井上もやしの日常

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東宝特撮映画DVDコレクション第58号「ハウス」

2011-12-08 23:02:25 | Weblog
 デアゴスティーニの東宝特撮映画を結局買い続けています。DVD-BOX「空想科学箱(「地球防衛軍」等計4作品収録)」と釈由美子主演の「ゴジラ×メカゴジラ」は既に持っていたので、定期購読予約はせず、前述のものを除いて書店でせっせと買い続けています。当初は全55巻の予定でしたが、この手のシリーズとしては珍しく65巻まで延長されることになりました。

 今週火曜に購入したのが、大林宣彦監督の「ハウス」です。私は今回初めてこの作品を見ました。この映画が公開当時、私は高校生でした。この頃は日本映画が全くもって低調な時期で、パニックものやオカルトもの、SFものの洋画人気に完全に食われ、悲惨な状況でした。我が道を行って妥協しないATG映画、アイドル人気に安易に乗っかったとしか思えない木之内みどり主演の「野球狂の詩」、子どもの学芸会みたいな「花の応援団」、派手な宣伝だけの角川映画、「スター・ウォーズ」公開までの時差に突っ込んできたパクリ満載「宇宙からのメッセージ」、なぜか原田美枝子が必然性もなく立派なおっぱいを出す東宝青春ものなどなど、見れば見るほど私は失望していきました。そのため、ニッポン放送などと一緒に人気を煽っていたこの作品も最初から相手にせず、黙殺していました。

 作品を見ると…。東宝特撮映画シリーズはゴジラのような怪獣ものや「電送人間」「マタンゴ」などのSFものがほとんどなので、この「ハウス」は異色の内容です。簡単に言えば、アイドル・ブラック・コメディーです。池上季実子、大場久美子、神保美喜、松原愛など、私と同年代のアイドルたちが夏の旅行にやってきて、古い屋敷に食われてしまう話です。ストーリー的には非常に単純ですが、大林監督がそれまでに培った映像技術をふんだんに使って見ている者の度肝を抜きます(いい意味でも悪い意味でも)。スロー・モーション、ワイプ、二重露出、光学的合成、アニメ的な挿入など、8mmや16mmフィルムで映像作品を作ってきた偉大なるアマチュア監督の本領発揮です。少女達が死の世界に誘われるところで監督お得意の映画トリックが出ますが、その場に合っているかどうかは観客の評価が分かれるところでしょう。「実験映画」と言っていい出来です。首が切られたり、ピアノに食われたり、血の池に浮いたり、柱時計に組み込まれたりと、非常にシュールな世界です。よくこんなのを公開したなというのが実感です。

 また、少女達が下着姿に近い格好になったり、乳房やお尻を出したりしているのは、やはり時代なのでしょう。女優が「映画」に出たら裸を見せなければならないという風潮が当時残っていました。池上季実子も入浴シーン等があるし、松原愛に至っては裸で血の池を泳いでいます! 大場久美子が一番露出度が低いです。私のイメージとしても家に食われる7人の少女の中で、大場久美子が一番人気だったので脱がせなかったのかなと思います。池上季実子は東京12チャンネルの「愛と誠」で人気者になったというのですが、その頃、福島県には民間放送テレビジョンが2局しかなく、12チャンネルの番組はほとんど流れないのでその人気はよく分かりませんでした。(余談ですが、土曜昼のNET「独占!女の60分」は流れていたから、番組のアタッカー・松原愛の姿はよく見ていましたよ。)

 あ、それから、南田洋子の素敵な伯母様姿にもびっくりでした。痴呆症になったとか、亡くなったとかのニュースが印象的だったので、この映画の怪しい色っぽさを漂わせる南田洋子に座布団3枚です!


  ☆ 総合得点  66点

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2 コメント

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詳しい分析ありがとうございます (松原愛)
2012-03-17 22:41:22
「独占!女の60分」をご覧いただき、また私の出演していた
「ハウス」もご覧頂き、ありがとうございます。

また、歌で復帰しました~
「ふたりの時計」という曲で、PVは大林宣彦監督に作って頂きました。
特撮はブルーバックくらいでしょうか~(笑)
聞いてみて下さいね
松原愛ちゃん?! (井上もやし)
2012-03-21 01:15:54
 松原愛さん、コメントありがとうございました。ご本人登場で驚いています。
(^o^)

 私にとっては、「独占!女の60分」での元気はつらつなアタッカーさんの印象が強いです。ターキーさんの紹介を受けて、元気いっぱいに話し始める愛ちゃんの姿は今でも目に浮かびます。私が高校生の時から就職する頃までの結構長い間出演されていました。

 映画「ハウス」も息が長いですね。米国アマゾンをでも、ブルーレイやDVDが販売されています。「ガリ」はどう翻訳されているか分からないですが。

「ふたりの時計」聞きました。愛ちゃんの歌唱力健在です。さすが「あいとまこと」だけあります。私も「秒針」となって、愛ちゃんを見守っていきます!

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