ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

ロシアのかぼちゃを使って

2008-08-31 03:02:49 | カフェ・レストラン・グルメ
日本の代表的な料理かぼちゃの煮物を作ってみました(写真右)

かぼちゃはロシア語でトィクヴァ(тыква)。

かぼちゃと聞くと、先ず真っ先に思い出すのは、深緑色のゴツゴツした外皮の中に眩しいオレンジ色の果肉が入っている栗かぼちゃですかね。あとハロウィーンで使われる、外観も中身もオレンジ色のお化けかぼちゃ。

こちらのかぼちゃは、後者に近いです。具体的に言えば写真左みたいに、細長い。

これが出回ってきた頃に、ロシアの人は秋の始まりを感じるのでしょう。季節野菜です。

筆者も早速、日本のあの煮物の味を作るゾと、購入し煮物を作りました。切ったかぼちゃに水、鰹だし、鰹節、砂糖、赤ワイン(料理酒がないため)、醤油・・・・。

結果は・・・・・・味つけはGOOD、「お袋の味」でした。しかし、かぼちゃは全く違う食感。栗かぼちゃのホクホク感を期待していましたが、このオレンジかぼちゃは水っぽく、ペチャッとした食感でした。ちょいとガッカリ

復路は飛行機で

2008-08-27 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
復路はアドレル・ソチ国際空港へ行き、そこから飛行機で帰宅しました。ソチ市街から空港までタクシーで1時間700ルーブル。

前記事で既に紹介しましたように、ベンチに座ってチェックイン時刻を待っている間、不審物騒ぎがありましたのでビックリ。日本と違って近隣諸国なので緊迫感倍増でしたし、筆者のお隣に不審物があること自体、経験ありませんでしたし。皆さんも気をつけてね。

さて復路の交通手段。

昔は悪評多いアエロフロートぐらいしかありませんでしたが、昨今の自由化や原油&物価高などに伴い、航空料金も最近は本当に高くなりました。 しかし、これを契機にリーズナブルなサービスを提供してくれる航空会社が次々に誕生し、競争しています。

その中のひとつ、ムルで評判のスカイエクスプレス(http://www.skyexpress.ru/)を利用しました。スカイエクスプレスのいい所は、ズバリ航空料金が激安のところ♪

片道(ソチ⇔ムル)利用のみですが、比較するとこうなります;
 アエロフロート利用     7,900ルーブル
 スカイエクスプレス利用 6,700ルーブル (1,200ルーブル=4,800円 お得♪)

更に往路で使った列車移動と比較するとこうなります;
 列車(4名コンパートメント)利用  6,982.50ルーブル
 スカイエクスプレス利用    6,700ルーブル (282.50ルーブル=1,130円 お得♪)
なんとなんとーっ!列車よりも安いんです♪

スカイエクスプレスの乗り心地ですが、フツーのアエロフロートと変わりません。

そしてこれがユニークなのですが、離陸するとメニューが渡されます。中をみると飲み物、軽食、おもちゃ、お酒などが掲載されています。これを見て注文し、お金はその場で支払う仕組み。何も欲しくない人は注文しなくてもいい。飲み物は治安上制限ありますが、食べ物は持込OKでしょ多分。もともと航空料金に食事などのサービスは含まれていないよう。

ゴミ回収の際は笑いました。
普通、
美し~いスッチーさんが、ボックスカートを引いて「美し~く」回収
していきますが、スカイエクスプレスでは、
美しーいスッチーさんが、大きな黒ビニール製ゴミ袋を手で持って「うんせうんせ」言いながら回収
していきます。

つまり、激安の秘密は、機内サービスにあったらしい。貧乏旅行したい人にはウレシイ航空会社ですね。

これを聞いて、次旅に利用しようと考えている方に注意。
チケット(A4サイズ)を当日搭乗の際に提示するのですが、このチケットが非常に曲者です。それはなぜかと言えば、確認すべき搭乗情報(日時、便名など)が蚤のように小さい字で印字されているからです。決して誇張ではありません。実際にものさしで計って1ミリでしたので。
これでは年配の人は、確認するのが困難でしょう。
そしてロシア語では6月(июнь)と7月(июль)はとてもよく似ています。見落とし&聞き落としが絶対ありそうです。
チケット購入の際は十分確認するようにしましょう。


ソチ(夕方発)→モスクワ(空港内で7時間待機)→ムルマンスク(夜中3時着)。
我が懐かしのムルには、まだ白夜が残る3時に着き、やぶ蚊が舞う中さっさとタクシー拾って帰宅したのでした。

