旅限無(りょげむ)

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毒の拡散と出所 その伍

2008-01-31 22:03:46 | 社会問題・事件
■日本の農業技術をせっせと教えて輸入している内に、日本の野菜市場がメイド・イン・チャイナに席捲されるような事態になったのは、一体、誰の差し金だったのか?職業研修生制度は以前から有ったのですが、農業に特化して広まったのはそれほど古い話ではないようです。

各農園は同県の最低賃金(約670円)を下回る時給500円の残業代しか払っておらず、労組側は未払い賃金の返還とともに、5人の解雇撤回を求めている。長苺園は強制帰国について「行き過ぎがあった」と認めたが、「解雇は不当ではない」と反論。各農園は未払い賃金については減額を要求し、交渉が難航している。江田栃園会理事長は「優秀な実習生なら帰す必要はない」と、勤務態度がふまじめだったことを示唆する。一方、実習生の一人で黒竜江省ハルビン出身の張利民さん(34)は「奴隷のように扱われ、見下されている気がずっとしていた」と不満を訴えている。

■農業技術研修生は中国国籍の人ばかりではなく、世界中の貧困国から集まっているという噂が流れていますが、なかなか実態が分かりません。「研修生」となれば学生・生徒ですから、教師ではなく雇用主が待っていたら相手はどう思うでしょう?制度に関する認識がまったく違うのは、監督官庁の怠慢でもあるでしょう。しかし、バブル景気が絶頂に達した頃、人手不足に苦しんでいた自動車会社などがブラジルの日系人を労働力として募集した事が有りました。その後、日本に定着した家族の子供達が就学年齢に達しても放置されているという深刻な事態になっていましたなあ。あの時は「人手不足」でしたが、今回は先が見えない長期のデフレ経済が原因とも言えます。そうなれば、デフレを気に入っている日本銀行の責任さえ出て来るかも知れませんぞ。

■日本に来て日本を恨んで祖国に帰る人が増えるのは、中東のイスラム諸国から恨みを買ってアルカーイダに攻撃された米国の轍を踏む危険さえあるかも知れません。石原都知事ではありませんが、メイド・イン・チャイナの全てが悪いわけでは有りませんし、チャイナの人々が全て悪人であるはずも有りません。親日家を増やさねばならない時代に、派遣労働者ならばまだしも、「奴隷」同然の安価な労働力と勘違いしているような事態を放置すると、巡り巡って日本を攻撃する動機が堆積して行くのではないでしょうか?「日中友好」神話に酔ってべたべたの関係になる必要は毛頭ありませんが、悪用可能な法律は改善し、拙速に作った制度はしっかり管理しなければならないという話です。


法務省は昨年12月、外国人研修・技能実習生の受け入れ企業・団体に対して「研修手当や賃金の不払い」など不正行為を明記した指針を明らかにしたが、徹底されていない。冬から春は「とちおとめ」などイチゴ収穫の最盛期。実習生たちは朝5時に起床し、摘み取り、包装作業を午後10時ごろまで続けた。「農家に休みはない」と土日も働いた。

■自然を相手にする仕事ですから、ここまでは理解可能な話です。しかし、時間外労働に対する正規の割り増し給与は当然として、それ以外にもいろいろと感謝の気持ちを表わす心遣いが欠かせないはずです。使い捨ての消耗品のように人間を扱うのはトンデモないことでしょうなあ。


栃園会加盟のある農園経営者(55)は、肉牛を飼育していたが、牛海綿状脳症(BSE)問題の影響で7000万円を借金した。再起をかけてイチゴ栽培を始め、安い労働力と考えて研修生を受け入れたという。この経営者は「法律の仕組みのことは、行政が教えてくれないと分からない」と残業代の一部が未払いになったことを弁解する。……
1月29日 毎日新聞

■BSE問題がイチゴに飛火して外国人労働者をタダ同然に使って借金経営に耐えている農家。とても複雑な農業経営の問題には立ち入れませんが、どうやら近代的な「労働法」を伝統的な「滅私奉公」感覚で押し潰してしまう乱暴な感性と、白人以外の外国人に対する侮蔑の念が混在しているような印象が強いようです。「南京大虐殺」には大いなる疑惑が有るとしても、満洲建国時に無法な農地収奪が行われたのは事実だったのですから、特に農業に関してこういう問題を起こすのは日本としては損でもあるでしょうし、恥ずかしい事です。

■毒入り餃子が事故だったのか意図的な犯罪行為だったのか、今のところはまったく分かりませんが、万が一、単なる反日・愛国教育の影響ではなく、実際に日本での経験から生まれた怒りが原因になっていたなどという恐ろしい背景が浮き上がったりしたら大変です。それが杞憂であってくれることを祈るばかりです。


中国製冷凍ギョーザに殺虫剤が混入した問題で兵庫県が厚生労働省に報告が遅れたことについて「被害者家族内のトラブルを疑っていた」と厚労省に説明していることが関係者の話で31日、分かった。……「中華deごちそうひとくち餃子」を食べて吐き気を訴え、病院で診察を受けた。翌日に病院が県警に通報し、同県は事態を把握した。……兵庫県は「広く一般に出回っている商品なのに、ほかで被害が出ていなかったため、家族内のトラブルも含めて、何者かが毒物を混入させた可能性が高いとみて、捜査を優先させた」と厚労省に説明したという。結局、厚労省が事態を把握したのは29日午後9時、東京都からの連絡だった。

■このところ、家族内での尊属殺人事件が多発しているのは事実でしょう。しかし、この疑惑の構造は「松本サリン」事件の時とそっくりではないでしょうか?早い段階で介入した警察が、まったく情報を出さなかった原因はこのような見込み捜査があったのでしょう。兵庫県が県警の意見に押し切られたとしたら問題ですなあ。「輸入品」なのですから、製造側に問題が有る可能性は最初から考えるべきでしょう。厚労省が定めている『食品衛生法』を守って通報だけはしておくべきでした。こうしている間にも、「そう言えば私も……」と訴え出た被害者が500人近くに達しているそうです。中には勘違いや、悪質な便乗者も含まれてはいるでしょうが、汚染されたパッケージの数が予想以上の多いとなれば、ますます犯罪の臭いが強まりそうです。

■乗っ取られた旅客機が都心に突っ込むのも怖いですが、日常生活に欠かせない食糧に劇物が混入されるのも同じ様に国家的な脅威であります。
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あとは野となれ山となれ その四

2008-01-31 21:21:25 | 日記・雑学
2008年1月15日の放送で、正式に細木さんの降板が明らかにされたが、今回の放送でも、それに関する発言が細木さんの口から飛び出した。それは、「朝青龍と高砂親方の不仲説」を朝青龍が「仲いいんですよ」と全面否定したときだった。細木さんは「親方も、今日も出演していいって言ったんでしょ?」と聞き、朝青龍が頷く。そこで、細木さんは「色々局(TBS)との入れ違いがあって、彼、勘違いされちゃって」と説明した。

■「入れ違い」は「すれ違い」のいい間違いかも知れません。細木さんは時々、ユニークな漢字の読み方や慣用句のアレンジをするようですから……。高砂親方の出演は、きっと相撲協会が断固として阻止するはずです。調子に乗って何を言い出すか分かりませんからなあ。テレビとしてはそれが狙いなのでしょうが、相撲協会の「広報部長」が傷口を広げるような自爆発言をしたら大変でしょう。


……朝青龍がアナウンサーに「暗いですね?」と指摘。アナウンサーは「また降りるんだよって(細木さんに)言われたら、またすいませんって言うしかない…」ととっさに反応。細木さんは、「『降りる』ってことば、気に入らなきゃ、(細木さんが)『降ろされる』」と「自分は降板させられた」ともとれる驚きの発言をした。これには、アナウンサーも「いやいやいや、そんなこと言うはずないじゃないですか。ドキドキしちゃうな」と動揺していた。冗談なのか本気なのかはよく分からないが、細木さんがTBSに対して不満をにじませる放送内容だった。
1月29日 J-CASTニュース

■こういう騒動を毎週欠かさず視聴している人が結構な数に上っているとか……。でも、細木さんの説教話ぐらいの世間知を求めるなら、御近所の小さな飲み屋さんでも渡り歩いて、話の上手なお上さんやママさんを探した方が楽しいかも知れませんぞ。まあ、そこでは有名人?が罵倒されて涙を流すような悪趣味な場面にはお目にかかれないでしょうが……。

■テレビ画面から占い師が消えても、その内、新手が発掘されて一時代を築くことになるでしょうが、困るのは代替が利かない組織の後始末です。


社会保険庁の07年度上半期(4~9月)の自己退職者が総定員1万6822人の1.9%にあたる317人に上り、通年度で過去最高となるのが確実なことが29日、明らかになった。多くは「窓口業務が苦痛」などを退職理由に挙げている。相次ぐ不祥事に対する批判がやまないことに加え、2年後に公務員の身分を失うことで、勤務を続ける意欲を失う職員が増加したと社保庁はみている。

