祖谷渓挽歌(いやだに・ばんか)~藍 友紀(あい・みゆき)著

「2007年自費出版文化賞」大賞受賞作品の紹介およびその周辺事情など。

3-9/医師国家検定試験について思う。

2017-03-09 20:23:43 | Weblog
なぜ医者になるための国家試験は簡単なのか?~今年の合格率は91.5%だった~


厚生労働省は3月18日、第110回医師国家試験の合格発表を行った。受験者数9,434名のうち合格者数は8,630名で、合格率の全国平均は91.5%だった。新卒者の合格率が100%だった大学は和歌山県立医大、順天堂大、慈恵医大、近畿大だった。

なぜ、医者を作るための医師国家試験はこれほど高い合格率なのだろうか。(中略)

なぜ合格率はこれほど高いのか?

医師国家試験の合格率は毎年90%前後と、高い合格率である。これは他の国家試験である司法試験(23%、平成27年)や公認会計士(10.3%、平成27年度)と比べてもかなり高い数字だ。



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「健診は百害あって一利なし」と
20年以上前から言い続けてきた
近藤先生の舌鋒が冴えわたる快著。

医療界の、健診PRの権威たちもバッサリ。

がん検診の宣伝マン、
中川恵一・東大医学部准教授の
不都合なデータ操作。

エビデンス・ベースド・メディスン(根拠に基づく医療)の伝道師、
名郷直樹氏による、エビデンスなき「大腸がん検診」「子宮がん検診」の推奨。

産婦人科医・宋美玄氏の、トンデモ論法による「ケンシン女子のすすめ」。

聖マリアンナ医科大学乳がん検診センター付属クリニック
福田護氏の、データなき「検診で乳がん死を減らせる」発言
(スイス医療委員会はデータに基づき、マンモ検診の廃止を勧告している)

京大名誉教授で、定期的な子宮がん検診を強く勧める
小西郁生氏の「自分の手は汚さない」エピソード。

日本医科大学教授・
勝俣範之氏の、逃げ恥さらして遠吠えやまない醜態。

しかし、日本人はまるでケンシン教徒だ。

欧米には存在しない(延命に役立つ証拠のない)
「職場健診」を、国が義務化して国民を薬漬けにし、
「人間ドック発見がん」で人がバタバタ死んでも、
あいかわらず
年間300万人以上がドック入りし続けている。

権威ある医学誌『ランセット』に載った論文によると
各国の、X線検査による発がん増加数は0.5~1.8%。
対して日本は3.2%と飛びぬけて高く、
近年のCT検査の増加分を加えると、
「検査被ばく発がん率」は、推定4.4%にもなるという。

最近、欧米で続々と
「がん検診をいくらやってもがん死は減らない」という
論文が発表されている。

前立腺がんのPSA検査も、乳がんのマンモグラフィも、
胃がん、肺がん検診も、
ストレスと無意味な検査・治療を増やすだけでくたびれもうけ、と。

実際、たとえばPSA検診が普及して
「前立腺がん」の発見数が10倍以上に増えても
前立腺がんで死ぬ人の数は変わっていない。

医療界も大マスコミも、そういうデータを無視して
「早期発見・早期治療でがんは治る」と
強弁し続けている。
戦時中と変わらない情報操作と、
「大本営発表」を警戒しよう。

元気でごはんもおいしいのに
健診や人間ドックで「病人」に転落させられないように。

必要のないクスリの副作用や手術の後遺症で
ボケたり、マヒが残ったり、早死にすることのないように。
自分の頭で考え、自分の体の声を信じよう。

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5つ星のうち 5.0
無知な善意と強欲な悪意が健康診断を推奨している投稿者 forest 投稿日 2017/2/20
形式: 単行本
「近頃の医者は、病気でもない人に病気だといい、軽い病気は重くさせ、重い病人は殺して、人の主君や父や子弟を長く苦しめ、あるいは殺し、そして自分の妻子を養っている。大罪を犯しながら刑罰を免れている医者の罪を、天がどうして見逃そうか。恐るべきことだ。」

私は本書を読んで、江戸時代後期の医者、中神琴渓の悲憤慷慨を思い出しました。(中神琴渓述『生生堂養生論』文化14年(1817年)刊)(小田慶一著『はぐれ医者の万病講座3』(風琳堂)より引用)

病気でもない人に病気だというための制度、それが健康診断です。本書に詳述してあるように、病人に仕立てるために仕掛けられた罠に驚くほど多くの人が引っかかっています。

高血圧の基準値は意図的に低く設定されています。認知症患者の何割かは健康診断等で高血圧と診断され、血圧降下剤を処方された人たちだと私は確信しています。病気の原因となった薬を何も知らずに今も飲み続けている認知症患者が山ほどいるはずです。本当にひどい話です。そもそも、ほとんどの場合、飲む必要のなかった薬なのです。大量の認知症患者を作り出したこの業界の罪と責任は極めて重いといわざるを得ません。

