骨で聴く異世界

耳を使わずに「聴く」世界を旅します。耳をふさいでいても聴こえる世界です。

名古屋神明社を骨で聴く

2010-02-13 22:23:05 | 骨で聴く巡礼旅


 名古屋駅という巨大な駅から徒歩で約5分足らずの場所に、伊勢神宮の外宮に見立てられた神明社という小さな神社があります。
 周辺の庶民にとっては、身近な伊勢参りという役目を担ってきた神社で、伝説にもあふれています。それは、笈瀬川の水で造った甘酒を神に献じたところ疫病が治まったというものです。以来、毎年秋になると甘酒祭りが行わるといいます。
 また男の子に化けるという「椿の森のカッパ川太郎」の伝説も残っています。

 こんな都会の中の歴史的な神社に骨伝導ヘッドセットを装着して出かけます。
 都会の雑踏は骨伝導の威力によって騒音を消し去ります。
 交差点を越え、右側に突如として場違いなように出現したのが神明社でした。

 なぜ?

 不思議な違和感は、小さいながら由緒ある神社の出現ということだけでなく、何ともいえない「気」の違いを感じたからでしょうか。
 さらにいえばクルマの排気音すらも消し去る骨伝導による脳波の影響もあるのでしょうか。

 それほどまでにインパクトのある神社です。
 もちろん、この神明社が格段、他の神社と異なるような見た目の違いは一切ありません。むしろ小さな境内だと思える程度でしょう。
 鳥居から参道を進むと、それが激変するのです。

 何かが違う。

 でもその正体がわかりません。
 耳では聞こえない音を特許技術の骨伝導スピーカーで伝えても、その違和感の正体はつかめません。

 不思議な気分のまま、骨伝導ヘッドセットとともに参拝し、参道を交差点の方へ戻ろうとすると、地味な石碑を発見しました。

  鉄柵で仕切られた一角にある石碑は、存在感を消し去り、ある意味「あやしげ」なムードまで漂わせています。近づくと鉄柵に1995年10月8日の中日新聞の「なごや街角50年」切り抜きが貼られていました。
 その記事によると、松井石根(マツイ イワネ)という旧日本軍の軍人のことが書かれたものでした。松井氏は昭和12年の日本軍の南京占領の最高責任者だった人です。有名な南京大虐殺の罪を東京裁判で問われ、1948年に死刑になりました。

 この松井氏の出身地が神社のあるかつての牧野村だったといいます。
 昭和14年12月に、石碑を地元の有力者が建立したそうです。碑文は、松井大将が南京入城後に作った詩「南京入城之感 燦矣旭旗・・・仰見皇威輝八紘」を写しているそうですが、近づくことが出来ず確認できません。
 内容は天皇の権威と兵士の勇ましさをたたえるもので、戦犯となることを恐れた人々により、近くの池に投げ捨てられたという歴史があるそうです。
 その後、この碑が引き揚げられ、再び椿神社に建立されたという記事です。

 伝統ある神社に太平洋戦争の一場面まで登場し、やはりこの神社は普通でないと改めて思いました。

 日本軍が南京占領のさい、お祝いの祝賀が開かれたといいます。
 このとき松井氏は国家の英雄になりました。しかし国家的な英雄は、その8年後には戦犯として死刑となるのです。しかも石碑でさえも、池に投げ捨てられるという有様とは、いくら時代の流れとはいえ、何とも過酷なこととしか思えなくなります。そこまで日本が狂っていたのでしょうか。

 骨伝導を通じて神明社を吹き抜ける風の音が骨から脳へと伝わります。
 骨伝導も米軍で採用され、爆音でも通信できることから軍事利用されています。複雑な気分になります。
 しかし骨伝導の特許技術は、戦争に利用される以前に、人々の「聴こえ」の問題に取り組んでいたのです。この神明社で、改めてそう思います。

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 名古屋を訪れる機会のある方は、ぜひこの神秘の神社へ足を伸ばしてみてください。そのとき可能であれば骨伝導機器をおともにしてください。

              



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