■これほど絵に描いたような「本末転倒」の話も珍しい!「窓口」で本当に苦痛を味わい続けているのは受給者です。加入者側の日常生活がどんなに忙しいかを一切考慮せず、その場しのぎの対応で得意の「書類が必要」の連発をしては追い返していて、誰が感謝などするのでしょう?「批判が止まない」のは制度の改善が不可能だからでしょう。長官が民間から呼ばれても、賑やかな厚労相が就任しても、出て来るのは「修復不能」な杜撰な資料管理の実態ばかりですからなあ。それに加えて「仕事をしない」職員から「横領犯罪」のスキャンダルまで次々と出て来るのですから、「解体」処分にされるのは当然のことです。

■「解体」されたら資料がますます散逸する!と危惧されている事よりも、「公務員身分」が無くなることの方が重大事だと言うのは、この組織が何処を向いて仕事をしているのかが実によく分かる話です。


317人を年齢別に見ると、51~60歳が103人で最も多く、次いで中堅世代の31~40歳も100人に上った。政府は年金記録漏れ問題の解決をマンパワーで乗り切る意向だが、補充は進んでおらず、大量退職で人手不足に陥るのは必至だ。また、定年者も含めた07年度の退職金総額は142億円に上る見込み。このため、社保庁は当初予算で退職金がまかなえず、補正予算案に8億円の追加経費を計上した。退職者の急増で中央省庁が退職金を補正計上するのは極めて異例。

■馬鹿馬鹿しくて退職するのが若い職員ならば、少しは話が分かります。資料が無くなったり、横領したり、そもそも欠陥制度を作ったもの、労働組合が作業を妨害したのも、若い職員にはまったく関係の無い事ですからなあ。年齢からして30年以上も恐ろしい実態を隠蔽してのうのうと公務員を続けていたヴェテランが、何の責任も取らずに規定通りの退職金を受け取ってしゃあしゃあと「天下り」人生を始めるのは納得の行かない話です。「犯罪者は牢屋にぶち込む!」と舛添大臣は啖呵を切ったものですが、こんな制度を作った馬鹿者や修繕もしないでボロボロになるまで放置した役人や歴代大臣、議員などにも「詰め腹を切らせる!」ぐらいの事は言って欲しかったですなあ。

毒の拡散と出所 その四

2008-01-31 21:20:33 | 社会問題・事件
……中国の天洋食品が製造した食品を県内の小・中学校など27校で給食に使用していたことが31日、栃木県教育委員会の調査で分かった。昨年12月4日から今年1月24日にかけ、藤岡、那珂川、大平の三町の小学校19校、中学校7校と、栃木市内の県立特別支援学校1校の給食に使われた。健康被害を訴えた児童や生徒はいないという。……使用されたのは業務用製品「柔らかく煮込んだロールキャベツ(トマト味)」。天洋食品製の食品が給食に使用されていたことが明らかになったのは初めて。文部科学省は、学校給食で使用している食材の産地や流通ルートなど安全を確認するよう通知している。

■給食費を払わない困った保護者が多いと大問題になりましたが、変な連帯責任でメニューが貧弱になったり品数が減ったりしているという話や税金で穴埋めしているという話もありましたなあ。そんな困った親が増えれば、自動的にメイド・イン・チャイナが学校給食にどんどん入って来るのは仕方が無いのでしょう。「地産地消」は掛け声ばかりで、結局は輸入食材が大量に使われる。それが食糧自給率2割台の国の姿です。


……秋田県では美郷町など四町村が、学校給食に回収対象となっているギョーザのほか、ロールキャベツやポークピカタなどを使用し、計約二千二百人が食べていたことも分かった。いずれも健康被害はなかったという。……富山県滑川市教委は、2月下旬の給食メニューに予定していたジェイティフーズの冷凍野菜を使ったメニューを取りやめた。静岡県三島市教委も31日のメニューにあった中国産野菜を原料に含むギョーザを外した。新潟県は学校給食に問題の食品を使わないように県内の市町村に通知した。……
2008年1月31日 下野新聞

■北海道で摘発されたミートホープ社の食肉偽装事件も学校や自衛隊が納入先になっていましたが、今回は規模がまったく違います。少なくともミートホープの製品には毒は入っていませんでしたからなあ。耐久食の純国産の日の丸弁当で我慢してみますか?ああ、でもメイド・イン・チャイナの梅干しも増えているのでしたなあ。北京政府も五輪大会を控えて空気の汚さと水不足の悪評に加えて、今度は食糧も毒入りとなっては万事休すなのでしょう。従業員を寮に閉じ込めて警察が捜査に入っているとか……。殺鼠剤を使った殺人事件が頻発するお国柄ですから、反日愉快犯で紛れ込んでいたら大変です。

■まさかとは思いますが、日本にやって来た中国人が「日本嫌い」になって帰って行くという嫌な話があります。


……栃木県都賀(つが)町のイチゴ農園「長苺(ちょうぼ)園」が昨年12月、「不作で仕事がなくなった」との理由で中国人実習生5人を解雇し無りやり帰国させようとしたところ、「栃園(とちえん)会事業協同組合」(江田一之理事長)に加入する長苺園などイチゴ農家7軒……の実習生計15人が逃げ出し、逆に、過去3年の未払い賃金として計約5225万円分の支払いを求めるトラブルになっている。

■社保庁の尻拭い作業に投入された正規の留学生達も可哀想な目に遇いましたが、この「農業実習生」問題は根が深くいわりには日本のマスコミが取り上げたがらない困った話なのです。


……15人は中国山東省と黒竜江省出身の男性で、05年春に農業研修生として来日。1年の研修後、今春までの2年の予定で農家7軒で働いていた。昨年12月9日、長苺園が「不作」を理由に勤務する5人に解雇を通知。警備員も同行させバスで成田空港まで連れて行き帰国させようとしてもみ合いになった。……5人は外国人研修・技能実習生の支援をしている全統一労働組合(東京都台東区)に連絡して保護され、この日のうちに他の6農園の10人も合流した。

■正規の外国人労働者でもなく、正規の留学生でもない、かと言って数々の問題を起こした就学生でもない。「農業研修生」という制度が有るのですが、日本にやって来る研修生と受け入れ側の日本農家との間では認識がズレているばかりか、違法行為が横行しているという欠陥だらけの制度のようなのですなあ。日本の農政で最大の問題は「後継者不足」と言われて久しく、今頑張っているご高齢のお百姓さん達がリタイアしたら、食糧の自給率は地を這うように低下するとか……。

毒の拡散と出所 その参

2008-01-31 21:19:56 | 社会問題・事件
■呑気な機関が多い中、1月5日に兵庫県で起こった事案を7日にジェイティフーズに問い合わせているのですから、比較的に良く仕事をしていることになりそうです。

東京都の石原慎太郎知事は31日、中国製の冷凍ギョーザで中毒被害が出たことについて……「論外だね、あれ。サリンにもなんだろ、有機リン酸ってのは。独裁統制国家なんだから、そこんところはちゃんとしてもらわなきゃな。しかしやっぱり、片一方で資本主義やりだすと、営利優先になってあんな羽目になるんだろうね。ほんとに迷惑するわな」……「ことさら東京都が中国製品を買うな、なんてキャンペーンするわけいかないからねえ。……情報(薬物の混入)はきちんと伝達してね。そうすると、都民、市民の自衛本能が働いてね、……どこの製品だから買うなってわけにはいかない。中にはいい製品だってあるんだから。……」……
1月31日 産経ニュース

■石原知事は言いたい事を言っているようですが、裏ではしっかり問い合わせをしてくれた都庁職員にお礼を言っているのかも?でも、冗談ではなく、サリン製造とまでは行かなくても、身近に転がっている殺鼠剤や殺虫剤で大きな事?が出来ると知ったら、北京五輪大会も上海万博も警戒対象が無限に広がって行くかも?国内の矛盾が噴出して爆発する時に巻き添えにはなりたくないものです。


殺虫剤の成分で中毒症状になった千葉県の2家族が食べた「CO・OP手作り餃子」は、いずれも中国の同じ工場で昨年10月20日に製造されていた。……製造日が同じ商品は「手作り餃子」が6816袋、「ひとくち餃子」が4104袋それぞれ日本に輸入されたことが確認され、回収が必要となっているが、購入者の確認が困難で、回収は難航が予想される。

