■テレビ局には、アナウンサー、キャスター、アンカーマン、放送記者、インタヴュアー、レポーター、コメンテイター、タダの埋め草などなど、「喋ってなんぼ」の人々が沢山働いているのですが、随分と下手くそなアナウンサー、尤もらしいだけで無内容なキャスター、自分好みに強引過ぎるまとめばかりするアンカーマン、聞いている人の立場を考えない放送記者などが増えてしまったようですなあ。「アノ人の声、アノ人の日本語を聴きたい」と思ってテレビのスイッチを入れることなどめっきり減ってしまいましたなあ。専門家の貴重な御意見を聞けるのも、昔は楽しみでしたが、何だか最近は、単なる出たがり屋さんの事を専門家と呼ぶような傾向が強くて、余り参考になる話も聴けなくなりました。
■言葉を商売道具にしている人たちが、大きな誤解をしているのが気になります。見て来たようなウソ?を付くのが「講釈師」の仕事で、それは大昔から変りません。下らないヨタ話や宣伝がましい「旨い話」を大口開けてくちゃくちゃもぐもぐやりながら垂れ流しても平気な神経は大したものですが、犯罪に関係する報道の分野にも出しゃばるのならば、それなりの覚悟が必要ではないでしょうか?オウム事件の端緒となった弁護士一家皆殺し事件の手助けをしたTBSというテレビ局は、「もう報道関連のワイド・ショー」はやりません!と宣言して、ずっと御家庭の主婦の皆様に耳よりな情報を提供する府抜けた朝番組を作っていたようでしたが、うっかり、昔の罪を多くの日本人が忘れていると舐めてかかったのか、突然『朝ズパッ』などという早朝から実に喧しく脂っぽい、それもやたらに説教がましく取って付けたように悲憤慷慨するワイド・ショーを復活させましたなあ。あの時[TBSは死んだ」と名言を吐いた筑紫さんは今でも元気に毎晩、生きているのか死んでいるのか分からない話をしているようですが、いよいよTBSは「オウムは忘れられた!」と判断したのでしょうか?
■そのオウム真理教の事件で、大失敗したはずのマスコミ各社は、余り学習していないようですなあ。犯罪を報道する場合に、「再現映像」という手法が使われますが、それは作り事であるから放送出来ます。しかし、テレビの速報性が競われるようになると「生映像」の需要が高まって、苦し紛れの「ヤラセ」事件を起こしてしまいます。テレビ朝日が『アフタヌーン・ショー』という午後のワイドショーが暴走族を取材した時に、一発のヤラセ事件で番組が吹き飛んでしまったのが最初だったのではないでしょうか?演出とヤラセは取材現場では区別し難い事が多いそうですが、放送しているテレビ局はどんどん偉くなって、立場の弱い制作会社に丸投げして苛めるので、現場ではつい受けを狙って過剰な番組を作りたくなるようです。
■それでも取材対象を分かり易く伝えたいという動機が有る限りはある程度の演出は許されるべきでしょうが、犯罪を宣伝しては行けませんなあ。例えば、連続殺人事件を起こしている凶悪犯に接触した取材スタッフが、「もう一回カメラの前で殺人をして見せて下さい」と要求すれば、これは間違いなく殺人幇助罪が成立するはずですが、困るのは詐欺師の場合です。殺人犯の武器は刃物や鈍器、ロープや電気コード、まあ素手という事もあるでしょうが、放火魔はライターが武器です。では、詐欺師の武器は何なんだ?と落ち着いて考えれば、それが「言葉」だと誰でも分かります。オウム真理教も元々はヨガ教室から詐欺集団に変身してテロ集団に成長したのですが、町のヨガ教室だったら皆様のNHKでも取り上げら得る微笑ましい内容の番組になるでしょうが、超能力だの悟りだの、世界が終わるだのという話になったら要注意です。
