機械翻訳2

興味のある科学/医学ニュースを適当に翻訳していきます。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

アルツハイマー病はどの領域から始まるのか

2016-11-10 06:06:08 | 
Study challenges model of Alzheimer's disease progression

November 4, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161104145811.htm


(上段は基底前脳basal forebrain、下段は嗅内皮質entorhinal cortexの画像
この2つの領域はアルツハイマー病の起源に関して関心を集めている

Credit: Image courtesy of Cornell University)

アルツハイマー病は、長年の研究にもかかわらず何ら有効な治療法が存在しない神経変性疾患である

しかしながら、分子遺伝学における最近の画期的な発見breakthroughsにより、この疾患は感染症のように脳のある領域から近接する別の領域へ拡がることが示されている
そのような発見は、拡がりの源となる最初の箇所まで追跡し、その箇所を標的とする治療法が開発できるようにするための研究の必要性を強調する

今回発表された国際的な協同研究はコーネル大学の助教assistant professorのNathan Sprengやケンブリッジ大学の認知脳科学ユニットのTaylor Schmitzたちを中心とするもので、認知や行動の症状が現れる前でさえ神経組織の変性が現れる領域の『基底前脳basal forebrain』に注目している

彼らが11月4日にNature Communicationsで発表した論文の題名は『基底前脳の変性はアルツハイマーの病理の皮質の拡散に先行し、その拡がりを予言する』で、この研究で使われたデータはアルツハイマー病神経画像検査イニシアチブ/Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)のデータベースから提供された

※ADNI: 「健常な高齢者(200名),軽度の認知障害者(400名),軽症のアルツハイマー病患者(200名)を対象に,心理検査による記憶および各種の認知機能の評価,MRIによる形態画像の検査,PETによる機能画像の検査,脳脊髄液および血液におけるアルツハイマー病の関連物質や遺伝子型の測定などを,半年から1年ごとに最大3年間にわたり実施し,アルツハイマー病の発症を予測するような画像およびバイオマーカーを確定しようとするプロジェクトである(http://events.biosciencedbc.jp/article/11 より)」


基底前脳にはとても大きくそして密に接続したニューロンが含まれ、アルツハイマー病には特に脆弱である
SchmitzとSprengは、アルツハイマー病が進行するにつれて、基底前脳の変性がその後に続いて起きる『側頭葉の記憶に関与する領域』の変性を予測することを示した
このパターンはアルツハイマー病が時の経つにつれて脳の領域を越えて拡がることを示した他の研究と一致するが、しかし今回の研究結果はアルツハイマー病が側頭葉temporal lobeから始まるという一般に広く信じられている考えと対立するものだ


「我々はこの研究が研究分野それ自体の再編成を押し進め、疾患がどこから始まるのかが再評価reappraiseされることを望んでいる」
Sprengは言う

「それは介入interventionへの新たな道を開く
確実にそれは疾患の早期検出のために使われるだろう」

今回の彼らの報告は、年齢を一致させた老人の集団を対象とする大規模な2年間の研究の産物である
この集団はグループの一つが標準的なテストで認知的に正常であり、他のグループは様々な度合いで認知に障害を持っていた

・軽度認知障害/mild cognitive impairment (MCI) だが、アルツハイマー病に進行しなかった人たちのグループ
・MCIで、一年後にアルツハイマー病に進行したグループ
・研究の期間中を通してアルツハイマー病であると分類されたグループ


2年間にわたる研究期間中、高解像度のMRIによる解剖組織画像が3回撮影された
その分析を通じて、MCIまたはアルツハイマーの人たちは認知が正常な対照群と比較して、灰白質gray matterの容量が基底前脳basal forebrainと側頭葉temporal lobeの両方で大きな喪失を示すことが確認された

興味深いことに、2年間にわたる期間中、基底前脳の神経組織の変性はその後の側頭葉の組織の変性を予言したが、反対はそうではなかった/not the other way around(側頭葉の変性は基底前脳の変性を予言しなかった)


健康な成人からの脊髄液サンプルを取ると、アルツハイマー病を思わせる異常なレベルのアミロイドベータが検出されることがあるとSprengは言う
今回のテストの結果では、アミロイドレベルにかかわらず側頭葉は同じであるように見えたが、表面的には健康でもアミロイドレベルが異常な人の間では基底前脳は顕著な変性を示した


『誰がアルツハイマー病になるのか?』を予測することが可能になっても、治療や治癒するための治療計画がなければあまり意味はないdoesn't mean a lotことをSprengも認めている

「それは不安を引き起こすかもしれない」
と彼は言う
しかし、得られる知識が多ければ多いほど、結局はうまくいくだろうとも彼は言う


「将来の分子遺伝学による研究はとても有望であり、アルツハイマー病の認知の低下に先立つ段階で病理が拡散することを防ぐための治療的戦略を開発することが可能になるだろう」
Schmitzは言う

「ゆえに、アルツハイマー病が拡散する早期のポイントを説明する我々の研究は、この破壊的な疾患と戦うための努力を導くためにこの上なく重要である」


http://dx.doi.org/10.1038/ncomms13249
Basal forebrain degeneration precedes and predicts the cortical spread of Alzheimer’s pathology.
基底前脳の変性は皮質アルツハイマー病理の拡がりに先行し、それを予測する


Abstract
アルツハイマー病が基底前脳basal forebrainから始まるのか、それとも嗅内皮質entorhinal cortexから始まるのかという議論が少なからず存在する

