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カスパーゼによって切断されたタウが神経変性につながる

2016-10-16 06:06:13 | 
How protein tangles accumulate in brain, cause neurological disorders

The appoptosin protein initiates a path that leads to the accumulation of tau, a key component of brain lesions

September 2, 2015

https://www.sciencedaily.com/releases/2015/09/150902134925.htm

サンフォード・バーナム・プレビス医学研究所/Sanford Burnham Prebys Medical Discovery Institute (SBP) による新たな研究は、お互いに類似しているが遺伝学的には関連のない神経変性疾患、例えばアルツハイマー病、前頭側頭型認知症/frontotemporal dementia(FTD)、進行性核上性麻痺/progressive supranuclear palsy(PSP)がどのようにしてタウタンパク質によって引き起こされるのかについての理解を一歩前進させる
Neuron誌で発表された今回の研究結果は、この鍵となる重要なタンパク質を標的とするための新たな機会をもたらす
タウは運動機能の低下や認知症患者の脳の病巣lesionsで見られるタンパク質である

「我々の研究は『アポプトシンappoptosin』というタンパク質がどのようにしてタウの凝集物である『もつれtangle』を増やすのかを示す
もつれたタウは脳に有害であり、中枢神経系を徐々に劣化progressive deteriorationさせていく」
サンフォード・バーナム・プレビスで変性疾患プログラムの教授であるHuaxi Xuは言う

「アポプトシンがどのようにしてこのプロセスを促進するのかを理解することにより、プロセスを引き起こす重要なポイントを阻害するための方法を調べることができる
それはもしかするとこの種の神経変性疾患、いわゆるタウオパチーtauopathyの進行を遅くすることが可能かもしれない」


タウオパチーとは何か?
What are tauopathies?

タウオパチーは不規則irregularにもつれtangleて凝集したタウタンパク質が脳内に存在し、疾患が進行するにつれて蓄積していくことを特徴とする神経変性疾患である
タウのもつれはアルツハイマー病や進行性核上性麻痺(PSP)のような多くの疾患で現れるため、タウはニューロンや脳の機能不全を引き起こす重要な要素であるように思われる
しかしながら、PSPのような疾患がどのようにして起きるのか、そしてタウのもつれが似たような原因で生じるのかどうかはよく分かっていない

タウは微小管という中空hollowで長い筒状の構造物の完全性を維持するタンパク質であり、微小管は細胞の構造を支えるための主な構造要素major structural elementsである
ニューロンからは微小管によって軸索axonが長く突き出し、それによりニューロンは長距離のシグナルを迅速に伝えてお互いに通信することが可能になる

タウが過剰リン酸化hyperphosphorylationによって異常な修飾を受けたり、カスパーゼ3のような酵素によって切断されると(カスパーゼそれ自体が過剰リン酸化も促進しうる)、タウはその生物学的な活性を失って立体構造が変化conformational changesして、蓄積してもつれを形成するようになる

カスパーゼ3がどのようにしてもつれたタウの凝集tau aggregation in tanglesを誘発するようになるのかはほとんどわかっていなかったため、タウの切断と凝集につながる一連のイベントを特定することはタウオパチーの予防と治療にとって最も重要な目的の一つである


論文の重要な発見
Key findings of the paper

今回の論文では進行性核上性麻痺(PSP)のような神経学的なタウオパチー疾患におけるアポプトシンの全く新しい役割に光を当てている
PSPは脳内にタウが凝集する神経疾患であり、患者はバランス、眼球運動、思考に関して深刻な問題を経験する
PSPの遺伝学的、生物学的な原因は不明である

今回の研究でPSP患者を調査した結果、DNA配列の一塩基の変化、いわゆる一塩基多型/single nucleotide polymorphism (SNP) が疾患と関連し、アポプトシンのレベルの上昇と相関することが明らかになった
アポプトシンレベルの上昇はカスパーゼを介するタウ切断を増加させ、タウ凝集とシナプス機能不全を増大させた

神経変性を引き起こす要因のアポプトシンならびにカスパーゼ3によって切断されたタウはアルツハイマー病と前頭側頭型認知症(FTD)の患者の脳サンプルでも過剰に活性化していることが明らかになっており、これらの神経変性疾患でもそれらが重要な要因であるという考えを支持する


「神経原線維のもつれneurofibrillary tanglesを引き起こすメカニズムのさらなる理解は臨床的に重要であり、タウオパチーを予防し、治療するための治療戦略を開発するために役立つ」
Xuは言う

「我々の研究結果はアポプトシンとカスパーゼ3のどちらかまたは両方が、これらの神経変性疾患の治療において潜在的な標的かもしれないことを示唆している」


http://dx.doi.org/10.1016/j.neuron.2015.08.020
Appoptosin-Mediated Caspase Cleavage of Tau Contributes to Progressive Supranuclear Palsy Pathogenesis
アポプトシンを介してタウがカスパーゼによって切断されることは、進行性核上性麻痺の病理発生に寄与する
Yingjun Zhao et al.