=КОНЕЦ РАСКАЗА(ムルマンスク⇔ソチ3866kmの旅 完)=

※次からいつもの通りムルマンスク情報を発信する「ムルマンスク便り」に戻ります。


治安に気をつけよう

2008-08-26 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
最近、グルジアvs南オセチア共和国で勃発した紛争が、大きく発展して米国vsロシア、更に世界は多極化の方向へ進んでいます。

今回の紛争で舞台となったコーカサス地方(Кавказ、カフカースとも)は、グルジアを含む12地域(詳しくはウィキのカフカース参照)で構成されますが、ここは昔から紛争が絶えない地域として有名です。

そしてこの地域に住む所謂コーカサス系と呼ばれる人々は、小さい頃から平和かつ建設的な教育ではなく、即戦力となるように軍隊教育を施されるところが多いそうです。このため、欲しいものは強奪する、というのが彼らの主体に根付いています。

[1]コーカサス系による強盗etc
夕方通りを歩いていたとき、筆者の右側をコーカサス系の若い男が走っていきました。彼は、見てくれに相応しくないラメのバッグを左手に持ってちらちら物色していました。恐らく、どこかで女性からひったくって逃走してきたのでしょう。

また夜に筆者が土産屋を物色していたとき、背後の暗闇から近づかれました。もしここでもう少し長居していたら、そして購入しようとバッグや財布を開けていたら、盗難被害に遭っていたかもしれません。

コーカサス系の人は情熱的な人が多く、彼方此方で女性に果敢&不撓不屈でアプローチしている様が見られます。
聞くところによると、黒髪女性が人気で、髪を纏めず風になびかせるようなヘアスタイルだと、コーカサス系の男性が良く声をかけてくるとか。更に筆者の容姿は10代に見られるらしいので、コーカサス系からしてみれば、「ザンバラ黒髪&teen agerのカモが、ネギ背負ってやって来た。ちょいとコマシて美味しい思いをしよう」と思われ、彼らの興味をそそる可能性が大いにあるとのコト。・・・・・・なので学校の校則宜しく、髪は束ねて行動し、終始誘いを無視し続けることを余儀なくされました。

特に女性は、声かけられたと思い上がらず、襲われないように気をつけましょう。
男性も、貴重品類が盗難されることが無いように気をつけましょう。

[2]爆弾テロ(?)
復路アドレル・ソチ国際空港に到着しベンチに腰掛けていたとき、ビールケースくらいの大きさで封されていたダンボール箱(不審物)が、筆者の横にひっそりと置かれていました。売店の後ろに目立たぬように置かれていたので不審に思い、傍にいた警官に通報、周囲の利用客を避難させるハプニングにまで及びました。結局はただの空箱であったことが調査でわかり、大事には至りませんでした。

コーカサス地方は、昔から地政的思惑が交錯し、紛争が絶えない地域。人が集まる施設等を爆破対象にした爆弾テロ事件が起こっても、可笑しくありません。ソチも北コーカサス地方に含まれます。まだ紛争地域から離れている分安心ですが、油断は出来ません。

外務省の安全情報を前もって熟読し、現地では十分注意して行動しましょう。

http://www.pubanzen.mofa.go.jp/info/info4.asp?id=178#header 外務省海外安全情報(ロシア連邦)のHP

生まれたままの姿で海に抱かれよう/ソチ市近郊(6) アドレル

2008-08-25 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
アドレル(АДЛЕР)は、ソチ駅から電車で40分(20ルーブルくらい)、マルシュルート135で60分(20ルーブルくらい)。

アプハジア自治共和国との国境付近に位置するアドレルはその昔村でしたが、アドレル・ソチ国際空港の建設により一気に栄えました。小さな空港ですが利用者は多く、特に夏季はひっきりなしに運行しています。夏季限定ですが、ムルマンスクへの直行便もあります(週2便)。

浜辺はソチ市街ほどではないですが賑やか。空港が近くにあるので、浜辺で寝そべっていると発着便の往来の音がとても大きく聞こえます。航空機ヲタの方なら、飛翔している航空機の容姿から機種を言い当てられるかもしれません。それくらいの距離です。

浜の近くには、白亜の壁と鱗模様の屋根が印象的なロシア正教会があります。ロシアの著名なイコン画家、アンドレイ・ルブリョフの「三位一体」のレプリカが、教会入口に掲げられています。

