旅限無(りょげむ)

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北京五輪の内と外 その参百弐拾参

2008-09-06 17:16:39 | チベットもの
福田康夫首相が北海道洞爺湖サミット期間中の7月9日に中国の胡錦濤国家主席と会談した際、日中合意に基づく条約の締結交渉など未解決の課題が多く残っている東シナ海のガス田問題について、「(北京五輪で)大変だろうし、その話は無理せずにやっていただいていいから」と述べ、自ら詰めの協議の五輪閉会後への先送りを提案していたことが24日、分かった。この提案には、「交渉相手(中国)の立場に理解を示すことでかえって問題進展を促すのが福田流」(政府筋)との評価がある一方、「首相は何事も中国に配慮しすぎだ」(別の政府関係者)との声も上がっている。

■開会式に参列したホイホイ首相が、日本選手団が入場しても立ち上がらず、手も振らずにぼんやりと眺めていた姿が批判されていますが、選手団に対して「せいぜい頑張って」と変に「せいぜい」に力を入れた脱力激励をして見せたのも、本音では「チャイナに遠慮してあまりメダルを取らないように」と言いたかったからかも知れませんなあ。世界に数ある領土問題の中で「無理せず」解決した例は皆無で、相手の言い分をホイホイ聞いていればあっと言う間に国益を失うのは子供でも知っている事です。五輪大会の成功に協力する見返りとして、こちら側の要求を上手に受け入れさせるのが「善隣外交」というものではないでしょうか?無理せずホイホイやって行くのが自分のスタイルだとしても、それを外交にまで使われたら大変な迷惑ですなあ。


日中両国はガス田問題をめぐって6月18日、日中境界線画定は棚上げした上で
(1)「翌檜(あすなろ)」ガス田付近で共同開発
(2)「白樺(しらかば)」ガス田に日本も出資
(3)「楠(くすのき)」「樫(かし)」両ガス田周辺海域は継続協議-などの基本合意を発表した。ただ、「白樺」への出資比率や権益配分など具体的な条件は決まっておらず、その後の条約交渉で詰める手はずになっていた。

■元々、日本側が自国領だと主張しているガス田なのですから、「日本も出資」という表現は変だ!という尤もな批判も出ている奇怪な合意内容ですから、出資比率に関する話し合いも、あたかもチャイナの許可を貰って一口乗せて頂くような、きっと卑屈な内容になるのでしょうなあ。チャイナ側としては、これ以上は望めない交渉相手が首相をしている間に、言いたい放題のやらずボッタクリ条約をまとめ上げたいのは山々でしたでしょう。しかし、五輪大会を大成功させるためには、ぐっと我慢して日本国内にナショナリズムが盛り上がるのを避けただけなのかも知れませんなあ。

■さてさて、五輪が終われば遠慮は要らない!とばかりに押しに押して来るかも?相手は選挙用に無理やり引き摺り降ろされるのが目に見えているホイホイ首相ですが、死に体、ミイラ、ゾンビ状態になっても最後のひと絞りまで搾り取って吸い出す所存だと予想されます。故人となった田中角栄さんは「井戸を掘った人」として北京政府は高く評価していたものですが、「井戸を盗まれた」間抜けな首相はどんな扱いを受けるのでしょう?


条約の締結について外務省は合意当初、「できるだけ早くやる。そんなに時間はかからない」(高村正彦外相)としていた。ところがその後、2カ月余が経過した今も、日中間で公式協議は開かれておらず、共同開発も日本側の出資も実施のめどは見えていない。ガス田問題に限らず、中国製ギョーザ中毒事件の捜査の進展や日中歴史共同研究の成果発表など、日中間の諸懸案はおおむね五輪閉会後へと先送りされているが、福田首相自身がそうした中国の姿勢にお墨付きを与えたとも言えそうだ。
8月25日 産経新聞

■「相手が嫌がることはしない」けれど、日本国民が怒るような事なら平気で実行してしまうホイホイ首相ですから、「安心実現プラン」の20項目にも輸入食料品に対する検査体制を強化するぞ!という話が入っていなかったのも当然なのでしょう。御自分は食通を自認してもっぱらフランス料理を食っているそうですから、チャイナ製の危なっかしい食材など人間の食い物だとは、最初から考えていないのかも知れませんなあ。

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