機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

抗癌剤でアルツハイマー病を治療する

2016-07-30 06:06:47 | 
More evidence in quest to repurpose cancer drugs for Alzheimer's disease

July 27, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/07/160727100824.htm

腎細胞癌の治療用としてFDAに承認された薬剤は、アルツハイマー病とパーキンソン病の認知症と関連する脳内の有害なタンパク質のレベルを動物モデルで減少させるようである
この発見はジョージタウン大学メディカルセンター/Georgetown University Medical Center (GUMC) のトランスレーショナル神経治療プログラム/Translational Neurotherapeutics Program(TNP)で実施された最新の研究によるもので、研究者たちは神経変性疾患の治療におけるチロシンキナーゼ阻害剤/tyrosine kinase inhibitorsの効果について調査している

トロントで開催される国際アルツハイマー病会議/Alzheimer's Association International Conference(AAIC 2016)で発表される今回の研究では、パゾパニブpazopanibという薬剤が 脳全体でヒトのタウ変異体mutant tauを作るように遺伝子を操作した動物モデルにおいて リン酸化タウ/phosphorylated Tau (p-Tau)のレベルを低下させることが明らかになった

TNPのラボは以前、タウが『廃棄物処理システム/garbage disposal system』の重要criticalな一部であることを動物モデルで実証し、このシステムによって動物は蓄積した有害なタンパク質を除去できるようになる
ヒトにおいてリン酸化タウは異常な修飾を受けたタウであることを示し、修飾されたタウは『仕事』の実行が不可能なままになる

GUMCの薬理学博士号取得候補者doctoral candidateであるMonica Javidniaが次のように説明する
「我々のラボは、機能するタウがアミロイドベータ(Aβ)の除去clearanceに必要であることを以前示している
アミロイドベータは蓄積してプラークという粘着性の凝集塊sticky clumpsを形成する
もしタウが機能しなくなると、アミロイドベータが蓄積して細胞死につながる」

「タウが異常な修飾を受けるとニューロン内部で粘着性のもつれsticky tanglesを形成し、細胞が死ぬと修飾されたタウとアミロイドベータは脳内にまき散らされるspill out
これらがアルツハイマー病の特徴であるプラークともつれである」

リン酸化したタウは他の神経変性疾患にも関与している(FTDなど)


TNPによる以前の研究では、チロシンキナーゼが阻害されると廃棄物処理システムが働き始めて、細胞は再び有害なタンパク質を除去できるようになることが示されている
そしてパゾパニブはチロシンキナーゼ阻害剤であることが知られている

TNPはCharbel Moussa, MD, PhDを中心とする研究で複数のチロシンキナーゼが神経変性疾患やタンパク質除去、炎症などに関与するようだということを突き止めており、その研究が抗癌剤のニロチニブによるパーキンソン病とアルツハイマー病での今夏の臨床試験につながっている
(Moussaは、ジョージタウン大学が出願したニロチニブなどチロシンキナーゼ阻害剤の神経変性疾患への使用に関する特許の考案者として発表されているlisted as an inventor)

※file an application for a patent on~: ~の特許を出願する


アルツハイマー病の分野では、主な原因がタウなのかアミロイドベータなのかという2つの学派が存在するとJavidniaは説明する
「我々のラボや他のグループの研究ではタウ病理がアミロイドベータに先行することが示されている
我々は認知症の主な原因がタウで、タウがアミロイドベータ病理を悪化させると考えている
しかしながら、我々はどのようにしてパゾパニブが作用するのか、それがどんな病気の治療として潜在的に使えるのかをさらに理解するため、パゾパニブのアミロイドベータへの影響も研究している」


Javidniaによると、今回の研究での分析ではパゾパニブは腎細胞癌の治療で投与される用量の半分に相当する量でマウスの血液脳関門(BBB)を通過することが示されたという
治療後の動物モデルはリン酸化タウレベルの著しい低下を示した

「加えてこの薬剤は安全であり、十分な忍容性があるwell-tolerated」
Javidniaは言う

「我々の次の研究ではパゾパニブが標的にする受容体のそれぞれに焦点を当て、タンパク質除去と炎症におけるそれら受容体の役割をさらに理解すべく研究を進める予定である」



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/02/160216142835.htm
ノルエピネフリンを脳全体に分泌する青斑にはタウのもつれによる病理が真っ先に現れる



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/6dcaf6ed70f9d942cb066045b0d029cb
ニロチニブはパーキンソン病で低下したドーパミンを回復する

>脳脊髄液中の細胞死のマーカーを示すタウなどのレベルが著しく低下していた
>これはニューロンの細胞死が減少したことを示唆する



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/2f69e68999aaf91e1daa22758545d605
タウの凝集による核膜の乱れが脳細胞を殺す



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/2eed1af5a640a3c03687d4ce78607041
Aβの蓄積と病理学的なタウ変換が両方とも必要なマウスモデル



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/04/160420120601.htm
Aβとリン酸化タウは両方ともアルツハイマー病の早期から代謝の低下に関与する
 

最新の画像もっと見る