また、アドレルには有名なスポットがあります。

ここはソ連時代から、ヌーディストビーチ(Нудистический пляж)があることで有名です。またはナチュリストビーチ(Пляж натуристов)とも呼ばれるそうですね。

追記:弊ブログ人気ランキング見るとこのページが多いようなので、ヌーディストビーチ関連情報は続編「やっぱ黒海は気持ちイイ~♪ですねぇ。(2009.09.25付)」も併せてお読みください。[2014.01.09]

なんでも、およそ20年前に誕生したロシアで最も古いヌーディストビーチとのこと。ソ連邦崩壊の数年前といったところでしょう。あの頃は既にイデオロギーもグダグダだったとはいえ、状況を知らない人が聞いたら、ソ連という国がますますわからなくなるでしょう。

日本にはそのような専用区画はありませんですが、非公式では存在するようですね。大型SNSのmixi内には1,300名ものコミュニティ参加者がいて、情報交換されているようです。

ヌーディストビーチといえばむしろ、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダなどが有名です。ロシアのそういった情報はなかなか見つけにくいのですが、筆者が調べた限りでは現在、モスクワ(5箇所)、サンクトペテルブルク(1箇所)、クリム(1箇所)、アドレル(1箇所)の4都市9箇所に専用区画があるようです。結構あるものですね。

筆者が訪れたときには、そのようなアドレルの園の人々に会いませんでした。
いるときは白昼堂々と日光浴をされているらしいのですが、時間帯や季節を見計らって出かける必要ありかも。浜辺の傍にはビーチバレーコートもあります。アドレルの園の人々が対戦するのでしょうか?

ここのビーチの良さは、日本人が一人もいない、というところだと思います。四方八方知り合いどころか、日本人が一人もいないので、視線や盗撮などに対する不安が薄らぐかもしれません。外国人向けの案内は全くありませんですし、皆さんロシア語で話しますので、ここまで来ようとする外国人は極めて稀です。更に、この専用区画はかなり奥にあります。

ヌーディズムを実行している人は、自然回帰志向であったり、衣服の拘束からの解放感を味わう目的を持った人です。彼らは、他人に裸を見せたり見られたりすることを楽しむ露出行為や、性的活動が目的ではありません。

従って利用される際は、裸=性と結び付けて彼らの活動を"性的なもの"と捉えないよう常に意識し、撮影行為や性行動などを止め、彼らの平穏を脅かすことが無いようにお願いしますね。平和に活用ね。
(*^▽-)bネッ

<画像>
1コマ目 アドレルの位置
2コマ目 アドレル鉄道駅舎(左上)
      アドレルの教会(右上)
      列車内の様子(左下)
      列車内の様子(中下)
      教会のイコン、A・ルブリョフ作「三位一体」(右下)
3コマ目 浜辺の様子(左上)
      誰かが浜辺につくった石のアート。太陽マークの下にАДЛЕР2008と書いてあります(右上)
      スタローバヤの看板(左下)
      浜辺からみえる飛行機(右下)
4コマ目 浜辺の様子(左上)
      美化を呼びかける看板。Чистота - это красота.(清潔-これは美である)(右上)
      別の専用ビーチを案内する落書き(電話番号つき)(左下)
      筆者妄想図(右下)


2014年五輪開催予定地/ソチ市近郊(5) クラースナヤ・ポリャーナ

2008-08-24 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
クラースナヤ・ポリャーナ(КРАСНАЯ ПОЛЯНА)は、ソチ市街からマルシュルート135で135分(65ルーブル)。

タイトルにあるように、ここは2014年冬季五輪開催予定地区として有名です。

Эстосадок(エストサードク)というところが終点、クラースナヤ・ポリャーナです。まだ上には山があるのですが、中腹で下ろされます。肌寒いです。

ここは五輪の影響を受けて観光化が進み、あちこちに土産屋が立ち並んでいます。さらに上りたい人はここからリフトに乗って行きます。丁度箱根山を思い出します。6回乗り継ぎで頂に出られるようです。料金は800ルーブル(高っ!)ただ残念なことにこの日は天候があまりよくなく、リフトの半分は運休でした。

ここのスタローバヤで安くて美味しい料理を食べました。地元で獲れたフォレーリфорель(※)という魚で作られたウハーは絶品♪
※ 岩魚、ヤマメににた魚

更に別のカフェでオヤツとしてロシアクレープ練乳掛けを食べました。うまうま~(蜂蜜掛けもオススメとか)。

復路バスの中から、斜面に設置している蜂箱が右手にいくつも見られます。ここは蜂蜜の産地でも有名。養蜂場見学を募集しているツアーがソチ市街で申し込めるそうです。興味ある方は是非♪

また途中、道路を牛や巨大黒豚がの~んびり歩いているかもしれないハプニングもあり。

是非遊びに行ってみて。


<画像>
1コマ目 クラースナヤ・ポリャーナの位置
2コマ目 クラースナヤ・ポリャーナの大自然の様子
3コマ目 食堂や土産屋がいっぱい!

