同氏の個展も、もう何回展になるでしょうか。
様々な施設で会場で開いておられ多くのフアンを喜ばせて
おられます。確かにその淡彩の彩色は見事で、しっかりした
デッサン力で、透明水彩の特長を十分に駆使した、ぼかし、
にじみ、たらしこみ等の技法が誠にあざやかで、見る人に
何とも清涼感、安定感そして生きている喜びを改めて感じ
させて呉れるようです。
絵とは、人がきれいなものを見た時のあの快感、感動といった
そんなものを表現するものという事を改めて感じさせます。
正直、私はこうした現代の画風の風潮(淡彩画の全盛)
の真逆なところ、つまり暗く、深く,濃くあるいは重厚または
思索的で、技法でいうと塗り重ね、明暗のはっきりした作品が
好みで、そうした作品を目指しておりますが、この同氏の作品を
見るたびに、絵の一種の呪縛から解放されたような、安らぎとか
開放感を覚えるのです。