武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

よそ行きの顔と素の顔

2024年03月25日 | Weblog
(表紙の写真は、4年前にハイキングに行った時のもの。娘がふざけて難しい顔をして映っています・・)


子供のうちは、特に幼いうちは家にいても、どこかに出かけても、あまり自分の顔や態度を変えることはなく、何処にいても自分の自我を発揮しているもの。


デパートや公園で、または公共の交通機関の中で大泣きをしたり、親にわがままを言ったりして、親を困らせるのは幼子の常の姿。


当の親は、周りの目を気にしてか、家庭で行うような強く大きな言葉で注意もしづらく、もちろん周りへの気遣いへの配慮から、困り顔で我が子をなだめる姿が思い浮かびます。


成長に従い、子供たちも周りの目を気にするようになり、家族の前と人前とでは、話す言葉や声の大きさ、そしてその内容が大きく異なってくるものです。


しかし、愛想笑いがいつも良いばかりではなく、怒るべきところで怒ることが出来ず、悲しむところで感情を表に出しづらくなるのは、人として、果たして良いことかどうか?


自分の部下や後輩の前と異なり、自分の上司や先輩の前ではおべっかを使いペコペコしたかと思えば、逆の立場では偉そうに尊大にふるまっている人は、少々困りもの。

年齢の上下で人を判断し、態度を変えるのも同じこと。

職場の上下関係ばかりではなく、店員と客の関係、先生と生徒の関係でもしかり。

日常では人の良さそうな雰囲気を出している人でも、車に乗ると人が変わったように乱暴なハンドル捌で激しい口調になり、駅員や店員さんの前では偉そうな物言いをしたり、不愛想な振る舞いで対応したりする人も、私はあまり好きにはなれません。

ましてや信頼に値する人物とみなされることはありません。


人の立場に上下を付けて、それぞれに対応が異なることは、自分の弱さではないか、

と私は思う。



私はある時期から、そうした自分の無意識からくる不自然な振る舞いに大きな違和感を覚え、誰に対してもなるべく同じ態度で接することを心がけるようになりました。



それは人だけではなく、物に対しても同じこと。



自宅の玄関で靴やスリッパが乱雑に散らかっていたら、キレイに並べ直すように、公共施設のトイレのスリッパなどがバラバラに散らかっていたら、当たり前に直すようにしています。

私の身近な例で言えば、公共の体育館のスリッパやスポーツクラブのゴールドジムのトイレにあるスリッパ。

そのスリッパを手で並べていると、私の隣でとても申し訳なさそうに、適当に脱ぎ捨てかけたスリッパを丁寧に並べて出て行かれた方がいました。


いい意味で人の目を気にされたのだと思いますが、逆に私の目の前で乱雑に脱ぎ捨てて行かれても、今の私にとっては何のその。


今では全く気にせず、人前でもさっと直すことが私の癖になっています。


家庭の中で目の前にごみが落ちていたら拾うように、道路上でも気になるものが道路の真ん中に落ちていたら、路肩に寄せるようにしています。

ボランティア清掃員ではありませんので、無理のない、可能な範囲での行いです。



道場内で思うことは、皆さんご家庭や職場、もしくは仲間の中では、皆それぞれに道場内とは別の顔があるんだろうなということが、チョットしたしぐさやその動作から、そして言葉の端々から伺えます。


もちろん、道場内以外での自分の考え方や態度は皆人それぞれで、自分が思うように、自分の持ち味を出してもらえればいいことで、それほど気にはしていません。


しかし、我々の道場が気に入って稽古に参加されている方々には、私自身の何気ない仕草や考え方や行動から、無意識のうちに何かしらの良い影響が出ることを願っています。


もし何かしらの悪い仕草や態度、言動などが稽古生の間に表れているとしたら、私自身の行動に問題がないか、考え方に問題がないかを考える必要もありますが、何よりも稽古生の皆さんの道場内でのしぐさや言葉、そして顔付きやその表情が、普段の日常と変わらぬものになっていれば、なんだか安心が出来る気がします。


道場内ではみなさん、とても良い方ばかりです。


人としてもそうですが、道場内での、その表情がとても良いと思う。

堂々としていて姿勢が良く、それでいて思いやりのある、とても優しさを感じられる表情がみられます。

道場での稽古を通して培われた、相手を受け入れる、自信の表れだと思います。



(3月34日の日曜Jr選手クラスの集合写真)


その顔付き、その表情やその行動などが、その一人一人の稽古生の方々が日常の中で関わる全ての人に、良い印象と影響を与え、いい意味で相乗効果的により良い、そして住みやすい世になる事に繋がっていればうれしく思います。


(3月34日の日曜日クラスの集合写真)


仮面を脱ぎ捨てて、普段と同じ素の表情で、人に優しく接することができる人というのは、とても安心感があるものですが、逆にそういう人には ”強さ” というものが伴っているものです。

世の中の人の心の中には悪意や偏見というものがあり、人に騙されないような、そして侮られないような警戒心を忘れてはいけないのが、今の世の中の悲しい現実でもあります。

自分を鍛え、多くを学んで経験し、世の中でうまく自分の良さを出しながら立ち回ることができる、 ”生きる強さ” というものを身につけていきたいものです。





コメント    この記事についてブログを書く
« 昨年の稽古納めの様子を写真... | トップ | 新年度のクラス変更メンバー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事