湯治場でほっこり/ソチ市近郊(4) マツェスタ

2008-08-23 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
マツェスタ(МАЦЕСТА)は、バス121で30分(ルーブル)。

ソチ駅とホスタ駅の間の山間部にあります。ホスタ陸橋の手前で山方向に曲がるとマツェスタの入口に入ります。ソチ市内のホスチンスキー地区内にある小さな町(村?)です。

マツェスタでは硫黄泉が噴出しています。このためマツェスタ入口に差し掛かると、硫黄の匂いがプィ~ンとしてきます。ここは昔から湯治場として有名です。町の中ほどまで行くと、白亜が印象的な温泉病院があります。このようなところで、療養したらすぐにでも直りそう。

この温泉病院の近くには、温泉博物館(Мацестинский источник)があります。入ってすぐに石造の噴水があります。噴出して流れているのは、モチロン硫黄源泉です。

乳緑色に美しく輝いていて、石の脇からフツフツ溢れ、ポタリポタリ落ちていく様子はとても芸術的です。
この噴水では全身入浴は無理ですが足湯&腕湯はできますので、じっくり浸かってきました。程よい温さと硫黄効果で、足のだるさがすっ飛んだようでした。

噴水の置くには閉鎖された洞窟があります。洞窟の中は柵から見え、源泉が湧き出ている様子がわかります。洞窟入口にはロシア正教の聖人のイコンが掲げられていました。その隣にも柵で覆われた源泉場があり、強く匂う硫黄源泉がフツフツ湧き出る様子を見ることができます。

<画像>
1コマ目 マツェスタの位置
2コマ目 マツェスタ温泉病院(中央)
      ホスタ陸橋。手前の道を左折直進するとマツェスタに到着(左下)
      蘭の花に似た芳香がとてもよい樹花(右下)
3コマ目 マツェスタ源泉博物館内。オブジェの間から滴り落ちる源泉の雫。(左上)
      マツェスタ源泉博物館のオブジェ。緑色なのは硫黄泉と光線のせい。(右上)
      マツェスタ源泉博物館内にある源泉。フツフツと湧き出しているのがわかる。(最左下)
      マツェスタ源泉博物館内にある洞窟。傍にある絵は聖ニコライのイコン。(最左下から2つ目)
      マツェスタ源泉博物館のオブジェ。(最右下から2つ目)
      マツェスタ源泉博物館の営業案内。(最右下)


夏も近づく八十八夜/ソチ市近郊(3) ダガムィス

2008-08-22 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
ダガムィス(ДАГОМЫС)は、ソチ駅から電車で60分(14.6ルーブル)、バス153で60分(20ルーブルくらい)。

ここは前出記事で紹介したように、温暖な気候と斜面を利用して茶葉栽培が盛んです。

バスを降りてすぐにある、浜辺通り入口にダガムィス茶工房БАЛОВЕНЬ(バロベニ)の直売所があります。お茶150グラム60ルーブル安いーっっっ!
着色料無使用で芳香やわらか、深褐色の紅茶を楽しめます。フレーバーティーもあります。またなぜかインド製の茶も置いています。

ソチ市街の街頭などで募集しているミニツアーの中にはЧайный домик(お茶の家)というコース(5,000円くらい)があり、これを利用すると茶工房見学ができるようです。筆者は利用しませんでしたが。

浜辺に向かう途中、彼方此方に葡萄棚や月桂樹を見かけます。それは、ここはコーカサス系の人が多く住み、料理に葡萄葉などを良く使うためです。コーカサス料理屋も何軒かあります。通りの名前もロシアっぽくありません。

