウンドテーブル」に出席して演説し、晩餐を共にする。また、29日には、ポール・ライアン下院議長など米政界関係者と面談し、同日午後トランプ大統領夫妻の招待で夫人キム・ジョンスク氏と共にホワイトハウスを訪問し、歓迎晩餐会に出席する予定だ。さらに、30日午前にはマイク・ペンス副大統領と共に韓国戦争記念碑に献花した後、午後トランプ大統領と単独および拡大首脳会談を開き、共同発表を行う予定だ。共同記者会見の形ではないため、記者団との質疑応答は予定されていない。文大統領は同日夜、戦略国際問題研究所(CSIS)で演説し、7月1日の同胞懇談会に出席した後、帰国の途に就く。

チェ・ヘジョン、チョン・ユギョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

文大統領: “入口”に何を置くかがカギとなる!  韓米首脳会談が最初の関門になる見通し ・・・   

2017-06-26 | 世界情勢を知ろう
[ニュース分析]
韓米首脳会談で北朝鮮の核凍結に向けた「交渉の扉」が開かれるためには

登録 : 2017.06.26 03:55 修正 : 2017.06.26 06:59


文大統領が発表した北朝鮮の核問題に対する2段階解決策 
“入口”に何を置くかがカギとなる 
韓米首脳会談が最初の関門になる見通し  
 
北朝鮮による追加挑発の中断が最小条件  
専門家「韓米合同演習の縮小」との意見も  
トニー・ナムグン博士「朝米、南北など 
2+2会談を再開することも方法」

                 
今月29日に韓米首脳会談を行う予定の文在寅大統領と米国のドナルド・トランプ大統領//ハンギョレ新聞社
 29日、ドナルド・トランプ米大統領との首脳会談を控えて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が最近、米国のメディアとのインタビューで相次いで核問題の解決と南北関係の改善基調を明らかにしたことで、これを解決する最初の関門である韓米首脳会談の協議内容に注目が集まっている。

 大統領府が今月14日に発表した韓米首脳会談の議題の中には、「北朝鮮核問題の根源的な解決に向けた共同方策」と「朝鮮半島の平和を実現」が共に含まれている。また、先月の韓米当局者たちは、北朝鮮の核問題と関連して共通点を確認したとして、「北朝鮮の核4原則」(核の完全な廃棄が究極的目標▽制裁と対話を含む全ての手段を動員▽正しい環境が実現すれば、北朝鮮と対話も可能▽このような目標を達成するための断固として実用的な韓米間の共同方策の模索)を明らかにした。文大統領は、このような大きな枠組みから一歩踏み込んで、解決策を具体化したわけだ。

 文大統領が提示した北朝鮮の核問題に対する2段階の解決策(北朝鮮の核・ミサイル活動の凍結→北朝鮮の核廃棄)の第1段階である「凍結」は、1994年第1次北朝鮮核危機当時、米朝が劇的に妥結した「ジュネーブ基本合意」に遡る。当時両国は、米国が軽水炉および代替エネルギーを提供する代わりに、北朝鮮が黒鉛減速炉及び関連施設を凍結し、究極的に解体することで合意した。このような「凍結」合意は2007年の2・13合意と2012年の2・29合意にも明記された。

 問題は、北朝鮮の核凍結という第1段階の会談に向けて“入口”として何を設けるのかだ。一部では、開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の再開などを対話の再開に向けた“入口”として示しているが、文大統領は「北朝鮮の核・ミサイル開発の凍結が先」だと明らかにしている。文大統領はまた、「前提条件のない対話を語ったことはない」と線を引いた。

 これまで文大統領が言及した「対話の条件」は「北朝鮮の核・ミサイルの追加挑発の中断」とみられる。しかし、「追加挑発」というのが、核または大陸間弾道ミサイル(ICBM)など「戦略挑発」を意味するのか、それとも北朝鮮の日常的な軍事訓練の一環でもある短距離ミサイル発射なども「挑発」に含まれているのかは、明確でないという指摘もある。

 対話の再開に向けた“入口”に「韓米合同軍事演習の縮小」を置かなければならないという意見もある。匿名希望のある北朝鮮専門家は「8月に行われる予定の(韓米連合訓練の)乙支(ウルチ)フリーダムガーディアンと関連し、7月に(韓米当局が縮小などの)可視的な措置を取るのが、対話に先立って『7月危機』を防止する道」だと助言した。北朝鮮は韓米首脳会談が開かれる6月末までは雰囲気を探索するだろうが、7月に入ってからは強力な“挑発”を敢行する可能性があるというのが、専門家らの共通した見解だ。

 米国の代表的な北朝鮮専門家のトニー・ナムグン元大学バークレー大学東アジア研究所副所長は、最近ハンギョレとのインタビューで「米朝、南北がそれぞれ会談を開き、2(米朝)+2(南北)会談を再開することも(北朝鮮の核問題を解決する)方法」だと提案した。これに先立ち、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2012年、韓国と北朝鮮、米国は相次いで会談を開き、核活動に対する猶予(モラトリアム)と朝鮮半島停戦協定を認めた2・29合意を導き出した。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「両連盟の和合と親善はもちろん、南北の和解協力と朝鮮半島の平和にも多いに役立つだろう」