■世の中には、可哀想なくらいにテレビを信用して暮らしている人が沢山いるのです。最近も世間からトコロ天が消えたそうですなあ。いくつものテレビ局が競って宣伝したからです。午後に放送している日本テレビのワイド・ショーでみのもんたさんが口にする食材がその日の夕方には品薄になるという噂も有ります。それくらいにテレビを信用して生活を変える人々が多いという事です。そうなると、詐欺師を糾弾する目的で制作された番組を、宣伝と勘違いする困った人が現れてしまいます。大流行したピッキング窃盗を取材した番組は、肝腎の道具や具体的なやり方が分からないように画面処理していましたなあ。ところが、詐欺事件となると厄介で、詐欺師が商売道具にしている口元に、マイクを差し出す馬鹿者がいるのですぞ!これは犯罪ではないのですかな?正当な情報提供だと言い張るならば、ピッキング窃盗のやり方も詳しく報道すべきでしょうし、殺人事件の再現ももっと生々しく気分が悪くなるようなリアルな表現手法を存分に使えば良いでしょう。
■或る詐欺マルチ商法の首謀者にインタヴューする場合に、その商品の効能を喋らせたらそれは宣伝番組でしょうし、世界を変革する運動を看板にしてマルチ商法をやっている詐欺集団がいれば、その商品に「宇宙エネルギー」が注入されているという宣伝文句を放送したら、それは又とない詐欺商売の手助けになります。おまけに怪しげな仮装大会やら裸踊りやらを放送すれば、見物人を呼び込んでいるようなものでしょうに!怪しげな薬を売っているのなら、薬事法違反の疑いで取材するだけで充分でしょうし、無理やり変な石を売りつけられて借金地獄に落ちている人を救済する目的ならば、石の価値と販売方法の問題点を淡々と指摘すれば済むはずなのですが、詐欺師ほど見世物として面白い人間はいませんから、テレビ局はいつでもまんまと詐欺師の詐欺に引っ掛かって、自分も詐欺の片棒を担がされてしまいます。「元々、テレビ局自体が詐欺みたいなものだろう」などと言われたら、ジャーナリズムも報道機能も崩壊してしまいます。
■現在でも、海外のテレビ局が制作した重量感溢れる有益なドキュメンタリー番組を衛星放送で観られるのですから、間も無く、ヨタ話は地上波で眉に唾を付けて暇潰しに眺めて、必要な情報は海外からの衛星放送かネット検索で手に入れるという棲み分けが起るかも知れませんなあ。現実に、もうそうしているよ!という声も聞こえて来そうですなあ。ねずみ講やらマルチ商法やらが大規模な犯罪に育ってしまったのは、テレビ報道の効果が多かった事をもっと真面目に反省しないと大変な事になってしまうでしょう。所詮、テレビの中での話だ、と斬って捨てられるような報道をしていると、何を信用して良いのか分からない社会不安が高まって、夢も希望もない真っ暗な世の中になってしまうでしょうなあ。テレビを消して町に出ると、何とまあ詐欺めいた話の多いことか!食べる物を買おうと思えば、産地の表示も賞味期限もウソだったり、「健康になるかも知れない」程度の商品が色取り取りの宣伝文句で飾り立てられて万能薬のような錯覚を起こしそうです。まあ、洗剤や歯磨き製品などは何十年も前から同じような効果を宣伝しながら、新製品を次々と発売しているのですから、日本人は宣伝自体を信用しなくなっているのでしょうが、テレビ自体が商品テストをする番組をちゃんと作れば大いに助かります。
■米国で楽しんだその種の番組が有って、感心したものです。燃費の良さを宣伝している自動車に、本当に1リットルだけガソリンを入れて走って見たり、ハンバーガー店の宣伝写真と実物を並べてアップで比較撮影しりするし、脂汚れがすっきり落ちると言う洗剤を使って本当に使用済みのバーベキュー用品をごしごし洗ったり、まあ、演出も上手なのですが、司会者がいつも本気でウソ宣伝に腹を立てたり、逆に宣伝内容が真実だと分かると、信用しない視聴者を挑発したりする番組でしたなあ。日本は、去年までニュース原稿を読んでいた人が、「お得な保険」の宣伝をしていても誰も変だと思わない国になってしまいましたなあ。宣伝ではなくて情報が欲しいのですがね。