■自動車で買い物に出掛ける人が多いのですから、近所の顔見知りの客などはもう居ません。舛添厚労相が「全力で」などと力んだところで、宙に浮いた年金5000万件の持ち主を探し出すのと同じくらいに難しいでしょう。既に台帳が消失した年金と同じで、「もう食べてしまった」商品も有るでしょうし、餃子を食べて下痢や嘔吐で苦しんだ体験を思い出した人も居るでしょう。既に被害を申告した人が85人になったとか……。


食中毒があった製品を販売した「ちばコープ」など1都7県の8生協が加盟する「コープネット事業連合」(さいたま市)では、同製造日の「手作り餃子」を約2700袋販売。うち約400袋は、組合員に配達する共同購入のため履歴を基に、ほぼすべての購入者に連絡できるが、店舗販売分の約2300袋は購入者が不明だ。
1月31日 読売新聞

■コープの「共同購入」はこういう場合は有り難い制度のようですが、その7倍が不特定多数に販売されているのは苦しいところです。日本中の冷蔵庫からほとんどの冷凍餃子は銘柄に関係なく昨夜から今日にかけて廃棄されていると思われますが、どうやら製造数と被害者の数とを比べると宝くじよりも遥かに「的中率」が高そうですから、マスコミ情報に接していない人が数日後に食べてしまう危険は残るでしょう。それ以上に恐ろしいのが「業務用」商品であります。


全国にファミリーレストランを展開する「すかいらーく」グループは、エビフライなど中国で加工されたすべての食品について、全国の「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」など約3300店舗で使用を中止する方針を明らかにした。……中国の「天洋食品」が製造したものではないとしているが、同社広報部は「中国製食品に対する消費者の不安感に配慮した」としている。
1月31日 読売新聞

■暫くは「チャイナ・フリー」騒動が続きそうなので、外食産業の対応は素早いものです。でも、扱ってる食材のほとんどが中国製だったらどうするのでしょう?メニューが穴だらけにならずに済めば良いのですが……。何処に何が入り込んでいるのか分からないチャイナ物でしたが、こういう事件が起こるとその広さと深さには改めて驚かされてしまいますなあ。

毒の拡散と出所 その弐

2008-01-31 21:19:03 | 社会問題・事件
中国製ギョーザ中毒事件で、昨年12月末に千葉市で最初の健康被害が発生し、同市の保健所にメールで通報があったにもかかわらず、1月上旬まで6日間にわたって放置されていたことが分かった。……輸入元の日本たばこ産業(JT)子会社「ジェイティフーズ」(東京都品川区)は千葉市のケースを把握した後、1月5日に兵庫県で起きた健康被害について、東京都の問い合わせに「同様の苦情はない」と回答していたことも判明した。行政や業者のこうした“怠慢”が、被害を拡大させたとの見方が強まっている。

■「笛吹けど踊らず」の状態です。勿論、保健所は名門?厚労省の管轄の機関であります。年末年始はきっちり休むのも厚労省の指導が行き届いているからではないでしょうか?でも、保健所は社保庁より働いている事は確かですぞ。ジェイティフーズという会社も、専売公社時代の気分が抜けない人が上層部に巣食っているような印象が有りますなあ。資本主義市場は厳しいので、これ以降はジェイティフーズを窓口にして輸入する業者は蜘蛛の子を散らすように消え去るでしょうなあ。


……最初の被害発生は昨年12月28日。千葉市内の母子が「CO・OP手作り餃子」を食べたところ、体調が悪化したため、購入先のコープ花見川店(千葉市花見川区)に「薬品くさい味がした」と訴えた。……生協側は翌日、千葉市保健所に「2人が嘔吐と下痢。ともに救急車で病院に搬送された」とのメールを送信……保健所はこの日から1月3日まで年末年始の休みで、メールが開封されたのは4日午前……。保健所を所管する千葉市生活衛生課は「高濃度の農薬が入っていることは想定外だった。仮に保健所の職員がすぐに情報を把握しても、農薬検査は行わなかった」と話している。

■被害者も販売店(生協!)も保健所も市役所も、誰も「想像もしない」毒入り餃子が出現したというわけですなあ。でも、やっぱり生産地がチャイナであるという認識が不足しているような気がしますなあ。「中国ヨイとこ一度はおいで~」の調子で能天気な番組を流し続けているテレビ局も多いですし、新聞社でも何かと「日中友好」「悠久の歴史」「みんな良い人」メッセージを流布するのに熱心なところも有るようですし……。被害者から市役所職員まで、脇が甘い!と責められう筋合いではないかも知れません。

■「青蔵鉄道開通!」を大々的に祝って特別番組を放送していた皆様のNHKやテレビ朝日が、「食べないで下さい!」と引きつった顔で訴えている光景は、ちょっと違和感も有りますなあ。特にNHKは、よほど暇なのか?関口宏さんのご子息をチャイナ鉄道に乗せて「一筆書き」の列車旅行を敢行したようで、衛星放送を中心に何度も使い回しをするほどの熱の入れようでしたなあ。民放テレビのマンネリ定番番組を真似したのか、あちこちで「名物」を食べる関口君をアップで映していたようですぞ。生まれつき胃袋が丈夫なのか、後のトラブルは意図的にカットしているのか?「ウマイ、ウマイ」と大喜びで食べたり飲んだりしていませんでしたか?

■「野菜洗浄専用洗剤」などという奇怪な商品が必需品になっている実態などは決して映らない目出度い事ずくめの大型企画が、北京五輪に向けて他のテレビ局でも制作中かも知れませんが、こうした(日本では)想定外の事件が起こる場合も想定しておいた方が良いでしょう。


……生協側は1月上旬に、被害を訴えた千葉市の母子が食べ残したギョーザを自前の検査センターで調査した。この際薬品のようなにおいに気づき、外部機関に再調査を依頼したが、「異臭の原因が特定できない」との結論……。1月5日には兵庫県高砂市で「中華deごちそうひとくち餃子」を食べた家族が食中毒症状を起こす事態が発生。ジェイティフーズの本社がある東京都の福祉保健局には7日、兵庫県から連絡が入った。……都は7日のうちにジェイ社に対し、同様の苦情が寄せられていないか問い合わせた。これに対しジェイ社は、1月4日に千葉市のケースを把握していたにもかかわらず、別の商品だったため「苦情はない」と回答していた。……
1月31日 産経新聞

■悲劇も連鎖すると喜劇めいて来るようです。取り敢えずは、盆と正月は「チャイナ・フリー」を心掛けましょう。役所はお休みですから。呑気な対応をしたジェイティフーズに対しては、露骨な不買運動などが起こらずとも、食品取り扱い業者としての生命を終える事でしょうが、偶々、毒入り餃子を引き当てなかった他の販売会社の動向にも注意しておく必要が有るでしょう。

毒の拡散と出所 その壱

2008-01-31 21:18:33 | 社会問題・事件
■収まる気配がまったく見えない「毒入り餃子」事件。絶対に日本に入って来ないと思ったからこそ、ダンボール入り肉まんは笑いのネタになったのでしたが、食糧自給率が絶望的に低い農政麻痺の日本は、何処で口を開こうともメイド・イン・チャイナ商品が飛び込んで来るような始末。何処かの誰かさんが笛や太鼓で日中友好を囃し立て、その後の大デフレ時代に「100円ショップ」に代表される価格破壊が横行した結果が、衣食住のすべてに浸透したメイド・イン・チャイナであります。

■政府を構成する国会議員を選出したのは選挙民ですから、今更、誰の責任だと言っても始まりませんが、「コスト削減」だけを理由に国内産業を空洞化させた上に、漁業も農業も壊滅させるようなチャイナ旋風に疑問を呈する声があまりにも少なかったような気がしますなあ。


中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を受け、31日の東京株式市場では、問題のギョーザを輸入したジェイティフーズの親会社、日本たばこ産業(JT)の株が売られ……冷凍ギョーザを卸した双日食料の親会社、双日の株も売られ……JT株は一時、同4万円安の52万2000円まで急落……。商品を輸入していた加ト吉や味の素の株も売りが先行したが、買い戻しも入り、終値は小幅高だった
1月31日 毎日新聞

■世界恐慌の始まりか?と暗い雰囲気が漂っている株式市場ですから、これだけの大騒ぎになれば急落するのは当然でしょう。毒入り野菜が下火になっていたところに起こった想定外の事件なので、検査体制の不備を言い立てるわけにも行かないようです。かと言って運が悪いの一言では済まない大事件。致死量が1グラムと聞けばぞっとします。


舛添要一厚生労働相は31日午後、参院予算委員会の基本的質疑で、中国製冷凍ギョーザによる中毒問題について「再発防止策を徹底していく。強い決意で政府は臨んでいく」と述べ……「まず第1に被害拡大の防止に全力を挙げている。各地で商品を回収し、保健所などの窓口で丁寧に相談を受け、対応している。原因の究明にも全力を挙げている」と語った。……
1月31日 時事通信

