M for Michael Gruber♪- Mは、マイケル・グルーバーのM~♪

キャッツDVDのマンカストラップ、アメリカの舞台俳優、Michael君のことや、ブロードウェイニュースをお伝えします。

Michael君の書いた記事 - ACLのオリジナルとリバイバルに出演して

2008-02-22 00:24:10 | Michael 08 ACL
Broadway.comで、Michael君(マイケル・グルーバー)が書いた記事を紹介していますので、こちらでもご紹介しますね~。 (写真は、その記事でも使用しているMichael君のヘッドショットです。)

記事のタイトルは、「My Twice-in-a-Lifetime Experience in A Chorus Line (僕の人生における2回の『コーラスライン』出演経験)」です。原文は、残念ながら、現在はごらんいただけません。

冒頭の「About the author (筆者について)」では、記事を書いたMichael君のことを紹介しています。内容は、以下の通りです。

その優れた才能と機会に恵まれたおかげで、マイケル・グルーバーは、Broadwayのオリジナル版「A Chorus Line」(ファイナル・ステージでの伝説的なパフォーマンスは有名である。)と現在上演中のリバイバル版の両方に出演した唯一の俳優として、演劇史に名を残すこととなった。

20年近くになる彼のキャリアの中で、グルーバーは、当時のBroadwayのロングラン記録を更新した作品(「Cats」 彼はマンカストラップを演じていた。)、「Kiss Me, Kate」、「Swing!」、「Miss Saigon」、「My Favorite Year」といったBroadway作品に加え、Off-Broadway作品の「The Wizard of Oz」やEncores!シリーズの「Stairway to Paradise」に出演してきた。地方公演では、「Singin' in the Rain」や「Easter Parade」、「White Christmas」、「Godspell」等の主役をはじめ、数多くの作品に出演している。オリンピック出場を目指してトレーニングを重ねていた飛び込みの全米代表選手出身の彼は、作曲の才能にも恵まれ、すでに3つのミュージカルを書き上げている。

そんな彼が、かつて出演したオリジナル版と現在出演中のリバイバル版「A Chorus Line」の思い出を語ってくれた。


そして、Michael君自身が書いた記事本文の内容は、以下の通りです。

「A Chorus Line (以下ACL)」は、僕が初めて出演したBroadway作品でした。「I Can Do That」というソロナンバーがあるMike Costaという役を手に入れた当時、僕は、まだ24歳の元気のいい若いダンサーでした。よくある話ですが、中学生の頃、故郷のシンシナティでACLを見て「これこそ、僕がやってみたいことだ。」と思って以来、ずっとACLの舞台に立ちたいと熱望していたのです。

今でも鮮明に記憶に残っているのですが、1990年4月28日のオリジナル版の最後のパフォーマンスは、お祭り騒ぎといった状態でした。
その日は土曜日で、マチネとイブニング・ショーがあったのですが、僕達ファイナル・カンパニーにとっては、ACLという作品をきちんと演じられたという意味では、マチネがラスト・ショーだったのです。
その晩の最後のショーの主役は、僕達ではなく、大勢のオリジナルキャストを含む、ACLを愛し、別れを告げるためにやってきた観客達でした。
最後のステージの上に、「6137」という、上演回数を表す美しいネオンサインが下げられていたのを、今でも覚えています。

僕にとって何よりも忘れられない思い出は、その晩の僕のソロナンバーが終わった後、丸1分くらいの間、観客の歓声が鳴りやまなかったことです。こんな経験は、ほかのどの作品でもしたことがありません。「Cats」に出演していた時、ACLのロングラン記録を破った晩のショーに出演したのですが、その時でさえもこんなことは起きませんでした。今にして思えば、あれは、僕個人に向けられた歓声ではなく、作品そのものへの歓声だったのでしょう。まさに1つの時代の終わりを告げる晩だったのですから。

最後のショーの後、Mamma Leone'sで行われたパーティで、オリジナル・カンパニーでマイクを演じていたWayne Cilentoに会うことができました。彼は、とても魅力的な人だったのですが、オリジナルキャストのメンバーは、あまり僕達ファイナルキャストと親しくしようとはしなかったのです。彼らは部屋の向こう側に固まっていて、僕達は部屋のこっち側に集まっているという感じでした。
当時は、彼らが僕達とうち解けようとしてくれないことにがっかりしたのですが、40歳を過ぎて、20代の若い連中と一緒に舞台に上がるようになった今、当時の彼らの気持ちがわかるようになりました。彼らは、世代の違う僕達にはわからない、彼らだけが共有できるノスタルジックな絆で結ばれていたのでしょうね。