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五劫の切れ端(ごこうのきれはし)教の支流と源流のつまみ食い
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■言葉を商売道具にしている人たちが、大きな誤解をしているのが気になります。見て来たようなウソ?を付くのが「講釈師」の仕事で、それは大昔から変りません。下らないヨタ話や宣伝がましい「旨い話」を大口開けてくちゃくちゃもぐもぐやりながら垂れ流しても平気な神経は大したものですが、犯罪に関係する報道の分野にも出しゃばるのならば、それなりの覚悟が必要ではないでしょうか?オウム事件の端緒となった弁護士一家皆殺し事件の手助けをしたTBSというテレビ局は、「もう報道関連のワイド・ショー」はやりません!と宣言して、ずっと御家庭の主婦の皆様に耳よりな情報を提供する府抜けた朝番組を作っていたようでしたが、うっかり、昔の罪を多くの日本人が忘れていると舐めてかかったのか、突然『朝ズパッ』などという早朝から実に喧しく脂っぽい、それもやたらに説教がましく取って付けたように悲憤慷慨するワイド・ショーを復活させましたなあ。あの時[TBSは死んだ」と名言を吐いた筑紫さんは今でも元気に毎晩、生きているのか死んでいるのか分からない話をしているようですが、いよいよTBSは「オウムは忘れられた!」と判断したのでしょうか?
■そのオウム真理教の事件で、大失敗したはずのマスコミ各社は、余り学習していないようですなあ。犯罪を報道する場合に、「再現映像」という手法が使われますが、それは作り事であるから放送出来ます。しかし、テレビの速報性が競われるようになると「生映像」の需要が高まって、苦し紛れの「ヤラセ」事件を起こしてしまいます。テレビ朝日が『アフタヌーン・ショー』という午後のワイドショーが暴走族を取材した時に、一発のヤラセ事件で番組が吹き飛んでしまったのが最初だったのではないでしょうか?演出とヤラセは取材現場では区別し難い事が多いそうですが、放送しているテレビ局はどんどん偉くなって、立場の弱い制作会社に丸投げして苛めるので、現場ではつい受けを狙って過剰な番組を作りたくなるようです。
■それでも取材対象を分かり易く伝えたいという動機が有る限りはある程度の演出は許されるべきでしょうが、犯罪を宣伝しては行けませんなあ。例えば、連続殺人事件を起こしている凶悪犯に接触した取材スタッフが、「もう一回カメラの前で殺人をして見せて下さい」と要求すれば、これは間違いなく殺人幇助罪が成立するはずですが、困るのは詐欺師の場合です。殺人犯の武器は刃物や鈍器、ロープや電気コード、まあ素手という事もあるでしょうが、放火魔はライターが武器です。では、詐欺師の武器は何なんだ?と落ち着いて考えれば、それが「言葉」だと誰でも分かります。オウム真理教も元々はヨガ教室から詐欺集団に変身してテロ集団に成長したのですが、町のヨガ教室だったら皆様のNHKでも取り上げら得る微笑ましい内容の番組になるでしょうが、超能力だの悟りだの、世界が終わるだのという話になったら要注意です。
