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ALSではTDP-43によってミトコンドリア機能が破綻する

2016-08-06 06:06:02 | 
Scientists keep a molecule from moving inside nerve cells to prevent cell death

Findings may have implications for Lou Gehrig's, Alzheimer's, Parkinson's and Huntington's diseases

August 3, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/08/160803124517.htm

筋萎縮性側索硬化症/amyotrophic lateral sclerosis(ALS)は、運動神経細胞を徹底的に破壊devastateする進行性の疾患である
ALSと診断された人々は筋肉の動きをコントロールする能力をゆっくりと失い、最終的には話したり食べたり動いたりすることも、息すらも不可能になる
ALSの背後にある細胞内のメカニズムは、ある種の認知症にも共通して見られる(前頭側頭型認知症/frontotemporal dementia(FTD)等

今回Nature Medicineで発表された革新的な科学研究によると、あるRNA結合タンパク質がどのようにしてALSの進行に寄与するのかが明らかにされたという


細胞はDNAから『タンパク質を作るための指示』をRNAへと転写し、タンパク質を製造する機械へと送る
ALSの元凶となるタンパク質TDP-43は正常な場合、新たに読み出されたRNAの小さな断片piecesに結合し、RNAが細胞核の内部を行ったり来たりするのを助けている

今回の研究ではTDP-43が神経細胞の内部で間違った場所に移動した/誤って配置されたmisplaced分子的な結果について初めて記述し、その位置locationを修正することにより神経細胞の機能は回復可能であることを実証する
TDP-43が神経細胞で間違った場所に移動すること/誤配置されることmisplacementはALSや他の神経疾患(FTDやアルツハイマー、パーキンソン病、ハンチントン病)の特徴である
これらの疾患に共通のメカニズムの特徴を調べる研究は広い範囲に様々な関連があり、広域的broad-basedな治療の開発を加速するかもしれない


誤って配置されたTDP-43を見つけるために研究者たちはALSまたはFTDで亡くなった人々から寄贈された献体の神経細胞を高性能/高倍率high poweredの顕微鏡で観察し、TDP-43は神経細胞のミトコンドリアに集積していることを突き止めた
ミトコンドリアは神経細胞が必要とする莫大な量のエネルギーを作り出す決定的に重要な構造物である

影響を受けたミトコンドリアを物理的に単離することにより、研究者はTDP-43の正確な場所を特定pinpointすることに成功した
彼らはさらに、誤配置されやすいタンパク質の多様性variationを特徴づけた

この重要な研究はケース・ウエスタン・リザーブ大学(CWRU)医学部の病理学部に属するXinglong Wang, PhDを中心とした彼のラボのチームによって実施された

Wangは次のように説明する
「我々は様々なアプローチにより、TDP-43の大部分がマトリックスに面するミトコンドリア内膜に位置することを特定した
多くの重要な神経変性疾患において、死滅するニューロンでミトコンドリアはTDP-43が蓄積する主な箇所であるかもしれない」


TDP-43はいったんミトコンドリアの中に入るとその『RNAと結合する役割』を再び開始resumeし、ミトコンドリアの遺伝物質genetic materialと結合する
このことがエネルギーを作り出すミトコンドリアの能力を破綻させるのだという
WangのチームはTDP-43が結合するミトコンドリアRNAを正確に特定し、その結果として生じるresultantミトコンドリアタンパク質複合体の分解disassemblyを観察した

今回の発見は神経細胞内部でTDP-43が間違った場所に移動した結果についての必要十分な明瞭さmuch needed clarityをもたらし、広範囲の神経疾患を含めたさらなる研究への扉を開くものだ

この研究ではALSとFTDに焦点を当てたが、Wangによると「TDP-43の誤った局在mislocalizationは アルツハイマー病患者の半分以上で 鍵となる病理学的な特徴を代表し、それは症状と強く相関する」という


TDP-43をコードする遺伝子の突然変異mutationsは、ALSやFTDのような神経変性疾患と長い間関連付けられてきた
Wangのチームは、疾患と関連するTDP-43遺伝子突然変異が神経細胞内部での誤配置を促進することを明らかにした

加えて、彼らはミトコンドリアによって認識されるTDP-43の一部sectionsを特定した
この部分がミトコンドリアの内部に入ることを許すシグナルとして働く

これらの部分sectionsは治療の標的となりうる
研究でそれらの部分を阻害すると、TDP-43がミトコンドリアの内部に局在することが妨げられた
重要なことに、小さいタンパク質を使ってTDP-43をマウスの神経細胞のミトコンドリアに入らせないようにすると、神経細胞への毒性と疾患の進行が『ほとんど完全にalmost completely』阻止できることが示された