Highlights
・SNP (rs1768208) のTアレルはPSPならびにアポプトシンレベル上昇と関連する
・アポプトシンレベルはカスパーゼ3活性化ならびにカスパーゼによるタウの切断と相関する
・アポプトシンの上方調節は運動障害と病理悪化につながる
・アポプトシンに依存的な病理発生は主にカスパーゼ活性とタウに依存する


Summary
進行性核上性麻痺/progressive supranuclear palsy (PSP) はタウ神経病理tau neuropathologyを特徴とする運動障害だが、その根底のメカニズムは不明である
SNP (rs1768208 C/T) はPSPの強いリスク要因であることが確認されている

今回我々はPSP患者においてTアレルの割合が著しく高いことを突き止め、アポトーシスを促進pro-apoptoticするタンパク質のアポプトシンappoptosinのレベルが上昇していることを明らかにした
アポプトシンの上昇はカスパーゼ3の活性化ならびにカスパーゼによって切断されたタウレベルと相関する
アポプトシンの過剰発現はカスパーゼを介するタウの切断とタウの凝集、シナプス機能不全を増加させた一方で、アポプトシンの欠乏はタウの切断と凝集を減少させた
アポプトシンの形質導入transductionはタウ・トランスジェニックマウスにおいて複数の運動機能を損ない、神経病理を悪化させ、それはカスパーゼ3とタウに依存的だった/in a manner dependent on caspase-3 and tau
アポプトシンならびにカスパーゼ3によって切断されたタウの増加は、アルツハイマー病とタウ封入体があるFTD患者の脳サンプルでも観察された

我々の研究結果は、タウ神経病理を持つ神経変性疾患におけるアポプトシンの新規の役割を明らかにすると共に、カスパーゼ3を介するタウ切断をシナプス機能不全ならびに行動/運動障害へとつなげるものである



関連サイト
http://www.alzforum.org/news/research-news/killer-cleavage-appoptosin-stokes-tauopathy-through-caspase-3
A Slow Death.


>In this model, increasing appoptosin expression driven by a PSP risk allele triggers a caspase cascade that promotes synaptic dysfunction and neurodegeneration through cleavage of tau.
[Courtesy of Zhao et al., Neuron, 2015.]
(このモデルでは、rs1768208のPSPリスクアレルTによって促進されるアポプトシンの増大がカスパーゼカスケードの引き金を引き、それがタウの切断を通じてシナプス機能不全と神経変性を促進する)

アポプトシンが増加→グリシンからデルタ-アミノレブリン酸(δ-ALA)が合成される→ヘムの合成が増加→アポシトクロムcにヘムが挿入されて成熟型のホロシトクロムcが増加→シトクロムcとAPAF-1が結合して七量体化したアポプトソームappoptosomeによりプロカスパーゼ3がカスパーゼ3に成熟→タウタンパク質がカスパーゼ3によって切断され、断片が凝集し、神経原線維変化(NFT)やシナプス機能不全につながる

※アポプトソーム: アポトーシスプロテアーゼ活性化因子1(APAF-1)とシトクロムcの複合体が七量体化したもの。ミトコンドリアから放出されたシトクロムcとAPAF-1が結合してコンフォメーションが変化し、七量体が形成される。アポプトソームはカスパーゼ9をリクルートして活性化し、基質を切断してアポトーシスを引き起こす



関連サイト
https://pdbj.org/mom/177
シトクロムc(赤)が別のタンパク質APAF-1(青・紫)と結合し、集まって7回対称の環状構造を作る。シトクロムcはアポトソームのCARDドメイン(紫)と結合して活性化される




関連記事
http://blog.goo.ne.jp/news-t/e/2f69e68999aaf91e1daa22758545d605
タウの凝集による核膜の乱れが脳細胞を殺す



関連記事
https://www.sciencedaily.com/releases/2012/11/121109111509.htm
アポプトシンappoptosinはヘム合成を促進してROSを増加させ、神経変性と細胞死を促進する

http://dx.doi.org/10.1523/JNEUROSCI.3668-12.2012
Appoptosin is a Novel Pro-Apoptotic Protein and Mediates Cell Death in Neurodegeneration.
新規のアポトーシス促進タンパク質であるアポプトシンは神経変性における細胞死を仲介する

https://www.researchgate.net/figure/232745849_fig7_Figure-9-Scheme-of-appoptosin-mediated-apoptotic-pathway-in-neurodegeneration
アポプトシン→ミトコンドリアがグリシンを取り込む→グリシンからデルタ-アミノレブリン酸(δ-ALA)を生成→2分子のδ-ALAが脱水縮合されて最終的にプロトポルフィリンIXが作られ、フェロキラターゼによって鉄が挿入されてヘム合成→ROS↑


 
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