■同じ問題が1ヶ月前に起こっていた事が判明した後で、「全力」「全力」と言われても困りますなあ。日本の厚労省が「原因の究明」などと軽々しく言っても大丈夫なのでしょうか?この種の事件に関しては捜査権も外交権も無い自分の省の限界を御存知ないのかも?別に厚労省や保健所が黙っていても、マスコミが大騒ぎしているのですから周知徹底は済んでいるようなものです。「ねんきん特別便」も後ろ暗いところが無いのならば発送前にマスコミに協力を求めておけば良かったのですが……。

■舛添大臣は、間も無く、「これほどヒドイとは思わなかった」の迷言を再び発するかも知れませんぞ。

絶望の偽装 その四

2008-01-31 10:26:24 | 日本語
厚生労働省は28日、「ねんきん特別便」に関する相談に迅速に対応するため、原則として社会保険庁職員のみが使用できる年金記録管理システムの端末を、社会保険労務士にも一部開放することを決めた。近く、全国47都道府県の社会保険労務士会にシステムと直結した端末を、最低1台は設置する予定で、年金記録問題に官民が協力して対応する体制が整う。

■莫大な予算を使って郵送した「ねんきん特別便」が予想通り?に無駄になり、お役所作文で分かり難い文面を改訂して送り直すのだそうですが、大失敗して年金積立金を無駄遣いした責任は誰も問われません。そして、「相談に迅速に対応するため」に、やっと専門家が採用されることになったわけです。学生アルバイトや派遣労働者ではないのですなあ。このチグハグさが社保庁・厚労省の体質をよく表わしています。


舛添厚生労働相は28日、厚労省内で全国社会保険労務士会連合会の大槻哲也会長と会い、特別便の相談への協力要請と、端末を社労士会へ貸与する方針を伝えた。大槻会長は「社会貢献の一環でボランティアで対応したい」と応じ、全国で約2万か所の社労士事務所で無料の年金相談を実施することを約束した。現在、特別便の相談は、全国約300か所の社会保険事務所を中心に受けているが、社労士の参入で大幅に利便性が向上する。端末を使って記録を探す社会保険事務所とほぼ同様の作業が、社労士にも可能になることで、「社労士が年金問題で『かかりつけ医』的な役割を担う」(同連合会)ことも期待されている。同連合会では「特別便を受け取ったが、どうしたらいいかわからない方は、まず相談してほしい」と呼び掛けている。

■「ボランティア」とはすばらしい話です。これで効率が驚異的に上がったら、社会保険事務所の無能さが際立つ事になりそうですが、そこまで社保庁が追い詰められたという事なのでしょうなあ。でも、手遅れになってしまった被害者も多いような気もします。舛添大臣は、「これほどヒドイとは思わなかった」と絶望的な言葉を吐いたことがありましたが、そんなヒドイ役所にどれほどの税金や年金積立金が飲み込まれたのやら……。それが今も続いているのですから絶望的ですなあ。


これに関連し、厚労相は近く、増田総務相に対し、全国の市町村役場や郵便局内にも特別便の相談窓口を設置するよう要請する方針だ。実現すれば、市役所などの相談窓口でも、社労士による無料相談が行われることになる。
2008年1月29日 読売新聞

■ちゃんと「社会保険事務所は無能なので」の一言を総務相に告げたのでしょうか?まさか、台帳の不備が原因で問題が噴出した時になって、「社会労務士が悪い」などと言い出すのではないでしょうなあ。さてさて、日本語と北京語の違いも分からずに、怪しい人材派遣会社を使って「コスト削減」を画策した社保庁が、きっちりと自らの不明を謝罪して、留学生諸君に契約通りの給与を支払うかどうか、注視していましょう。
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雲来末・風来末(うんらいまつふうらいまつ) テツガク的旅行記
五劫の切れ端(ごこうのきれはし)仏教の支流と源流のつまみ食い

チベット語になった『坊っちゃん』―中国・青海省 草原に播かれた日本語の種

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絶望の偽装 その参

2008-01-31 10:25:57 | 日本語
社会保険庁のコンピューターに未入力の「旧台帳」と呼ばれる年金記録計1466万件の入力作業で、社保庁が昨年12月、人材派遣会社から派遣された中国人のアルバイト約60人を採用し、氏名を書き写す作業で大量のミスが発生していたことが30日、わかった。……旧台帳はマイクロフィルムで保管され、コンピューター入力するため、フィルムの文字を読み取り、記録用紙に転記する必要がある。この転記の作業は、現在約1600人の派遣アルバイトが行っている。

■先の毎日新聞の記事では「古い厚生年金記録1430万件」とあったのに、こちらでは「年金記録1466万件」です。同じく「中国籍などの外国人約50人」は「中国人アルバイト約60人」になっていますし、「社保庁は派遣社員ら約1300人を集め」だったのが「約1600人」になっています。取材される度に数値が変化しているのでしょうか?どうやら作業は「マイクロフィルム」の画像情報を読み取るもののようですが、もともといい加減に書かれた上に保存状態も良くないと言われる代物ですから、誰がやっても面倒な作業でしょうなあ。社保庁長官や厚労相が少しは実際に作業をやってみれば良いでしょう。


……中国人アルバイトらは、先月10日から約9日間作業を行ったが、日本人の姓と名を区別できなかったり、旧字体やひらがなを正確に読み取れず、大量のミスにつながったという。ミスに気付いた社保庁は派遣受け入れを打ち切ったが、すでに約25万件の転記が終わっており、すべてやり直した。……

■「旧字体」は、中国語文化では台湾が使っている「繁体字」と共通している物ですから、日本人には読めない「簡体字」で教育を受けている北京語圏からの留学生を投入したら大変な事になるだろう、少し北京語を齧った人なら直ぐに分かる話です。社保庁は作業内容をまったく理解せず、派遣会社も同罪だったことになります。「9日間で25万件」を処理したのなら、真面目な派遣労働者だったと思われます。大変な苦労をしたでしょうに、作業をした人達が可哀想です。まるで馬鹿扱いしているような記事は実に不愉快ですなあ。


社保庁によると、人材派遣会社からは、中国人アルバイトについて「日本語を話せるし、漢字も書ける」と説明を受けていたという。社保庁は中国人アルバイトの派遣にかかった費用は支払わない方向で検討している。
1月30日 読売新聞

■えっ!?25万件分も愚かな社保庁が杜撰に管理していた読みにくいデータを頑張って処理したのにタダ働きにするのでしょうか?給与を取り上げられるべきなのは、これまで仕事をしないで給料を貰っていた馬鹿者たちの方ではないでしょうか?「日本語を話せるし漢字も書ける」と言われて「ああ、そう」と納得した責任者は誰なのでしょう?真面目に働いた留学生が集団訴訟でも起こしたらどうする心算なのでしょうなあ。今度はフルキャストが全責任を負って国際問題に発展し兼ねない「労使交渉」をやるのでしょうか?


日雇い派遣大手「グッドウィル」(東京都港区)から労働者の派遣を受けていた港湾関連会社「東和リース」(同)が、労働者を二重に派遣していた疑いが強まり、警視庁保安課は31日にも、同社を職業安定法違反(無許可派遣)の疑いで捜索する。……派遣元のグッドウィルの幹部が、どの程度把握していたか調べるため、同社の本社や支店も関連場所として捜索する。……東和リースは2005年2月~07年6月、労働者派遣業の許可がないのに、グッドウィルから派遣された労働者延べ29人を複数の港湾関係企業に送り込み、倉庫への搬入や船内での荷造りなどの業務に就かせていた疑いが持たれている。

■「無許可派遣」だから家宅捜索を受けるグッドウィル。アホな派遣契約を結んで支払いを拒否している社保庁と、どちらが悪質なのでしょうなあ。人材派遣業自体を管轄しているのが厚労省なのですから、こんな奇怪な話はありません。


東和リースによる二重派遣は昨年2月、グッドウィル藤沢支店から派遣された男性(27)が、江東区内の倉庫で荷役作業中に重傷を負う労災事故が起きたことから発覚。東京労働局の調査で、東和リースでは04年10月以降、労働者の派遣が禁じられている港湾運送業務に従事させる目的で、グッドウィルから派遣された延べ1240人を恒常的に複数の港湾関係企業に送り込んでいたことがわかり、同局は今月11日、東和リースを職業安定法違反容疑で警視庁に告発した。1月31日 読売新聞

■グッドウィルという恐ろしい人買い業者が、日本の介護制度をぼろぼろにしてしまったのは衆知の事ですが、港湾業務にまで手を伸ばしていたとしても誰も驚かないでしょう。コブラヘッド社長の錬金術は長期の不況時代を背景にして人の弱みに付け込み、公金を吸い上げて利益を拡大して株価を吊り上げるというものだったようですから、悪徳業者の注文に応じて暴利を貪ることなど当然のことだったのでしょうなあ。労災問題も厚労省の管轄でしたなあ。

