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アフリカ選挙速報~3つの国の民意は?

2015-11-02 07:30:29 | アフリカビジネス
10月、ンボテの勢力範囲(笑)である仏族アフリカ世界では3つの重要な投票が行われた。その結果を概観しておこう。


第一は11日に行われたギニア共和国の大統領選挙。下記リンクの記事でもお知らせしたとおり、17日に独立選挙監視委員会から暫定結果が発表され、アルファ・コンデ大統領 が過半数57.85%を得票、次点のセルー・ダラン・ディアロ候補(31.44%)を大きく引き離し、決選投票を待たずに当選確実となった。

ギニア大統領選挙速報(2)~現職、アルファ・コンデ大統領に当選確実、出ました!


その後、憲法裁判所に選挙結果の最終確認の手続きが付託されると、野党の3候補から異議申し立てが行われた。しかし手続き期限より2日早い10月31日、憲法裁判所は選挙の確定を発表、選挙は一連のプロセスを終えた。

しかしこれまでも書き綴ってきたとおり、問題は選挙後。野党は支持者にデモ準備を示唆。これまでギニアで起きてきたことを考えると、なんらかの衝突が発生するリスクがある。

しかし現職が安定多数を確保した今回の選挙。野党支持者の求心力は低下。他方、与党陣営にとっても寛容な対応を許容する余裕が生まれたことから、大規模な衝突といった事態は回避されるのではないか。楽観したいところだ。

(10月30日、コナクリ市では野党支持の女性グループによるデモが行われたが。Jeune Afriqueウェブサイトより)



二つ目の選挙、コートジボワール共和国の大統領選挙。こちらは下馬評以上の強さを見せた現職のアラサン・ワタラ大統領が83.66%の票を集め、圧倒的勝利(victoire écrasante)となった。他方、投票率は52.86%(※前回は83%)にとどまった。野党の一部がボイコットを呼びかけた影響とみられる。

今回のような与党の圧倒的勝利となると、野党も攻め手を欠く。前回選挙では、バグボ前大統領が半数近い票を集めたが、そのFPIの候補、パスカル・ンゲッサン氏は9.29パーセントの得票と伸び悩んだ。ある意味、北部と南部の対立、イボワール人優先主義(Ivoirité)のトラウマから抜け出そうとしているコートジボワールの姿が見て取れる。

ワタラ大統領は選挙前、コートジボワール憲法が規定する「イボワリテ条項」(大統領候補資格に同人及び父母の国籍を条件付けるもの)の廃止を示唆した。国民和解は一定の進展を遂げたのか?いや、政界のprotagonistes(主要登場人物たち)にとって、真の清算は終わっていないと見るべきだろう。詳しくは下記記事で述べた。勢力図は現状保存のまま、タイムカプセルは2020年に開かれるのだ。

コートジボワール大統領選挙情勢(1)~選挙キャンペーンが開始!


3つ目の投票はコンゴ共和国の憲法改正の真偽を問う国民投票。争点はサス・ンゲソ大統領の再出馬を可能とする改正を認めるかどうかにあった。

コンゴ共和国・ブラザビルに流れる怪しい空気

27日、レイモン・ンブル内務大臣は投票率は72.44%、投票結果は92.96%の圧倒的多数で改正に賛成票を投じたとされる。

これに対し多くの物言いがついている。中でも投票率をめぐる公表数値の信憑性だ。野党筋は「10%にも満たない」と反発。AFPなど複数筋によれば、第二の都市ポワント・ノワールでも「有権者は投票所には寄り付かなかった(largement boudé aux urnes)」としている。

国際社会も疑義を呈する。アメリカは、国務省が「一連の投票の信憑性には疑いの余地があり、失望」との談話を発表。「暴力や圧力ではなく、広く国民議論が行われるべき」とした。フランスのジラルダン開発・仏語圏担当大臣はRFIのインタビューの中で「投票率に大きな疑義がある。選挙のプロセスや環境を考えると、結果は支持できるものではない」と述べている。

野党は30日、ブラザビルにおけるデモを呼びかけていたが、一旦延期。11月2日以降、月曜日、木曜日、金曜日を'Ville morte'(死んだ街)とするストを呼びかけている。

市民の反応、国際社会の視線。迷走するサス・ンゲソの国の行方に注目が集まる。

(賛成派と反対派。Jeune Afrique,ウェブサイトより。)



(おわり)

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