「TDP-43のミトコンドリアへの局在の阻害はTDP-43と関連する神経変性を防ぐのに十分であるという、まったく新しいコンセプトを我々は初めて提供する」
Wangは言う

「ミトコンドリアのTDP-43を標的とすることは、ALSとFTD、そして他のTDP-43と関連する神経変性疾患に対する新たな治療アプローチになる可能性がある」


WangはTDP-43がヒトの神経細胞のミトコンドリアに到達できないよう防ぐための小分子タンパク質の開発を開始しており、この研究で使われた治療用の分子についても特許出願中patent pendingである

現在ALSやFTDで利用可能な治療は何も存在せず、ALS Associationによると新たにALSと診断された人々の平均寿命はわずか3年であるという


http://dx.doi.org/10.1038/nm.4130
The inhibition of TDP-43 mitochondrial localization blocks its neuronal toxicity.

Abstract
TAR DNA 結合タンパク質43/TAR DNA-binding protein 43 (TARDBP/TDP-43) の遺伝子突然変異は、ALSを引き起こす
TARDBPによってコードされるTDP-43タンパク質の細胞質での増大は、様々な神経変性疾患における変性ニューロンの組織病理学的histopathologicalに目立った特徴である
しかしながら、ALSの病態生理学pathophysiologyにTDP-43が寄与する分子メカニズムは分かりにくいままである

今回我々はTDP-43がALSまたはFTD患者のニューロンのミトコンドリアに蓄積することを発見した
疾患と関連する突然変異はTDP-43のミトコンドリアへの局在を増大させる

ミトコンドリア内では野生型(WT)ならびに変異体のTDP-43が
ミトコンドリアで転写された呼吸鎖の複合体IサブユニットND3とND6のmRNAと選択的に結合し、
それらの発現を損ない、特に複合体Iの分解を引き起こす

TDP-43のミトコンドリア局在の抑制は、
WTならびに変異体TDP-43によって誘発されるミトコンドリア機能不全ならびにニューロン喪失を無効化し、
TDP-43変異体のトランスジェニックマウスの表現型は改善される

したがって、我々の研究はTDP-43の毒性を直接ミトコンドリア生体エネルギーbioenergeticsに関連付けるものであり、神経変性に対する有望な治療アプローチとしてTDP-43のミトコンドリア局在を標的にすることを提案するものである



Figure 1: TDP-43 co-localizes with and accumulates in mitochondria in individuals with ALS and FTD.
TDP-43はALSとFTDの人々でミトコンドリアと共局在してその中に蓄積する

Figure 2: ALS-associated genetic mutations in TDP-43 increase its import into mitochondria.
ALSと関連するTDP-43遺伝子の突然変異はミトコンドリアへのインポートを増大させる

Figure 3: TDP-43 mitochondrial import depends on internal M1, M3 and M5 motifs.
TDP-43のミトコンドリアへのインポートは、TDP-43内部のM1、M3、M5モチーフによる

Figure 4: TDP-43 preferentially binds mitochondria-transcribed ND3 and ND6 mRNAs and inhibits their translation.
ミトコンドリアで転写されたND3とND6のmRNAに対してTDP-43は選択的に/優先的に結合し、その翻訳を阻害する

Figure 5: TDP-43 specifically reduces complex I assembly and impairs mitochondrial function and morphology.
TDP-43は特に複合体Iの組み立てを低下させ、ミトコンドリアの機能と形態構造morphologyを損なう

Figure 6: Suppression of TDP-43 mitochondrial localization abolishes TDP-43 neurotoxicity.
TDP-43のミトコンドリア局在を抑制するとTDP-43の神経毒性は無効化される



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ALSの3%にNEK1の突然変異
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関連サイト
https://en.wikipedia.org/wiki/TARDBP
Function
TDP-43は染色体に組み込まれたTAR DNAに結合する転写抑制因子であり、HIV-1ウイルスの転写を抑制する
加えて、TDP-43はCFTR遺伝子の選択的スプライシングを調節する
特に、TDP-43はスプライシング因子であり、CFTR遺伝子のintron8/exon9 junctionに結合し、アポAII遺伝子のintron2/exon3領域に結合する [4]
TDP-43はDNAとRNAの両方に結合することが示され、転写抑制、プレmRNA/pre-mRNAのスプライシング、転写調節において多くの機能を持つ [6]

Clinical significance
過剰にリン酸化、ユビキチン化、切断された形態のTDP-43は、病的pathologicなTDP-43であることが知られ、FTLD-TDP [9] ならびにALS [10] の主な疾患タンパク質である
TDP-43の異常はアルツハイマー病の重要なサブセットでも生じ、それは臨床的ならびに神経病理学的な特徴のインデックスと相関する [12]
 

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