2017-06-25 | 文在寅大統領情報
文大統領、平昌五輪で南北単一チームを提案…
「1991年の栄光再び見たい」


登録 : 2017.06.24 23:35 修正 : 2017.06.24 23:54


茂朱世界テコンドー大会開幕式祝辞で「南北単一チーム」を公式提案 
チャン・ウンIOC委員リ・ヨンソン国際テコンドー連盟総裁など出席 
「新政府として初の南北体育交流がなされたことをうれしく思い 
9月の平壌国際テコンドー連盟大会の答礼訪問を積極支援する」

                     

WTF世界テコンドー選手権大会が開かれた24日午後、文在寅大統領が全羅北道、茂朱(ムジュ)のテコンドー園を訪れ、テコンドー人、選手、観客に向かって手を振っている=2017.6.24ソウル/聯合ニュース
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が来年開かれる平昌(ピョンチャン)冬季オリンピックで、南北が単一チームを構成して参加する方案を公式提案した。文大統領は24日、全羅北道茂朱(ムジュ)のテコンドー園T1競技場で開かれた世界テコンドー選手権大会の開幕式で「平昌冬季オリンピックに北朝鮮選手団が参加するならば、人類和合と世界平和増進というオリンピックの価値を実現することに大きく寄与するだろうと考える」として「願わくば、かつて初めて南北単一チームを構成し最高の成績を収めた1991年世界卓球選手権大会と世界青少年サッカー大会の栄光を再び見たい」と明らかにした。この席には、チャン・ウン国際オリンピック委員会(IOC)委員とリ・ヨンソン国際テコンドー連盟(ITF)総裁など北朝鮮の体育界関係者たちと、北朝鮮の国際テコンドー連盟テコンドー模範競技団も参加していた。北朝鮮が主導する国際テコンドー連盟は、韓国が主導する世界テコンドー連盟(WTF)と共に世界のテコンドー界を二分している。

 文大統領は祝辞で「今大会を通じて新政府として初の南北体育交流協力がなされたことをうれしく思う。特に韓国で行われる世界テコンドー連盟大会で、国際テコンドー連盟が示範を見せるのは歴史上初の出来事」とし「両連盟の和合と親善はもちろん、南北の和解協力と朝鮮半島の平和にも多いに役立つだろう」と期待を表わした。文大統領は続けて「テコンドーで成し遂げた今回の成果が、来年の平昌冬季オリンピックにつながることを期待する」として、北朝鮮選手団の平昌オリンピックへの参加と南北単一チーム構成を北朝鮮側に提案した後、「この場にいらっしゃる国際オリンピック委員会とチャン・ウン委員の大いなる関心と協力をお願いする。大韓民国政府も必要な努力と積極的な支援を約束する」と強調した。

 今年9月に平壌(ピョンヤン)で開かれる国際テコンドー連盟大会への、世界テコンドー連盟模範競技団の答礼訪問も積極的に支援する意向を明らかにした。文大統領は「(平壌大会への)答礼訪問を必ず成し遂げて、朝鮮半島の平和の大きな転機が作られることを期待する。世界テコンドー連盟が推進するイスラエルとパレスチナの親善競技も成功させ、世界平和の磐石の上にテコンドーの名が刻まれることを願う」と述べた。文大統領はさらに「スポーツはすべての障壁と断絶を崩す最も強力な平和の道具であり、共に流す汗は和解と統合を作る触媒になる」として、米国と中国、米国とベトナムの「ピンポン外交」に言及し「私は平和を作ったスポーツの力を信じる」と強調した。

 文大統領はこの日の祝辞の序盤で国際オリンピック委員会の役員陣と参加選手団に歓迎の意を伝え「そして、今日一番近いが最も遠い道を来られたようだ。難しい条件の下でも、民族和解と朝鮮半島の平和のために大韓民国を訪問されたチャン・ウンIOC委員とリ・ヨンソン国際テコンドー連盟(ITF)総裁、北朝鮮国際テコンドー連盟模範競技団の皆様にも心からの歓迎を申し上げる」として、訪北団に格別な感謝の気持ちを伝えた。

イ・セヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

カン長官はこれに対し、「(北朝鮮核問題の解決に向けた)正しい条件と措置について協議しよう」と提案した。

2017-06-24 | 文在寅大統領情報
ティラーソン米国務長官「THAAD配備めぐる韓国内の民主的手続きを尊重」


カン・ギョンファ外交部長官との初の電話会談で立場を再確認 
ティラーソン長官「北朝鮮の核問題に向け平和的圧迫キャンペーン中」 
カン長官「正しい条件・措置の協議」を提案 
首脳会談の成功に向けた最終調整にも合意


レックス・ティラーソン米国務長官//ハンギョレ新聞社
 カン・ギョンファ外交部長官が22日夜、就任後初めてレックス・ティラーソン米国務長官と電話会談を行ったと、外交部が明らかにした。両長官は、北朝鮮核問題の「平和的解決」に向けて協議することにしたほか、在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)システム配備と関連した韓国内の「民主的手続き」についても話し合ったという。

 外交部当局者の説明を総合すると、ティラーソン長官は同日、カン長官との会談で、北朝鮮核問題と関連して「今私たちが行っているのは『平和的圧迫キャンペーン』だ。平和的な解決を望んでいる」としながらも、「北朝鮮の非核化に北朝鮮の未来がかかっている」と述べた。カン長官はこれに対し、「(北朝鮮核問題の解決に向けた)正しい条件と措置について協議しよう」と提案した。両長官は随時協議を続けていくことにした。

