シリーズでお伝えしてきたギニア大統領選挙、10月11日(日)の投票日の後、かたずを飲んで結果発表を待っていたところ。現地初の情報で、暫定結果の発表が16日(金)になるのでは?と言われてきたが、結局、独立選挙委員会は10月17日(土)にこれを発表した。
Présidentielle en Guinée: nuit calme après la victoire d’Alpha Conde(RFI)
結果はというと、、、
アルファ・コンデ大統領 57.85%
セルー・ダラン・ディアロ候補 31.44%
日本的にレポートすると、こんなところか。
「アルファ・コンデ大統領は現職の強みを生かし、全国各地で広く票を伸ばし、過半数を得票。第1回目の投票で再選を確実なものとしました。一方、セルー・ダラン・ディアロ候補はプルの組織票をとりまとめることができずに伸びなやみ、前回に続き、しかし大きな差をつけられての悔しい敗退です。」
前回の投票はこのブログでも見たとおり、53対47で現職が辛くも逃げ切った。今回は、圧倒的とまでは言わないが、大きな違いを見せたといえよう。
地域別にみると、大票田の高地ギニア(Haute Guinée)ではコンデ大統領が9割の票を獲得、圧倒的強さを見せた。中部ギニア(Moyenne Guinée)においてはディアロ候補が善戦したが、この地域は有権者数で高地ギニアには及ばない。森林ギニアでは、前回は現職が辛くも逃げ切ったが、今回は大きく対抗候補を引き離した。
選挙結果はこのあと最大8日間の憲法裁判所の承認手続きを経て公式に発表となるが、この投票傾向に大きな変更はないだろう。下馬評通りにコンデ大統領が勝利したといって良さそうだ。
しかし選挙はこれでは終わらない。憲法裁判所の最終的な発表ののち、異議申し立て期間が置かれる。対抗候補で得票第2位のディアロ候補、第3位のシディア・トゥーレ候補(得票率:6.01%)は申し立ては行わないというが、その他の候補は申し立てを行う構えだ。
そして憲法裁判所の動向によらず、野党はデモという手段で抗議に出る構想だ。もちろん、主催者側は平和的なデモを呼びかけることとなるが、これまでの歴史は、このようなデモから大惨事や悲劇を生んできたことを教えてくれる。
今回はアルファ・コンデ大統領が安定多数で勝利を収めたことから、当局は弾圧よりも、寛容を示す余裕があるはずだ。またそれを望むに違いない。他方、このようなデモを前に、規律と統制のきかない治安当局による偶発的な衝突勃発が危惧される。今後、十分注意してみていく必要があろう。
選挙プロセスは公式には着々とフィナーレに進んでいるように見えるが、まだまだ終わりではない。「家に帰るまでが選挙ですから。」
(おわり)
Présidentielle en Guinée: nuit calme après la victoire d’Alpha Conde(RFI)
結果はというと、、、
アルファ・コンデ大統領 57.85%
セルー・ダラン・ディアロ候補 31.44%
日本的にレポートすると、こんなところか。
「アルファ・コンデ大統領は現職の強みを生かし、全国各地で広く票を伸ばし、過半数を得票。第1回目の投票で再選を確実なものとしました。一方、セルー・ダラン・ディアロ候補はプルの組織票をとりまとめることができずに伸びなやみ、前回に続き、しかし大きな差をつけられての悔しい敗退です。」
前回の投票はこのブログでも見たとおり、53対47で現職が辛くも逃げ切った。今回は、圧倒的とまでは言わないが、大きな違いを見せたといえよう。
地域別にみると、大票田の高地ギニア(Haute Guinée)ではコンデ大統領が9割の票を獲得、圧倒的強さを見せた。中部ギニア(Moyenne Guinée)においてはディアロ候補が善戦したが、この地域は有権者数で高地ギニアには及ばない。森林ギニアでは、前回は現職が辛くも逃げ切ったが、今回は大きく対抗候補を引き離した。
選挙結果はこのあと最大8日間の憲法裁判所の承認手続きを経て公式に発表となるが、この投票傾向に大きな変更はないだろう。下馬評通りにコンデ大統領が勝利したといって良さそうだ。
しかし選挙はこれでは終わらない。憲法裁判所の最終的な発表ののち、異議申し立て期間が置かれる。対抗候補で得票第2位のディアロ候補、第3位のシディア・トゥーレ候補(得票率:6.01%)は申し立ては行わないというが、その他の候補は申し立てを行う構えだ。
そして憲法裁判所の動向によらず、野党はデモという手段で抗議に出る構想だ。もちろん、主催者側は平和的なデモを呼びかけることとなるが、これまでの歴史は、このようなデモから大惨事や悲劇を生んできたことを教えてくれる。
今回はアルファ・コンデ大統領が安定多数で勝利を収めたことから、当局は弾圧よりも、寛容を示す余裕があるはずだ。またそれを望むに違いない。他方、このようなデモを前に、規律と統制のきかない治安当局による偶発的な衝突勃発が危惧される。今後、十分注意してみていく必要があろう。
選挙プロセスは公式には着々とフィナーレに進んでいるように見えるが、まだまだ終わりではない。「家に帰るまでが選挙ですから。」
(おわり)