ところで、
浅野川洪水は200年に1回と石川県は主張するが、
洪水と雨の発生確率は1対1に対応しないので、
まず、平成20年7月28日の浅野川洪水の際の雨は、何年に一回の雨か
(流域平均2日雨量で見れば)
平成20年7月28日の雨の2日雨量は、芝原橋で287mm、医王山では140mm、ちなみに金沢地方気象台では23.5mmである。天神橋地点流域平均2日雨量は、186.7mmである。確率計算結果(天神橋2日雨量)によれば、10年確率で195mm付近であるから、おおむね10年に1回のよくある雨ということになる。
(流域平均3時間雨量で見れば)
3時間雨量で見ると、芝原橋で251mm、医王山では110mm、金沢地方気象台23.5mmである。天神橋地点流域平均3時間雨量は、146.6mmである。確率計算結果(天神橋3時間雨量、データ件数41件)の12の確率分布のうち、3分布が適合度(SLSC値が0.04以下)を満足しているが、安定性(ジャックナイフ推定誤差)が圧倒的に良好なSqrtEt分布によれば、100年確率137.7mmと150年確率148.2mmの間に位置して100年確率を大きく超えている。流域平均3時間雨量を求めるに際してティーセン分割法を用いているが、流域内の雨量観測地点が少なく、芝原橋の雨量が浅野川上流域(65km2)の48%の面積を代表していることで平均雨量が異常に大きい芝原橋の雨量に影響されているので現実にはもう少し低いかもしれない。観測点がバランスよく、配置されていなければわからない。時間的に集中して降ったので3時間雨量で評価すると、計画規模の100年確率を少し超えたような豪雨だったということか。
(時間雨量で見れば)
芝原橋で114mmを記録している。金沢気象台で過去76年間に観測された最大は77mmであるので、100年確率をはるかに超える数百年規模の雨ということになる。
雨の評価は降り方によって様々である。洪水災害という観点から考えると、洪水被害を被った地点の支配的な降雨継続時間が問題となる。川の上流では、時間雨量が大きいとその影響で大きな出水があり、板ヶ谷地区などに土石流が発生して大きい被害が生じた。中流では時間雨量の影響が減じて小さくなり、それよりも長い3時間雨量が洪水量に反映してはんらんが起きる。という観点から、浅野川上流では数百年規模、中流では100年規模程度であったということか。
(ただし、雨が大きいからといって、洪水量が大きいとは限らない。流域平均146mmであれば、山林土壌の浸透能力をあまり超えていないという技術的知見もあり、想定洪水量710立方メートル毎秒を超えてはいないのではないか、石川県が洪水痕跡等あるいは貯留関数法から推定した洪水量820立方メートル毎秒は過大ではないかという疑いもある。
資料をにらみながら、熟慮中!(-_-;))
浅野川洪水は200年に1回と石川県は主張するが、
洪水と雨の発生確率は1対1に対応しないので、
まず、平成20年7月28日の浅野川洪水の際の雨は、何年に一回の雨か
(流域平均2日雨量で見れば)
平成20年7月28日の雨の2日雨量は、芝原橋で287mm、医王山では140mm、ちなみに金沢地方気象台では23.5mmである。天神橋地点流域平均2日雨量は、186.7mmである。確率計算結果(天神橋2日雨量)によれば、10年確率で195mm付近であるから、おおむね10年に1回のよくある雨ということになる。
(流域平均3時間雨量で見れば)
3時間雨量で見ると、芝原橋で251mm、医王山では110mm、金沢地方気象台23.5mmである。天神橋地点流域平均3時間雨量は、146.6mmである。確率計算結果(天神橋3時間雨量、データ件数41件)の12の確率分布のうち、3分布が適合度(SLSC値が0.04以下)を満足しているが、安定性(ジャックナイフ推定誤差)が圧倒的に良好なSqrtEt分布によれば、100年確率137.7mmと150年確率148.2mmの間に位置して100年確率を大きく超えている。流域平均3時間雨量を求めるに際してティーセン分割法を用いているが、流域内の雨量観測地点が少なく、芝原橋の雨量が浅野川上流域(65km2)の48%の面積を代表していることで平均雨量が異常に大きい芝原橋の雨量に影響されているので現実にはもう少し低いかもしれない。観測点がバランスよく、配置されていなければわからない。時間的に集中して降ったので3時間雨量で評価すると、計画規模の100年確率を少し超えたような豪雨だったということか。
(時間雨量で見れば)
芝原橋で114mmを記録している。金沢気象台で過去76年間に観測された最大は77mmであるので、100年確率をはるかに超える数百年規模の雨ということになる。
雨の評価は降り方によって様々である。洪水災害という観点から考えると、洪水被害を被った地点の支配的な降雨継続時間が問題となる。川の上流では、時間雨量が大きいとその影響で大きな出水があり、板ヶ谷地区などに土石流が発生して大きい被害が生じた。中流では時間雨量の影響が減じて小さくなり、それよりも長い3時間雨量が洪水量に反映してはんらんが起きる。という観点から、浅野川上流では数百年規模、中流では100年規模程度であったということか。
(ただし、雨が大きいからといって、洪水量が大きいとは限らない。流域平均146mmであれば、山林土壌の浸透能力をあまり超えていないという技術的知見もあり、想定洪水量710立方メートル毎秒を超えてはいないのではないか、石川県が洪水痕跡等あるいは貯留関数法から推定した洪水量820立方メートル毎秒は過大ではないかという疑いもある。
資料をにらみながら、熟慮中!(-_-;))