ボンドがダニエル・クレイグに替わってからの第一作。新ボンドはこれまでの洗練された英国スパイから、もろに肉体派の体育会系を全面に出している印象だった。前作までの甘い二枚目ピアース・ブロスナンを見慣れた方には、戸惑いを感じるかもしれない。
映画の冒頭に007になったばかりのボンドが敵を始末するシーンがあるが、殺害方がこれまで見たことがなく荒っぽい。初めてで手際が悪かったにせよ、洗面器を派手に壊して大暴れの果て、顔を水に押し付けての溺殺。
アクションシーンの後は歌が流れるのはこれまで通りだが、以前の作品は女のシルエットが必ず映されていたのに、今回は全て男なのが異色だ。カラフルなポップアート風のシルエットはよかったが、ハードな歌を歌っているのも男。
アフリカでボンドがテロリストを追いつめるシーンは007よりも、ランボーのようだった。一人の男相手に大型車を動かし、長めの追跡シーンが続いて、やっと始末する。この時ボンドが着ていた服がサラリーマンの普段着のようで、まるで洗練されてないのも007らしくない。
しかし、クレイグが裸になってから、その肉体美に圧倒された。敵ならずとも「ワォ、いい体している」。この体でボンド役に抜擢されたのだろうか。背は欧米 人としては平均だが、これまでのボンド俳優でもっとも逞しい体つきかもしれない。この人はスーツを着ても似合わないが、反って裸でいる方が引き立つ。
今回のボンドガールは仏女優エヴァ・グリーン。彼女は十字軍映画「キングダム・オブ・ヘブン」で私も知ったが、いかにも欧州女優らしく女らしさを感じさせられる。前作「ダイ アナザー デイ」のハル・ベリーも美しかったが、いかにも男にあけすけものを言うアメリカ女というタイプだった。
ボンドとのラブシーンはいかにも女を床に押し倒してなのだから、お色気よりも力で迫る体育会系男のノリ。クレイグはベットでお上品にやるよりも、床の方が 合っている。エヴァ・グリーン扮するヴェスパーが修羅場を見て、パニックに陥り、震えているのを何も言わず抱きしめるシーンがよかった。
ボンドとヴェスパーの会話から、ボンドが孤児でオックスフォード大で学んでいたことを匂わせる。確か原作では両親には早死にされたはずだが、有名大で学んだインテリだったろうか?アホでは007を到底務まらないが。ボンド愛用のノートPCがソニーのバイオなのはいい。
今回、ボンドの上司Mの登場場面がこれまでになく多い。いかにもやり手の女性上司なのはいいが、彼女にハズバンドがいたのは驚いた。若い愛人を持つタイプではないから、夫なのだろう。旦那は何をやっている人なのか、想像したくなる。武器開発係のQが登場しなかったのは残念だ。
途中「人体の不思議展」での追跡シーンがあり、ボンドが敵に毒を盛られるのは、ロシア亡命スパイ毒殺疑惑とまさにタイムリーなストーリーだった。ボンド映画がハードボイルド路線になったのも、時代の反映だろうか。
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映画の冒頭に007になったばかりのボンドが敵を始末するシーンがあるが、殺害方がこれまで見たことがなく荒っぽい。初めてで手際が悪かったにせよ、洗面器を派手に壊して大暴れの果て、顔を水に押し付けての溺殺。
アクションシーンの後は歌が流れるのはこれまで通りだが、以前の作品は女のシルエットが必ず映されていたのに、今回は全て男なのが異色だ。カラフルなポップアート風のシルエットはよかったが、ハードな歌を歌っているのも男。
アフリカでボンドがテロリストを追いつめるシーンは007よりも、ランボーのようだった。一人の男相手に大型車を動かし、長めの追跡シーンが続いて、やっと始末する。この時ボンドが着ていた服がサラリーマンの普段着のようで、まるで洗練されてないのも007らしくない。
しかし、クレイグが裸になってから、その肉体美に圧倒された。敵ならずとも「ワォ、いい体している」。この体でボンド役に抜擢されたのだろうか。背は欧米 人としては平均だが、これまでのボンド俳優でもっとも逞しい体つきかもしれない。この人はスーツを着ても似合わないが、反って裸でいる方が引き立つ。
今回のボンドガールは仏女優エヴァ・グリーン。彼女は十字軍映画「キングダム・オブ・ヘブン」で私も知ったが、いかにも欧州女優らしく女らしさを感じさせられる。前作「ダイ アナザー デイ」のハル・ベリーも美しかったが、いかにも男にあけすけものを言うアメリカ女というタイプだった。
ボンドとのラブシーンはいかにも女を床に押し倒してなのだから、お色気よりも力で迫る体育会系男のノリ。クレイグはベットでお上品にやるよりも、床の方が 合っている。エヴァ・グリーン扮するヴェスパーが修羅場を見て、パニックに陥り、震えているのを何も言わず抱きしめるシーンがよかった。