本書は健康診断の欺瞞と危険性を暴いて余すところがありません。本書により、跳梁跋扈する大ウソ医療に引っかかる人が激減することを願ってやみません。
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5つ星のうち 5.0
「健診はこれほど寿命を延ばす」、、、どなたか上梓されたし投稿者 Terminator XlX 投稿日 2017/2/18
形式: 単行本 Amazonで購入
近藤氏とアンチ近藤派言説の比較検討は上質の知的生産活動である。
ご存知の通り近藤氏はこれまで多数の著書、他のメディアで既存の医療観をことごとく覆している。
ガン治療然り、生活習慣病然り、医療界の利権構図然り、死生観を含む世界観然りである。
その近藤理論の中でも「がんもどき理論」は目下仮説である。しかしこの「がんもどき理論」に根底から反駁するには、その仮説を是とすると医療現場の実態に根本矛盾が生じることをまずクリアに解説せねばならない。背理法の定石である。
しかしアンチ近藤理論派の各専門医達がとるアプローチはいずれも異なる。
近藤言説の瑣末な「揚げ足取り」が彼ら全員の共通した反論様式なのである。
勝俣氏、大場氏、NATROM氏、大鐘氏、石井氏、高野氏、議論レベルは低いが長尾氏、そして他のアンチ近藤論者の言説をみても全てこの瑣末な「揚げ足取り」の範疇を出ていない。
これは有象無象、兵法を知らぬ者の浅知恵である。世の多種にわたる知的論争を紐解いてみても「揚げ足取り」で論争のイニシアチブを握った論者は原則として存在しない。
近藤理論がそれなりの市民権を獲得した理由は何故か、近藤著書のモチベーションはどこから来るのか、今後近藤理論の反駁を試みる論者はその歴史的考察と「孫子」を今一度レヴューする必要があるだろう。さて医療現場の実態を腰を据えて観察すると矛盾が生じるどころか近藤理論とサプライジングに符号する実態が続々と浮かび上がってくるはずだ。
これはかの近藤言説が後日、至る所で冷酒の如き説得力を持ち始める所以でもある。
本書は近藤氏が能う限り平易に「健康診断」の為害作用を解説したものである。
難解な内容を平易に解説する文章能力、今のところ数多の医療関係者の中で近藤氏に比肩しうる人材は見当たらない。
医療分野での適切なスポークスマンが近藤氏以外に事実上不在である現状は返す返すも無念である。
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厚生労働省は3月18日、第110回医師国家試験の合格発表を行った。受験者数9,434名のうち合格者数は8,630名で、合格率の全国平均は91.5%だった。新卒者の合格率が100%だった大学は和歌山県立医大、順天堂大、慈恵医大、近畿大だった。

なぜ、医者を作るための医師国家試験はこれほど高い合格率なのだろうか。この問題について、かつて同じ試験を受けた者として、また医師としての立場から論じた。

なぜ合格率はこれほど高いのか?

医師国家試験の合格率は毎年90%前後と、高い合格率である。これは他の国家試験である司法試験(23%、平成27年)や公認会計士(10.3%、平成27年度)と比べてもかなり高い数字だ。


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5つ星のうち 4.0
近藤氏のこれまでの医療に関する考え方、理論をまとめた本ということが出来ます!! 投稿者 直いい親父 トップ500レビュアー 投稿日 2017/2/20
形式: 単行本 Amazonで購入
 近藤誠氏は、慶応大学医学部出身で、専門はがんの放射線療法で、現在は、がんのセカンドオピニオン外来で活躍されています。
 近藤氏によると、がんには、上皮内に存在するがんもどきと、それ以外のがんがあり、前者は放っておいてもよい、 
 といういわゆるがんもどき理論で知られていて、近藤氏は、がんの治療に関しては放置というのが方針のようです。
 というのは信頼できる統計からみると、、がんの検診率は増加・・・発見数の増加・・・しているのに、死亡率は増加していないのです。
 この顕著な例が、韓国での甲状腺がんということになります。
 そこで、近藤氏は、前立腺がん、乳がん、等の検診は不要、と考えています。
 同じく近藤氏は、現行の血糖値、血圧、コレステロール値の基準値が低く、健康診断でこれらに異常が見つかり、
 無駄な投薬、加療が行われることから、健康診断そのものを否定しています。
 そして、これらは、製薬会社、医師の利益のために行われているとも言っています。
 本書は、近藤氏の医療に関するこれまでの考え方、理論をまとめたものといえると思います。
 しかし、がんもどきは放置していいても大きくならないので除去する必要性はないし、
 それ以外のものは、小さいときに転移していて、手術しても死期を早めるだけといっても・・・・・・・。
 しかし、過剰な検診、検査値による無駄な加療、投薬の考え方には、かなり説得力があると思います。


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