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コラム記事【1/15~1/17】

2023年01月18日 09時58分57秒 | マリーンズ2023
≪1/15≫


規定投球回未達も奪三振率はオリックス山本由伸を大きく上回った

 ロッテ佐々木朗希投手はプロ3年目の2022年、4月10日のオリックス戦でNPB史上16人目、28年ぶりとなる完全試合を達成するなど、幾度となく圧倒的な投球を披露した。今回は、昨年記録した具体的なデータをもとに、その投球の凄みと、いくつかの課題について見ていきたい。

 佐々木朗の最大の持ち味といえば、圧倒的な奪三振率。2022年の奪三振率は12.04(129回1/3で173奪三振)と驚異的な水準に達した。205奪三振で最多奪三振を獲得したオリックス山本由伸投手の奪三振率が9.56だったことを考えれば、いかに異次元であるかが分かる。

 制球力も備えている。2022年の与四球率は1.60。被打率も.177と低かった。結果として、1イニングに出した走者の数を表す「WHIP」も、0.80と1を下回る数字に。走者を出す機会そのものが非常に少なく、出色の安定感だった。奪三振を四球で割って求める「K/BB」は、一般的に3.50を上回れば優秀とされる。だが、佐々木朗のK/BBは7.52。先発としては驚異的な数値だった。
 月別成績を見ると、3月のシーズン初登板は6回3失点ながら10奪三振。4月には完全試合の快挙に加え、17イニング連続無安打という驚異的な投球を見せた。30イニングで50奪三振、与四球3。4試合で3勝、防御率0.90、奪三振率15.00、与四球率0.90の数字を残し、自身初の月間MVPにも輝いた。

 5月も奪三振率12.24、防御率と与四球率はともに1.08と、支配的な投球を継続。6月は奪三振率9.00とやや数字を落としたが、それでも防御率2.25、与四球率1.80と優れた数字を記録した。6月終了時点で防御率1.56。リーグ屈指の先発投手の地位に駆け上がりつつあった。

 しかし、7月1日の楽天戦では4回10奪三振という圧倒的な投球を見せながら、右手のマメを潰して緊急降板。自身初のオールスター出場は果たしたが、およそ1か月にわたって公式戦のマウンドから遠ざかった。復帰後も調子を取り戻すには時間がかかり、8月は防御率4.44と苦しんだ。それでも、9月に入ってからは3先発で防御率1.35。2桁勝利には届かなかったものの、良いかたちでシーズンを締めくくった。

本拠地での防御率は0.76も、楽天生命パークでは6.75と打ち込まれた

 球場別の投球成績を見ると、本拠地ZOZOマリンスタジアムでは12登板で防御率0.76、奪三振率13.12と圧倒的な数字。PayPayドームでは防御率1.50、京セラドームでは防御率2.25と、優勝争いを繰り広げた強豪2チームの本拠地でも好投を見せた。一方で、楽天生命パークは防御率6.75と苦手に。ただ、ZOZOマリンでの楽天戦では11イニングを投げて無失点と完璧に封じ込めている。東京ドームでは5回5失点(自責点4)と打ち込まれたが、3月に行われたオープン戦でも4回2/3を5失点と苦しんだ。

 次に結果球の割合を確認する。160キロをコンスタントに超える剛速球は、代名詞の一つとなっている。しかし、結果球の割合ではストレートが52.3%と、投球の過半数を超える程度にとどまっている。もう一つの武器である140キロ台のスピードで鋭く落ちるフォークが42.4%に達しており、決め球として多投していたことがうかがえる。

 140キロ台中盤に達する速度から縦に落ちるスライダー、ブレーキの利いたカーブも備えるが、この2球種が結果球として使われた割合はかなり少ない。基本的には、速球とフォークを中心とした投球の組み立てを行っていた。

 8月までは新人の松川虎生捕手とタッグを組んで快投を続け「プロ野球における完全試合を達成したピッチャーとキャッチャーの最年少(合計年齢)」としてギネス記録にも認定。若き黄金コンビの誕生を予感させたが、8月以降は速球のスピードがやや低下し、打ち込まれる試合も増え始めた。8月26日の楽天戦では2022年シーズンで初めて佐藤都志也捕手とバッテリーを組み、7回無失点と好投した。そこから3試合は佐藤都が先発マスクを被り、3試合全てで5回以上を投げて1失点と復調。2022年の最終登板となった9月26日のソフトバンク戦では再び松川とコンビを組み、6回1失点と好投した。

 8月26日以降の登板での結果球の割合は、ストレートとフォークの割合がほぼ同率だった。2022年のストレートの被打率は.227だったが、フォークは.112。2022年は球数を制限しながらの登板が続いたこともあり、規定投球回到達は果たせなかった。マメを潰したことによる投球への影響や、球場による得意・不得意といった課題も見受けられたが、さらなる進化も見込めるだけの数字を残している。「令和の怪物」は新シーズンにどんな投球を見せてくれるだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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2位から5位への大転落招いた助っ人の絶不調

 昨季パ・リーグ5位に終わったロッテは、井口資仁監督から吉井理人監督へと現場のトップが交代し、刷新された体制で今季の浮上を狙う。ただ気になるのは、補強の状況だ。昨季空いていた2つの“大穴”が、埋まっているとは言えないのだ。

 ロッテに昨季在籍した6人の外国人選手を保留選手名簿に入れず、12月に全員が自由契約選手として公示された。その後、巨人から自由契約となったCC・メルセデス投手、グレゴリー・ポランコ外野手の加入を発表。さらに昨季はタイガースでプレーしたルイス・カスティーヨ投手を獲得し、前ブルワーズのルイス・ペルドモ投手の加入も米国メディアで伝えられている。

 足りないのは野手だ。昨季在籍した外国人野手は、ブランドン・レアード内野手、レオネス・マーティン外野手、アデイニー・エチェバリア内野手の3人。2021年はオリックスと最後まで優勝を争ったチームの“転落”を招いたのは、レアードとマーティンの絶不調だった。

 レアードは2021年が29本塁打、95打点。それが昨季は15本塁打、48打点に。打率も.189という惨状だった。2021年に27本塁打、75打点を残し、強肩を生かした右翼守備でも活躍したマーティンは昨季打率.163の不振で68試合出場にとどまった。

 2人が予定されていた右翼とDHがどれだけチームの“弱点”となったかは、データでも証明されている。セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照してみよう。リーグ平均の選手を起用した時と比べ、どれだけ得点を増減させたかを示す指標「wRAA」で、ロッテの指名打者は-20.9でパ・リーグ最下位。5位の日本ハムが-3.4だから、どれだけ“独走”していたかが分かる。右翼も-6.1でリーグ4位と、+20.7で強みとしていた2021年から大きく落ち込んだ。

 新加入のポランコは、昨季巨人でこの「wRAA」は10.9とプラスの数値を叩き出している。ポジションも外野か指名打者だ。それでも打線の穴を埋めるには全く足りていない。さらなる補強があるのか。ファンの期待は高まっている。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

(フルカウント)


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