その後も何度かあちこちのACLのオーディションを受けてみたのですが、今回のリバイバル版で、Gregory Gardnerを演じていたMichael Paternostroの後任に決まるまで、この作品に再び出演する機会を得ることはできませんでした。

このリバイバル版には、オリジナル・カンパニーでConnieを演じていたBaayork Leeが制作に加わっており、彼女と一緒に働けることは、僕にとって、素晴らしい体験でした。僕がオリジナル版に加わった頃には、監督のMichael Bennettはすでに亡くなってしまっていたのですが、彼女は、今でも監督が生きていた当時のことをよく覚えているので、当時のことをいろいろ話してくれました。

オリジナルカンパニーでGregを演じていたMichel Stuartの演技は、たいへん素晴らしいものでした。彼は、Gregを教養があって芸術的なセンスのあるキャラクターとして演じました。中西部出身のカソリック教徒である僕にとって、ブロンクス出身のユダヤ教徒を演じるというのはとても異質なことなのですが、Gregをセンスのある洗練された人物として作り上げた彼の気持ちには共感することができました。経験豊富で自信に満ちあふれたGregは、ゲイという設定で、観客を少し驚かせる役柄です。

Connie役のBaayorkとMichelは親しい友人だったので、それを反映して、GregとConnieも親しい間柄として演じられています。またGregとCassieも、共に他のオーディショニー達よりも年長な者同士として親しい間柄という設定になっています。そういう背景があるので、Cassieは、舞台上で1列に並んでいる時、Gregともう1人の年長なオーディショニーであるSheilaの間に立っています。
おそらく観客はこういった背景を知らないと思うのですが、こういう背景を知ることが、僕がGregを演じる上での大きな助けとなっているのです。

今日、この作品を改めて見て、現代的な雰囲気を持ち続けていることに感銘を受けました。作品が作られた当時は、まさに時代の先を行く、革新的な作品だったのでしょう。Michael Bennettは、ごく普通な人々の実生活に基づいた作品にすることが、観客の興味を引きつけるのだということを知っていたのです。これは、Nicholas DanteとEd Klebanが書いた「A Chorus Line」という作品が、時代を超越していることを証明しています。この作品がいつの時代にも色あせることなく受け入れられるのは、これが真実の物語であり、移り変わりの早いポップカルチャーに基づいた作品ではないからでしょう。

僕が、演じる側の立場から見てこの作品の完成度が高いと思うのは、演じる時に自分の役をいちいちいじくり回す必要がないからです。あまり手を入れ過ぎると、逆に作品の新鮮さを失うことになりかねません。僕がすべきことは、エゴを取り去り、演技に専念することで、そうするによって作品に現実感を与えることができるのです。シンプルかつリアルであることが大切です。

僕は、このリバイバル版には、ほかの9人と一緒に昨年の夏から参加したのですが、自分達に関係のないナンバーは省いてリハーサルをしていました。そのため、最初のショーの時まで、Jeffrey Schecter演じる「I Can Do That」を見る機会がありませんでした。
彼のパフォーマンスは本当に素晴らしく、とても感動しました。彼のパフォーマンスを見ている間にさまざまな思い出が鮮やかに脳裏に浮かび上がり、懐かしい思いに包まれながら、こうして再びオーディショニーの1人として白いラインに立つことのできた幸運を噛み締めていました。

その後、彼と2人でいろいろ話す機会があったのですが、彼は、オリジナル版で僕が演じた「I Can Do That」を見たことがあるのを覚えていたのです。
「ファイナルカンパニーで僕と同じ役を演じていた時、ナンバーの最後に宙返りをした?」と彼にたずねられたので、僕は、「したよ。」と答えました。すると彼は、こう言いました。「僕は、14歳の時、TVであなたのパフォーマンスを見たんだ。そして、思ったんだよ。『これこそ、僕がやってみたいことだ。』ってね。」


最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。