 約25分間にわたって行われた電話会談で、カン長官はTHAAD配備と関連し、「民主的正当性、手続き的透明性に対する国内的需要がある。THAADを中断するためではなく、民主的手続きと正当性を担保するために、内部手続きを進めている」と説明したと、外交部当局者が話した。ティラーソン長官は「(韓国の)民主的手続きを尊重する」と反応した。これは先日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対米特使として訪米した朝鮮半島フォーラムのホン・ソクヒョン理事長に、ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官が言及した内容の延長線上にある。当時、マクマスター補佐官は「韓国の立場と状況を尊重する」という反応を示したという。

 カン長官はまた、北朝鮮に抑留され、昏睡状態で釈放されてから死亡したオットー・ワームビア氏に弔意を表し、今月28~29日に予定された韓米首脳会談の成功的開催に向けて努力しようと述べた。カン長官は「(両首脳間の会談が)5年間の政策協力の土台になるだろう」としたうえで、「会談前に会って、ファイナル・タッチ(最終調整)を行いたい」と提案した。ティラーソン長官も「重要なこと」だとし、「日程を調整しよう」と答えたと、外交部当局者が明らかにした。

キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

インドの衛星放送「ウィオン」(WION)と北朝鮮のケ・チュニョン・インド大使とのインタビュー

2017-06-23 | 朝鮮民主主義人民共和国
北朝鮮大使、
「韓米演習中止すれば、核・ミサイル実験止めて対話」


登録 : 2017.06.23 00:54 修正 : 2017.06.23 07:09


イ・チュニョン・インド大使、メディアでのインタビュー 
韓米首脳会談の前に“交渉カード”流し

                 
インドの衛星放送「ウィオン」(WION)と北朝鮮のケ・チュニョン・インド大使とのインタビュー画面のキャプチャー//ハンギョレ新聞社
 韓米が合同軍事演習を中止すれば北朝鮮も核とミサイル実験を中止することもありうると、インド駐在のケ・チュニョン北朝鮮大使が明らかにした。彼は核兵器廃棄を前提とした交渉が可能だという意向も示した。ケ大使はリ・スヨン外相の側近として知られる上に、韓米首脳会談を一週間後に控えた微妙な時期に出た発言であるため注目されている。

 ケ・チュニョン大使は21日、インド衛星放送の「ウィオン」に出演し「一定の状況で北朝鮮は核実験やミサイル試験発射凍結の条件を議論する意思がある」とし、このように述べた。ケ大使はリ・スヨン北朝鮮外相がジュネーブ代表部大使を担っていた時、次席大使を務めた人物だ。通常、北朝鮮外交官が外信とのインタビューで本国の指針を受けるという点を考慮すると、北朝鮮が韓米首脳会談を控えて適切な時点を選んで間接的に立場を明らかにしたものという観測が出ている。

 同放送がユーチューブに掲載した該当のインタビュー映像によると、ケ大使は「米国が一時的あるいは永久的に大規模な軍事演習を完全に中止するならば、私たちも一時的に(核とミサイル実験を)止めることになるだろうし、現状況について平和的に対話できるだろう」と述べた。

 ケ大使はさらに、「一定の状況で我々の要求条件が満たされれば、兵器実験の猶予条件をめぐり交渉できるだろう」とし、「論理的に考えてみても22万平方キロしかない小さな朝鮮半島にそのような危険な兵器は必要ではないが、私たちの存立を守るために、不可避で厳しい選択として核兵器を保有している」と主張した。北朝鮮の核廃棄を前提にした交渉も可能という話に解釈できる部分だ。

 北朝鮮が韓米合同軍事演習の中止と核・ミサイル実験の停止の交換を提案したのは今回が初めてではない。リ・スヨン外相は昨年4月、AP通信とのインタビューで、「米国政府が対北朝鮮敵視政策を廃棄し、彼らの表現でいう朝鮮半島での軍事演習、戦争演習を中止することが極めて重要だ。そうすれば我々も相応の措置を取るだろう」として、核実験中止の可能性を言及した。北朝鮮は2015年1月にも朝鮮中央通信を通じて、米国が韓米合同演習を臨時中止すれば「我々も米国が憂慮する核実験を一時中止する肯定的処置を取る用意がある」と明らかにしている。

 これと関連して大統領府側は「北朝鮮当局の公式意見と見ることはできない」としながら、北朝鮮の正確な意図が何なのか綿密な探索が必要だという立場だ。大統領府関係者は「インド大使一人の発言だけでは、北朝鮮の意図が正確に何なのかを把握しにくい。ただし、北朝鮮に現状の打開の意志と動きがあるなら望ましいことではないか」と話した。

 キム・ヨンチョル仁済大学教授は「(ケ大使の発言は)本格的な対話に先立ち、互いの信頼度を試してみている最も初歩的な初期履行措置を提案したもの」だとし、「交渉の扉に入る入り口で相互に交渉に臨む姿勢を確認してみようという意思を明らかにしたとみることができる」と指摘した。コリア研究院のキム・チャンス院長は「韓米首脳会談を控え、北朝鮮が適切な時点を選んで提案を送ったものとみられる」とし、「北朝鮮の真意さえ確認できれば、肯定的な措置が続く可能性がある」と見込んだ。

チョン・インファン、イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

12日、日本外国特派員協会で記者会見を行った。鄭己烈さん、金永雄さん、ミシェル・チョスドフスキーさん

2017-06-22 | 朝鮮新報ニュース
米国の核戦争威嚇を強く批判/6.15シンポジウム登壇者らが記者会見


                 
左から鄭己烈さん、金永雄さん、ミシェル・チョスドフスキーさん

6.15南北共同宣言17周年国際シンポジウム「朝鮮半島と東アジア-平和への新たなステージへ」(11日、東京)に登壇したミシェル・チョスドフスキー(Michel Chossudovsky)カナダ・オタワ大学名誉教授、金永雄ロシア科学アカデミー極東研究所上級研究員、鄭己烈中国精華大学客員教授が12日、日本外国特派員協会で記者会見を行った。