■世の中には、可哀想なくらいにテレビを信用して暮らしている人が沢山いるのです。最近も世間からトコロ天が消えたそうですなあ。いくつものテレビ局が競って宣伝したからです。午後に放送している日本テレビのワイド・ショーでみのもんたさんが口にする食材がその日の夕方には品薄になるという噂も有ります。それくらいにテレビを信用して生活を変える人々が多いという事です。そうなると、詐欺師を糾弾する目的で制作された番組を、宣伝と勘違いする困った人が現れてしまいます。大流行したピッキング窃盗を取材した番組は、肝腎の道具や具体的なやり方が分からないように画面処理していましたなあ。ところが、詐欺事件となると厄介で、詐欺師が商売道具にしている口元に、マイクを差し出す馬鹿者がいるのですぞ!これは犯罪ではないのですかな?正当な情報提供だと言い張るならば、ピッキング窃盗のやり方も詳しく報道すべきでしょうし、殺人事件の再現ももっと生々しく気分が悪くなるようなリアルな表現手法を存分に使えば良いでしょう。
■或る詐欺マルチ商法の首謀者にインタヴューする場合に、その商品の効能を喋らせたらそれは宣伝番組でしょうし、世界を変革する運動を看板にしてマルチ商法をやっている詐欺集団がいれば、その商品に「宇宙エネルギー」が注入されているという宣伝文句を放送したら、それは又とない詐欺商売の手助けになります。おまけに怪しげな仮装大会やら裸踊りやらを放送すれば、見物人を呼び込んでいるようなものでしょうに!怪しげな薬を売っているのなら、薬事法違反の疑いで取材するだけで充分でしょうし、無理やり変な石を売りつけられて借金地獄に落ちている人を救済する目的ならば、石の価値と販売方法の問題点を淡々と指摘すれば済むはずなのですが、詐欺師ほど見世物として面白い人間はいませんから、テレビ局はいつでもまんまと詐欺師の詐欺に引っ掛かって、自分も詐欺の片棒を担がされてしまいます。「元々、テレビ局自体が詐欺みたいなものだろう」などと言われたら、ジャーナリズムも報道機能も崩壊してしまいます。
■現在でも、海外のテレビ局が制作した重量感溢れる有益なドキュメンタリー番組を衛星放送で観られるのですから、間も無く、ヨタ話は地上波で眉に唾を付けて暇潰しに眺めて、必要な情報は海外からの衛星放送かネット検索で手に入れるという棲み分けが起るかも知れませんなあ。現実に、もうそうしているよ!という声も聞こえて来そうですなあ。ねずみ講やらマルチ商法やらが大規模な犯罪に育ってしまったのは、テレビ報道の効果が多かった事をもっと真面目に反省しないと大変な事になってしまうでしょう。所詮、テレビの中での話だ、と斬って捨てられるような報道をしていると、何を信用して良いのか分からない社会不安が高まって、夢も希望もない真っ暗な世の中になってしまうでしょうなあ。テレビを消して町に出ると、何とまあ詐欺めいた話の多いことか!食べる物を買おうと思えば、産地の表示も賞味期限もウソだったり、「健康になるかも知れない」程度の商品が色取り取りの宣伝文句で飾り立てられて万能薬のような錯覚を起こしそうです。まあ、洗剤や歯磨き製品などは何十年も前から同じような効果を宣伝しながら、新製品を次々と発売しているのですから、日本人は宣伝自体を信用しなくなっているのでしょうが、テレビ自体が商品テストをする番組をちゃんと作れば大いに助かります。
■米国で楽しんだその種の番組が有って、感心したものです。燃費の良さを宣伝している自動車に、本当に1リットルだけガソリンを入れて走って見たり、ハンバーガー店の宣伝写真と実物を並べてアップで比較撮影しりするし、脂汚れがすっきり落ちると言う洗剤を使って本当に使用済みのバーベキュー用品をごしごし洗ったり、まあ、演出も上手なのですが、司会者がいつも本気でウソ宣伝に腹を立てたり、逆に宣伝内容が真実だと分かると、信用しない視聴者を挑発したりする番組でしたなあ。日本は、去年までニュース原稿を読んでいた人が、「お得な保険」の宣伝をしていても誰も変だと思わない国になってしまいましたなあ。宣伝ではなくて情報が欲しいのですがね。
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