■怪しい人材派遣業者と結託している社保庁だけは無傷で居られるのは実に不思議な話です。

絶望の偽装 その弐

2008-01-31 10:25:23 | 日本語
社会保険庁によると、昨年12月10日から20日までの間、外国人派遣労働者約60人に転記作業を行わせたところ、名字と名前の区切りを間違うなどのミスを連発。社保庁は全員を日本人に交代させた上で、すでにすべての転記ミスを修正しており、今後は派遣会社への派遣料支払額を減らすことも検討している。
1月30日 産経新聞

■まるで派遣会社と「外国人派遣労働者」が悪者扱いです。そもそも、優秀な?社保庁職員でさえもこなせない困難で高度な?作業を、どうして派遣労働者に任せるのでしょう?「コスト削減」などと寝言を言っては行けませんぞ!必要なコストを削ってデータがぼろぼろになったら元も子も無くなる!という子供でも分かる単純な理屈が社保庁には分からない!年金は受け取るものではなくて「奪い取る」ものとなって行きそうですなあ。

■別の記事を見てみましょう。


コンピューターに未入力の古い厚生年金記録1430万件などの手書き台帳からの書き写し作業で、昨年12月に派遣会社から派遣された中国籍などの外国人約50人がミスを連発し、社保庁が途中で全員の作業を打ち切ったことが分かった。……この作業のため、社保庁は派遣社員ら約1300人を集め作業を開始。人材派遣大手「フルキャスト」(東京都)は外国人約50人を12月10日から派遣した。

■昨年、年金相談の電話窓口を増設した時も、アルバイトが募集されたことがありましたなあ。複雑怪奇な年金制度を熟知していなければ責任をもって応対など出来るはずもないのに、短期間の「研修」で現場に投入されたアルバイトは一種の「お断りマニュアル」で誤魔化さねばならなかったとか……。どう考えても罪を重ねた張本人たちが電話で悪口雑言を受けるのを避けたとしか思えない姑息な「コスト削減」でした。それで懲りたかと思っていたら、電話相談よりも重要な入力作業でも愚かしい「コスト削減」をやっている!これが福田ホイホイ首相が年金問題解決に関して言っている「全力」「総力」「協力」の実態ならば、これだけで政権が倒れても何の不思議もありません。「ガソリン国会」など後回しにした方が民主党は早く政権交代に成功するのに……。


……田中昭という名前を「田」「中昭」と書き写すなど、姓と名の区分がつかないミスが多発。社保庁は全員日本人にするよう要望し、1月末までだった派遣は12月20日で打ち切った。誤記された記録は修正したという。社保庁は「ミスのあった記録件数は分からない。派遣会社からは、テストした優秀な人を選んだと説明があった」と釈明。フルキャスト広報室は「全員、日本国内の定住者か留学生で、漢字の読み書きはできた。このような結果になり申し訳ない」と話している。
1月30日 毎日新聞

■今でも日本人の多くが日本語と北京語とを「同文同種」だと勘違いしているそうですが、社保庁にも同じレベルの誤解があったのでしょうか?「田中昭」が氏名だと言われたら、北京語を母語としている人なら「田」を苗字と判断するでしょう。実際に国会議員にも「田」さんは居たのですからなあ。但し「中昭」という名が存在するかどうかは問題でしょうが……。

■毛沢東を「けざわひがし」と真顔で読む馬鹿キャラクターで商売しているタレントが出る日本ですから、「田・中昭」さんと解釈する中国人留学生を誰も笑えません。笑うべきは派遣したフルキャスト社であり、大笑いの対象は社保庁そのものです。自分たちが後始末をすべき大問題を残したまま、大挙して高額の退職金を貰って逃げ出している社保庁職員が居るそうですが、そんな馬鹿者たちを無給でこき使っても良いくらいの「単純作業」ですぞ!社保庁がデータをどれほど杜撰に扱っていたのか、そして、その腐った根性はまったく治っていない事を証明する事件です。

■フルキャスト側が「定住者か留学生」を強調しているのも怪しい!役所には身元がしっかりしている者を派遣していると不自然に強調すると、そうではない所にはどんな人を派遣しているのでしょう?「漢字の読み書きはできた」という説明も軽薄です。生年月日はともかく、氏名はそれぞれの固有の文化の結晶体ですから、外国人の場合はそれ専門の教育を受けていなければ扱えないはずです。単なる記号として「漢字」を書き写すだけだと考えたフルキャストもその対応に納得した社保庁も、「同文同種」神話を信じ込んでいるわけですなあ。

■それ以前に社保庁には役人は常に正しいという「無謬神話」という最悪の病弊が有るようですし、絶対に謝らないし責任も取らないという恐るべき厚顔無恥の体質も健在です。制度を作った政府や議員が悪い、「自己申告」の義務を怠る愚かな国民が悪い、今度は派遣会社が悪い!留学生が悪い!と泥沼ですなあ。悪いのは社保庁です。更に、社保庁は事態を正確に把握していないのも呆れた話で、新聞によって「数値」が微妙に違うのはそのせいではないしょうか?以下は讀賣新聞の記事です。

絶望の偽装 その壱

2008-01-31 09:28:29 | 日本語
■おそらくは夕食や夜食や酒の肴に餃子を注文した日本人の数が史上最低だった夜、中には大急ぎで献立を変更して家庭も有ったでしょうし、調理を始めてから苦しい家計を考えつつ「廃棄」した冷凍餃子も多かったのではないでしょうか?恐怖の一夜が明けると夜のテレビ・ラジオの報道を受けて新聞各紙の一面には「23品目」の毒入りかも知れない商品のリストが掲載されました。このリスト、「業務用」の方が多いのですなあ。但し書きで「一部は市販」という気になる文言も付いていまして、外食を楽しむ時には逃げようが無く、もっとも経済的な買い物方法である「まとめ買い」をするとリスクが高くなるという実に困った事になりそうです。

■当初は「餃子のニラ」に違法なの殺虫剤が付着していたような話でしたが、毒は餃子の「中」に入っていたのではなく、「表面」に付いていた可能性が高いようです。それならプラスチック・トレイに並べてパッケージに封入する作業工程で、何者かが白い毒をぱらぱらと振り掛けたことになります。「日本向け」に限定された生産物ですから、もしも、同一工場から出荷された商品の異常が日本だけでしか発見されないとしたら……。最悪の場合、「日本」をターゲットにした無差別大量殺人を目的とする「国際テロ」だった可能性さえ出て来そうですなあ。

■「反日暴動」は共産党が力で鎮圧したことになっていますが、江沢民時代に展開された愛国・反日教育の影響は決して消え去ってはいないのかも知れません。それは日本の「ゆとり教育」が国内限定の大問題であるのに対して、国際問題の原因として潜伏し時には大爆発を起こす事も有るでしょう。今回、毒を盛った「犯人」の動機と目的がまだ分かりませんが、発端は待遇や人間関係などの職場の問題で、会社を困らせると同時に顔も名前も知らない日本人を殺害して一石二鳥となると考えたとしたら、同種の犯罪はこれからも繰り返される恐れが有るという理屈になります。こういう悪戯か事故か犯罪か、真相が分かりづらい微妙な問題が日中間できれいに解明されて解決されるとは思えませんから、疑心暗鬼は解消されないでしょうなあ。

■しかし!「毒入り」食品を回避する事と反チャイナ気分を盛り上げる事とはきっちり区別しておかねばなりません。農薬問題で大きな打撃を受けたチャイナの農業は大急ぎで法律や検査体制を改善するのに必死のようですし、商売のルールは「信用第一」なのは世界共通!真面目に法律を守って地道に仕事をしないと最終的には大損するという道理に従って営業している所も多いはず……なのですが……。相手に文句を言うよりも、日本側の検査体制が穴だらけである実態を早急に改善する方が先でしょうなあ。

■「毒入り」餃子が大騒ぎになっているのを隠れ蓑に悪用しようとしたわけでもないでしょうが、日本の厚労省はチャイナの天洋食品を悪者にする一方で、まったく別の大問題とリンクさせているような言い訳を始めているようです。キーワードは「中国人留学生」と年金問題、この件は既に一部週刊誌が暴露してはいましたが、全国的に新聞報道されたのは「毒入り」餃子の危険物リストの発表とほぼ同時!単なる偶然なのでしょうが、割り切れないものがありますなあ。