宿貸しもホテルも、ここはソチ市街の半額。なので、ソチ市街からあまり離れたくないけど、宿泊にお金をあまりかけたくない人には適。

浜辺までは300メートル弱。ここの浜辺も結構賑やかでしたwww。


<画像>
1コマ目 ダガムィスの位置
2コマ目 ダガムィス川に架かっている吊橋。橋から大量の魚が泳いでいるのが見える。(左上)
      吊橋近くの林檎の木(中上)
      方向指示板(上から順に、ソチ市街方面、健康センター「ダガムィス」方面、鉄道航空チケットセンター)(右上)
      アルマビールスカヤ通り26番地(中央)
      ダガムィス茶葉専門店(左下)
      葡萄棚(中下)
      ダガムィスバスターミナル(右下)
3コマ目 ダガムィス鉄道駅(左上)
      浜辺の様子(右上、中央、中下、右下)
      浜辺入口の様子(左下)


ソ連時代から続く大衆食堂/スタローバヤ

2008-08-21 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
聞くところによれば、ソ連時代に生まれたらしい言葉スタローバヤ(столовая)
意味は「大衆食堂」とでも言いましょうか。高価なカフェ&レストランが多くなったソチ周辺では、本当に少なくなってしまいましたが、廉価&美味なロシア料理を食せる庶民のための食堂。

食堂といいましても、三角巾したおねぇさんが注文を受けに来るわけではありません。お客が一列に並び、料理を注文&受取に行くシステムです。
 1)お盆とナイフ・フォーク・スプーンを取る。
 2)最初のセクションでサラダや前菜を受けとる。
 3)次のセクションで、スープ(ロシア語でピェルバヤ・ブリューダ)を注文&受けとる。
 4)その次のセクションで、メインディッシュと付け合わせ(ロシア語でフタラヤ・ブリューダ)を注文&受けとる。
 5)そのまた次のセクションで、飲み物を注文&受けとる。
 6)会計をする。
 7)各自の席に着く&食べる。
 8)食べ終わったらそのままにして立ち去る(あとで食堂のおねぇさんが撤収しにきます)。

ソチ市街地には浜辺に2軒、浜辺に沿う緑地に2軒、ゴーリキー通り沿いとクロールトヌィ大通り沿いにそれぞれ1軒ありました。
ホスタには、浜辺入口と浜辺にそれぞれ1軒ずつ。
クラースナヤ・ポリャーナには1軒。
ダガムィスには浜辺に続くとおりに2軒。
アドレルには3軒ぐらい?
そしてラーザレフスキィには浜辺に多数軒!たくさんありすぎてカウントしていません!さすが庶民の味方ラーザレフスキィ!

ロシアのスープの代表格は、なんといってもボルシチですね。
でも筆者の大好物がサリャンカなので、ソチに来てから、ほぼ毎日サリャンカばかり注文していました。
サリャンカというのは酸味の利いたトマトスープのこと。サリャンカといってもいろいろ種類があります。サラサラスープもあればピューレ状のものもあります。どれも絶品で美味しい!肉は牛豚鶏どれ使ってもいいみたいです。大事なのは塩漬けきゅうりとトマトピューレ。これがないとサリャンカではナイ!ロシアの塩漬けきゅうりはやや酸味があります。ニシンの酢漬けと同じくらい、ウォッカの肴として有名。

特に美味しかったサリャンカは、ソチ市街の浜辺に沿う緑地にあるスタローバヤが出している、グルジア風サリャンカ。グルジア風サリャンカはピューレに近いスープでしたが、スパイスが良く利いてと~っても美味しいのです。やや辛めなので大人向き。

あと、デンドラーリ公園の入口近くにあるカフェも実は昼間はスタローバヤになります。ここのサリャンカも濃厚で美味でした。

<画像>
1コマ目 スタローバヤの看板(全てラーザレフスキィで撮影)
2コマ目 クラースナヤ・ポリャーナで食べた、豚角の煮込み温野菜添え、サリャンカ(左上)
      アドレルで食べた、冷製スープ・アクローシカ、ソバの実飯、鶏肉のグリル(左下)
      ホスタで食べた、サリャンカ、テフテリ、ポテト炒め(中上)
      ダガムィスで食べた、サリャンカ、ポークソテー、マカロニ(中下)
      デンドラーリ公園近くで食べた、サリャンカ、チーズ&トマトのせハンバーグ、マッシュポテト、サラダ(右)


コーカサスの秘酒/チャチャー

2008-08-20 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
ロシアのお酒といえばウォッカ。アルメニアで有名なのはコニャック。グルジアではワインが有名です。そのグルジアにはもう一つ名物のお酒があります。それはチャチャー(ча-ча)と呼ばれるお酒。

チャチャーは葡萄から作られる蒸留酒。まぁ葡萄版ウォッカとでもいいましょうか。ロシア国内では販売されているところが非常に少ないですが、前出のラーザレフスキィではコーカサス系の人が多いせいか、あちこちで販売されています。お酒といい辛味香味の利いたウンマイ料理といい、グルジアは旧ソ連諸国イチのグルメ大国だと、筆者は勝手に思っています。
(南オセチア自治共和国に侵略戦争なんか仕掛けたなんてー何たやってるんだーこの度○ほ国家ー!)

