コンビニ経営相談室「あかり」

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「食べかけケーキ」販売事件の問題点。

2017年01月20日 23時13分19秒 | 日記

セブン「食べかけケーキ」販売事件で考えた3つの再発防止策

ダイヤモンド オンライン

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

「食べかけケーキ販売事件」で考えた3つの再発防止策

 大手コンビニチェーン・セブン-イレブンのある店舗で、誤って従業員が食べ残したクリスマスケーキを販売する事件が起きたという報道があった。昨年のクリスマスイブに、店員が休憩時間に食べたホールケーキの食べ残しを冷蔵庫にしまったところ、別の店員が中身を確認しないで販売してしまったという。本部では、今後このようなことがないよう「指導していきたい」と話したそうだ。

 こうした問題は偶発的なものであり、どこの小売・外食企業でも起きる可能性がある。ある意味、完全には防ぎようがないとも言える。しかし、それでは消費者への言い訳にならないため、企業は対応策を講じることになる。

 その際、責任者は「今後起きないように指導する」と必ず発言するが、長年コンサルをやっている筆者からすれば、「それだけで再発を防止するのは難しいのではないか」と感じる。指導だけで今後問題が起きないようになるのであれば、学校のイジメだって、公務員の不祥事だってなくなるはずだ。

 では、コンサルだったらこのような問題をどう「再発しないようにする」のか。今回の不祥事の詳細については報道された以上のことはわからないので、あくまで一般論となるが、すべてのコンビニ経営者に向けた再発防止策として、「筆者だったらこう提言する」という仮説ベースのアドバイスを、ナナメ目線で行ってみたい。

 筆者が考える「食べかけ商品を販売する事件」の再発防止策は以下の3点だ。

(1)店員がケーキをたくさん買わないようにする(2)オーナーやバイトがお店に住みつかないようにする(3)時代は食べ切りサイズであることを忘れない

 以下、順を追って提言していこう。

無謀な販売ノルマが店員を「三食ケーキ漬け」にする悲劇

 第一に、そもそもなぜ食べ残しのケーキが販売されたのか。コンビニ店員は基本的にお店の商品を買う。決してバックヤードにある商品を勝手につまんだりはしない。このルールは徹底されていて、今回の事件も、店員が自分で買った分のケーキを店内で食べていたことが発端になった。

 問題はこの時期、多くのコンビニ店員が12月24日が賞味期限で、その日のうちに食べ切らなくてはいけないクリスマスケーキをたくさん購入してしまうことだ。

 コンビニ本部はこの時期、コンビニ店長に高いチャレンジ目標を掲げたケーキの販売目標を設定する。そして、その目標を達成しないと「大変なことになる」らしく、各店では通常の販売努力に加えて、取引先にケーキの購入を強く懇願したり、バイトに知人・友人への販売ノルマを設定したりすることがプチ社会問題になっている。

 ブラックバイトが問題になっているあるコンビニでは、店長が「ノルマを達成できない分は自分で買い取ってくれないとバイト代払わないからね」と発言したことが社会問題になった。そのようなことが、クリスマスになるとそこら中で起きてしまう。よってこの期間、コンビニ本部が意図しない形で、組織の末端では多くの店員が「3食がクリスマスケーキ」という状況に追い込まれる。

 だから第一の提言としては、コンビニ本部が本気で「売れ残ったクリスマスケーキを店員がたくさん買うことが起きないように」という指導を徹底しないと、まずこの問題の最初の火種はなくならないのだ。

 第二に、商品を入れる冷蔵庫と食べ残しを入れる冷蔵庫が同じだったことが、今回の問題を引き起こした。これを根本的になくすためにはどうすればよいか。

 コンビニはあくまでチェーンなので、店舗ごとに状況は色々と異なるが、共通点としてはバックヤードが比較的狭い。狭いなりに工夫して、バイトの着替えや私物を置く場所をきちんと設定する。ここまでは良い。

 問題はオーナーだ。コンビニでは24時間営業をしなければならないのだが、バイトの確保が難しい。バイトが確保できない時間帯は必然的にオーナーが出勤して穴を埋めることになる。オーナーにとってもコンビニは結構きつい職場なのだ。