舛添厚労相も、ハッキリ言うべきだ。「消えた年金」の全面解決が絶望的となった。基礎年金番号に統合されていない記録約5000万件のうち、氏名がオンライン入力されていない約524万件について、社保庁の補正作業の結果、約6万件は持ち主を特定できなかったことが明らかになった。社保庁の杜撰さのせいで、氏名が記載されている紙台帳を紛失、破損していたり、手書きで判読できないケースが次々見つかった。これら6万件は今後の名寄せ(照合)も極めて難しい。政府は「3月末までに名寄せを終える」と公約していたが、ホラかウソッパチだったのだ。
1月27日 日刊ゲンダイ

■まずは夕刊紙で社保庁の「大罪」を確認しておきましょう。制度設計の段階でさり気無く「自己申告義務」をすべり込ませておいた旧厚生省は、受給段階の責任は保険加入者に丸投げ出来る仕掛けを作っておたいのでした。年金を国民年金・厚生年金・共済年金などに分割しておいて、国民が転職や婚姻する事をまったく想定していないような仕組みが半世紀間も放置され、いざとなったら「記録が無い!」の一言ですべてを決定できるという恐るべき強権体質を隠していたのでした。何やら張り切って厚労相に就任した舛添さんは、「無い物は無い!」と実にあっさりと本音を吐きましたなあ。無くなったのではなくて、最初から作っていなかったのに……。


年金記録紛失問題で、オンラインシステムに未入力の「旧台帳」と呼ばれる手書き台帳記録約1466万件について、手書きデータをコンピューター入力用紙に転記する際に、中国人などの派遣労働者が漢字を読み間違い、誤記するトラブルが発生していたことが29日、民主党の厚生労働・総務部門会議で明らかになった。

■「中国人」と「派遣労働者」という不思議な組み合わせが飛び出しました!正規の職員が民間企業では考えられない怠惰な労働条件を主張して「遊んでいた」のは衆知の事実です。コンピュータ入力作業にはミスが付き物なのに、それをチェックする事も考えず、しかも元台帳の管理が杜撰な上に肝腎の入力時には空欄も気にせず、氏名や生年月日も適当に打ち込んでいた!のは、社保庁の日本人職員です。

春節には餃子です。 その参

2008-01-30 22:35:42 | 社会問題・事件
……生協側「薬くさいにおいがして、吐き出した」……JT側「JTの外注先の東京顕微鏡院で検査をした」……報道陣「千葉県警に検査を依頼したのか」……JT側「入院した方がいるということで、警察で独自に検査をしていると聞いている。会社も(被害者が食べた商品の)同じ日付で残っている物のサンプルについて、化学物質の検査を始めている」……

■大災害の予感が漂う緊迫したやり取りです。冷凍食品の袋を開封した瞬間に「薬臭い」とは、北海道のミートホープが腐りかけの肉を漂白剤で「消毒していた」のが大問題になったのですが、それでも「薬臭い」という証言は出ていなかったようです。一体、食い物に何を混ぜると強烈な臭いを出せるのでしょう?


……JT側「先ほど質問があった兵庫県の件だが、3人が夕食で食べ、お子さまに嘔吐と下痢の症状が出て、救急車で運ばれた。親にも同じような症状が出て、救急車に運ばれた。会社は連絡を受け、調査を実施しているが、有機リン酸系の分析はやっていない。この件については、回収している物のすべてのサンプル、中国からの輸入品もすべて化学物質検査をしたい」……

■そのまま野菜や肉として輸入される場合は農水省や厚労省が管轄する厳しい?検査が必要とされるのに、一端「加工食品」と名を変えたら一種の工業製品扱いになって経済産業省の管轄に移るとか……昨年に大騒ぎとなった食品表示偽装でも役所ごとに基準が違っているのが問題となりかけたのに、「加工食品」の不透明性と危険性は放置されていましたなあ。これだけでも「政権交代」の理由になりますぞ!道路を造っている場合か!?という声も出てきそうですなあ。ガソリンが少々安くなるよりも安全な食糧を確保しろ!という声の方が強くなるでしょうが……。


報道陣「兵庫、千葉で食べられた該当商品は? それらはどの工場でいつ作られたのか?」……JT側「兵庫は『中華deごちそうひとくち餃子』千葉は『COOP手作り餃子』。作られたのは兵庫が2007年10月1、千葉が07年10月20日。工場は中国の委託先の天洋食品」……報道陣「回収方法をくわしく教えてほしい」……JT側「生協は店舗と共同購入で販売していた。共同購入のほうは購入者が特定できるため、個別に連絡して回収作業を進めている。店舗については供給を中止し、食べないで、返していただくよう厳重に呼びかけている。市販用については、かなり幅広くスーパーに納入しているので、社告で周知しながら、回収していきたい。業務用は卸し先に連絡し、在庫を回収し、お店のほうに流通したものについても、それぞれ周知していく」

■こんな恐ろしい報道が本日の夕食時間後に流されても、「もう食べてしまったぞ」という人も多いでしょうし、何も知らずに「業務用」の餃子や関連商品を肴にビールを楽しんでいる人も多いでしょうなあ。情報公開が遅い!最初に対応したのが我らが厚労省!嗚呼、やっぱりダメでしょうなあ。もう舛添大臣の顔を見ても気分が悪くなる人が随分と増えたようですから、「すぐに冷蔵冷凍庫の中を見て下さい」などと呑気な事を、やっぱり他人事みたいに言っているようですが、「今まで知りませんでした」などという役所なら不要でしょう。これはダボス会議から自己満足いっぱいで帰国した福田ホイホイ首相にとっては、最大の嫌味となりそうです。地球全体の「環境」をあれこれ言う前に、自分の国の「飯に毒が混ざらないようにしろよ!」と欧米諸国から苦笑いが聞こえて来そうです。

■昔、風評被害で大打撃を受けた某所の「かいわれ大根」を大口開けて大食したのは菅さんでしたが、今度は自民党の親中派を中心にして公明党や野党の北京ファンが一同に会して、『中華deごちそうひとくち餃子』の立食パーティを賑々しく開催して北京政府に対する命懸け?の忠誠心でも示すのでしょうか?何よりも毒を盛られた被害者家族の皆様の一刻も早い快癒を願い、家族のために夕食を用意したと思われる母上様が下らない気を回して自責の念など悩まぬことを祈るばかりです。悪いのは日本人用に栽培したニラに毒をたっぷりと塗り付けた馬鹿者と、そんな国を相手に野放図な検査体制のままで「国際化」に浮かれている田舎者が偉そうに大臣などをしている政府に大いなる責任があるのです。

■国内で異常繁殖している鹿やら猿やら凶暴な魚や亀などの「自然食材」を利用して、近所の野草を摘み歩いて粥でも作って喰わねば安心できないかも知れませんなあ。さてさて、天下のJTが広範囲に販売した「業務用」の正体が明日にでも判明したら、あちこちの外食産業が悲鳴を上げる事態になるかも知れませんなあ。狂牛病問題であれほど大騒ぎした日本が、毒入り餃子を野放しにしていたとは……。今夜の国会で遅くまで「ガソリン」「道路」の綱引き折衝をしている議員の皆さんは、是非とも夜食には「餃子定食」を揃って食べて欲しいものです。

■やっぱり日本の「春節」は餃子よりも「鬼は外!」の豆が必要なのでしょうなあ。

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春節には餃子です。 その弐

2008-01-30 22:35:13 | 社会問題・事件
5人は現在も入院中で、うち5歳の女児が重体という。今月5日には、夕食で同社が中国から輸入・販売した「手包みひとくち餃子20個入り」を兵庫県内の家族3人が食べた後、嘔吐や下痢の症状を訴えて病院に搬送され、10日間から2週間入院した。このギョーザのパッケージから、メトミドホスが検出された。また昨年12月28日に同社販売の冷凍ギョーザを購入し、その後食べた千葉市稲毛区の家族2人が嘔吐、下痢症状を起こしていたことも新たに判明した。

■「新たに判明」とは何事でしょう?あれほど北海道のミートホープが起こした偽装事件はしつこく報道しているマスコミが、知らなかったでは済まないでしょう?