まず、ミシェル・チョスドフスキー名誉教授が発言した。

ミシェル名誉教授は、米国の「核戦略見直し」によって、核兵器が自衛のための先制攻撃に使用されうる状況が生まれていることに強い懸念を示し、半世紀以上にわたり米国の核の脅威にさらされている朝鮮が自衛的手段として持った核を「脅威」だとする米国の主張の矛盾を指摘した。そして、米国が持つ南朝鮮軍に対する戦時統制権を南に返還させるための協議を進めることを提言した。

鄭己烈客員教授は、「北朝鮮の核問題」は、西側のメディアが作り上げた「愚かなショー」だと批判。「朝鮮戦争以来、朝鮮は常に米国の核の脅威にさらされており、米国の核こそが本当の核問題だ」と述べた。

最後に金永雄上級研究員は、現在の世界は大きな転換期にあるとし、世界経済における米国の力が失われている現状について触れながら「ロシアは対話を通じて朝鮮半島の緊張した対立関係を和らげ、南北の協力関係を発展させようとしている」と指摘、朝鮮半島の安全保障の問題で最も大切なのは軍事的に対立する当事者たちが平和協定を結ぶことだと話した。

(金孝俊)

萩生田氏発言:「加計学園事務局長を(専門教育)課長のところにいかせる」と書かれているなど、・・・

2017-06-21 | 日本国憲法を守れ!
「官邸は絶対やる」
加計問題 萩生田氏発言の新文書 首相が開学に期限か



              
(写真)文部科学省が公表した、萩生田官房副長官が同省高等教育局長に語った内容を記録したとされる文書

 安倍晋三首相の友人が理事長の学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)が獣医学部を新設する問題で文部科学省は20日、萩生田光一官房副長官が同省高等教育局長に対して、昨年10月21日に首相の意向を伝えたとするメモを新たに発表しました。メモには、「官邸は絶対やる」「総理は『平成30年(2018年)4月開学』とおしりを切っていた」などの記述があります。官邸側が18年4月開学を前提に獣医学部新設を求めていたとする従来の内部文書とも合致する内容です。

 文書の題は「10/21萩生田副長官ご発言概要」です。「加計学園事務局長を(専門教育)課長のところにいかせる」と書かれているなど、愛媛県今治市での獣医学部新設を前提にしています。

 文書によると萩生田氏は「総理は『平成30年4月開学』とおしりを切っていた。工期は24ケ月でやる。今年11月には方針を決めたいとのことだった」と首相の意向を文科省に示したとされています。

 また、和泉洋人首相補佐官の名前をあげ「文科省だけが怖じ気づいている」「官邸は絶対やると言っている」と述べたとされています。和泉氏は昨年9月上旬に、文科省の前川喜平事務次官(当時)に獣医学部新設を進めるよう「圧力」をかけた人物です。

 萩生田氏に文科省局長が面会した昨年10月21日は、国家戦略特区諮問会議が、獣医学部新設の規制緩和を決める前。文科省は獣医学部新設に消極的だった時期です。文書からは、官邸側が文科省に獣医学部新設を強く迫っている様子が読み取れます。

 文科省が萩生田氏に確認したところ「詳細はよく覚えていない」としたうえで、「具体的開学時期などの発言はしていない」と返答があったといいます。

 この文書は19日夜にNHKが報道。これをうけて文科省が調査したところ、専門教育課の共有フォルダに保存されていることが分かりました。

 安倍首相は19日の会見で「今後、何か指摘があれば、その都度、真摯(しんし)に説明責任を果たす」と述べており、対応が問われています。

文在寅大統領:安全・環境にやさしいエネルギーに大転換、「古里1号機永久停止宣布式」に参加

2017-06-20 | 文在寅大統領情報
「寿命の尽きた原発稼動はセウォル号と同じだ」 …
文大統領、国民の生命権強調


登録 : 2017.06.20 06:14 修正 : 2017.06.20 06:50


発展途上国型エネルギー政策を廃棄
安全・環境にやさしいエネルギーに大転換
大統領府経済首席室が担当していた原発政策
社会首席室との協力課題として担当させる

                
文在寅大統領が19日、釜山市機張郡の韓国水力原子力古里原子力本部で開かれた「古里1号機永久停止宣布式」に参加した。文大統領が古里隣近地域の子供たちと永久停止ボタンを押したあと記念写真を撮っている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 

 19日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「脱原発国家スタート宣言」は、既存のエネルギー政策のパラダイムを根本から変えるという意志の表現だ。安い発電単価と効率性を重視する発展途上国型エネルギー政策から環境と国民の生命権を重視する先進国型清浄エネルギー政策への転換を明らかにしたのである。