ボンドとヴェスパーの会話から、ボンドが孤児でオックスフォード大で学んでいたことを匂わせる。確か原作では両親には早死にされたはずだが、有名大で学んだインテリだったろうか?アホでは007を到底務まらないが。ボンド愛用のノートPCがソニーのバイオなのはいい。
今回、ボンドの上司Mの登場場面がこれまでになく多い。いかにもやり手の女性上司なのはいいが、彼女にハズバンドがいたのは驚いた。若い愛人を持つタイプではないから、夫なのだろう。旦那は何をやっている人なのか、想像したくなる。武器開発係のQが登場しなかったのは残念だ。
途中「人体の不思議展」での追跡シーンがあり、ボンドが敵に毒を盛られるのは、ロシア亡命スパイ毒殺疑惑とまさにタイムリーなストーリーだった。ボンド映画がハードボイルド路線になったのも、時代の反映だろうか。
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ちょっとコメントが遅くなってしまいました。
Mといえば、ブロスナン時代の作品ではかつて"特別な関係"にあったと思われる男性が実業界の大物になってた、なんて描写もありましたね。
氷のように冷たい"鉄の女"がボンドに高らかに命令を下す…という構図こそジュディ・デンチがMを演じることの最大の面白さだと思っていたので、こういう描写が出てくるのに対しては、正直言うと少し複雑な気持ちだったりします。
>>ボンド映画がハードボイルド路線になったのも、時代の反映だろうか。
昔は大衆がボンド映画に求めるものは秘密兵器や秘密基地がワンサカ出てくるスペクタクル路線、マニアが求めるものはクールなスパイ・スリラー、というように一般ピープルとマニアの間に温度差があったみたいですね。
今じゃ逆に一般ピープルには秘密兵器や秘密基地は「チャチ」とバカにされて、マニアの求めるものと大衆の求めるものが結果的に一致してきているのが、今回の路線変更の原因ではないでしょうか。
この映画も、敵がロシアのスパイじゃなくて一安心。
ポロニウムだったらどうしよう・・・と、
ひらりん、ちょっと心配になりましたよ。
前作のカジノ・ロワイヤルを、ようやく鑑賞しました。でも、、、。お色気マンマン(?)なのはよいにしても、あまりにもお○カ過ぎて、、、。
今回のボンド役ですが、歴代の中では、初代に一番近いかもしれません。でも、何というか、体型はスマートでも、演技や役柄は、スマートさに欠けるように思えます。
確かに、シリアスな007もよいですが、何度も繰り返し見たいかといえば、ビミョウですね。あまりにもSFチックで、現実離れしていたのも確かに問題ですが、今回のボンドのタフさもギャ○に近いような気も。歴代のボンドを見ていると、どうしても比較してしまうのは、ファンの悪い癖でしょうね。
(ただ、マンネリといわれても、安心して見られるボンドの方が、どちらかといえば私は好みです。そういう言い方が、オ○さんなのでしょう。)
(私はボン・キュ・ボンなボンドガールも好きですが、、、。「ユア・アイズ・オンリー」のボンドガールような方も好きですね(汗)。)
1.S・コネリー
2.R・ムーア
3.T・ダルトン
4.P・ブロスナン
5.D・クレイグ
6.その他
私の場合、○番の○○です。
私も個人的にあまりMの私生活を映してほしくなかったですね。謎めいている方が面白いのに。
Mが男性だった頃は、あまり映画に登場しませんでした。やはり女性上司だと描き方が違う。
ボンドシリーズがこれだけ長く続いているのも、時代に合わせて柔軟に路線修正するところも大きいと思います。
前回と違い、格闘後のボンドの顔が傷付き血を流すシーンが増えたのも、リアリティが求められるのもあるでしょう。
>ひらりんさん
ポロニウムにせよ、そのうち何かの映画で使われるネタになるでしょうね。
地下鉄に毒物をまこうとしているようなハリウッドアクションムービーがあったような。
商魂といえばそれまでですが、映画は時代を映すものなので。
前作のカジノ・ロワイヤルはそれを見た友人が駄作とけなしていたので、私は未見ですが、やはりそうだったようですね…
まずD・クレイグは金髪碧眼なので、これまでとイメージが違って見えます。原作でも確かに黒髪のはず。
そして、あの顔立ちはいかつく、悪人面のようにも感じました。S・コネリーはまず悪役は見た事がありませんが、D・クレイグは悪役も合いそうです。映画「ミュンヘン」でもモサド工作員で出ていましたが、やはりタフガイ型。
「ユア・アイズ・オンリー」のボンドガール、キャロル・ブーケは確かモデルもしていたような。
個人的に一番美しいと思ったのは、「ロシアより愛を込めて」のダニエラ・ビアンキですね。ミス・イタリアになったほど。
一応原作を何冊か読んでますが、やはり原作にぴったりという俳優はいません。それでも、初めに見た.S・コネリーの印象が強いです。