警察当局によると、被害が出た3件の全製品に、同種の製品を生産する場合の生産単位を示す同一のロット番号が記されていた。ギョーザのパッケージには穴があけられた跡などは見あたらず、中国での製造段階でメタミドホスが混入した疑いが強いとみているもようだ。東京都と品川区は30日、ジェイティフーズに対し、関係する冷凍ギョーザの回収を指示した。厚労省など関係当局は、被害がこの10人以外にも拡大する可能性があるとみて、調査を進めている。


■既に生産場所と流通経路が特定されているのですから、これ以上の拡大は防げると思われますが、何せ賞味期限が長い冷凍食品ですから、忘れっぽい日本人の中にはこの騒動が終わってから自宅の冷凍庫から引っ張り出して……という事も十分に考えられます。


中国製冷凍ギョーザの食中毒事件について、中国輸出食品の安全性を主管する国家品質監督検査検疫総局の工業食品課は30日、「今聞いたところで調査中だ」と述べた。
2008年1月30日 共同通信

■「今、聞いた」というのは本当なのでしょうが、それほど驚いているわけではなさそうです。食中毒どころか、毒物そのものが混入して死人が出るような事件も珍しくないお国柄ですから、案外、警察が管轄する殺人事件じゃないの?という気分なのかも知れません。何せ交通事故が起こっても人命よりも高級外車の修理代金の方が遥かに高額だという話も有るそうですからなあ。取り敢えずはチャイナは国レベルで調査に着手したと考えておきましょうか……。


中国製冷凍ギョーザの食中毒事件で、製造元とみられる中国河北省石家荘の「河北省食品輸出入集団天洋食品工場」の女性職員は30日、共同通信の電話取材に「なぜわれわれの製品だと証明できるのか」などと述べ、詳細について説明を拒んだ。女性職員は「誰が言っているのか。証拠があるのか」などとまくし立て、「日本側の報道を見てからでないと答えられない」と一方的に電話を切った。
2008年1月30日 共同通信

■相手の身分がさっぱり分かりませんから、この如何にもチャイニーズ!な対応をした女性の暴言が企業全体を代表する公式な発言とは思えません。でも、もしもこの企業が対日輸出を目論んで設立されているのなら倒産は免れないでしょうなあ。でも、まったく違う看板を揚げて同じ設備と材料の仕入先も同じ仕事を再開するのも時間の問題かも?こうした疑心暗鬼が「チャイナ・フリー!」の叫びとなって日本市場を動かしてしまいます。以下は産経ニュースの速報を引用します。


《冷凍ギョーザを輸入したジェイティフーズの親会社、JTの記者会見……流通販売を担当した日本生活協同組合連合会(生協)の役員も出席し、流通や販売ルートなどの質問に答える。……

■タバコ一本槍から医薬品や健康食品、世界各地の緑化などの環境事業を展開している元専売公社のJTが、毒入り冷凍食品を輸入して、選りによって「利潤を追求しない」生協が販売していたとは!この二つの組織が維持して来たブランドの信頼性が崩れたら、明日からのお買い物は大パニック!になりますぞ。


……生協側「生協には(昨年)12月末に申告があった。においがおかしいということで申告された。食べて吐き出し、家族2人が1日入院した。原因を調査するためににおいの検査に出し、原因は特定できていないが、においは確かにあった。昨日の段階で千葉県警のほうで解析を始めているが、まだ特定できていない。ただ、相当なにおいがあった」

■12月末に異臭?現実問題として農薬成分を詳細に解析出来る施設は、島国のくせに日本ではとても少ないのだそうです。特に公営の検査所は笑ってしまうほど時間が掛かるので、ほとんど役に立たないとか……。民間の検査会社は「特急料金」の設定もあるので馬鹿高いコストをかける覚悟が有れば、輸入品でも完全に対応できるとも聞きます。しかし、薄利多売の「早くて安くて美味しい」外食産業が、そんなコストを押し上げる検査費用を使うのは企業の自殺行為になる場合も多いかも……何とも恐ろしいデフレ不景気の日本であります。既にマスコミが流している続報の中には忙しい朝のお弁当作りの助っ人になる商品名が「毒入り危険」食品に名指しされ、それよりも恐ろしいのが大量に出回っている「業務用」の商品も有るようですから、安くてウマイを売り物にしている食堂や居酒屋は……。

春節には餃子です。 その壱

2008-01-30 21:02:35 | 社会問題・事件
■北京五輪の開催に向けていろいろと追い込み中のチャイナですが、年初から降り続く大雪で南半分が大混乱だそうで、とうとう国家を挙げての対応が検討されている由。あちこちの道路が寸断され空港は閉鎖、残る鉄道に世界一の大人口が押し寄せて切符争奪戦を繰り広げているとか……。数万人の足止め客が出ている駅舎もあるとかで、移動を自粛するように警告は出ていたそうですが、それでもチャイナの皆さんが意地になって帰省しようとしているのは春節を一族で祝うというたった一つの目的のためです。

■すっかり正月の伝統が崩れ去った日本ですが、農暦(旧暦)に従って今年は2月7日から新年ということで、それまでに一族が集まってお祝いしなければなりません。日本なら餅料理に御節料理に蟹だの新巻鮭だの酒の肴があれこれと用意されますが、チャイナの正月は餃子!餃子!餃子!に尽きますなあ。旅限無もチベット留学中はあちこちからお招きに預かって羊肉の水餃子を死ぬほど食べさせて頂いたものです。胃袋に負担をかけない羊肉は不思議なくらいに沢山食べられるものです。体も温まりますし強い地酒と実によく合う!

■春節前ともなりますと、町の市場と肉屋さんは大忙しで周囲の草原からぞろぞろと羊の群が市場に入れられ、昼にはきれいに解体されて市場や食堂に行き渡ります。寒冷で乾燥している高地では、露天に生々しい姿で羊を吊るし、客の注文通りに腿でもアバラでも巨大な刃物で切り取って売っているものです。新鮮そのものの羊肉をミンチにして餃子を作るわけですが、その量は膨大!来客が続く限り水餃子が作り続けられますから、作り置きの作業は大変です。でも、それが正月気分を盛り上げてもくれるわけですなあ。

■チベット人やイスラム教徒の少ない所では豚肉が使われているのですが、それでも出来合いの冷凍食品などは使わないでしょうなあ。最近は日本や欧米を真似たスーパーマーケットが随分と増えているのですが、誰が作ったか知れない冷凍食品を愛用している人は少ないと思われます。そういう国から輸入するのですから、それなりの覚悟と準備が必要かと思います。米国では「チャイナ・フリー!」が合言葉だそうですからなあ。おまけにチャイナ沿岸部の成金層も、外国産の食品しか買わない!などという恐ろしい現象が起きているとか……。


中国産の冷凍ギョーザを食べた一家5人が食中毒症状を訴え入院、ギョーザのニラから農薬成分が検出された問題で、同じ輸入元の冷凍ギョーザを食べて中毒症状に陥った人が他に千葉県内で2人、兵庫県内で3人いることが、厚生労働省の調査などで分かった。いずれもJT子会社の「ジェイティフーズ」(東京都品川区)が中国から輸入した冷凍ギョーザ。兵庫のケースでも、パッケージの内側から千葉のケースと同一の農薬成分が検出された。……

■ここまでは何かと大忙しの「厚労省」の管轄の話です。検疫仕事の一環というわけでしょうが、こうした事件が起こる度に縦割り行政の弊害が露呈するのであります。福田ホイホイ首相は一括管理する新しい省庁を作るぞ!と発言して役人達を感激させているそうですが……。


千葉、兵庫県警は中国での製造時に有毒成分が混入したまま消費者に流通した疑いもあるとみて、業務上過失傷害や食品衛生法違反などの容疑で捜査を開始、流通・販売ルートを調べている。警察当局や厚労省の調べなどによると、千葉県市川市の一家5人が今月22日午後8時ごろ、自宅で夕食として中国産の冷凍ギョーザ餃子を食べたところ、下痢や吐き気などをもよおし、病院に収容された。その後、県警で一家が食べた餃子を鑑定したところ、有機リン系薬物「メタミドホス」が検出された。

■被害が深刻なので、ここからは「警察」も登場しています。下手をしたら毒殺事件かも知れませんからなあ。日本向けに作られる餃子には、「野菜たっぷり」タイプが多いでしょうから、すべての材料を検査するのは大変です。でも、今回は原因が農薬に有ったことが直ぐに判明したようです。そんなに大量に入っていたのか?!と驚きますが、ダンボールだって入っているかも知れないメイド・イン・チャイナ餃子ですから、何が混入していてもニュースとしては意外ではありません。パッケージは日本語だらけですから、被害に遇われた御家族は、もしかすると輸入物とは気付かなかったのかも?