 文大統領がこの日、釜山市機張郡(キジャングン)の韓国水力原子力古里(コリ)原子力本部で開かれた古里 1号機永久停止宣言式で発した核心的メッセージは「安全」だ。 文大統領は去年9月に発生した慶州(キョンジュ)の大地震に言及し、韓国がもはや地震安全地帯ではないことを強調した。 特に古里原発から半径30キロメートル以内に382万人の住民が密集して住んでいるという点をあげ、韓国で原発事故が発生した場合、福島よりもっと惨憺たる悲劇が起こり得るという点を力説した。彼が記念演説で「安全な大韓民国はセウォル号の子供達との固い約束だ」として「設計寿命が尽きた原発の稼動を延長することは、船舶運航の船齢を延長したセウォル号と同じだ」と力をこめて言ったのも、このような脈絡だ。文大統領はこれと共に「脱原発は逆うことのできない時代の流れだ。数万年この地で生きて行く私たちの子孫のために、今始めなければならないことだ」と述べ、過去のエネルギー政策に回帰することはできないことを明確にした。

 文大統領のこの日の演説は、大統領選挙候補者時代の公約を具体的に履行する出発点でもある。文大統領は▽新規原発の全面中断および建設計画の白紙化▽設計寿命が尽きた原発は直ちに閉鎖▽新古里5号機, 6号機の工事中断、月城(ウォルソン)1号機閉鎖などを約束したことがある。大統領は昨年末、原発事故を扱った映画『パンドラ』を見た時にも「(古里原発が近くにある) 釜山市民にとっては、枕元にいつ爆発するか分からない爆弾を一つ置いて暮らすようなものだ。パンドラ(原発)の箱を開けてはいけないと言うのではなく、パンドラの箱自体を取り除かねばならない」とも言った。

 ソウル大のユン・スンジン環境大学院教授は「これまで脱原発は研究者がいなくてできなかったのではなく、政府の意志が足りなかったからできなかったのだ」として「新しい政府になり、古里1号機の閉鎖に次いで、今回の演説でエネルギー政策転換を宣言し脱原発の意志を明らかにしたことは大きな意味がある」と評価した。彼はまた「今や具体的に脱原発のロードマップを立てる段階だ」として「先進国はエネルギー電力消費を減らしている。韓国と産業構造が違うので平面的な比較は難しいが、今後私たちもエネルギーの効率的な消費という方向に進むことができるだろう」と付け加えた。

 文在寅政府の脱原発の意志は、これまで大統領府経済首席室傘下の産業政策秘書官が担当していた原発政策を社会首席室の気候環境秘書官との「協力課題」として担当させたことにも表れている。エネルギードリームセンター長出身であり「緑の連合」の創立メンバーでもあるキム・ヘエ気候環境秘書官は、産業資源部で長期間エネルギー政策を担当してきたチェ・ヒボン産業政策秘書官と呼吸を合わせている。与党圏のある関係者は「もともと韓国水力原子力の側では古里1号機閉鎖について (原発の価値を強調する)「美しい退役式」というコンセプトを立てたのだが、大統領府が脱原発・エネルギー政策の転換点という話をすることで全く変わった」として「文大統領は脱原発の意志が固く、長いこと準備もしてきたと聞いている」と言った。

チョン・ユギョン、イ・ジョンエ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )


しんぶん赤旗より
韓国 脱原発宣言
新規建設を全面白紙に
文大統領「国民の安全最優先」
再生エネへ転換


 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、原発の新規建設計画を全面白紙化することを表明し、「原発中心の発電政策を廃棄し、脱核(原発)時代へ向かう」と宣言しました。二酸化炭素を大量に排出する火力発電を減らし、太陽光や風力発電など再生可能エネルギーを増やすことも約束しました。(栗原千鶴)

 19日午前0時、同国最古の古里原発1号機(釜山市機張郡)が稼働を停止しました。これに合わせた式典で文氏は、東京電力福島第1原発事故以降、ヨーロッパで脱原発の流れが進んでいることに言及し、「韓国はいまや世界で原発が一番密集した国になった」と指摘。1978年の観測開始以後、最大規模となるマグニチュード(M)5・8の地震が昨年9月、南東部・慶州で発生したことにも触れ、「韓国はもはや地震の起きない安全地帯ではないことを認めなければならない」「国民の安全を最優先にしたエネルギー政策を追求すべきだと確信する」と訴えました。

 あわせて文氏は、建設寿命を迎えた原発の稼働期間を延長しないことや、現存する原発の安全基準を強化すると述べました。

 韓国の産業通商資源省によると、現在稼働中の原発は24基。5基が建設中で、さらに6基の増設が予定されていました。この6基が白紙化の対象となります。

 今回、廃炉となる古里原発1号機は、78年4月に商業運転を開始。寿命は30年とされていましたが、2007年12月に10年の延長運転が決定。その後も事故や故障が相次いでおり、地元住民からは安全性に懸念があるとして稼働停止を求める声があがっていました。

 文氏は、16日に同国南部の済州島で開催されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の総会で、30年までに再生可能エネルギー発電を電力全体の20%まで引き上げる計画や電気自動車をはじめとするエコカーの普及などに取り組むことを明らかにしています。

米海軍第7艦隊所属のイージス駆逐艦、コンテナ船の左側船首部分とフィッツジェラルド艦の右わき腹部分が衝突した。

2017-06-19 | アメリカの対応
最先端レーダー搭載した米イージス艦、
日本で商船と衝突…米海軍7人死亡


登録 : 2017.06.18 21:51 修正 : 2017.06.19 06:59


「イージスレーダーは対空用…船舶探知は一般船舶と類似」 
捜査権は米軍に優先権…日本が調査するには米軍同意必要

                
17日、フィリピン船籍のコンテナ船と衝突し側面が大きく破損した米海軍イージス艦フィッツジェラルド号が、神奈川県の横須賀基地に帰還している。18日、破損した乗務補助員区域で乗務補助員と見られる遺体7体が発見された=横須賀/共同聯合ニュース
 最先端レーダーを搭載した米海軍のイージス艦が、日本で商船と衝突し米海軍兵士7人が亡くなり、艦長を含む3人が負傷する事故が起きた。先端防御能力を備えた駆逐艦だが、商船との衝突は回避できなかった。

