長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

335  『筒井富栄全歌集』

2016-10-28 19:13:53 | 日記
 今日からは竹弓(梓)の本格運用(と言っても当面・ずっと?週一回だけど)。竹弓は素引きを相当やってそれから巻藁百射くらいしてから的に向かえ(そうしないと折れちゃうぞ)といわれるが、素引き百回ほど巻エノコロ30射ほどで的前に立った。これまでの練習弓より少し強いので、的付け(ねらい)が不安だったが、いい加減に見当つけて二射目で的中。今日は二十射七中。上下の竹のしなりバランスが少し心配(下部が強く上部が弱くなりそう)なのでそのうち買った時に保証してくれた点検に行って弓師さんにアドバイスをもらおうと思う。
 さて、弓道が僕等よりはるかに上手で、鏑流馬なんかもなさっている村田馨さんがご母堂の全歌集を編纂出版されて送ってくださった。村田さんは僕の歌集出版記念会に来てくださってからのFB友達、お住まいも烏山で何となくご縁。 
 六花書林 2016年10月27日(あ、昨日じゃないか)刊。昨日、新宿紀伊国屋に平積されていた。

コルシカの海をまぶたのうらにもち冬枯れにかじる碧きオリーブ 
なぜ撃たれたかわからないまま山鳩の瞳孔ひらき朝がくずれる
神にすべてをゆだねられずに若い僧竜舌蘭と雨の中にいる
猩猩蝿の人工飼育ガラス器の乳白色の一本のひび
ロシアひまわりの四粒の種を掌(てのひら)にのせてあなたが発ったのも夏
僕たちは 汽車にのらない? 夜明け前汽笛の音が僕をゆするよ
シャコンヌを自動ピアノが鳴らしいてなりやむまでのひとときに待つ
海市(かいし)に行くために買う麦わらの帽子の中にある陽の匂い
精霊というものありや両肩がふいに重たくなる夕まぐれ 
筒井さんの短歌はモダニズムの系譜というのだろう、与謝野鉄幹・晶子、白秋系の浪漫系とも少し似て少し違う感性の歌がたくさん並んでいる本書は465ページの大著で生前に出版された3部の歌集とその他発表のたくさんの歌、文章が収録されている。筒井さんの影響が大きいのだろう、息子さんである村田さんも短歌人の歌人。親ごさんの歌集の編纂などとはすばらしいではないか、どんなことを考えながらまとめられたのか、などと考えながら読みつついる。こういう短歌・詩を僕は作らないが、嫌いではない。一首をくどくど批評するのでなく、たくさんをパラパラと時に眺めるために机横に置いておくという鑑賞態度で良いかどうか・・。ご出版おめでとうございます。