こんにちは。
tomoです。
ゲロっとしそうな人は読まないほうがいいです。こっちには、「ステラマリス」程、ポジティブの仕掛けもしてありませんし。
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昔、父が言いました。
父が小学生の頃、裏の山で首を吊った人がいたんだと。そして、トイレの裏は土饅頭になっていて、その土饅頭に足を乗せ、木に縄を着けて土饅頭から足を落としたんだそうです。
まぁ、土饅頭と言えば、当時は火葬場がなければ「亡骸」の埋めたあとなわけで。踏み台にしたと言えば、そりゃそれで、かなり罰当たりです。
で、父はそれを聞いて、「見たくて見たくて」、怖いもの見たさにトイレの窓からこっそり見たんだそうです。
かなり、うなされたって、言ってましたね。あんなもん、興味や怖いもの見たさで見るもんじゃないんだと。怖くてトイレにも行けなかったし、夢に何回か出てきたそうです。父は凄く後悔して、なるべく子供には・・・特に私ですか、感受性の強い私には見せたくなかったそうなんです。
私はとっくにその時、父が見たものを読み取っていました。想像で土饅頭なんて知らない6歳が、土饅頭と首吊り死体の壮絶さを語る事なんて出来ません。私も同じく、「木」があって、「盛り上がった土」がセットになると、ある程度の歳まで無性に怖かったですね。
ところで、何度か小さな頃海に行って、父が、いきなり私の目を覆って、有無も言わさず首根っこを掴んで、海の家に連れて行ったことがありました。私は、「おおーい、上がったぞー」という言葉で、「てっきり魚が上がったのか」と思い、「お父さん、地引網じゃない?」と言って歓声を上げ走っていこうとしたところでした。
何度かは地引網。でも、父がそうやって力ずくで私を守っている時に上がるものは、大抵は「人」でした。
白く何倍以上に膨れ上がった体。私、本当のことを言えば、水死体は一度も見たことはありません。何で知っているかと言えば、それはこれから・・・・・・。
やはり、その日も、地引網が引かれた途端、父が、私の髪の毛を鷲掴みにして、海の家へ強引に入っていきました。あまり、海の家って入らない父が、海の家に連れて行きます。そして、そこでジュースを飲まされ、「結構泳いで海水飲んでいるから、ジュース要らないよ」と言うと、強引に何か食べ物を薦める。そうして、「無駄だの無駄ではない」と押し問答し、ある瞬間、いきなり父がまた慌てて、私の腕を掴み、宿に帰っていく・・・・。
不思議に思いましたよ。だって、今来た焼きそばを食べ終わらないうちに、向こうから板を皆が運んできていてね、私てっきり、「さっき何か、いいものがあがったんだ」って思っていたんです。それが、戸板に乗せられてくる。大きな魚なのかなと思っていました。何で、父はこんなに険しいのだろう。今日はどうしたんだろう。私も見てみたいな。何だろう。
熱が出たのはその晩でした。
父があからさまに「やっぱりだめだったかぁ」とため息を吐いているのを熱の出た身で聞いていました。
「しかし、今日上がらなくても・・・」「何もあそこに持ってこなくても・・・」親の会話を聞きながら、私は何が上がったんだかちっとも分かりませんでした。
その夜中、異様に重苦しい足取りの、ぺたぁぁぁん、ぺたぁぁぁん、という音が聞こえました。私はその時、目を覚まして、窓の外を見て・・・・・・・・
その後、目が覚めたのは翌朝でした。
翌朝、父に聞いてみました。「昨日、海で死んだ人が上がったんでしょ?」
すると父は、「しかし、お前はよっぽどのくじ運だな。あんなに逃げて回ったのに、あれに付いて回られて、結局熱が出たんだもんな。いいか、好奇心で決して見に行くなよ。死ぬほど後悔するからな」
「見なくたって、分かるもん。昨日、そこの窓の外に来てたからね。」
父がその時、「あぁ」とつぶやいて、母とひそひそ相談していて、私はそれから、二度と海に父と行くことも母と行くこともなくなりました。
それが、小学校3年生の時だったと思います。