 米海軍第7艦隊所属のイージス駆逐艦、フィッツジェラルド号(8,315トン)が17日、静岡県伊豆半島近隣の海上でフィリピン船籍のコンテナ船ACX CRYSTAL号(29,060トン)と衝突して、右わき腹が大きくつぶれた。米軍はフィッツジェラルド号が18日、神奈川県横須賀基地に帰還した後に衝突で浸水した乗務補助員寝室と機械室から水を抜いて捜索した結果、乗務補助員寝室で遺体数体を発見したと発表した。日本のNHKと米国のCNN放送は、米海軍乗務補助員と見られる遺体7体を発見したと報道したが、米第7艦隊は遺体の数を明らかにしなかった。コンテナ船に乗っていたフィリピン人船員20人には負傷者はいなかった。

 日本の海上保安庁によれば、17日午前1時30分頃、コンテナ船の左側船首部分とフィッツジェラルド艦の右わき腹部分が衝突した。コンテナ船は日本の海運会社である日本郵船が運営する船で、この日名古屋港を出航し東京港に向かう途中だった。フィッツジェラルド艦は、横須賀基地から南方に向かう途中だったという情報だけが公開された。事故が起きた時刻は、港湾で荷物を下ろすために貨物船が特に混雑する時間帯であり、伊豆半島海域は東京港へ向かう通り道であるため一日に400船以上が通る。

 イージス艦は目標物の探索から破壊までの全過程を一つのシステムに統合した最新装備を備えた艦船で、フィッツジェラルド艦は数百個の目標物を同時に探知し、同時に10個以上の目標物に対応できるSPY-1レーダーを搭載している。だが、イージス艦の最先端レーダーは、ミサイルのような空の目標物対応用であり、船舶探知レーダーは一般船舶と大差ないと読売新聞は伝えた。平時運航中のイージス艦では、中央にある艦橋で当直軍人が船舶探知レーダーを見て、肉眼で左右を見ながら航海する。ただし、一般船舶水準の施設でも他の船舶の位置を確認できるにもかかわらず、衝突した理由は明確でない。

 まず考えられることは、事故当時の夜明けに当直勤務に異常があった可能性だ。事故当時、海には霧が濃かったわけでもなく、照明でも相手の存在を確認できたと日本のマスコミは伝えた。

 第二に、相手の近くにいるという事実は両船舶の双方が分かっていたが、コミュニケーションに問題があった可能性だ。海洋法上、船舶の衝突を防止するために船舶が直角に接近する場合には、相手を右側に見る船に右側に回避する義務がある。同じ方向に船2隻が進んでいる場合には、追い越す船に右側に回避する義務がある。日本海上自衛隊の香田洋二前司令官は「(当直態勢が)充分でなかったこともあり、互いに相手方に回避義務があると誤解したかも知れない」と朝日新聞に話した。

 日本の海上保安庁は、コンテナ船ACX CRYSTAL号をひとまず調査するが、事故の全容を完全に調査することは難しい。米軍の公務中起きた事故は、米日駐屯軍地位協定上、米軍に優先裁判権がある。日本が米海軍の乗務補助員を調査するには、米軍の同意が必要だ。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

『危機が予想される』とするなら、危機が起こらないように回避するのが本来取るべき行動では?

2017-06-18 | 日朝韓中友好親善
戦争危機煽る市を強く抗議/
「弾道ミサイル落下時の行動について」記事受け横浜市民団体


抗議と質問要請を行う「かながわアクション」のメンバー

朝鮮東海に面した秋田県、山口県をはじめとする各地域において現在「ミサイル避難訓練」が相次いで行われている。これは4月21日に発表された日本政府の「ミサイル落下時の対応策」にもとづくもので、同日、都道府県の危機管理課担当者を集め指示された。この動きの一環として、横浜市総務局危機管理課が、市の広報紙「広報よこはま」6月号に、「弾道ミサイル落下時の行動について」という記事を掲載した。

「広報よこはま」6月号に掲載された記事

これが市民に与える影響が極めて多岐にわたるという点で看過できないとし、15日、「かながわアクション」のメンバー11人が横浜市総務局危機管理室および市民局広報相談サービス部を訪れ、抗議と質問要請を行った。

「かながわアクション」代表世話人である高梨晃嘉さん(69)は「今回の記事は市民らの危機感、不安感を意図的に煽る役割を果たしている。さらに、結果的に在日朝鮮の方々に対する民族差別、排外主義をあおるものとなっており、極めて重大な問題だ」としながら、この日対応に現れた市の記事担当職員に、市長、総務局長、市民局長宛てに質問要請事項の書かれた文書を渡した。

質問要請事項を事務局の松原博さん(75)が説明した。

6点からなる質問要請事項では、①市が「ミサイルが落下される」と言及する根拠と市が想定している事態について、②仮に事故または戦争(攻撃)のいずれかによる「落下」という危機が予測される場合に、市の考える「危機回避」と危機回避への努力について、③「危機管理」と称して「避難行動」を強調する理由について、④メディアが「北の脅威」を喧伝している中でミサイル発射の主体を明確にしていない理由について、⑤記事が誘導する在日朝鮮人への排外主義が広がる懸念もあり、市内の施設などに貼り出されている記事同様の掲示物の撤去を申し立てた。