農水省によると、メタミドホスは海外では農薬として使われているが、日本国内では農薬として登録されておらず、製造販売もされていない殺虫剤だという。県警によると、餃子はCO・OP冷凍食品「手作り餃子40個入り(560グラム)」(399円)で、原産国は中国。昨年10月20日に製造され、ジェイティフーズが輸入・販売し、賞味期限は今年10月20日までだった。

■コープが関係している!これは大事件に発展する可能性があります。もしも被害者が熱心な会員だったりすると、何のための協同組合なのか分からなくなりますからなあ。まさか「毒入り餃子」と表示して売っているわけではありませんから、安くて安心な商品を求めた消費者が、運悪く毒を引き当ててしまったのでしょう。同じ店を使っている人はぞっとしている事でしょうなあ。

あとは野となれ山となれ その参

2008-01-30 10:21:40 | 日記・雑学
■「御先祖様」や「神様」から予言を貰う営みと同じくらい古いのが自然現象から意味をつむぎ出す占い行為だそうで、古代エジプト人がナイル川の氾濫時期を予知するために天体観測を始めたとか、
メソポタミアあたりで空を12等分する星座占いが体系化されたとか、文字で記録された歴史から分かるのだそうですが、それよりも遥かに昔から人はあれこれと占いに凝っていたとか……。漢字の元になった甲骨文字自体が占い結果の記録保存用に開発されて発達したそうですからなあ。

■人類が月面に着陸したり、火星探査が現実味を帯びている時代でも、ややこしい理論物理学の分厚い本を開くより、「星のお告げ」を聞く方が手軽ではあります。以前に愛読していたアシモフ博士の科学エッセイの中に、古代ペルシア人が定めた星座の「12宮」は、その後の地軸の歳差運動などですっかりズレてしまっているという話があったと記憶していますが、そんな事は「カンケイねえ」のでしょうなあ。


初場所で優勝を逃した横綱・朝青龍が、「サッカー問題」の謹慎後、占い師の細木数子さんが出演するTBS系番組「ズバリ言うわよ!」(2008年1月29日放送)で初めてテレビ出演を果たした。TBSの取材班とともに細木さんがモンゴルに朝青龍を訪ねたこともあり、謹慎中に朝青龍がどの様な発言をしていたかが注目されていた。しかし、細木さんは朝青龍問題に絡んでTBSへの「恨み節」ともとれる発言を繰り返したのだ。

■スピリチュアル番組と覇を競った?占星術もテレビ業界から飽きられているようです。既に『週刊現代』が短期集中連載で細木数子さんの「正体」を解明してしまっているので、彼女の占い方法の誕生秘話やら弱点が関係者の証言によって明らかにされているようです。でも、「信じる者は救われる」のが精神世界の特徴ですから、信じていない者が信じ切っている人に何を言っても始まりませんが……。


朝青龍をめぐっては、夏巡業中にモンゴルでサッカーに興じていたとして、日本相撲協会が、2場所出場停止と九州場所千秋楽の2007年11月25日までの謹慎処分を下していた。その後、精神的ショックによる「解離性障害」と診断され、07年8月29日から、療養するとしてモンゴルに滞在した。……細木数子さんとTBSのテレビクルーが2007年10月3日、4日にモンゴルに行っていたことが発覚。日本相撲協会の許可を得ず、「極秘」で朝青龍にインタビューしていた、という報道も飛び出していた。TBS側は「後々に放送する予定のドキュメンタリーの取材」「撮影隊が行っていますので、細木さんと朝青龍の会話など撮っているはず」などと話していた。謹慎中、モンゴルにいた朝青龍に対してどのような取材が行われたかに注目が集まっていたが、2008年1月29日に放送された「ズバリ言うわよ!」のなかで、その時の映像は放送されなかった。

■「サッカー問題」の前に、朝青龍には「八百長疑惑」が持ち上がっていて既に裁判沙汰になっています。その火付け役が『週刊現代』だというのは因縁ですなあ。

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この日放送された同番組のなかで、細木さんは冒頭から「おかんむり」の様子。朝青龍に初場所の千秋楽で横綱・白鵬に負けたことについて質問が飛んだにもかかわらず、細木さんは「勝負を捨てて相撲に勝ったんです!」「(負けは白鵬への)エールですよ」と主張。

■「物は言いよう」というのが占い師の真骨頂ですから、さすがは日本一儲かっている占い師の細木さんです。「勝負を捨てて」いたようには見えない真正面からの力勝負だったような気もしますが……。それも観る人によって違うのでしょう。少なくとも朝青龍に誰かさんに「エールを送る」ような心根は無いような気がしますなあ。


……「その事実を証明しようと挙げられるブイ(VTR)を、TBSの内部事情で放映させないんですよ。だから私は怒ってるんですよ!(朝青龍が)どれだけのことをしたのか」と、モンゴルでのトレーニングの様子を収めたVTRが、TBS側の事情で放映されないことへの不満を漏らした。その後も「そのブイを彼(朝青龍)はくれたのよ。先生良かったら見て、使ってって」と細木さんは述べており、VTRが公開されないことに相当怒り心頭だったことが伺われる。

■3場所休場の後で、日本人力士を次々に下して行ったのですから、決して怠けていたとは思いませんが、どんなに真剣な鍛錬をしていようと、「謹慎」という事実は消えないでしょう。ふて腐れて帰国した朝青龍にテレビ・カメラとマイクを向ければ、きっと日本相撲協会やマスコミに対する面白いネタが拾えると思ったからこそ、TBSは取材陣を送ったはずです。強引にお涙頂戴の感動巨編にしろ!という厳命が制作会社に出されていた可能性は高いでしょうなあ。

あとは野となれ山となれ その弐

2008-01-30 10:20:53 | 日記・雑学
「テレビ局から虚偽の提案を受けた」「私自身が不覚また迂闊に騙された」などと、あたかも被害者であるかのように訴えた。そして、「問題となっているテロップの『経営難』などの発言は私からありませんでした」「ボランティアに関する経済的な苦労に対しての、バランスを指摘したにすぎません」と弁解した。

■有名な『ノストラダムスの予言』を持ち出すまでもなく、予言は「解釈」と「言い訳」の幅が広い物ほど人気が高まるものです。具体的な人名・地名・日付などを持ち出すと、大体、予言や占いは外れることが多いとか……。そもそも『易経』という有名な書物は道徳を説いた物だと言われているようですし、依頼者に悪事を勧めるような占い師はほとんど居ないという現実も有るようです。「御先祖様が怒っている」と言われれば、いろいろと反省して普段は考える事も無い道徳的な思索をするのは悪い事ではありますまい。

■人権問題にまで発展してスピリチュアル・カウンセリングは、御本人が自覚しているように「バランス」を欠いたものだったようです。


……フジ側に聞いてみたが、静観を決め込んでいる様子だった。広報部は、J-CASTニュースの取材に対して、「江原氏個人のHP上の発言について、私どもとしてコメントする立場にありません」と答えるのみだった。……フジテレビは、痛烈な批判にも関わらず、江原さんの責任は問わない姿勢を崩していない。……広報部は「江原氏をはじめ出演者の方のまったく関知するところでない問題であると考えており、ご迷惑をおかけし大変申し訳なく思います」と逃げ腰なのだ。

■視聴率さえ取れれば万々歳で、視聴率が下がらない限り、テレビ局は知らぬ存ぜぬで通すつもりなんでしょう。フジテレビに対する視聴拒否運動でも始まれば、即座に平身低頭して謝罪会見を開くのでしょうなあ。


……カウンセリングをしたのに、その結果、美容院経営の女性の人生を狂わせたようなのだ。……「あの問題があってから、精神的に不安定な状態が続いているのですよ。店には、時々出てくるだけになっています。だから、本人に直接取材することは控えさせて下さい。江原さんには力があると言いますが、私どもとしてはクエスチョンが付いていますね」

■オウム真理教ばかりでなく、霊感商法という恐ろしい商売は、相手の精神を危険な状態に追い込み、日常生活を破壊してでも「商品」を売りつけるものです。悩みや病気と無縁な人間は居ませんから、相当に当てずっぽうを言っても当たるものですし、中には事前に情報を集めて網を張っておく知恵者も多いとか……。腕の良い占い師は相談者の表情や言葉の端々から重要な情報を取り出して、相談者が無意識に求めている「予言」を与えて安心させ、元気付けてあげるものだそうですから、占いの最中に不愉快な気分になったり不安感を覚えたら、急いで正気に戻ってその場を去ることが肝腎でしょうなあ。まあ、詐欺のプロは獲物を逃がさない手練手管を揃えているのではありますが……。


……BPOの審議結果が出て、「『(ボランティアで贈った)リンゴの気持ちが報われた』と、本人はホッとした様子だった」という。むしろボランティアの大切さが改めて分かったということなのだ。……江原さんも、部分的に非は認めている。公式サイトで、「『カウンセリングを望まれている』と鵜呑みにする私自身の傲慢さがあったのだと、深く反省」「相手の心情に対する考慮に欠けた私の行動にも問題があり、深く反省するとともに、謝罪の意を述べたい」と漏らしている。……「私自身はテレビにもしがみついているわけでもありません。私はこれからも私の道を歩んでいく所存です」……
1月25日 J-CASTニュース

■放送したテレビ局はややこしい事になった番組を打ち切ってしまえば良いと思っているようですし、江原さんも「別の稼ぎ口」があるからテレビ業界と手を切っても大丈夫?熱心に視聴していた人達だけが放り出されてしまう結果になりますが、きっと、しばらくしたら代替物がテレビ画面から流れ出して来るのでしょうなあ。