バックヤードが雑然としてトラブルが起きる「割れ窓」の原理

 そしてオーナーが長時間労働を強いられるようになると、職場に私物が徐々に増えてくる。歯ブラシ、ひげそり、タオル、雑誌、やかん……。そうしたものが徐々にバックヤードに無造作に増殖していく。それを見て、やはり長時間労働に自主的に協力してくれるバイトくんも同じような行動をとるようになる。いわゆる「割れた窓を放置しておくと、その地域ではさらに窓ガラスが割られる」という割れ窓の原理が働くのだ。

 そうなると、商品を置くスペースに私物が混ざったりする。さらに、長時間労働が続くと、人間は段々判断力がおかしくなってくる。

 私も20代の頃、コンサルティングファームで長時間労働が続いて、かつ高熱を出しながら何日か働いていて、判断力がおかしくなって事故を起こしたことがある。事故といっても、給湯室のコーヒーサーバーで苦い漢方薬をつくり、間違えてそこに置きっぱなしにしてしまったのだ。それを数名のコンサルタントがコーヒーと間違えて飲み、「味が変だ!」と苦情が出る事件が起きた。後で聞くと、このことが発覚して上司に叱られた私は、判断力を完全に失っていて「はい、はい、もうやりません」とただ繰り返していたそうだ。

 今回、騒ぎが大きくなった原因の1つは、客の苦情を受けた店長が忙しくて、「クリスマスが終わるまでは原因究明できない」と主張したことだった。実際、翌日に客が本部にクレームをしたところ、その時点でも事件は本部に伝わっていなかったそうだ。現場は判断力を失っていたのだ。

 幸いにして、コンビニ本部は店舗ごとの勤務状況をきちんと把握できる。オーナーが異常な長時間にわたってお店に住みついている状態や、数人のバイトが日常的に長時間労働を強いられているといった状況は、簡単に把握することができる。

 そういった労働環境を根本的に撲滅していくアクションを取れば、結果として商品と私物が混ざったり、それを間違えて店頭に出したりといった事故は、なくなっていくだろう。これが第二の提言だ。

今や主流の「おひとりさま」向けケーキがないことが最大の問題?

 そして第三に、根本的な問題となるのは、たくさんのクリスマスケーキが売れ残ることだ。これは商品政策自体が間違っているのではないだろうか。

 私が今回のニュースで一番違和感を覚えたのが、店員が休憩時間に1人で食べたクリスマスケーキが、食べ切れずに半分以上残っていたことだ。「クリぼっち」という言葉をご存じだろうか。マーケティング界で話題のキーワードなのだが、今1人暮らしの2~30代の若者のうち、実に52%がクリスマスを1人で過ごすという。

 念のため、大手コンビニのクリスマスケーキのページを確認してみたところ、オリジナルケーキの予約ページに並ぶケーキにはすべて「4~6名様向け」ないしは「2~3名様向け」というアイコンが添えられている。つまり、「おひとりさま」の需要を対象にしたクリスマスケーキを開発し忘れているのだ。

 現代のクリスマスは、ずっと頑張って長時間働いてきた自分へのご褒美に、たとえば1000円のおひとりさま向けクリスマスケーキを買って帰る若者の方が主流なのだ。そのための商品が開発されていない。

 コンビニで働く店員は、結局、休憩時間では食べ切れないサイズのケーキを買ってしまったのだろう。だから残りを冷蔵庫にしまうことになった。再発防止策としては「もう大きなクリスマスケーキの時代ではない」と商品開発者が認識することだろう。

 こうして考えれば、今回の事件はすべて本部が引き起こしたこととも言え、再発防止のためには「本部の幹部社員を指導する」ことが一番の対策だと思う。くれぐれも現場だけを悪者にするべきではない。

(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

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セブンイレブンで食べかけケーキが販売されたニュースがいろんなメディアで流れています。

「誤って販売した」ことが大きな問題になっています。

しかし真の問題は、この記事で述べられているようにコンビニアルバイトにノルマを課し

ノルマを達成できないアルバイトくんに購入を強いていることではないでしょうか?

また、本部に圧力をかけられ無理な販売目標を立てたが故に本来、すぐに対応すべきお客様からの

クレームに対する対応を忙しさを理由に後回しにしたことではないでしょうか?

これだけコンビニの内情を理解されて書かれた記事はなかなかないと思います。

今までセブン本部の圧力で潰されてきた記事がこのような形で出てくることを

本当に嬉しく思います。

鈴木貴博様 ありがとうございます。