松原さんは「仮に市がミサイル発射主体として朝鮮民主主義人民共和国を言うなら、自分は米国が先制攻撃の手を出さなければ何も起こらないと思っている」としながら「『危機が予想される』とするなら、危機が起こらないように回避するのが本来取るべき行動では。今、市当局はむしろ危機を煽っている」と述べた。

「かながわアクション」のメンバーの中からは「これは戦争への宣伝扇動の流言、嘘だ。関東大震災のことを知っているだろう。流言、嘘で日本の警察官や軍隊、『自警団』は朝鮮人を殺した。今回の広報の記事は立派な犯罪だ」と非難の声が上がった。

また「市は、市民に対して政府の言っていることを何でも一方的に伝えるのではなく、それが地域社会にどういう影響を及ぼすのかを検討して記事を掲載するべき。いずれにしても説明責任がある」と追及た。

この日の抗議・質問に関する返答は、後日、文書で提出されることになった。

中島まり英さん(80)は、「今日市役所に、広報の記事の内容に関して抗議しに行くんだと周りに話したら、まじめな顔して『でもミサイル落下ってあり得るよね』と返された。記事の影響がどんどん広まってしまっている」と、問題の重大性を訴えた。

(李鳳仁)

済州島で開かれた第2回アジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会の開幕式で祝辞

2017-06-17 | 文在寅大統領情報
文大統領「南北鉄道が連結される時、シルクロードが完成」

登録 : 2017.06.16 22:19 修正 : 2017.06.17 07:04


16日、済州でAIIB年次総会 
祝辞で京義線連結推進を示唆 
THAAD軋轢の中、中国に友好的メッセージ 
新政府スタート後、初の国際行事

               
文在寅大統領が16日午後、済州島で開かれた第2回アジアインフラ投資銀行(AIIB)年次総会の開幕式で祝辞を述べている=済州/大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、済州(チェジュ)国際コンベンションセンターで開幕したアジアインフラ投資銀行(AIIB)第2回年次総会に参加して「断たれた京義(キョンウィ)線鉄道が未だ治癒されていない朝鮮半島の現実」としながら「南と北が鉄道で連結される時、新しい陸と海のシルクロードが完成されるだろう」と話した。アジアインフラ投資銀行が追求するアジアインフラ開発事業と連係して、南北間の鉄道連結推進を示唆したのだ。

 文大統領はこの日の祝辞で「古代シルクロードが開かれて東西が連結され、市場が開かれ、文化を互いに交流した。アジア大陸の極東側終着駅に朝鮮半島がある」として、シルクロードと京義線を結び付けた。文大統領は続けて、「何よりも朝鮮半島の平和がアジアの安定と統合に寄与することになることを願う」と述べた。文大統領は、アジアにおける韓国の役割と関連して「韓国はこれまでの経験に基づいて、アジアの開発途上国の経済・社会発展に寄与するパートナーになる」として「韓国が開発途上国と先進国を連結する橋梁国家として、その役割と責任を全うすることを約束する」と強調した。

 文大統領のこうしたメッセージについて、THAAD(高高度防衛ミサイル)問題で軋轢が生じている中国に対する友好的メッセージを投げたという解釈が出ている。アジアインフラ投資銀行は、中国が主導する国際金融機構で、昨年1月1000億ドルの資本金でスタートした。現在77カ国が加盟国として参加している。韓国は参加国のうち5番目に多い4.06%の持分を有している。習近平中国国家主席が明らかにしてきた「一帯一路」(新シルクロード)構想とも密接な関係がある。中国はヨーロッパとアフリカまで貿易網を包括する一帯一路構想のために、交通・エネルギーインフラ事業などを支援するための金融基地として、この機構の役割に力を入れている。

 文大統領は「今後20年間、アジアの開発途上国のインフラ投資需要は年間1兆7千億ドルに達する」とし「高いインフラ投資需要と2008年金融危機以後に難しくなった各国の財政余力を勘案する時、アジア地域のインフラ拡充を支援するために設立されたAIIBは、その意味と役割が大変重要だ」と話した。また「今、人類は政治、安保、経済、環境など多様な挑戦に直面している」として「私はアジア国家間の連帯と協力を通じて、今日私たちが直面している多様な挑戦を克服していくことができると信じる」と話した。「持続可能なインフラ」を主題とした今回の年次総会は、新政府スタート後に韓国で開かれた最初の大規模な国際機構行事だ。この日の基調演説に立った韓国のキム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官は「新政府の経済政策方向である雇用創出を通した包容的成長と持続可能な成長基盤拡充は、今回の総会の核心テーマである持続可能なインフラと連携される」と強調した。キム副首相はこの日、肖捷・中国財政部長(財務相)に会い、AIIBを通した相互協力を持続することにした。中国の財政部長と韓国の経済首長の出会いは昨年7月以来1年ぶりだ。

 アジアインフラ投資銀行は、最近米国が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を脱退するなど、保護貿易主義を前面に出すにつれ、相対的により大きな関心を集めている。 当初57カ国でスタートし、77カ国に加盟国が増え、加盟準備国を含めれば今年中に加盟国数は85カ国に増える見込みだ。アジアインフラ投資銀行の金立群総裁はこの日「AIIBの加盟国はすべてパリ協定加盟国」だと話し、歓呼を受けもした。現代経済研究院のチョン・ヨンチャン先任研究員は「最近米国が脱退したパリ協定の話を強調し、米国に対する牽制を暗示したとみられる」と解釈した。