今回我々は、長期にわたるlongitudinal基底前脳ならびに嗅内皮質における灰白質の減少が相互に依存するinterdependentのかどうか、そしてそれらが連続して起こるsequentialのかどうかを調査した

我々は年齢をマッチさせた年長の成人older adultsの大規模なコホートで認知的に正常な人からアルツハイマー病まで分析し、『基底前脳の容量volume』こそが『長期にわたる嗅内野entorhinal areaの変性』を予測することを我々は実証する
並行して変性するモデル、または嗅内野が起源であるとするモデルは、それらを支持する証拠はほとんど取るに足りなかったreceive negligible support

次に我々は、容量の計測volumetric measuresを、症状が出る前のアルツハイマー病病理に感受性があるアミロイドβバイオマーカーと組み合わせた
認知的にマッチさせた正常な成人サブグループ間を比較したところ、アミロイドバイオマーカーに従って正確に叙述した場合、基底前脳の異常な変性が明らかになったが、嗅内皮質についてはそうではなかった
基底前脳と嗅内皮質の両方における異常な変性は、前駆症状の人たちprodromal individuals(軽度の健忘症mildly amnestic)の間でだけ観察された

我々は基底前脳の病理が嗅内野の病理ならびに記憶障害に先行し、そしてそれを予測することが可能であるというエビデンスを提供する
これはアルツハイマー病が皮質を起源とするという広く信じられている考え方に異議を申し立てるものである



関連サイト
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E5%89%8D%E8%84%B3%E5%9F%BA%E5%BA%95%E9%83%A8
前脳基底部は前頭葉底面の後端に位置し、ブローカの対角帯核/Nucleus of the diagonal band of Broca、内側中隔核/Medial septal nuclei、マイネルト基底核/Necleus basalis of Meynert を含む無名質 Substantia Innominataなどの脳部位からなる。
アルツハイマー病患者は前脳基底部の、特にマイネルト基底核のコリン作動性ニューロンが減少している。



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/049339c7c42e622ed4fe9abb25e211ba
タウ凝集の立体構造の違いが異なる神経変性につながる





関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161014145448.htm
TM2D3の変異はアルツハイマー病リスク上昇と関連
ハエの実験では、TM2D3相当の遺伝子の変異はNotchシグナル伝達経路に干渉した
他のNotchシグナルの要素がアミロイドプラークの生成に関与することが以前にも示されていた



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161025125829.htm
アフリカ系アメリカ人の新たなアルツハイマー病リスク関連遺伝子、COBLとSLC10A2



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2015/07/150715170654.htm
アルツハイマー病はアフリカ系アメリカ人とヨーロッパ系アメリカ人では脳の冒され方が異なる



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/da5b1460551c4cedbd472dd8037649d4
アルツハイマー病の3つのサブタイプ、炎症性/Inflammatory、非炎症性/Non-inflammatory、皮質性/Cortical



関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/9e6ef2a4f67a3ed4794b7e1ea52de8e7
CB2アゴニストのNTRX-07はアルツハイマー病の治療薬として有望



関連サイト
http://www.nikkeibp.co.jp/atclgdn/gdn/15/308316/051300002/
大麻を吸っていたヒッピーのアルツハイマー病リスクは低い



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/03/130325202526.htm
マスタードガスと類似する物質のカルムスチンcarmustineは、APPからのAβ形成を60%減少させた
カルムスチンは脳腫瘍の治療でも一部使われており、Aβ形成の阻止に必要な濃度はそれよりも低い
癌患者はアルツハイマーになりにくいという観察から、抗癌剤にAβ予防効果があるものはないのかを調査した



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161026105336.htm
オメガ3多価不飽和脂肪酸はグリンパ系の機能を仲介することにより脳からのAβ除去を促進する



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2014/12/141205113543.htm
Aβ→CDK5↑→GRASP65→ゴルジ装置の断片化→アミロイド前駆体タンパク質APP輸送の加速→Aβ蓄積↑



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2013/06/130619102605.htm
[3xTgマウス] ストレスホルモン/コルチコステロイド→5-リポキシゲナーゼ→タウタンパク質



関連記事
http://ta4000.exblog.jp/19032080/
社会的孤立/ストレスによる「視床下部-下垂体-副腎皮質 (HPA軸)」の過剰な活性化は、エピジェネティックな仕組みによってもPGC-1αの調節に関与する可能性がある




関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161010220916.htm
ウイルスを使ってPGC-1αを発現させたマウスモデルでは、β-セクレターゼが抑制されてAβペプチド形成が減少し、ニューロンは破壊されず、記憶能力も維持された



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161025125712.htm
海馬や扁桃体のサイズの萎縮ではなく、左右の形状の非対称性が認知症には重要



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/11/161102193902.htm
脳萎縮が欠けていることは、誰がレヴィ小体認知症を発症するのか予測するのを助ける
海馬の萎縮がない人は5.8倍レヴィ小体認知症になりやすかった
レヴィ小体認知症は20人中3人(15%)で海馬が萎縮していたのに対して、アルツハイマー病は61人中37人(61%)で海馬が萎縮していた



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161003093400.htm
アルツハイマー病の3割から4割は血管性の痴呆症を併発している
Aβを標的とする試験がうまくいかないのはそのためかもしれない
アルツハイマーと血管性痴呆を両方持つ、共存症comorbidityのマウスを開発した



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161026142208.htm
高血圧はアルツハイマー病リスクと関連?



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/09/160930214145.htm
アルツハイマー病の3分の2でTDP-43が観察される
 
ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 免疫療法が作用する患者は腸... | トップ | タウはどのようにしてシナプ... »
最近の画像もっと見る

あわせて読む