tomo
tomoです。
ゲロっとしそうな人は読まないほうがいいです。こっちには、「ステラマリス」程、ポジティブの仕掛けもしてありませんし。
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昔、父が言いました。
父が小学生の頃、裏の山で首を吊った人がいたんだと。そして、トイレの裏は土饅頭になっていて、その土饅頭に足を乗せ、木に縄を着けて土饅頭から足を落としたんだそうです。
まぁ、土饅頭と言えば、当時は火葬場がなければ「亡骸」の埋めたあとなわけで。踏み台にしたと言えば、そりゃそれで、かなり罰当たりです。
で、父はそれを聞いて、「見たくて見たくて」、怖いもの見たさにトイレの窓からこっそり見たんだそうです。
かなり、うなされたって、言ってましたね。あんなもん、興味や怖いもの見たさで見るもんじゃないんだと。怖くてトイレにも行けなかったし、夢に何回か出てきたそうです。父は凄く後悔して、なるべく子供には・・・特に私ですか、感受性の強い私には見せたくなかったそうなんです。
私はとっくにその時、父が見たものを読み取っていました。想像で土饅頭なんて知らない6歳が、土饅頭と首吊り死体の壮絶さを語る事なんて出来ません。私も同じく、「木」があって、「盛り上がった土」がセットになると、ある程度の歳まで無性に怖かったですね。
ところで、何度か小さな頃海に行って、父が、いきなり私の目を覆って、有無も言わさず首根っこを掴んで、海の家に連れて行ったことがありました。私は、「おおーい、上がったぞー」という言葉で、「てっきり魚が上がったのか」と思い、「お父さん、地引網じゃない?」と言って歓声を上げ走っていこうとしたところでした。
何度かは地引網。でも、父がそうやって力ずくで私を守っている時に上がるものは、大抵は「人」でした。
白く何倍以上に膨れ上がった体。私、本当のことを言えば、水死体は一度も見たことはありません。何で知っているかと言えば、それはこれから・・・・・・。
やはり、その日も、地引網が引かれた途端、父が、私の髪の毛を鷲掴みにして、海の家へ強引に入っていきました。あまり、海の家って入らない父が、海の家に連れて行きます。そして、そこでジュースを飲まされ、「結構泳いで海水飲んでいるから、ジュース要らないよ」と言うと、強引に何か食べ物を薦める。そうして、「無駄だの無駄ではない」と押し問答し、ある瞬間、いきなり父がまた慌てて、私の腕を掴み、宿に帰っていく・・・・。
不思議に思いましたよ。だって、今来た焼きそばを食べ終わらないうちに、向こうから板を皆が運んできていてね、私てっきり、「さっき何か、いいものがあがったんだ」って思っていたんです。それが、戸板に乗せられてくる。大きな魚なのかなと思っていました。何で、父はこんなに険しいのだろう。今日はどうしたんだろう。私も見てみたいな。何だろう。
熱が出たのはその晩でした。
父があからさまに「やっぱりだめだったかぁ」とため息を吐いているのを熱の出た身で聞いていました。
「しかし、今日上がらなくても・・・」「何もあそこに持ってこなくても・・・」親の会話を聞きながら、私は何が上がったんだかちっとも分かりませんでした。
その夜中、異様に重苦しい足取りの、ぺたぁぁぁん、ぺたぁぁぁん、という音が聞こえました。私はその時、目を覚まして、窓の外を見て・・・・・・・・
その後、目が覚めたのは翌朝でした。
翌朝、父に聞いてみました。「昨日、海で死んだ人が上がったんでしょ?」
すると父は、「しかし、お前はよっぽどのくじ運だな。あんなに逃げて回ったのに、あれに付いて回られて、結局熱が出たんだもんな。いいか、好奇心で決して見に行くなよ。死ぬほど後悔するからな」
「見なくたって、分かるもん。昨日、そこの窓の外に来てたからね。」
父がその時、「あぁ」とつぶやいて、母とひそひそ相談していて、私はそれから、二度と海に父と行くことも母と行くこともなくなりました。
それが、小学校3年生の時だったと思います。
tomo