酒のキオスクを覗くと、小さな樽が山積みにされていて、注文を受けるとその樽の蛇口を捻り、新鮮なチャチャーをお客さんの好きなだけ飲ませてくれます。ぐい飲みカップぐらいの量(100cc)は10ルーブル、ボトル売り1リットル200ルーブルくらい。

香り高く新鮮な葡萄ジュースを思わせます。本当にジュースだと思って一気に飲んでしまいそう。色は無色透明。レモンの薄切りをおまけでくれる親切。

でも、口にチャチャーを流し込むと・・・舌に、そして五臓六腑にビリリくる刺激! 葡萄版ウォッカと言われる所以ですね。

飲むときのコツは、普通のウォッカのときと同じように、一口飲んだらすぐ息を吸うこと!逆に息を吐くと、悪酔いするそうです。そして酒の肴を素早く召し上がってください。レモンでも、サーロ(豚の脂身塩漬)でもOK!

コーカサスの秘酒チャチャーの樽生は、ロシア国内ではラーザレフスキィでしか味わえません(多分)。さぁ呑み助&呑み子&大トラ&小トラ、グルジアは要チェックですよ!きな臭さがなくなったら、是非弾丸旅行www!

残念ながら樽生を味わえない人は、下記リンクをご参照ください。芳醇な蒸留酒チャチャーについて詳しく掲載&販売されています。

http://homepage3.nifty.com/w_yoshi/ak/cavcas/cavcas07.html コーカサスのとりこ
http://www.georgia-wine.com/georgianwine.gift.htm グルジアのお酒専門店
http://www.rakuten.co.jp/azumazuru/674366/712519/#854456 楽天で販売されているチャチャー

<写真>
チャチャー樽生(左)
無色透明のチャチャー(中)
酒のキオスク(右)


庶民の味方の大海水浴場/ソチ市近郊(2) ラーザレフスキィ

2008-08-19 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
ラーザレフスキィ(ЛАЗАРЕВСКИЙ)は、ソチ駅から電車で90分(36ルーブル)、バス155で120分(22ルーブル)。

往路はバスで長く揺られながら向かいました。ラーザレフスキィがある北方へ向かうバスが、連なる山々を右に左に折れて進み、緑溢れる大自然を見せてくれます。ヘアピンカーブ多し。深い山々の狭間を、ひたすら進んでいるのがわかります。途中サナトリウムや国民休暇村などの看板に頻繁に遭遇します。

2時間後に、ラーザレフスキィに到着。白く眩い駅舎が惹きつけます。

ラーザレフスキィはグンと広くて、ロシア国内じゅうの海水浴客がどっと集う、賑やかな海水浴場です。ソチ市街と違い、物価が安いせいでしょうか。この海水浴場は、庶民の味方です。訪れた時は生憎の天気で、浜辺にも1mを越える高潮が押し寄せていました。海水浴は遠慮しましたが、町の散策はしました。

ここはホスタ以上にコーカサス系の人が多いです。
コーカサスの秘酒チャチャー(後記事参照)はここで飲むことができます。
コーカサス料理屋はありますが、なにより驚いたのは、スタローバヤの数!
高額なカフェレストランが多いソチ市街地とは対照的に、安価で庶民的なスタローバヤが軒を連ねています(後記事参照)。

帰りは電車で。普通列車でのんびり帰りました。列車は運賃安価ですが、本数少ないので、時刻表で予め確認して計画を立てましょう。

※急行に乗車する場合は、パスポートを提示しないと切符を購入できません。気をつけて。


<画像>
1コマ目 ラーザレフスキィの位置
2コマ目 往路途中で見た大自然(左上)(中上)(右上)
      サナトリウムの案内板(左下)
      ラーザレフスキィ歩道橋からみた車道。結構車通り多し(中下)
      ラーザレフスキィ鉄道駅舎(右下)
3コマ目 ラーザレフスキィ海水浴場入口(左上)
      浜辺の様子(右上)
      高潮に挑む酔っ払い(左下)
      町の様子。椰子の木が南国を感じます(中下)
      町の様子。噴水です。(右下)