白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

日本のソフトネックガ‐リック

2013年06月28日 | ニンニク

鬱陶しい梅雨の天候が此処のところ続きます。家庭菜園でニンニクの堀上げが無事に終わってホーットされている方も多いかも知れませんが、これからが収穫期に入る東北地方では天候が一番の気掛かりでは無いかと余計な心配をしてしまいます。

扨て、そのニンニクの話ですが、先のブログの「日本ニンニクの謎」の中で、東北地方のニンニクについて、其の由来が謎と申し上げましたが、先日、その日本で栽培されているニンニクを含めたアジアを中心としてのニンニクの品種特性とその種類を分析した研究レポートをネット上で見つけました。

 

―ガーリックブレイドーWeb image Photoesより

今世紀に入ってからの世界のニンニクの新しい研究情報が反映される以前の1987年に、長崎総合農業試験場から発表された研究報告ですが、試験栽培されたニンニク品種は、主として東アジアを中心にし、一部欧米品種を加えた61種であり、分類されたその品種特性から、もしかしたら日本ニンニクの謎が解けるかも知れないと大変興味を持って読ませて頂きました。

 

―頂上に位置するのがニンニクです!-

実はその中で、大変優れた世界に誇れるユニークな品種特性と申せる程の日本ニンニクが存在していた事が分かり驚きました。何故そう言えるのかその理由を敢えて公開させて頂きます。

日本の長いニンニクの栽培の歴史の中で、決して存在してこなかったソフトネックガーリック、それが実は存在していた事になるからです。

 

―収穫されて乾燥中のニンニクーImagePhotoesより

唯、当該研究レポートで明らかにされているのは、越冬時の草型と冬季の成長性を重視した生態的特性を観点にしての品種特性の分類であり、そうした品種形質は研究指標の対象外であったために、その事実は取り上げられて言及されていなかっただけの事ではあります。

 

―ソフトネックとハードネックニンニクの比較―ImagePhotoesより

一般に作物の品種の特性分類では、利用上で重要な基本的な形質で品種分類を明確すると言いますが、ニンニクでは、りん片数や球根の大きさ、その色や結球の早晩生、茎葉の形状等が分類されるべき特性で有ります。

 

―ソフトネックガーリックーImagePhotoesより

Softneck Garlic Varieties (Allium sativum var. sativum)

当該研究レポートでは、ニンニクの品種特性を、栽培地域の緯度で分けて分類すると言う大変ユニークな観点からの捉え方をしていますが、それは日本ニンニクの品種特性を栽培地の緯度で分類すると、対象栽培地域の分布が非常に特異であり、大きく暖地性ニンニクと東北地方を中心とした寒地性ニンニクに分けるしか無い事がはっきりして居り、そうした事からそのような分析を試みたのでは無いと推察致します。

 

―ソフトネックガーリックのリン片断面ImagePhotoesより

その日本ニンニクは先にも申し上げましたが、沖縄早生など南西諸島で栽培されている品種や鹿児島地方の在来種に壱洲早生等、暖地系の早生ニンニクと東北地方で栽培されている寒地系ニンニクに大きく分かれています。

当該研究レポートでは、其の各々の特性を試験栽培して検証しているのですが、其の形成されるリン片の数と葉鞘から花茎を完全に抽出するもの、花茎の抽出が不完全なもの或いは花茎不形成の3種類に分かれている事を明らかにし、又、寒地系の品種は一般に冬季には成長が停まる晩生ないし極晩生であり、又、同じ東北地方にあっても、特性として明記されて居ませんが、リン片の数が異なるAsiatic種とTurban種が併存している事が示されて居ます。

 

―ハードネックニンニクーImagePhotoesより

Hardtneck Garlic Varieties (Allium sativum var. ophioscorodon )

又、大変吃驚したのは、岩手の八幡平ニンニクは福地ニンニクと同じように5~8個のリン片数ですが、完全花茎の抽出型であり、福地ニンニクは花茎不完全抽出ないし不形成の品種であることが、品種の違いには言及していませんが、はっきり示されています。

これは、先のブログでも紹介したようにアジア系のニンニクのTurban種の花茎の不完全抽出型の特徴であり、そして、今般新しい事実として知ったのが、其の中の「ニューホワイト6片」種であり、花茎が殆ど不形成となる、リン片が5~7個の極晩生種のニンニクである事実です。

 

―ハードネックニンニクの花茎―ImagePhotoesより

これは、当該研究レポートでも同時に試験栽培したカルフォニア早生と晩生種で示されていますが、ソフトネックガーリックは花茎不形成が特徴であり、其の分、栽培上花茎の摘み取り作業はなくなりますが、形成されるリン片が20個以上と大変多くなる品種であり、それが、リン片が5~7個の花茎不形成品種となれば、世界に類を見ない優秀なニンニク品種となる事は確かです。何故かお分かりですか?そのリン片の断面から調理の面倒さをご想像してみてください。

 

 ―ガーリックブレイドの編み方―

最近、ニンニクの栽培ブームもあってか、その「ニューホワイト6片」のニンニクの宣伝を多く見かけます。それが当該研究レポートでは、青森農試提供と有る事から、1985年には「ニューホワイト」が存在していた事にも驚きました。

 

―ニューホワイト6片―佐藤政行種苗より

早速この秋は、「ニューホワイト6片」を入手して育てる積りですが、其の楽しみは何かと言えば、姿形の良い真っ白な6片種ニンニクの柔らかな草鞘部分を編み上げて作るガーリックブレイドであり、それを飾ったり、贈り物にしたりする事です。

 

―青森県ニンニク産地風景―ImagePhotoesより

この品種、極晩生と言えば、長く貯蔵も出来る筈ですが、良い事ずくめばかりでなく、関東以南では充分な肥大時期が梅雨時期と重なるので、日照不足や多雨多湿が栽培を難しくするかも知れません。

それにしても亦、家庭菜園で挑戦する楽しみが増えましたが、何方か既に栽培に挑戦された方から情報が頂けたらと思って居ます。

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