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リソソーム内のα-シヌクレイン原繊維はチューブを通じて伝わる

2016-08-24 06:06:00 | 
Tunneling nanotubes between neurons enable the spread of Parkinson's disease via lysosomes

August 22, 2016

https://www.sciencedaily.com/releases/2016/08/160822111818.htm


(TNTによって繋がっているニューロン細胞
TNT内部にはシヌクレインの原繊維synuclein fibrils (赤色の凝集物) が含まれる

Credit: Copyright Institut Pasteur)

パスツール研究所/Institut Pasteurの科学者は、α-シヌクレインというタンパク質の凝集物aggregatesがニューロン間を輸送される際に『リソソーム小胞/lysosomal vesicle』が果たす役割を実証した
このタンパク質の凝集はパーキンソン病や他の神経変性疾患の原因である

α-シヌクレインがニューロンからニューロンへと移動するのは、細胞間の『細胞膜ナノチューブ/tunneling nanotube(TNT)』に沿って移動するリソソーム小胞によるものだという
この研究結果は8月22日にThe EMBO Journalで発表される


シヌクレイノパチー/synucleinopathyはパーキンソン病を含めた神経変性疾患のグループの一つであり、その特徴は中枢系から末梢の神経系に至るまで『折りたたみに失敗misfoldedしたα-シヌクレインタンパク質』の凝集物が封入体inclusionの中へと病的に蓄積することである
α-シヌクレイン凝集物の細胞間の伝達propagation(ニューロンから隣のニューロンへの)は神経病理が進行する一因だが、そのような拡散が生じるメカニズムはほとんどわかっていなかった


Chiara Zurzoloが率いる膜輸送病理発生ユニット/Membrane Traffic and Pathogenesis Unit(パスツール研究所)の科学者たちは、病原性のα-シヌクレイン原繊維がニューロン間を移動するのはリソソーム小胞の中に入ったまま細胞膜ナノチューブ/tunneling nanotube(TNT)を通ってであることを蛍光顕微鏡を使って培養細胞で実証した
TNTは最近発見された細胞間コミュニケーションのメカニズムである

TNTで移動したα-シヌクレイン原繊維は、受け取った側の細胞質にある可溶性のα-シヌクレインを呼び集めてrecruit凝集させるaggregationことが可能であり、これは疾患が拡散する説明になる

科学者たちの考えによると、リソソーム内のα-シヌクレイン凝集物で過剰な負荷overloadedを受けた細胞は、TNTを介する細胞間輸送を乗っ取ることによりそれらを処分dispose of するのだろうという
しかしながら、その結果として疾患は『ナイーブなニューロンnaive neurons』へと拡大していく


今回の研究はTNTがα-シヌクレイン原繊維の細胞間輸送で重要な部分を演じることを実証し、このプロセスではリソソームが特別な役割を持つことを明らかにした
これはシヌクレイノパチーの進行の根底にあるメカニズムの理解における象徴的な大発見である

これらの説得力のあるcompelling 発見は、同チームによる以前の報告と合わせて、神経変性疾患でのプリオン様タンパク質の拡散においてTNTが果たす全体的な役割を指し示し、治療不可能なこれらの疾患の進行と戦うための新たな治療標的がTNTであることを明らかにした


http://dx.doi.org/10.15252/embj.201593411
Tunneling nanotubes spread fibrillar α-synuclein by intercellular trafficking of lysosomes.
細胞膜ナノチューブはリソソーム細胞間輸送により原繊維α-シヌクレインを広める


Abstract
パーキンソン病のようなシヌクレイノパチーは、中枢から末梢神経系にわたってミスフォールドしたα-シヌクレイン凝集物が封入体へ病理学的に集積することを特徴とする
集積しつつある証拠はα-シヌクレインの細胞間伝播intercellular propagationが神経病理neuropathologyに寄与することを示唆するが、拡散が起きるメカニズムは完全には理解されていない

今回我々は共培養co-culturedしたニューロンで定量的な蛍光顕微鏡を使い、リソソーム小胞内のα-シヌクレイン原繊維が細胞膜ナノチューブ/tunneling nanotube(TNT)を通じてドナー細胞からアクセプター細胞へと効率的に移行することを示す
TNTでの移行後、α-シヌクレイン原繊維はアクセプター側の細胞質で可溶性α-シヌクレイン凝集の核となるseedことが可能である

リソソーム内のα-シヌクレイン凝集物が過負荷になったドナー細胞は、TNTを介する細胞間輸送を乗っ取り、この物質を処分することを我々は提案する

ゆえに、我々の発見はシヌクレイノパチーの進行におけるTNTとリソソームの全く新しい役割の可能性を明らかにするものである


Synopsis

Early endosome/初期エンドソーム
Recycling endosome/リサイクリングエンドソーム
Lysosomal vesicles/リソソーム小胞
Damaged lysosomal vesicles/損傷したリソソーム小胞
Oxidative stress(Reactive oxygen species)/酸化ストレス(活性酸素種)

Soluble α-synuclein/可溶性α-シヌクレイン
Misfolded α-synuclein/折りたたみに失敗したα-シヌクレイン
Recombinant α-synuclein fibrils/組み換えα-シヌクレイン原繊維
De novo α-synuclein aggregates derived from recombinant α-synuclein fibrils/組み換えα-シヌクレイン原繊維に由来する新規のα-シヌクレイン凝集物

・α-シヌクレイン原繊維はリソソームによって分解の標的にされる

・α-シヌクレイン原繊維は隣接する細胞間のTNTの形成を促進し、それはおそらく酸化ストレスの増加による

・α-シヌクレイン原繊維の負荷量が過剰overloadedになったリソソームは、ドナー細胞と隣接するアクセプター細胞をつなぐTNTの中を移行する

・いったんアクセプター細胞内に入ると、おそらくリソソームから脱したα-シヌクレイン原繊維は、細胞質に存在する内因性の可溶性α-シヌクレインの凝集核となることが可能である



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