済州/パン・ジュノ記者、チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

文大統領は「対話の環境を韓国が主導的に作っていくのが、新政府の外交・安保政策の核心になる」と話した。

2017-06-16 | 文在寅大統領情報
文大統領「歴代南北合意は政権が変わっても尊重すべき資産」

登録 : 2017.06.15 22:23 修正 : 2017.06.16 04:11


6・15宣言17周年祝辞で包括的な構想を明らかに 
「核・ミサイルの追加挑発を中止すれば 
北朝鮮と条件なく対話に乗り出す… 
膝をつき合わせて向き合えば 
すべての問題を包括的に論議できる」 
南北首脳会談の可能性を開いておく


文在寅大統領が今月15日、ソウル汝矣島63ビルコンベンションセンターのグランドボールルームで開かれた「6・15南北首脳会談17周年記念学術会議および記念式」に出席して祝辞を述べている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社
 文在寅大統領は15日「金大中(キム・デジュン)大統領は北朝鮮の挑発的行動による朝鮮半島危機の中でも、南北和解協力の新たな時代を開いた」とし、「危機はチャンス」と強調した。

 文大統領はこの日、ソウル汝矣島(ヨイド)63ビルで開かれた「6・15南北共同宣言17周年記念式」祝辞で「今日私たちが経験している危機を解決するためにも、南北関係は新たに確立され発展しなければならない」とし、このように述べた。北朝鮮がテポドン1号ミサイルを発射する一方、金倉里(クムチャンリ)地下核施設疑惑が提起され、米国の北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の爆撃が検討された金大中元大統領の任期初期は「決して平坦ではなかった」が、「金大中大統領が米国のクリントン政権を説得し、南北関係が発展できる土台を主導的に敷いた」ことから教訓を得られるということだ。北朝鮮が新政権発足後、ミサイルを5回も発射するなど挑発を継続する状況でも、南北和解の道を開かなければならないという意味と解釈される。

 この日の文大統領の祝辞は、今月末の韓米首脳会談を控えた状況で、南北関係をどのように解決していくのかに対する包括的な構想が盛り込まれた。文大統領は1972年7・4南北共同声明、1991年南北基本合意書、2002年6・15共同宣言、2007年10・4首脳宣言を順に言及し、「歴代政権で推進した南北合意は、政権が変わっても必ず尊重されなければならない重要な資産」だとし、「政府は、歴代政権の南北合意を南北がともに立ち戻らなければならない原則とする」と話した。また、「南北問題と朝鮮半島問題解決の方法をこれまでの合意から見出していく」と付け加えた。文大統領は、大統領選挙候補時代から「南北間の既存合意を尊重しつつ、新たな合意を導出する」という意志を明らかにした。文大統領は「最近、北朝鮮が6・15共同宣言と10・4南北首脳宣言の尊重と履行を求めている。しかし、核とミサイルの高度化により、言葉と行動が異なるのがまさに北朝鮮」だとし、「私たちは私たちなりに努力する。北朝鮮もそうすべき」と話した。

 文大統領は特に「北朝鮮の核放棄の決断は、南北間の合意履行の意志を示す証票だ。これを実践するならば積極的に支援する。北朝鮮が核とミサイルの追加挑発を中止するならば、北朝鮮と条件なく対話に乗り出すことができる」と話した。さらに「私は膝をつき合わせて向き合って、どのように既存の南北間合意を履行するか協議する意思がある。北朝鮮の核の完全な廃棄と朝鮮半島平和体制の構築、そして、米朝関係の正常化まで包括的に議論することができるだろう」と強調した。北朝鮮の挑発の中断を前提に、対話に対する強い意志を示し、今後の南北首脳会談の可能性まで開いておいたものと見られる。

 大統領府関係者は「北朝鮮に対する制裁と圧迫が加えられるこの時期に(従来の立場を超えて今すぐ首脳会談など)新しい対北朝鮮提案をすることはできない」、「北朝鮮が核開発を放棄し対話に乗り出すなら、国際社会とともに北朝鮮を助けられるという点を強調したもの」と話した。文大統領選挙陣営出身の南北関係の専門家は「米国も、北朝鮮も条件さえ用意されれば対話に乗り出すだろうという反応を見せている状況」だとし、「対話の環境を韓国が主導的に作っていくのが、新政府の外交・安保政策の核心になる」と話した。

 一方、同日の記念式には故金大中元大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)氏をはじめ、共に民主党のチュ・ミエ代表とウ・ウォンシク院内代表、国民の党のパク・チュソン非常対策委員長とキム・ドンチョル院内代表らが出席した。パク・チュソン非常対策委員長はフェイスブックに掲載した書き込みに「6・15南北共同宣言日と10・4南北首脳宣言日を国家記念日に指定しよう」と文大統領に提案したこともある。現在、国会にはこれを求める決議案が提出されている状態だ。パク議員は「記念日の指定は国務会議の議決だけあればすぐにでも可能だ」と話した。



文在寅大統領が今月15日、ソウル汝矣島63ビルコンベンションセンターのグランドボールルームで開かれた「6・15南北首脳会談17周年記念学術会議および記念式」に出席して祝辞を述べている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社



文在寅大統領が今月15日、ソウル汝矣島63ビルコンベンションセンターのグランドボールルームで開かれた「6.15南北首脳会談17周年記念学術会議および記念式」に出席した。文大統領が祝辞を終えた後、李姫鎬氏に挨拶している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

イ・ジョンエ、チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )