板橋 興宗, 有田 秀穂 佼成出版社
曹洞宗大本山総持寺元貫首・曹洞宗元管長、板橋興宗禅師と、セロトニンの権威、脳生理学者有田秀穂氏の対談。
板橋禅師のことは、以前から、その飾らない気さくなお人柄と、保守的な仏教界にいながら、忌憚なく発せられるラディカルな言動に惹かれていたが、昨年ご縁あって現在住職をされている御誕生寺でお会いすることができた。
著書通りの気さくで温かく、誠実な禅師さまでいらした。
いわゆる禅僧の師家にありがちなハッタリや高慢な言動がまったくない。
日々、自然の移り変わりとともに修行僧や猫たちと心穏やかに、しかし、自己の修行には厳しくお暮らしになっている、そんな印象を受けた。
この方がお亡くなりになったら、曹洞宗には果たしてあと何人、導師と呼べるだけの「人」がいるのだろう・・・
そう思うと暗澹たる気持ちになる。
もっともそういうとき自分のことは棚上げにしているのだが・・・。
さて、本書は、何よりも、有田氏との対談を通して、坐禅の臨床的な効用が、脳生理学の見地からはっきりと述べられている点が画期的である。
つまり、坐禅をすると心をコントロールするために働くセロトニン神経が鍛えられるというのである。
現代人の多くはパソコンや昼夜逆転の生活の影響でこのセロトニン神経が弱まっており、その結果、鬱やパニック障害、キレ易いなど、さまざまな心の問題が起こっているのだという。このセロトニンを板橋禅師は体験的にハッピーホルモンと名づけているが言い得て妙である。坐禅が深まって心が澄んでくるとなんともいえない多幸感を覚えるのはよくあることだ。
しかし、有田氏は坐禅だけが特別なのではないという。セロトニン神経を鍛えるには、念仏でもいい、リズム運動だっていい。あくまで臨床的な見地から、心に効けばいいのだと・・・。
われわれ宗門の人間は、ともするといたずらに禅に対して神秘性や宗教性を付加してはいないだろうか?
禅を神棚の上に載せて、在家の人の禅への道を狭くしてはいないだろうか。
そうすれば禅についてとやかく聞かれることはないし、自分が日ごろ坐禅していないことについても問われることもない・・・。
「坐禅は心に効く」ということ、まずはそのことをアピールして禅へ導いていくことが、現代、求められているのではないだろうか。私自身、その臨床的結果に大いに勇気付けられたのだから。
曹洞宗大本山総持寺元貫首・曹洞宗元管長、板橋興宗禅師と、セロトニンの権威、脳生理学者有田秀穂氏の対談。
板橋禅師のことは、以前から、その飾らない気さくなお人柄と、保守的な仏教界にいながら、忌憚なく発せられるラディカルな言動に惹かれていたが、昨年ご縁あって現在住職をされている御誕生寺でお会いすることができた。
著書通りの気さくで温かく、誠実な禅師さまでいらした。
いわゆる禅僧の師家にありがちなハッタリや高慢な言動がまったくない。
日々、自然の移り変わりとともに修行僧や猫たちと心穏やかに、しかし、自己の修行には厳しくお暮らしになっている、そんな印象を受けた。
この方がお亡くなりになったら、曹洞宗には果たしてあと何人、導師と呼べるだけの「人」がいるのだろう・・・
そう思うと暗澹たる気持ちになる。
もっともそういうとき自分のことは棚上げにしているのだが・・・。
さて、本書は、何よりも、有田氏との対談を通して、坐禅の臨床的な効用が、脳生理学の見地からはっきりと述べられている点が画期的である。
つまり、坐禅をすると心をコントロールするために働くセロトニン神経が鍛えられるというのである。
現代人の多くはパソコンや昼夜逆転の生活の影響でこのセロトニン神経が弱まっており、その結果、鬱やパニック障害、キレ易いなど、さまざまな心の問題が起こっているのだという。このセロトニンを板橋禅師は体験的にハッピーホルモンと名づけているが言い得て妙である。坐禅が深まって心が澄んでくるとなんともいえない多幸感を覚えるのはよくあることだ。
しかし、有田氏は坐禅だけが特別なのではないという。セロトニン神経を鍛えるには、念仏でもいい、リズム運動だっていい。あくまで臨床的な見地から、心に効けばいいのだと・・・。
われわれ宗門の人間は、ともするといたずらに禅に対して神秘性や宗教性を付加してはいないだろうか?
禅を神棚の上に載せて、在家の人の禅への道を狭くしてはいないだろうか。
そうすれば禅についてとやかく聞かれることはないし、自分が日ごろ坐禅していないことについても問われることもない・・・。
「坐禅は心に効く」ということ、まずはそのことをアピールして禅へ導いていくことが、現代、求められているのではないだろうか。私自身、その臨床的結果に大いに勇気付けられたのだから。
なかなか本物がいないですね。偉そうな言い方になりましたね。
そうですか。
フロイドは、精神分析と言う大きな潮流の祖としての功績は大きいと思いますが、すべての心理的事象を性への潜在欲に還元してしまう思想、方法論には無理があるように思いますね・・・。
日本人で初めてフロイドに逢った人が日本に精神分析をもってきたのですが、仏教をビタミン剤として取り入れていますので‥フロイドとは少し違いますよ~。
フロイドも何度か書き直していますので全て性とは結び付けてないかも…。古澤先生を絶賛しています。東洋にこの人ありと‥。