トンボが留まった!

心のつぶやきをここに記します。

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お兄ちゃんが恋しいと涙流すおばあちゃんの肩を抱いて、

2013-12-16 02:11:28 | Weblog

 

お兄ちゃんがこいしい!

フィリピンの田舎の農家、村には男手がなかった。
父親は、9人の子供を置いて戦死して、二人の年老いた祖母と、母親が、一生懸命田畑を耕してやっとの想いで生き延びていた。
上が、19歳の長男と、二男は、家族を助ける為に、村から逃げずに家に残っていた。

ある日、日本の兵隊が村にやってきて、男狩りを始めた。
急いで、母親たちは、二人の息子を、女装させ、その場を誤摩化そうとした。
しかし、靴が男物だと、バレてしまい、
二人の男の子は、銃剣で八つ裂きにされ、蹴るや殴るの燦々なめに会い、ついには、銃で撃たれて殺されてしまった。

武器も、止めるすべもなく、恐ろしさに泣き叫ぶ家族全員の目の前での出来事だ。
母親は、狂ったように叫んで、気を失い倒れた。
9歳だった彼女は、恐怖の中、必死で母親を抱きかかえていた。
その後も、母親は、決して立ち直る事はなく、10年間少女は母親の看病にくれた。
アメリカ軍に救われて、家族は、アメリカへ渡ったが、少女は一人後に残り母のそばで介護に勤め、ついに母親が息を引き取った19歳の時、彼女もアメリカへ渡った。

故郷では、誰も生き延びることが出来なかったのだ。

"戦争は、恐ろしいもんだ。

ごめんね、貴方には何の罪はないのは解っているから、こんな事話すべきじゃないネ。

でも、お兄ちゃんが恋しい。

とても優しいお兄ちゃんだったの、8人の妹弟たちをホントに可愛がってくれた、

一生懸命、家族の為に、働いて、なぜ、あんな残酷な死に方をしなければならなかったのか、、、

おかあさんが、狂ったようになっちゃって、、、ほんとうに恐かった!"

そういいながら、涙する77歳のおばあちゃん、

ついこないだの出来事のように、鮮明な想い出に、心を痛めて涙するおばあちゃんを目の前にして、
私は、おばあちゃんの手を取りながら、涙が溢れてきました。


70年近く、こんな苦しい想いを胸に、生きてきたおばあちゃん。


その日本兵たちの犯した罪、私には、いまさら、どうする事も出来ないけど、
精一杯心を込めて、介護させて頂こうと、心に言い効かせました。

このおばあちゃんが、少しでも、楽であるよう、
一日も早く、回復するよう、

残酷な乱暴を受けたおばあちゃんの心の傷がほんのすこしも、私のこの手で癒される事を祈って。



わたしは、弱音なんか吐いてられない!

過去は誰にも書き換えられない、でも、未来は今努力することで新しい事実を書き加えることができる。希望を持って希望を胸に踏ん張るしかないと思っている。