トーキング・マイノリティ

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ディアスポラ-離散-

2005-08-28 20:15:54 | 読書/中東史
 ユダヤ人というとローマに国を滅ぼされて世界中に離散(ディアスポラ) したイメージが強いだろう。しかし、実はAD70年のエルサレム陥落よりかなり前から大都市にユダヤ人は自分達のコミュニティを作って住んでいたのを知る人は意外に少ない。つまり、ローマのため世界各地に離散したのではなく、自らの意志で海外移住した者が多かったのだ。ユダヤ人は131年にも反乱を起すが、3年後には五賢帝の一人ハドリアヌスにより徹底的に鎮圧される。これ以降ユダヤ教徒はエルサレムから追放されるが、その他のパレスチナに住んでいたユダヤ教徒は追放対象となってない。反乱を起さなければ、エルサレム以外何処に住んでも構わない、という措置だった。

 エルサレム陥落以前のユダヤ人は地中海の主な都市どこにもいたが、同じくどの都市にも居住していたギリシア系住民とは犬猿の仲だった。商売敵の間柄でもあったが、都市を建設し商船を操るギリシア人は、建設済みの都市にいつの間にか住み着き、航海も出ず、船が運んでくる積み荷を売りさばくだけのユダヤ人によい感情は有してなかったらしい。ギリシア系だけでなくローマ帝国の他民族も、宗教上の理由で公職や兵役でも義務を果たさず、そのくせ経済面の権利だけは要求するユダヤを耐え難い存在と見なしていた。

  一方、ユダヤ側ではこう考えていた。
 「ユダヤ人と同じ律法に従って生活しようと望む他民族は歓迎するが、律法も共有せずに生活の便だけを共有するつもりでいる他民族が入って来ようものなら、拒絶するのが正しいと律法にも記されている」(ヨセフス)

 他民族は受け入れず、共同体の義務も果たさず生活の便だけを共有していたのがユダヤ人だが、それを当然と思うのが選民思想ゆえだろう。

  ブリタニア(現イギリス)原住民の反乱では、むしろローマの非道な行為を非難しているタキトゥスも、ユダヤには辛辣な評価を下している。他の神を一切認めないユダヤ教は宗教ではなく迷信に過ぎない、とまで一刀両断。さらにこのような叙述もある。
 「ユダヤ教徒は自分たちと同じ生き方をしない他者全てに対して、表面には現れない時でも、常に激しい憎悪をいだいている
参考:『ローマ人の物語Ⅷ-危機と克服』塩野七生 著より

 現代に至るまでユダヤ人は常に己の被害者の歴史を喧伝するが、他民族との協調はなおざりな性癖は変わらない。

 さて、最近在日朝鮮人の間で、朝鮮半島から日本、中国、旧ソ連の中央アジア諸国ばかりか、アメリカ、ブラジルに離散した同胞をユダヤのディアスポラになぞらえる動きがあるらしい。日本がそれに深く関っていると、何時もながらの反日キャンペーンと“謝罪と補償”目的の贖罪洗脳の一環だろうが、全く的外れなのは言うまでもない。中央アジア諸国への離散は一切の責任はソ連にあり、スターリンが執行したものである。クリミア・タタール人やチェチェン人の強制移住の悲劇に比べれば、朝鮮人など物の数に入らない。日本はもちろん南北アメリカは“生活の便だけを共有するつもりで”移住してきたのだ。

 ユダヤ人のホロコーストは今やあこぎなビジネスと化しているらしい。ホロコースト産業と呼ばれ、それを暴いた本も出ている。
 http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_hb/a6fhb811.html
 まさに日本にそっくりな輩がいるではないか!ユダヤ人から大いに見習ったのかもしれない。


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7 コメント

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Unknown (hide)
2005-08-28 22:09:51
はじめまして・・・・

確かに、アメリカは狡猾です。

ただ、中国につくかアメリカ化といわれた場合、私はアメリカを取ります。

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コメント、ありがとうございます (mugi)
2005-08-29 21:23:23
こんばんは、hideさん。

もちろん私も同じ属国なら中国よりアメリカの方を取ります。

メキシコならまだましでも、チベットのようにはなりたくない。
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ヨセフス (ジョージ小川)
2006-01-22 07:58:08
TB有難うございました
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恐喝のネタ (ハハサウルス)
2006-02-05 14:33:05
こんにちは、TB有難うございました。



お金を巻き上げようと企む人間にとっては、何でも「恐喝のネタ」になるのですね。こじつけも百遍言えば本当らしくなりますし…。よそ様の不幸をネタに恐喝し巻き上げたお金は自分の懐に、とはよくも恥ずかしくないもんです。国家レベルですれば怖くないんでしょうか。



自ら望んで移住してきても、それがお金になると知った途端、「強制連行」を叫ぶ人たちに、「人としての尊厳」を求める方が無理なのでしょうか。
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英雄行為 (mugi)
2006-02-05 14:57:48
こんにちは、ハハサウルスさん。



何でも恐喝のネタにする輩には、恥という感性はハナからないのでは?

ジョージ小川さんのブログ「武蔵野航海記」でも、ユダヤと中国の類似点を指摘してましたが、確かにユダヤの選民思想と儒教の中華思想は似てますね。徹底した他民族蔑視なら、見下しきってる民族からいくら搾取しても罪となりませんから。

朝鮮、中国共に日本に対する犯罪は賞賛されるものであり、英雄行為とされるでしょう。
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TBを有難う御座いました (二人のピアニスト)
2006-08-10 21:35:58
TBを戴き、有難う御座いました。

mugi様の記事からは、いろいろと、知らなかった事、見逃していた事、などを教えられることが多いと、昨日も、仲間(佐久間、変人キャズ、R2、Y)、と話してきた処でした。

今後もずっと拝見させて頂きますので、宜しくお願い致します。
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コメントを有難う御座います (mugi)
2006-08-11 21:29:57
二人のピアニスト様

私のような若輩者のブログを、ご覧になられた上に、お仲間との話題の種になるとは、光栄の至りです。

こちらの方こそ、今後とも宜しくお願い致します。
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