日本にはなかなか地方自治が根付かない。
沖縄県翁長知事は一人気を吐いているが、これは米軍基の地移設問題に根ざしたもので、仮に移設を阻止しても普天間基地が残るし、沖縄振興の一手につながる何かが欲しいところだろう。政治家にとって、理念や信念と実益をどのように結びつけるか、が重要なように思う。
全く違うことではあるが、本日が投票日の大阪W選挙と呼ばれる大阪府知事選、大阪市長選もおなじ側面がある。しかも沖縄県よりもそもそも低次元の争いになっていて、しかも日本に及ぼす影響は沖縄と同じぐらい大きいものがある。
大阪は、東京との二極である京阪神地方の中核であって、本来は日本の経済、政治、文化の中心地、牽引役であってしかるべきである。しかしこの三十年ほどの間、はっきり言って無能な政治家と、一部の働かない市役所や府庁の役人、それにこれも一部の行政に只乗りする住民という三重苦にあって、日本の牽引役どころか地域の地盤沈下を加速させてきた。
橋下前知事、現市長が大阪維新の会を立ち上げて、大阪都構想を旗印に大きな運動を起こしかけた。しかし、手法のまずさもさることながら、何よりも国政に色気を出しすぎる橋下氏の下では、やはり大改革にはたどり着けなかった。既存政党は、それこそなりふり構わずに呉越同舟、一丸となって大抵抗勢力と化した。
端下氏のだめなところは、大阪でことを為す前から国政に色気をだしたこと、それに世の中の流れが読めていないこと、そしてそもそも信念に欠けることであろう。折角の大阪都構想も、地方官僚をしっかり味方につけてその具現化を図らなければならない時に、国政に手を出し、口を出し、顔を出ししては、反対勢力に足元をすくわれる。そもそも、器を大阪とに入れ替えただけで、二重行政がなくなってたちどころに景気浮揚が図れるなんてことは幻想だ。都構想実現の過程で進められる大胆な構造改革こそ、その本質がある。やる気のある地方官僚諸君を抜擢、奮起をうながして政策実現することが重要であったのに、十分な準備を完了まで行えずに今年5月の信任選挙で僅差の敗北をきした訳である。
さらにここから橋下氏の迷走は続いた。政治家を引退するだの、維新の党を脱退するだの、子供のようなリアクションをとった。そもそも論でいえば、国政の都合から維新の党を売り渡したことが失敗の主因であったのだろう。
今回の大阪W選挙は、捲土重来を期しているのだろうが、何故維新の党をみっともない形で割ったりしたのだろうか。国政には必要なことかもしれなかったが、大阪W選挙にとってはマイナスではあってもプラスではなかったろう。この点でも端下氏は、流れを読めていない。
しかし、この大阪W選挙の注目する点はそこではない。その投票率にある。大阪府民、大阪市民がいったいこの地域をどうしたいのか、その意思表示をするぐらいの心がけがあるのかにある。どんな結果であれ、投票率の上がらない地域、自治体の未来は暗い。日本の地方自治が根付かず、そして停滞を加速するのだろう。大阪の地盤沈下は、日本の一側面である。
沖縄県翁長知事は一人気を吐いているが、これは米軍基の地移設問題に根ざしたもので、仮に移設を阻止しても普天間基地が残るし、沖縄振興の一手につながる何かが欲しいところだろう。政治家にとって、理念や信念と実益をどのように結びつけるか、が重要なように思う。
全く違うことではあるが、本日が投票日の大阪W選挙と呼ばれる大阪府知事選、大阪市長選もおなじ側面がある。しかも沖縄県よりもそもそも低次元の争いになっていて、しかも日本に及ぼす影響は沖縄と同じぐらい大きいものがある。
大阪は、東京との二極である京阪神地方の中核であって、本来は日本の経済、政治、文化の中心地、牽引役であってしかるべきである。しかしこの三十年ほどの間、はっきり言って無能な政治家と、一部の働かない市役所や府庁の役人、それにこれも一部の行政に只乗りする住民という三重苦にあって、日本の牽引役どころか地域の地盤沈下を加速させてきた。
橋下前知事、現市長が大阪維新の会を立ち上げて、大阪都構想を旗印に大きな運動を起こしかけた。しかし、手法のまずさもさることながら、何よりも国政に色気を出しすぎる橋下氏の下では、やはり大改革にはたどり着けなかった。既存政党は、それこそなりふり構わずに呉越同舟、一丸となって大抵抗勢力と化した。
端下氏のだめなところは、大阪でことを為す前から国政に色気をだしたこと、それに世の中の流れが読めていないこと、そしてそもそも信念に欠けることであろう。折角の大阪都構想も、地方官僚をしっかり味方につけてその具現化を図らなければならない時に、国政に手を出し、口を出し、顔を出ししては、反対勢力に足元をすくわれる。そもそも、器を大阪とに入れ替えただけで、二重行政がなくなってたちどころに景気浮揚が図れるなんてことは幻想だ。都構想実現の過程で進められる大胆な構造改革こそ、その本質がある。やる気のある地方官僚諸君を抜擢、奮起をうながして政策実現することが重要であったのに、十分な準備を完了まで行えずに今年5月の信任選挙で僅差の敗北をきした訳である。
さらにここから橋下氏の迷走は続いた。政治家を引退するだの、維新の党を脱退するだの、子供のようなリアクションをとった。そもそも論でいえば、国政の都合から維新の党を売り渡したことが失敗の主因であったのだろう。
今回の大阪W選挙は、捲土重来を期しているのだろうが、何故維新の党をみっともない形で割ったりしたのだろうか。国政には必要なことかもしれなかったが、大阪W選挙にとってはマイナスではあってもプラスではなかったろう。この点でも端下氏は、流れを読めていない。
しかし、この大阪W選挙の注目する点はそこではない。その投票率にある。大阪府民、大阪市民がいったいこの地域をどうしたいのか、その意思表示をするぐらいの心がけがあるのかにある。どんな結果であれ、投票率の上がらない地域、自治体の未来は暗い。日本の地方自治が根付かず、そして停滞を加速するのだろう。大阪の地盤沈下は、日本の一側面である。